宿泊棟に着いた理奈。  
少し服が着崩れており、周りに2,3人いる男子はその胸に見入る。  
 
「・・・ただいま、翔・・・」  
「ん、ああ、理奈か。」  
 
ラウンジで新聞のスポーツ欄を眺める土生。  
理奈の暗い表情を見て、昼間の反省でもしたのかと勘違いする。  
 
「どうした、元気ないな。俺の一言が染み渡ったみたいだな。」  
「・・・っ、その逆っ!」  
「ん?どういうこった?」  
「う・・・ふぇ・・・」  
 
突然涙を流し始める。  
土生も服が着崩れている事に気付き、まさか強姦にでもあったのかと感づいた。  
 
「ど、どうしたんだ?  
 ・・・と、とりあえず、こっちに来い。」  
 
思わず理奈を引っ張って外に出て、、人目のつかないところまで連れて行った。  
 
 
 
 
 
「・・・まぁ、ありえないことじゃないな。」  
「もう少し驚くと思ったけど。て言うか、翔なら『そんな事に現をぬかすな!』とか言いそう。」  
「少なくとも、理奈を手篭めにしている俺がそんなこと言う権利はない。  
 避妊さえしてくれれば何も言わないよ。」  
 
とりあえず、全部話したようだ。  
当然だが、他言無用なのは分かっているだろう。  
 
「・・・女の子ってね。  
 あんまりエッチがご無沙汰になると、悲しくなっちゃうんだ。」  
「・・・そうか。  
 てっきり野球しに来た事忘れたんじゃないかって思ったけど、そういうのは別次元の問題か。」  
「えへへ。分かってくれて、嬉しいな。」  
 
体の疼きは、我慢しようと思って我慢できることじゃない。  
他の趣味に現をぬかすのとはわけが違う。  
 
「・・・ったく、わーったよ。  
 その愛の芝生とやらに、付きあってやるよ。」  
「ホントッ!?」  
「けど、毎日はだめだ。」  
「えーっ!?」  
「・・・あのなぁ、男の子って、あんまりエッチをしすぎると、バテて何もできなくなっちまうんだよ。」  
 
先ほどの言い回しを強奪された。  
けど、我慢できる部分は我慢しないといけない。  
 
「・・・うん、わかった。じゃぁ、行こう?」  
 
カップルがまた一組、愛の芝生に向けて闇に消えていった。  
 
 
 
「国吉?」  
「あぁ、期待の4年生だってよ。」  
「藤井ってのはエースじゃなかったのか。」  
 
今日登板するのは、一昨日の6年生エース藤井ではなく、国吉というピッチャーだと言う。  
 
「さやか、どんなピッチャーか知ってるのか?」  
「うん、球がすごく速いんだ。カーブもすごくって。」  
 
聞く限りでは本格派のピッチャーの模様。  
 
 
「あれ、石井の奴、あっちのチームにいるぜ。」  
「おーい、メンバー表見たけど、あいつ1番だってよ!」  
「はぁ!?」  
 
大洋の面々は驚きを隠さないが、尾花監督は決まって無反応を装う。  
すでに石井はここから出て行った負け組、意識をするほうが馬鹿馬鹿しい。  
 
 
 
 
今回は光陵の先攻。  
いきなりトップバッターのさやかが出陣する。  
 
「いけー、さやかー!」  
 
その頃、土生は理奈とのキャッチボール。  
ファールゾーンからさやかの様子を眺める。  
 
「1球目は見逃しか・・・それにしても速いな、あの投手。」  
「ユキちゃん並みじゃない?」  
 
2球目はカーブに手が出ない。早くも追い込まれる。  
3球目はインコースに外してきたが、次の球で仕留めに来るだろう。  
 
(やっぱり国吉くんはすごい・・・でも・・・)  
(外角の直球で仕留める!)  
 
4球目、内角を見せた後の外角直球。  
 
(来たッ!)  
 
鋭いスイングで、弾き返す。  
三遊間を破る見事な流し打ち。  
 
「やった・・・やったあっ!」  
「いいぞさやか!」  
 
一方の尾花監督は思わず舌打ち。  
一番やられたくない打者に見事にヒットを打たれては、当然だろう。  
 
そして、その俊足で色んな仕掛けをしてくる2番、橡浦。  
その、1球目。  
 
(走った!?)  
 
大洋バッテリーだけでなく橡浦も不意を付かれたが、あわててバットを振り、盗塁を援護。  
さやかの足は速くないが、  
 
「セーフッ!」  
「なんだとっ!?」  
 
国吉のモーションを完全に盗んでいた。  
スタートが素晴らしく、迷いが一切ない。リードオフマンの条件をしっかりと満たしている。  
 
 
「すごいよね、翔!」  
「あぁ、流石にここで盗塁とはな。これで橡浦もやりやすくなったろ。  
 ・・・それよりさ。」  
「ん?」  
 
理奈を手招きし、近くに呼び寄せる。  
そして、目線をグラウンドとは反対の方へ向ける。  
 
「・・・フェンス越しに俺たちを見ているのって、誰だ?」  
 
小柄な少年が一人、フェンスでこちらをみている。  
敢えて「こちら」と表現したのは、試合を見ているような目線には見えないからだ。  
 
「・・・誰だろ?」  
「少なくともお前を見てるのは間違いないぜ、理奈。」  
「そ、そうなの?」  
 
試しに体をそっちに向けて、手を振ってみる。  
すると、緊張した面持ちでおじきをして、すぐに立ち去って行った。  
 
「なんだろ?」  
「・・・さぁな、おっと。」  
 
橡浦が空振り三振を喫する。  
この国吉を打ちくずすのはそう容易な事ではなさそうだ。  
 
「ファール!」  
「ファール!」  
「フォアボー!」  
 
ユキは粘ってフォアボール。  
結果を残すあたりは流石だが、本人は非常に悔しそうである。  
 
(・・・芯で捉えたはずなのに・・・)  
 
それほど国吉の直球はいい。  
スライダー、カーブの精度も高く、なかなか的を絞れないのだ。  
 
「ストラックアウッ!」  
「だーっ!」  
 
山下は三振、やはり4番に置くにしては少々頼りないのが現状。  
 
「・・・まぁ、あのピッチャーからランナー2人置いただけでも上等だ。  
 いきなり初回に打席が回るとはな・・・」  
「翔、がんばってねっ!」  
 
キャッチャーミットを外し、バットを握る。  
どうやら、初回は打席が回らないと思っていたらしい。  
 
 
「ストライーク!」  
 
(初球からカーブか・・・ったく、厄介なリードしやがる。)  
 
ストレートの印象が強い状況でカーブを投げられては手が出ない。  
2球目はその直球が来た。  
 
「ストライーク!」  
「は、土生さんが空振り!?」  
 
ストレートに絞ってもバットに当たらない。  
浮き上がるかのような球は、バットを嘲笑うようにも見える。  
 
「ファール!」  
 
スライダーをアウトコースギリギリに突いて来る。  
何とか粘るが、まともなスイングになっていない。  
 
(ったく、初戦敗退のチームにこんないい投手が・・・)  
 
だが、キャプテンとしての意地がある。  
さやかが作ってくれたチャンスで、そう簡単にやられるわけには行かない。  
 
「おらあっ!」  
(よし、コースいっぱい、討ち取った!)  
 
アウトコースを見せられての、インローギリギリストレート。  
普通は手が出ないか、空振り。  
 
・・・だが、土生の真骨頂は、内角打ちにある。  
 
 
「打ったー!」  
 
ドンピシャで叩き、ライト前。  
ライン際だったため捕球に時間がかかり森本の強肩でもさやかは刺せずにホームイン。  
 
「やったー!さすが土生さん!」  
「ナイスラン、さやか!」  
 
仲間が打てない球を打って、決めるのが4番の仕事。  
オーダーでは5番だが、彼のヒットはまさに4番の一振りだった。  
 
「うわあっ!」  
 
理奈の快速球がうなりを上げる。  
大洋打線は前回と特に変化は無く、気合を入れても空回り。  
筒香のヒット1本に抑える。  
 
さやかは2度の守備機会があるも、無難に捌く。  
守備範囲こそ狭いが、捕球と送球の安定感は山下のそれよりも大きく上回る。  
 
しかし、国吉も2回以降は三塁を踏ませない粘りのピッチング。  
1点を争う投手戦の攻防は最終回に持ち込まれる。  
 
 
「ツーアウトか・・・」  
「よーし、ここで一発!」  
 
打席に立つのは理奈。公式戦、練習試合、全て含めて通算安打0本。  
スイングしたバットがボールに当たった事すら1度もない。  
 
「さ、最終回の守備に入るぞー。」  
「はーい。」  
「ちょっとぉ、それ酷くない!?」  
 
別に酷くないよ、と言う表情が丸分かりなのは、他でもない土生本人。  
 
「適当にバッターボックスの外に突っ立っとけ。  
 変に体力消耗しても困る。」  
「いーっ!絶対ヒット打つんだから!」  
「さやかー、そこにいなくていいから、守備練習をしろー。」  
 
次の打者、さやかはバッターサークルに座っているが、呼び戻される始末。  
流石にそれはまずいのでさやかは動かないが。  
 
「ストライーク!」  
「ストライーク!」  
 
簡単に2アウト。  
振っても当たらないとなれば、エラーにも期待できない。そして、  
 
「ストライーク!」  
 
最後はワンバウンドのボールを豪快に振って三振。  
しかしワンバウンドなので振り逃げすることはできる。  
 
(絶対にセーフになるんだから!)  
 
絶対にアウトになる打球にもかかわらず全力疾走。  
しかし、理奈が駆け出したその足が、たまたまキャッチャーが溢したボールに当たる。  
 
「あ」  
 
それに気づかない理奈は全力疾走。  
一本間の間をボールが転々とし、なんとセーフ。  
 
「うわあっ!」  
 
理奈の快速球がうなりを上げる。  
大洋打線は前回と特に変化は無く、気合を入れても空回り。  
筒香のヒット1本に抑える。  
 
さやかは2度の守備機会があるも、無難に捌く。  
守備範囲こそ狭いが、捕球と送球の安定感は山下のそれよりも大きく上回る。  
 
しかし、国吉も2回以降は三塁を踏ませない粘りのピッチング。  
1点を争う投手戦の攻防は最終回に持ち込まれる。  
 
 
「ツーアウトか・・・」  
「よーし、ここで一発!」  
 
打席に立つのは理奈。公式戦、練習試合、全て含めて通算安打0本。  
スイングしたバットがボールに当たった事すら1度もない。  
 
「さ、最終回の守備に入るぞー。」  
「はーい。」  
「ちょっとぉ、それ酷くない!?」  
 
別に酷くないよ、と言う表情が丸分かりなのは、他でもない土生本人。  
 
「適当にバッターボックスの外に突っ立っとけ。  
 変に体力消耗しても困る。」  
「いーっ!絶対ヒット打つんだから!」  
「さやかー、そこにいなくていいから、守備練習をしろー。」  
 
次の打者、さやかはバッターサークルに座っているが、呼び戻される始末。  
流石にそれはまずいのでさやかは動かないが。  
 
「ストライーク!」  
「ストライーク!」  
 
簡単に2アウト。  
振っても当たらないとなれば、エラーにも期待できない。そして、  
 
「ストライーク!」  
 
最後はワンバウンドのボールを豪快に振って三振。  
しかしワンバウンドなので振り逃げすることはできる。  
 
(絶対にセーフになるんだから!)  
 
絶対にアウトになる打球にもかかわらず全力疾走。  
しかし、理奈が駆け出したその足が、たまたまキャッチャーが溢したボールに当たる。  
 
「あ」  
 
それに気づかない理奈は全力疾走。  
一本間の間をボールが転々とし、なんとセーフ。  
 
「セーフ!」  
「え・・・キャー、キャー、やったー!」  
 
春大会の無安打無得点試合より喜んでいるかのような、人生初出塁。  
ユニフォームからでもその大きさが丸分かりのJカップがバユンと揺れる。  
ファーストの中村は、・・・いや、大洋内野陣は目のやり場に困っていた。  
 
「・・・マジ?」  
「有り得ん。これは夢だ。あいつは理奈じゃない、理奈の皮をかぶった変態だ。」  
「・・・土生さん、流石にそれは言いすぎじゃないですか?」  
 
そのやり取りはファーストの理奈には届かない。  
 
 
理奈は足はそこそこ速いが、出塁をしない前提で練習をしていた。故に走塁練習をしたことは無い。  
ファーストベース上から見る景色は、富士山の山頂にも勝る、優越感に浸れる風景だった。  
 
「ふふふ・・・ああもう、いろいろしたーい!」  
 
せっかくの出塁。色んな事をしたくなる。  
もちろん、理奈が狙うのは盗塁。  
 
「・・・あ、あいつ、リードでかくないか!?」  
「いいよいいよ、アウトになったって。」  
 
なんとファーストベースから7歩も離れている。  
 
「ヘイヘイ、ピッチピッチー!リーリー!」  
(・・・う、うぜぇ、あのデカチチ・・・)  
「リーリー!リーリー!」  
 
やりすぎな挑発行為。  
怒りのあまり牽制球を送る。  
 
「おっとぉ!」  
(あ、あの馬鹿・・・!)  
 
頭から戻って、ぎりぎりセーフ。  
しかし、ヘッドスライディングは怪我の確率を高める。  
土生にとっては、その行為は走塁意識の高さに感心する行為ではなく、迷惑極まりない呆れた行為に他ならない。  
 
だが、こうなった以上理奈も聞かないだろう。さやかに、「初球エンドラン」のサイン。  
有頂天の理奈はサインなど見ていない。普段走者にならないから、サインが出ると言う事実も忘れていた。  
 
つまり、エンドランのサイン=なんとかバットに当てて、1球で終わらせろ、と言う事。  
走者・理奈の存在を1秒でも早く消したいという思いで一杯なのである。  
 
 
(ああ、このランナーうぜぇ!とっとと討ち取るぜ!)  
 
盗塁されても刺せるよう、早いクイックでのストレート。  
・・・だが、中途半端な威力のストレートが、高めに。  
 
(来たッ!)  
 
 
 
試合は2−0で光陵の勝ち。  
6回にさやかがタイムリーツーベースを放ち、生還した理奈が貴重な2点目のホームを踏んだ。  
 
「カンパーイ!」  
 
今日はそんなさやかの為に、ケーキが振舞われる。  
金を払えば、ケーキを作ってくれるのもここの食堂が人気の理由である。  
 
「さやか、すごいなお前!  
 あのまま1−0で終わると思ってたのによ!」  
「えへへ・・・おにいちゃん、どうだった?」  
「おぅ、よく頑張った。これで安心して兄ちゃんは帰れるよ。」  
 
タクローは明日の始発で自宅に戻ると言う。  
だが、その自宅は東小の近くなので、今後も会う事はできるだろう。  
もっとも、さやかは東小ではなく、市街地にあるエスカレーター式の小学校に通うお嬢様だったりする。  
 
「土生君、これからもさやかの事を頼むよ。」  
「ええ。」  
「大丈夫だよおにいちゃん、チカちゃんと一緒だから!」  
 
誰だ、チカちゃんって?  
そんな疑問符を浮かべる全員の視線から、山下は表情をそらしていた。  
 
(これで、一番サードは確定か。  
 あとは貧弱な下位打線をどうするか。せめて6番にもポイントゲッターを置きたいが・・・)  
 
枠はセカンドとレフト。セカンドは打力を求めるのは少々難しいポジションなのでここは守備重視。  
ライトとセンターは鉄壁の布陣、となると打てる外野手を探すことになる。  
 
 
ここは乙女達が青春に身も心も捧げる場所。  
ソフトボールを愛し、チームメイトを愛する、奇跡の花園、チームリリアム。  
 
「そういえば、光陵は先日から合宿でしたわね。」  
「そうなの、理奈も、ここぞとばかりに猛アタックし掛けてくるんじゃないかなって!」  
「・・・けど、他のリトルも集まる場所で、そんなこと出来やしないんじゃない?」  
 
今日はどんな情事で愛を深め合おうかと考えている石引や大泉、そして神楽坂。  
シャワールームにいる彼女達の元に、ちょっとした情報が入った。  
 
「キャプテン!なんか、入団希望者がいるんですが・・・」  
「そうなの?リリアムは全国トップの実力リトル。入団テストを行うから、待ってるようにいいなさい。」  
「はい、分かりました。」  
 
どんな可愛い女の子か、どんな風に開発しようかと和気藹々にはなしている3人。  
 
光陵がさやかの入団を祝っていた頃、リリアム史上前代未聞の珍現象が幕を開けていた。  
 
 
 
 
 
今日から再び土生は付近のリトルの偵察。  
打てる外野手と守れる二塁手を徹底的にリサーチする。  
 
故に、土生以外の12名がグラウンドで身体を動かしている。  
投手の理奈とユキ、故障を抱える緒方は別メニューで、室内ブルペンへと入っていた。  
 
「ナイボー!」  
 
ユキの声が室内に鳴り響く。  
有事の際の第二キャッチャーをどうするかも懸案事項だったが、なんでもこなせる彼女が全て解決してくれる。  
おそらく、この少女が9人いれば全国制覇も夢ではないだろう。  
 
「ずいぶん馴れたね。」  
「そんな事無いですよ。やっぱり左手が痛いです。」  
 
そんな2人のやり取りを無視するがごとく、ただじっと打席で構えているのが緒方。  
速球に目を馴らすのが目的のようだが、構えるだけで一切じっとして動かない。  
むやみに身体を動かしても選手生命を縮めるだけだが、バッテリー間の会話にも意に介さないのはさすが緒方と言ったところか。  
 
「さやかちゃんも早速溶け込んでるね。」  
「さやかちゃんが出て、橡浦君が送って、あたしが返す。また1つやりがいが増えました。」  
 
時々ブルペンから見えるグラウンドの様子をよそ見。  
そんな状況でも、緒方は常にマウンドを見つめ、構えを解く事はない。  
 
「んじゃ、もう1球!」  
 
ど真ん中に投げ込まれる。  
とはいえ、緒方は振ることは無いのでミットに収まるが。  
 
「・・・コース、甘いよ。」  
「あ・・・はい。」  
 
ようやく口を開いて、発したのはこの一言。  
手抜きの練習をすることは彼女にとっては許せなかった。  
 
・・・そして同時に、急造キャッチャーに対して、別の文句がかかってきた。  
 
「相変わらずキャッチング甘いねー、土生。」  
「・・・その声、って!」  
「あれ?キャッチャーは・・・瑞原ちゃん?」  
 
出入り口のドアが開いている。  
その先に立っていたのは、リリアム不動の正捕手、そして理奈の元相棒。  
 
「優子!」  
「久しぶり。この前試合でバッテリー組んで以来じゃない?」  
 
巨神との決戦の少し前、リリアムとのエキシビジョンマッチが行われた。  
その際理奈と優子がバッテリーを組んだが、試合は4−4の同点で引き分け。  
 
終始リリアムが主導権を握ったが、土壇場で土生が走者一掃の3点タイムリーを放ち、引き分けた。  
 
「そういえばそうだったね。」  
「このブルペン、いいね。みんな女の子だもん。」  
「ねぇねぇ、せっかく来たんだもん、受けてくれない?」  
「いいの?やるやる!」  
 
かつてのバッテリーの復活に胸躍らせる2人。  
だが、それに水をさしたのが、もう1人来ていた優子の相棒。  
 
「今日は遊びに来たんじゃないでしょ、優子。」  
「あ、久美ちゃん!」  
 
いつの間にか、出入り口のドアに姿を現していた。  
その表情はどこと無く、疲れを見せているようにも見える。  
 
「久しぶり。・・・早速だけど、本題に入っていい?」  
 
緒方がようやく構えを解く。  
どうやらしばらくは理奈は投げそうに無い、それに感づいたようだ。  
 
 
 
「リリアムの入団希望者?」  
「うん。」  
「入れてあげればいいじゃない!・・・それとも、そんなに実力が無いの?」  
「ううん、実力は十分。・・・ねぇ、今土生に連絡取れない?」  
 
リリアムに関する相談事をなぜここに持ってくるのか、意味が分からない。  
とはいえ、優子たちの頼みを無碍に断る事もできず、携帯で土生を呼び出した。  
 
「もうすぐ来るって。」  
「・・・それにしても、土生は何をしているの?」  
「戦力補強。他球団からの引き抜きだって。」  
「・・・意外ね、土生がそんな手段に打って出るなんて。  
 確かに今の戦力には不安が残るけど、だからってかつてやられた手段をとるんだね・・・」  
「そんな目、しないで。  
 翔を侮辱するんなら、出てって欲しいな。」  
 
優しい口調で、そして悲しそうに優子に訴える。  
理奈だってそんな土生の姿は見てて心苦しい。ずっと一緒にいるメンバーの一部をベンチに追いやろうとする姿は、見てて悲しい。  
 
けれど、それで土生の心が満ちるのなら、黙ってそれについていきたい。  
 
「・・・まぁいいか。話を続けるんだけど・・・」  
 
 
 
「どうかな、ボクのバッティング。」  
 
久美のツーシームを打ち返す。  
打球の飛距離はいまひとつだが、鋭いライナーを次々に飛ばす。  
 
「すごいすごい!ねぇ、どこかでやってたの?ポジションはどこ?」  
「・・・ボク、外野しかやったことが無いんですが・・・」  
 
外野には三姉妹がいるが、少なくとも今の打撃内容は3人を上回る。  
 
「うん、いいよ!  
 顔も可愛いし、うちにぴったりの選手じゃない?」  
「そうね、いいわ、あなたは合格。お名前を教えてくれるかな?」  
「・・・そ、その、恵、です。」  
「めぐみちゃんね。よろしく!」  
 
ずいぶんシャイな性格のようだが、合格のほうを聞いて瞳には明るさが浮き上がっていた。  
胸は無いが可愛らしさ満載の女の子、さっそく3人が誘いをかける。  
 
「ねぇ、・・・女の子の体に、興味、ある?」  
「え、えっ?」  
 
このリトルがレズビアンの集まりと言う事を知らなかったようである。  
恥ずかしそうに首を縦に振ると、シャワールームへと手を引いていく。  
 
「は、恥ずかしいです・・・」  
「・・・うふふ、恥ずかしがりやさんね。」  
 
恵は下半身をタオルで巻いてシャワールームに登場。  
男のような格好だが、胸はつるぺたなので上半身を晒すのは恥ずかしくはないのだろう。  
 
とはいえ、やっぱり恥ずかしい。  
上級生の命令でしぶしぶが半分、性への興味がもう半分の状態。  
 
「じゃぁ、私達3人の中から、好きなおっぱいを選んでね?」  
「あたしの?それとも沙織?優子?」  
 
新入部員への恒例の『もてなし』である。  
気に入った部員がシャワールームへ新人を誘い入れる、リリアムの(悪しき)習慣である。  
 
「や、やっぱり、だめ・・・」  
「何がだめなの?リリアムはね、気に入った子とエッチをするのが日課なの。  
 一緒に気持ちイイコトしましょ?」  
 
リリアムの掟、これが後押しになった。  
 
「・・・。」  
 
指をさしたのは、Hカップの爆乳を擁する優子だった。  
 
「やったぁ、じゃぁ、せっかくだからお風呂に入ろ?  
 そこで2人で、心行くまで楽しもうね!」  
「・・・は、はい・・・」  
「ごめん2人とも、少しの間2人にさせてね?」  
 
やれやれと、ちょっぴり残念な表情をしながら2人は出て行った。  
これで2人っきりだね、と微笑みかけると、また下を向く恵。  
 
早速浴槽につかる2人。  
おもむろにおっぱいに手を乗せ、円を描くようにさする。  
 
「んっ・・・ふふ、エッチは初めて?」  
「は、い・・・女の子とこんなことするの、初めてです・・・」  
「そっかぁ。じゃぁ、今度からはたくさんしてあげるからね?」  
 
さする手を止めると、今度は乳首を口に含む。  
ざらついた舌の感触が乳首に溶け込むたびに、優子の吐息が上がる。  
 
「はぁ・・・んっ・・・」  
「・・・お、お姉さん・・・」  
「ん、なあに、めぐみちゃん?」  
 
上目遣いの可愛らしい姿に、すっかり姉妹のような感覚を覚えてしまった。  
何だって叶えてあげるよ、そんな表情を浮かべると、恵は安心したように口を開く。  
 
「・・・セックス・・・したいです・・・」  
「!  
 ・・・いいよ、じゃぁ入団祝いに、してあげる。  
 ペニバン持ってくるから、待っててね?」  
 
すでに初体験を終えている優子にとっては、気に入った女の子とつながる事にさほど抵抗感は無かった。  
しかし、浴槽から上がろうとする優子の腕を、ひしとつかむ。  
 
「ど、どうしたの?ペニバン無かったらできないよ?」  
「・・・そんなの、要らないです。」  
 
浴槽の中で踊る、下半身を覆うタオルの中に手を入れる。  
そのまま、優子に正面から擦り寄った。  
 
(・・・えっ、なに、かたいモノが当たってる?)  
 
クリトリスにしては明らかに大きい。  
固い棒状の先端が当たるような感触。  
 
・・・そういえば、つるぺたで下半身はタオル。  
女の子だと言う証拠を、何1つ見ていないことに気づいた。  
 
「・・・行きますね。」  
「え、ちょ、ちょっと」  
 
気づいたときにはもう、彼のペニスは優子の膣口を捉えていた。  
 
 
 
「よーするに、オカマだったと?」  
「・・・男の娘って、呼んであげてね・・・  
 まぁ、確認しなかったあたしも悪いんだけど・・・確かに、女の子だって嘘はついてないからね・・・」  
 
彼の名前は恵孝和。メグミは名字だった。  
本物のセックスとしては「初めて」を奪われたが、その女の子にもまさる顔立ちが、男嫌いの優子を怒らせなかった。  
抱くつもりが抱かれてしまい、その感覚にはとりこになったものの、リリアムに男子を入れるわけにはいかない。  
 
バレたら大変な事になるので、久美と沙織だけには本当のことを話し、口外無用としている。  
彼のロリフェイスと、それに似合わぬ巨大なペニスをまた味わうには、彼を断頭台に置くわけにはいかないのだ。  
 
「・・・まさか、さ。相談って・・・」  
「実力は保障するよ。  
 あれだけのものがあれば、野球にだって適応できるって!」  
 
どれだけ実力があろうと、美貌があろうと、男子は決してリリアムの敷居をまたぐ事は許されない。  
それを伝えると、恵は大泣きしてしまった。その泣き顔にまたグッと来る。  
何とか関係を保ちつつ、彼の希望をかなえる為に思いついたのが理奈のいる光陵だった。  
 
「・・・まぁ、翔がいいっていうのなら、反対はしないけど・・・」  
「じゃぁ、早速呼んじゃおうか。メグちゃーん!」  
 
うつむきながらドアから入ってくる少年。  
とはいえ、とてもではないが少年には見えない。  
 
「こ、・・・にちは」  
 
初期のユキ以上に内気なのがよく分かる。  
どう見ても少女なので接することに抵抗感は無いが、打ち解けるにはやや時間がかかりそうだ。  
 
「ボク・・・恵孝和です。」  
「あ、野村理奈です。よろしく・・・」  
「・・・。」  
 
ユキは口を開く事もままならない。  
一方、緒方は最初から口をさしはさむ気は全くなさそうだが。  
 
「ここは野球のチームだけど、ソフトじゃないけど、いい?」  
「・・・は、はい。元々野球、やりたかったので・・・」  
 
後は土生の許可が下りるかどうか。  
土生が帰ってくるまでは、彼がどんな少年か、いろいろ聞くことにした。  
 
・・・その過去は、理奈と同様苦しみの連続だったようだ。  
 
 
4年生になってさっそくリトルに入るも、その容姿から先輩や監督、コーチに目を付けられ、性の相手をさせられてきた。  
「すぐにレギュラーにしてやる」と言う条件につられ、何度もフェラをし、フェラをさせられた。  
女装をさせられ、何度も素股で性処理を強要される毎日。  
アナルが余りにもきつい為貫かれたことは無いが、それでも想像を絶する日々に違いは無い。  
 
苦痛に耐えかねて別のリトルに入ったが、そこでもほぼ同じ目にあった。  
結局そこも止め、リリアムは男女OKという根も葉もない噂を聞きつけ、飛び込んできたということらしい。  
巨根なのは、性的なイジメを続けられてきた為に他ならない。  
 
 
「・・・まぁ、うちのみんなは彼女持ちか、女の子に興味の無い人ばかりだから大丈夫だと思うけど・・・」  
「ごめんね、理奈。  
 理奈のチームなら男の子を毛嫌いしない女の子ばかりだから、虐められることも無いと思って・・・」  
 
 
「ずいぶんと身勝手な話だな。」  
 
ドアの向こうから声がする。  
いつもの、頼りがいのある、チームを引っ張る声だった。  
 
「まぁ、入るのは別に構わないが。リリアムの入団テストは受けたんだろ?」  
「は、い。」  
「なら、実力はそこそこあるだろ。理奈、少し投げてやれ。」  
 
ブルペンからグラウンドに移動する。  
控え組みが「また女か?」と目線を送るが、土生がそれを気にする素振りはない。  
 
「じゃぁ、いくよー!」  
 
理奈の左腕がしなる。  
本気は出していないが、110km前後の速球に即座に反応した。  
 
(甘いコースだったとはいえ、センター前に運びやがった!)  
「へぇ、やるぅ。んじゃもういっちょ!」  
 
理奈の速球に果敢に振りにいき、空振りは1つも無し。  
だが、ボール球にも手をだすなど、選球眼はお世辞にもよくないらしい。  
 
(悪球でもそれなりに打てる、ボール球をファールにする技術もある。  
 ランナーをかえすことを求められる6番なら、十分採用圏内か・・・)  
「ラスト一球!」  
 
理奈がそう叫んで投げた球は、インサイドを突く。  
瞬時に反応し、身体を回転させてバットを出した。  
 
「!」  
(なるほど、インサイドの捌きが特に上手い。)  
 
三塁線を点々とするボールが、彼女・・・ではなく、彼の実力を物語っていた。  
 
 
 
「ねぇねぇ、メグちゃん!」  
「は・・・い?」  
「あとでお部屋に来てよ!いろいろお話したいな!」  
「一緒に頑張ろうね、仲良くなろ?」  
 
食事の時間。  
ユキと理奈の間に挟まれる恵は、顔を赤くしたままうつむいている。  
 
「で、も、・・・女子棟には・・・」  
「バレないバレないって!むしろ男子棟に入れてもらえないと思うよ?」  
 
ユキと理奈の心を奪う強力なライバルの出現。  
土生も橡浦も、内心面白くはない。  
 
「ね、土生さん、チュウ!この子一晩預かっていい?」  
「な、何言ってんだユキ!男と一緒に一晩なんて・・・」  
「いいのいいの、この子は女の子なんだから!」  
 
ユキも理奈も、完全に女の子としてしか見ていない。  
ユキの言い分に、橡浦も反撃はできなかった。  
 
「またこれで賑やかになるな。」  
「文句を言うなら、リリアムの監督にどうぞ。」  
「まぁいいさ。打てる右の外野手なんだろ?ちょうどいいじゃないか。」  
 
監督の言うことももっとも。  
土生の理想とするチーム作りに一歩ずつ近づいているのは、監督にとっても喜ばしい事。  
 
・・・そして、控えレベルの5人衆の目つきが日に日に険しくなっていく事に、その時土生は気づいていなかった。  
 
 
 
「俺達、どうなっちまうんだろうな。」  
「何がだ?」  
「今日も新しく一人入っただろ。・・・もしかして、土生さん、俺達をグラウンドから追いやりたいんじゃねーかな。」  
 
練習解散後の井戸端会議。  
5人が少し話し合っている。  
 
「それに、聞いたか?緒方さんがファーストの練習をしてるってよ。」  
「ま、まさかそれって・・・」  
「あぁ、俺達のスタメン枠がまたひとつ減るんだぜ。」  
 
レギュラーがどんどん外様に奪われていく現実。  
今まで光陵の一員として、暗黒時代も耐えてきた彼らにとっては、理不尽極まりない現実だった。  
 
「・・・俺達、どうなっちまうんだろう。」  
 
 
 
 
 
「ね、何もいわれなかったでしょ?」  
 
女子棟は特に出入り口の監視が厳しい。  
だが、堂々と恵を連れて入っても、一切の疑いの目をそらすことができた。  
 
「ここがあたし達の部屋ねー。」  
「お、じゃま、します・・・」  
 
1チームにつき女子の人数はせいぜい2〜3人。  
それもあって、女子棟の1部屋の人数はかなり少なく設定されている。  
緒方とさやかは別室で過ごしており、今は理奈とユキが好き放題できる状況が整っている。  
 
普段は互いの彼氏自慢を中心にガールズトークに花を咲かせるが、今回は恵がいる。  
 
「それにしても、ほんっとメグちゃん可愛いなぁ!」  
「ほんとほんと!」  
 
2人はレズの心は持っていない。  
けれど可愛いものは好き、そして男の子も好き。  
 
どちらの願望もかなえてくれる目の前の少年を前に、2人の我慢の堰は切られた。  
 
 
「メグちゃん、服脱いでー!」  
「・・・ぇ、それ、は・・・」  
「早く、早く!女の子同士なんだから、恥ずかしくないって!」  
 
同姓としか見ていない。けれど、男の子の身体を持っているから、イタズラをしたくなる。  
認識としては、「男の子のアソコを借りた女の子」だろうか。  
 
「〜っ!!」  
 
ズボンとパンツをずらされ、半勃ちになった肉棒があらわになる。  
この地点ですでに長さは10cmを超えており、顔や華奢な体つきとのアンバランスさが目立つ。  
 
もちろん、異性に大事な部分を見られてしまった恵は、顔を赤くしてうつむいていた。  
 
「ふわぁ、おっきぃ!」  
「・・・もぅ、ゃめて・・・」  
「だぁめ、ユキちゃん、抑えてて。」  
 
理奈の指示に、はぁいと元気よく答えて、恵の両脇を抱えるユキ。  
こうなったら逃げられない。されるがまま、である。  
 
「ぅ、ぅぇぇ・・・」  
「泣いちゃだめ、男の子でしょ?」  
「は、はずか・・・」  
「恥ずかしがらなくていいじゃん、女の子でしょ?」  
 
ユキの彼への扱いも自由自在。  
恵の訴えを全て退ける間に、理奈が肉棒を口に加えしゃぶる。  
 
「は、はぅ・・・」  
「気持ちいいでしょ?」  
「ちゅぱっ・・・この合宿じゃ翔と殆どエッチ出来ないからね、代わりにいっぱいエッチするんだよ?」  
「そ・・・んな・・・」  
「うわ、もうこんなにおっきくなってる・・・」  
 
状況的に、合宿中は愛の芝生を除けば女子としかエッチ出来ない。  
だからこそ、異性との性行為を楽しめる女子は、お盛んな2人の肉奴隷となってしまう。  
 
「ほらほら、おっぱいだよ?  
 優子のおっぱいが大好きなんなら、あたしとのエッチだって嬉しいでしょ?」  
「・・・は、挟んで、下さぃ・・・」  
「ほぅら、やっぱりエッチな事したいんじゃない。いいよ、やったげる。」  
 
恵を座椅子に座らせ、胸を抱えて股に近づく。  
 
「・・・ぁっ!」  
「ほら、パイズリ、気持ちいい?」  
「・・・もっと、して・・・」  
 
当初あった異性への恥ずかしい気持ちや恐怖感は消え、今はただ求め続けている。  
恵自ら理奈の胸を両手で抱え、上下に動かす。  
 
「わぁっ、おっぱいの中でどんどんおっきくなるよ!」  
 
フェラで13cmになった肉棒は、今では16cmにまで肥大化している。  
太さも申し分ない、大人顔負けの巨根だ。  
 
「えいっ、えいっ!」  
「ぁ、で、でるっ!」  
 
谷間からわずかに顔を出した亀頭から、大量に射精される。  
顔面に暖かいシャワーを浴びた理奈が、恍惚の表情を浮かべた。  
 
「い・・・っぱい、でたね。」  
「はぁ・・・ぁ・・・」  
「濃くて、たくさんで、おいしい・・・翔なんかより、ずっと・・・」  
 
恵は練習の疲れと合わさって、仰向けにへたり込む。  
抵抗はされないと見て、ユキは更なる攻勢に出た。  
 
「んぅ・・・え、え!?」  
「ふむぁ、すぐに勃たせてあ・げ・る。」  
 
射精で一度は勢いを失った陰茎は、程なくして再びそそり立つ。  
それなりの大きさになったところで、  
 
「じゃぁいくよー。」  
「ぇ、・・・めて・・・」  
「そんなこと言わないで、嬉しいくせに♪もう、メグちゃんはあたし達のモ・ノ!」  
「あたしは初めてを翔にあげたいから、ユキちゃんに気持ちよくしてもらってね?」  
 
恵の気持ちなどお構いなし。  
騎乗位からユキが陰茎をあてがい、腰を降ろす。  
 
「ん・・・はぁ・・・」  
「や・・・めて、くだ、さいっ・・・!」  
「お、おっきい・・・!」  
 
橡浦にはない圧迫感。膣を貫く感触。  
最初こそ苦しかったが、次第に病み付きになり、腰を振るスピードも速くなっていく。  
 
「すっごーい、これがセックスかぁ。」  
「えへへー、理奈さんも、早くできるといいねっ。」  
「!・・・もうっ。」  
 
見物の理奈も、生で見るセックスには興奮を隠せない。  
そうこうしているうちに、恵が再び限界を迎えようとしていた。  
 
「だ、ダメ・・・」  
「拒否っちゃだめだよ、これだけのオチンチンでとりこにしたんだから、もう解放したげないよ!」  
「あ、うぁ・・・ああああんっ!」  
「きゃ・・・んっ!」  
 
ユキがイかないまま、先に恵が射精を終えてしまった。  
子宮に熱が溜まっていくのを感じるが、同時に不満も腹の中に抱えてしまった。  
 
「・・・何よぉ、先に逝っちゃって。許さない!」  
「そ、そんな・・・」  
「それっ!」  
「はううっ!?」  
 
ユキは膣を意識的に締める事が出来る。  
元々運動能力抜群で筋肉も相当鍛えられているので、締まり具合も相当のものだ。  
 
「えいっ、えいっ!」  
「ぁ、で、でるっ!」  
 
谷間からわずかに顔を出した亀頭から、大量に射精される。  
顔面に暖かいシャワーを浴びた理奈が、恍惚の表情を浮かべた。  
 
「い・・・っぱい、でたね。」  
「はぁ・・・ぁ・・・」  
「濃くて、たくさんで、おいしい・・・翔なんかより、ずっと・・・」  
 
恵は練習の疲れと合わさって、仰向けにへたり込む。  
抵抗はされないと見て、ユキは更なる攻勢に出た。  
 
「んぅ・・・え、え!?」  
「ふむぁ、すぐに勃たせてあ・げ・る。」  
 
射精で一度は勢いを失った陰茎は、程なくして再びそそり立つ。  
それなりの大きさになったところで、  
 
「じゃぁいくよー。」  
「ぇ、・・・めて・・・」  
「そんなこと言わないで、嬉しいくせに♪もう、メグちゃんはあたし達のモ・ノ!」  
「あたしは初めてを翔にあげたいから、ユキちゃんに気持ちよくしてもらってね?」  
 
恵の気持ちなどお構いなし。  
騎乗位からユキが陰茎をあてがい、腰を降ろす。  
 
「ん・・・はぁ・・・」  
「や・・・めて、くだ、さいっ・・・!」  
「お、おっきい・・・!」  
 
橡浦にはない圧迫感。膣を貫く感触。  
最初こそ苦しかったが、次第に病み付きになり、腰を振るスピードも速くなっていく。  
 
「すっごーい、これがセックスかぁ。」  
「えへへー、理奈さんも、早くできるといいねっ。」  
「!・・・もうっ。」  
 
見物の理奈も、生で見るセックスには興奮を隠せない。  
そうこうしているうちに、恵が再び限界を迎えようとしていた。  
 
「だ、ダメ・・・」  
「拒否っちゃだめだよ、これだけのオチンチンでとりこにしたんだから、もう解放したげないよ!」  
「あ、うぁ・・・ああああんっ!」  
「きゃ・・・んっ!」  
 
ユキがイかないまま、先に恵が射精を終えてしまった。  
子宮に熱が溜まっていくのを感じるが、同時に不満も腹の中に抱えてしまった。  
 
「・・・何よぉ、先に逝っちゃって。許さない!」  
「そ、そんな・・・」  
「それっ!」  
「はううっ!?」  
 
ユキは膣を意識的に締める事が出来る。  
元々運動能力抜群で筋肉も相当鍛えられているので、締まり具合も相当のものだ。  
 
「だ、だめっ、千切れちゃうっ!」  
「えへへ、また大きくなってきたね!」  
 
理奈も逆レイプの様子を楽しそうに見ながら、自分の指を膣に入れている。  
早く喘ぎ声を聞かせてよと急かしながら、自らも性的な吐息を上げている。  
 
「今日はイかせるまで寝させないよッ!」  
「っ、だ、だめっ、また、いっちゃうぅっ!」  
 
恵が絶頂時に一滴も精液が出なくなってしまっても、ユキの責めは休まる事はなかった。  
 
 
そして、30分後。  
 
「・・・んもう、もうちょっと根性出してよ・・・あれ?」  
「寝てるね。」  
 
あまりの激しさに途中で失神した事には気づかなかったらしい。  
結局大きかったのは最初だけで、何度も搾り出されては流石に陰茎の大きさを保つ事はできなかった。  
故に、ユキは一度も絶頂に達していない。  
 
「あ、やっば、あと15分しかないよ。」  
「え、何が?」  
「お風呂お風呂。練習から帰ってからそのままだから、このままじゃ汗くさいよ。」  
「あっちゃー、とりあえず、メグちゃんも入れてあげないとかわいそうだよね?」  
 
タオルで隠せばバレないと、服を着せてお風呂まで運ぶ。  
幸い入浴時間ギリギリなので誰もおらず、貸切状態。  
 
 
「・・・で、恵はそっちで泊めるのか?」  
「ていうか、あの外見で男の子って言っても、係の人は納得しないでしょ。説明も面倒だしさ。」  
 
男子の宿泊等のロビーで、土生と理奈がくつろいでいる。  
消灯時間が近づいている事もあり、他に人影はない。  
 
「まぁ、俺は構わんがな。それに、あいつは前のリトルでも男に嫌がらせされていた。  
 そういう面からも女子と一緒にいたほうが、あいつの負担にならないだろう。」  
「ま、まぁね。」  
 
実際は、すでに大きな負担になっているが、そんな事は露知らず。  
 
「・・・おっぱい、触る?」  
「いや、いい。」  
 
土生との初めての交わりを取っておきたいがために、理奈と恵との触れ合いは殆どなかった。  
結局、ユキに取られてしまった上、あれほどの事を見せられては、身体はどうしても疼いてしまう。  
2日前に行った愛の芝生でも、結局は授乳プレイに終始したのみなのだ。  
 
「じゃ、じゃあさ、明日の練習試合でノーノーをやったら・・・」  
「明日はユキを先発させる。お前はノースロー調整だ。」  
「そ、そんなぁー!」  
 
今までの練習試合では理奈が全試合を完投。そろそろユキも試しておかなければならない。  
そして、もう1つ試しておきたい事があった。  
 
「あと、緒方をファーストで起用する。」  
「!」  
「2イニング限定だ。打順が回ったら代走や守備固めをする。伝えとけ。」  
「う、うん。でも、大丈夫なの?」  
「あらかじめ本人には伝えてある。リハビリの甲斐あって、膝の状態がある程度よくなったらしい。  
 本人も驚くほどの回復振りらしいぜ。」  
 
無論、今年で野球を辞めなければいけない状態に変わりはない。  
だが、一時はバットを振るのも精一杯だった膝の状態も、ブランクを埋めるべく取り組んだリハビリのおかげで軽い守備は出来るようになった。  
 
「山下をサードに回し、さやかちゃんはセカンド。  
 緒方の調子次第では、打撃重視のこのオーダーも選択肢に入るからな。」  
「そっかぁ・・・」  
「で、ユキが先発の時は、理奈はライトだ。外野守備はやった事あるか?」  
「うーん・・・明日軽いノックを受けさせてくれない?」  
 
かつて理奈はファーストで出場した事はある。  
守備センスはそれなりにあるので、外野守備も無難にこなせるだろう。  
 
「よし、打ち合わせはこの辺にしよう。そろそろ寝るか。」  
「うん、じゃぁ、伝えておくね。」  
 
理奈が駆け出していった。  
その姿を見送りつつ、スポーツ新聞に手をかけようとした。  
 
・・・ガラス越しに見える、女子棟に戻るはずの、理奈の姿。  
立ちすくむ彼女の横顔は、驚きと、・・・そして、恐怖。  
 
(理奈!?)  
 
慌てて理奈の下に駆け寄る。  
何かあったに違いない。  
 
「どうした理奈・・・っ!?」  
「よぉ、久しぶりだな。」  
 
駆け寄った先に見えた、4つの影。  
その正体を把握した瞬間、土生に戦慄が走る。  
 

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