彼らは、風雨のしのげる古城や廃墟などに住み着き、手に入れた娘とともに「巣」をつくる。  
彼らの生殖器は触手の一本一本であるが、そのなかの半数以上がその機能を備えている。  
そして生殖行為ができる触手の形状は、人間のそれによく似ていた。  
当然ながら、機能も同一である。そして、それを見せられた女は、本能的にこれから犯されるのだということを知った。  
「いやっ!いやああぁぁ!」  
前と、左右とに触手が迫り、彼女は恐怖に体を震わせ、目を閉じて現実を否定する。  
背に感じる石壁の冷たさにもう逃げ場がないことを悟り、気丈さを示すような切れ目から、ぽろぽろと涙をこぼした。  
哀しい叫び声をあげる口元に触手が伸びると、タイミングを取るように空中で留まる。  
そして、彼女が声をあげる瞬間、一気に喉の奥めがけて加速した。  
「いやあぁ!……うぐっ……むぐううぅぅ!」  
彼女の口の許容量ギリギリの、太い触手が送り込まれていく。  
じゅる……じゅる……  
触手が興奮の初期状態にあると、生殖器の先端から女性を傷つけないほどの先走り液がほとばしる。  
それを口で扱かせることで、聴覚から犯されている事実を知らしめる。  
「んぅー……んー……」  
女は手を触手に伸ばし、必死に口から引き抜こうとする。  
しかし、触手の力はそれほど強くないのだが、滑りが良くなったいるそれをつかむことは難しい。  
彼女の腕が触手と無意味な格闘を続けているうちに、彼女の胸元に他の触手が殺到する。  
「んうぅぅ……ぷはぁぁ!ああぁぁぁ!?」  
口から触手が抜かれて、彼女はようやく自分の上半身が触手の標的になっていることに気づいた。  
恐怖心から涙が流れる。反射的に身体を振って逃れようともした。  
しかし、それらはすべて手遅れのことだったが。  
「あっ……あぁぁ!?……はああっ、あぁぁ……」  
初期状態の粘液にまみれた触手が、彼女の胴体に巻きついた。  
ゆっくりと下腹部を包み込み、平均的な女性よりもひとまわり大きな乳房に巻きつく。  
胸部を回転しながら締めつける触手により、行き場を失ってはみ出た膨らみと、徐々に硬くなっていく桃色の突起が、隙間から顔を出していた。  
「あぁぁぁああ……だめえぇぇ……あぁぁ……」  
くちゅ……くちゅ……ちゅ……  
分泌した体液が潤滑剤となり、肌をなめ回すように触手がうねる。  
わずかに触手の隙間から見える乳房の一部は、わずかに外気に触れることによって敏感になり、挟み込まれていることが快感になっていた。  
「あぁぁぁん……あ……はああぁぁ……ん……」  
触手が集まってできた繭の中心で、彼女は喘ぎ声をあげつづけていた。  
頬は赤らみ、うっとりと目じりを下げて、快楽に浸っている。  
そして、胴に巻きついた触手を抱きしめるように身体を縮ませて、さながら胎児のようになりながら、触手の愛撫を受けている。  
「はぁぁ……からだが、身体が熱いの……」  
縮こまる彼女の腕や肩、脚にも、触手が巻きつき、同じように回転してぬるぬるとした体液を付ける。  
女を性的に興奮させることによって体温を上げ、代わりに熱量を補給するという、共生関係を築くのだ。  
そのために性交を何度と繰り返し、徐々に成長してゆく。  
「はっ、はっ、あぁぁぁ……だ……め……」  
太腿に何重にも巻きついているものが、彼女の脚を開かせる。  
下腹部にも触手が蠢いているが、粘液が光る茂みと、秘所だけは露になっている。  
すでに体中を揉み解された彼女の秘所はびしょびしょに濡れており、完全に準備ができている状態だった。  
言葉では拒絶しつつも、表情では物ほしそうに口を開き、陶然とした薄目で下の口に向かう一本の触手を見つめる。  
「あぁぁぁ……はああぁぁぁぁんん!!」  
膣に侵入されて身をよじり、吐息をこぼす。  
きついところを無理矢理押し込まれ、ついには最奥に衝撃が走った瞬間、彼女は軽く達していた。  
 
 
彼らの生殖行為は、人間に対しては意味をなさない。  
あまりにも種族の差が大きく、むしろその体液は人間にとっては受け入れやすいものではない。  
ただし、次元の異なる世界には、彼らによって孕ませられたり、肉体に作用される場合もあることを注記しておく。  
「はあぁぁぁ……ん、あぁぁぁ……ん、んぅっ……!?」  
彼らの体液を人間が摂取すれば、酩酊したかのような状態に陥る。  
ただし、彼らの酩酊の度合いは大きくなく、意識ははっきりとしており、その影響もほとんど自覚しない程度である。  
「あっ!あっ、あっ、あうっ、ああっ!あっ!だ、めっ……そんなぁっ……!」  
女は未だに天井から触手に吊り下げられ、幾重にも巻きついた触手に脚を開かされた格好のままだ。  
太腿やふくらはぎ、腹部に巻きついている触手は、彼女を支えているだけでなく、彼女の体温を逃さないようにもしている。  
そのように完全に固定されたまま、天井から伸びているモノが彼女を突いているのだから、彼女の体温は上がる一方だ。  
「あああぁ……!あ、あ、あっ、あっ!あんっ!あぁんっ!」  
抽送が速くなっていくとともに、彼女はつややかなロングヘアを振り乱した。  
「ああぁ!あぁ!……イく!イくッ!イっくうぅぅぅ!!」  
彼女の背中が反り返り、胸が突き出される。  
脚も腕も拘束され、彼女の乳房だけしか絶頂を表現できないのだ。  
そして、触手が蠢いている、薄暗い天井に対して叫ぶ。  
「はぁ……はぁ……」  
誰にも聞かれることがないという事実は、彼女の性を存分に引き出した。  
おしとやかというよりは、どちらかといえば気の強そうな容姿をしている娘である。  
ただ、恥じらいや拒絶自体は強く、イくという言葉も知ってはいるものの、必死で搾り出した言葉に違いなかった。  
その証拠に、達してしまった今は、後悔するように目を閉じて首を振っている。  
ただ、彼女が目を閉じているのは、彼女のなかに注ぎ込まれる体液のせいでもあった。  
「あっ……あっ、やめて……やめてぇ……」  
触手が彼女の中に入ったまま脈動する。射精しているのだ。  
そして彼女は、触手に太腿を抱えられたままである。彼女は、自分の中に射精されている様子を見つづけなければならなかった。  
「あぁぁ……」  
彼らの射精は非常に量が多い。  
一本の触手がコップ一杯ちかい白濁を放出してゆく。そしてそれは、膣内からゆっくりと排出されて、床を濡らすことになる。  
ぴちゃ……ぴちゃ……  
石畳の上に白い水溜りが出来上がった。  
 
「あぁ……わたし、私……こんなこと……」  
彼女がふたたびしゃくりあげる。  
頬の上を涙粒が流れていく。  
「う……ぅんん……」  
そのとき、触手がふたたび彼女の乳房をからみとり、体温を取るときのように巻きついた。  
全身を縛り上げられているような感覚。しかし、粘液がからみつき、ぬるぬると撫で、擦れ、快楽が伴う。  
粘液に特別な作用はないが、やわらかいもので全身を塗りたくられることは、大抵の女性にとって愛撫の役割を果たすのだ。  
「あぁぁ……ん……はあぁぁ……」  
彼らの役割はただ女性を犯すわけではない。あくまで共生関係を築くことにある。  
 
 

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