美春は500ccは入ろうかと言う注射器にも似た器具を持って、台所に立っていた。
(あと30分位したら、お兄ちゃん帰ってくるよね?)
押花女学院での教師補助と言う仕事を始めてから、彼は朝早く家を出て帰宅は夜遅くと言う生活を繰り返していた為、同じ家に住んでいながらもなかなか会う機会がなかったのだ。
そんな彼が、今日は早く帰ってくると言う。
電話を受けたのが1時間前の事。
彼女は久々に顔を合わせる兄を持て成そうと、準備をしているのだった。
テーブルの上には、彼の好きなブラックコーヒーが丼一杯になみなみと用意されている。そこに器具の嘴を浸し、プランジャーを引いて筒内へと吸い込む。
およそ300ccを吸い込むと今度は嘴部分に特殊なゴムを装着し、それを自らの秘部へと誘った。
勿論プランジャーにはガスケットが備えられているので、逆さにしても内液が漏れる心配は無い。
「ん…はぁ…」
悩ましげに息を漏らし、しっかりと体内へと埋め込まれたのを確認すると、プランジャーをゆっくりと押し込み始めた。それによってゴムがまるで水風船の様に美春の膣内で膨れだす。
「んん…膣内[ナカ]が…暖かくて…」
彼女の内部で、膨れ上がったゴムが縦長に形を変える。中身が液体の為、決まった形を持たないからだ。
適度に冷めたとは言え人肌よりかは温度の高い液体。
僅かに無理をして器具に用意されていた300t全てを注入し、彼女の膣は隙間無く埋め尽くされる。
「や、やだ…これ、すごい…」
特に動かしたりしてはいない筈なのに、美春は既に感じ始めていた。
それもそのはず。
大好きな兄を想い、今では毎日の様に夜寝る前に布団の中で慰めている彼女であるが、未だ道具は使用した事がない。普段は枕を足の間に挟み腰を擦り付けるといった方法を取っているのだから。
そんな彼女が初めて異物を飲み込んだのだ。
しかもそれは、自分の体温より僅かに高い温度を持っている。
コーヒーによって襞が暖められ、それが性行為の最中と誤認し、内部に侵入してきた物を更に奥まで飲み込もうと蠢くのである。特に刺激を与えずとも自ら躍動を始めた膣壁が美春の性感を昂ぶらせているのだ。
徐々に息が荒くなる少女であったが、気を振り絞ってゴムの先端を摘むと、器具を外して代わりにストローを差し込む。中身が零れ出さないように細心の注意を払いながら。
「ただいま〜」
玄関から祐介の声が聞こえてきた。
次いで廊下を歩く足音が聞こえる。
美春の思惑通り、彼は台所へと向かっているのだ。
「お帰りなさい」
頬は上気し目は淫靡に蕩け、息を荒げながら座ったまま彼を迎える美春。
祐介は妹の態度をおかしいとは思いながらも醸し出される雰囲気に圧され、一歩足を踏み入れたところで立ち止まってしまった。
「お兄ちゃん、喉乾いたでしょ?今コーヒー淹れるから座って」
「あ、ああ」
声を掛けられ、戸惑いながらもそれに従う祐介。
席に着くと、妹からコップを手渡される。
「お兄ちゃん、よーく見ててね」
言って立ち上がると、美春は自らスカートをたくし上げた。
「ちょ、お前何やってんだよ」
「黙って見てて」
兄の慌てた様子に落ち着いて言い放つ美春。
下腹部に力を込めると、秘部から生えたストローを通じてコーヒーが抽出されていく。それは彼女の体内で保温され、猫舌の彼にとって丁度良い熱さとなっていた。
「さ、どうぞ」
全てを抽出し終わり美春は腰を下ろすと、体内に埋め込まれていたゴムを取り出し、わざと兄の目に触れるように膝の上に置いた。そして呆然としてなかなか口を付けようとしない兄を促すと、顎を引き依然上気したままの顔で彼を上目使いに見つめる。
そんな風に見つめられると飲まない訳にもいかず、祐介は意を決してコップに口を付けた。
「美味しい?」
「ああ」
にこりと微笑んで聞いてくる妹に生返事を返して、祐介は飲み干したコップをテーブルに戻し立ち上がる。
「明日も早いから、俺はもう寝る。風呂は朝入るから」
「えっ…」
兄の台詞に、途端気が抜けた様子の美春。
「じゃあな、お休み美春」
振り向きもしないで背後に声を掛け、彼は台所を後にした。
(もう!お兄ちゃんの鈍感!)
部屋へと戻る兄の足跡を聞きながら、美春は消えた彼の背へと向かって舌を出すのだった。
-END-