その日もいつもと変わらない一日だった。  
私はいつものように相手の話を聞いている。  
そう、私は今告白をされている。  
相手は軽い感じのいわゆるイケメン?だった。  
軽そうな髪を茶髪に染めワックスで軽く立てている。  
ピアスの穴も開いており、口元にあるほくろがセクシーさもかもし出していた。  
 
 
「まぁ色々御託並べたけどさ、つまりは付き合ってくんね?」  
 
なんと軽い感じの告白なのだろう。  
告白の仕方からして彼はこういうことに慣れている感じがあり、  
そして断られると思っていないのだろう。  
彼の告白は自信に満ちていた。  
そんな彼に対する私の一言が  
 
「ごめんなさい。」  
 
の一言だった。  
 
「そう!じゃ……ごめんなさい?」  
 
「うん。ごめん。付き合えない。」  
 
私がそういうと彼は驚いたように目を見開いている。  
断られると思っていなかったのだろう。  
だが断ると同時に彼の態度は一変した。  
 
「はぁ!?…もう一回考えろよ?俺が付き合ってやるって言ってんだぜ?」  
 
なんという上から目線なのだろう。  
彼が告白すればすべての女が付き合ってくれるとでも思っているのだろうか?  
 
「なんど言ってもごめんしか言えない。だって君に興味ないもん」  
 
私は即答した。  
 
「…ふざけんなよ」  
 
そういったかと思うと私は後ろの壁に追い詰められ、  
彼は壁に両手をついた。  
 
逃げられなくなった…  
 
「お前さ、調子に乗るんじゃねぇよ?」  
 
「いや、調子に乗っているのは貴方様ではないでしょうか?」  
 
「っ!!てめぇ!!!」  
 
私がそう発すると彼はどうやら切れたらしく私を地面に押し倒した。  
正しいことを言ったつもりなのに…  
 
「別にいいさ。どうせ一回ヤったら捨てるつもりだったんだし…  
今この場で犯してやるよ」  
 
そう言った彼の目は血走っていた。  
 
犯される!?…こんな所で大事にしてきた処女を失わなきゃいけないのかな・・・  
 
そう思っていた時  
 
「てめぇ!!芹(せり)になにしてんだよ!!」  
 
そう怒声が聞こえたかと思うと私の上に乗っていた彼は吹き飛ばされていた。  
 
「大丈夫か?芹…」  
 
「…政治(まさはる)」  
 
幼なじみの政治がいた。  
吹き飛ばされた彼は教師に連れて行かれている。  
政治が呼んだのだろうか?  
そんなことを考えていると政治に抱きしめられた。  
 
「ごめんな?芹が連れていかれた後他の女子からあいつの話聞いてさ」  
 
あれ?おかしいな?  
 
「あいつ…散々女を…その…食ってる、らしくってさ」  
 
政治てこんなに大きかったっけ?  
 
「ヤらせない女は無理やりにでもヤるって…」  
 
温かい…。さっきのあいつに押し倒されたときはあんなに嫌だったのに…  
 
「いざって時の為に教師呼びに行っててさ。」  
 
政治だと不思議と…嫌じゃない。  
 
「遅れて、その……ごめん」  
 
「…なんで政治が謝るの?」  
 
「いや、あいつに押し倒されたじゃん。」  
 
「そうだけど…」  
 
なんで政治が謝るのだろうか?  
むしろ政治には感謝しているのに…  
 
「…そろそろ離してはいただけないでしょうか?」  
 
「っ!あぁ、悪い。」  
 
そう言って政治はわたしを抱きしめていた腕を解いた。  
不思議と名残惜しかった。  
 
「あいつになにかされなかった?」  
 
「…別に」  
 
「本当に?」  
 
「…本当だよ。」  
 
「なんで態度がそっけないんだよ」  
 
「別に…」  
 
なんでだろう。不思議と顔が熱い。  
心臓はバクバクと音を立てている。  
政治の顔が見れない。  
 
「じゃあ早く家に帰ろうぜ」  
 
そう言われ、おとなしくついていく。  
彼はしきりに心配そうに見てくるが…  
今はこの顔の火照りと心臓のバクバクを抑えるので精一杯だった。  
 
【完】  
 

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