今夏、巷を賑わせているある少女の事を、諸兄はご存知であろうか。  
 
『素手ゴロ天使、ドツクちゃん』  
 
そう名づけられた少女──仮にそのまま、ドツクちゃんと呼ぶとして、  
世間(主にアキバ)は今、彼女の噂で萌え上がっていた。  
 
公式資料によると、身長百二十センチ、体重はナイショ。バスト、ウエ  
スト、ヒップはトップシークレットという、何だかアニメのヒロイン然とした  
ドツクちゃん。見た目は小学校高学年くらいで、まことに愛らしい容貌を  
しているとの事。衣装に目を向ければ、スーパーの安売りワゴンに残って  
いたような青いワンピースに、細い足を包む白いハイソックス(ソックタッチ  
使用)が非常にいけていると、アキバに漂うダメ萌え人間たちのハートを、  
完全に射抜いていた。  
 
さて、問題は何故、素手ゴロ天使とやらが現れたかという事。実は今、公  
にこそされてはいないが、日本国内は珍獣による騒動で、困窮している。  
果たして、珍獣とは──  
 
お暇であれば、お手元の辞典などを引いてもらいたい。おそらく、珍しい  
生き物と書かれていると思われるが、全くもってその通り。今や日本は稀  
に見る珍獣王国と化しているのである。これは別段、某ムツOロウ先生が  
関わっている訳ではないので、悪しからず。それでは、珍獣の生態を観察  
がてら、お話を進めさせて頂く。  
 
「珍獣だあ!逃げろッ!」  
某月某日、澱んだ秋葉原の空気を、逃げ惑う人々の悲鳴が切り裂いた。  
「シャアアアアアアアアアアアアッ」  
珍獣──そう名づけられた異形の化け物が、けたたましい叫びを上げな  
がら、アキバに巣食うダメ萌え人間どもを襲っている。かの異形は、アリ  
ジゴクのような姿かたちをしており、三メートルを越える巨躯の持ち主。そ  
の上、動きも俊敏であったがため、日ごろから運動不足を認めるアキバ  
住人たちを、いともたやすく捕獲していた。  
 
「うわあーッ!助けて、さくらーッ・・・」  
「おんぷたん、ヘルプ!」  
「プリキュアは来ないのか?うわーッ・・・」  
とりあえず、三人ほどが珍獣の餌食となった。先ほど捕獲と記したが、  
ちょっと訂正。厳密に言うと、捕食が正しい。どうやら珍獣は、見るからに  
不味そうなダメ萌え人間どもを喰らい、己の糧としているようだ。その凄惨  
極まる光景を見るや、クモの子を散らしたように逃げるアキバ住人たち。  
だが、その中でただ一人、恐怖に身を竦める事も無く、ぎらりと珍獣を睨み  
つける者が──  
 
「ああ・・・ひどい!」  
逃げ惑うアキバの魑魅魍魎どもの流れに逆らい、珍獣に捕食されたダメ  
萌え人間を悲しそうに見る、一人の少女がいた。背には赤いランドセル。  
胸には、『五年三組 山田 かでん』という名札をつけて。  
 
「珍獣め、許さないわ!へーん・・・しん!」  
少女が腰に手を当て、銭湯で牛乳を飲むおっさんのようなポーズを取った。  
すると、アニメ的に言うところの透過光やらエフェクトの類が、少女の全身  
を包む──  
 
「着床!かーい・・・にん!」  
と、チビッ子にあるまじきお言葉を発しながら、変身する少女。場面は  
スローモーになり、着ているものは全て吹っ飛んでいる。  
「す・で・ゴ・ロ・・・パワーッ!」  
乳首と大事な所は光で隠されているが、変身中の少女は何故か全裸。  
ここいらへんが、何だかアニメ的である。そしてついに──  
 
「うふん♪素手ゴロ天使、ドツクちゃん参上よ♪」  
 
ここまできたら、解説は無用であろう。そう、彼女こそが今夏、日本中の  
噂となっている、素手ゴロ天使ドツクちゃんこと、山田かでん、その人で  
あった。ちなみに、上記の台詞を発した時、片足を軽く曲げたプリティ  
ポーズと、お愛想混じりのウインクで、アキバ住人たちの目を釘付けに  
した事を追記しておく。そして、無用とは言いながら、長々と解説した事  
をお詫びしておきます。  
 
「珍獣め、海王星に代わって、撲殺よ!」  
どこかで聞いたような台詞を放ちつつ、腰を低く落とすドツクちゃん。素手  
ゴロ天使を自称しているので、戦法は肉弾戦を用いるようだ。  
「シャアアアア・・・」  
ドツクちゃんを敵と認めたのか、珍獣は道を這うように移動した。アリジゴク  
を模したような造形だが、足元には無数の触手を有しており、それが異様な  
輝きを放っている。  
 
「いくよ!」  
ドツクちゃんが地を滑った。その姿はまるで、疾風の如し──  
 
「クレイジーダOヤモンド、ド・ラ・ラ・ラ・ラ!」  
珍獣に接近したドツクちゃんは、版権くそくらえ!という感じで叫びつつ、  
拳を敵に叩き込んだ。常人の目では追う事が出来ないが、正拳突きが  
百発ほど珍獣の脳天を捕らえている。  
 
「キシャアアアアアアッ!」  
眉間を割られそうな攻撃を喰らった珍獣が、身を仰け反らせて吼えた。  
そして次の瞬間、異形は猛烈な反撃に出る。  
 
「きゃあッ!」  
バシンという触手が肉を打つ音──が、ドツクちゃんの肢体から鳴った。  
その直後、素手ゴロ天使は悲鳴を上げながら、某同人ショップの店先に  
ある、ガシャポンコーナーまで吹っ飛んでいき、その周辺を砂煙が覆う。  
 
「うう・・・」  
ガラガラとカプセル玉が転がる中に、ドツクちゃんは居た。どうやら珍獣  
の触手攻撃で、意識を失いかけているらしい。  
「シャアアア・・・」  
のっそりとドツクちゃんに詰め寄る珍獣。かの者は勝利を確信したのか、  
不適な笑いを浮かべているように見える。  
 
「く・・くそッ・・体に力が・・・入ら・・・ない・・でも・・負けない!」  
破壊されたガシャポン機に身を預けつつ、戦意を振り絞るドツクちゃん。  
しかし、その思いとは裏腹に、肉体が受けたダメージはかなり大きく、  
立つ事だってままならない状態となっていた。このままでは、その身が  
危ない。  
 
「シャ・・・ア・・ア」  
珍獣は更に間合いを詰め、手負いとなった素手ゴロ天使に迫る。口元  
からは唾液のような汁を垂らし、その思いが捕食へと向かっているのは  
明らかだった。  
 
「ああ・・・た、食べられちゃう・・」  
珍獣に顔を突きつけられ、身を捩るドツクちゃん。腰が抜けているらしく、  
だらしなく開かれた両足の奥には、淡いピンクのパンティがチラリ。青い  
コスチュームとあいまって、何ともいい風情である。  
 
「グルル・・・アーン・・」  
「あッ・・・何を・・」  
ドツクちゃんに抗う力が無い事を知ると、珍獣は糸引く口を大きく開け、  
少女を足元からぱくり──と頬張った。その瞬間、目元が緩み、何だか  
食いしん坊バンザイ!とでも言いたそうであった事を追記しておく。  
 
「いやあ───ッ・・・」  
悲しい少女の叫びが、秋葉原の中を劈いた。哀れ、ドツクちゃんは下半身  
をすっぽりと食われ、立ち上がった珍獣の口中で囚われ人となる。イメージ  
的には、下半身太りの人魚っぽいかな、と。  
「うう・・・は、放せえッ・・・」  
生温かい珍獣の口中のおぞましさに怯えるドツクちゃん。しかし、太もも  
のあたりに鋭い歯がちくりときているので、暴れる事はかなわない。もはや、  
素手ゴロ天使は、絶体絶命の危機にあった。  
 
「ああ、ドツクちゃんが珍獣に食われた!何か、いやらしい!」  
「触手、萌え!」  
ドツクちゃんの窮状を見たアキバ住人どもが、愚かにも色めきたった。  
言うまでも無く、きゃつらはチビッ子萌えと、触手萌えの愚者たち。  
 
「いや・・あ・・・」  
下半身をぬるりとした珍獣の舌が這いずり回っている──それを悟っ  
た時、ドツクちゃんは恐れおののいた。すでにこの身は囚われ、反撃  
の術は無い。その上、逃げる余力さえも残っていないのだ。そう考えれ  
ば、大の大人だって絶望的な気持ちとなるであろう。だが、物語の趣向  
はここからあさっての方向へ進む。  
 
「きゃあーッ!パ、パンツが脱がされてるッ!」  
「グフフ・・・(意訳・やっぱ、チビッ子の太ももはいいなあ)」  
「やだ!やめて!」  
「グヘへ・・・(意訳・やめるわけないでしょ)」  
ここからは、珍獣の心境も加わる事にご理解を賜りたい。実はこの異形、  
『人間のチビッ子萌え』という性癖を持っていた。人間社会であれば、許さ  
れざる萌え区分にあっても、かの者は珍獣ゆえ、セーフ。前置きが長くな  
ったが、上記のやりとりから察していただける通り、ドツクちゃんのパンティ  
は、珍獣の舌さばきによって、いとも容易く剥かれてしまった。要するに、  
ここからが本番である。  
 
「ああ!舌が!」  
「グフ♪(美味い!チビッ子の・・・大事な所!)  
ぴたりと閉じたドツクちゃんの女陰を、舌でこじ開けるように責める珍獣。  
しかも、おしっこ臭い恥ずかしい汚れを、テイスティに味わっている。  
 
「グヘ♪(意訳・ちこう寄れ、恥垢。なんちゃって)」  
意外と思われるかもしれないが、珍獣界にも意思の疎通を行う言語が  
存在し、また、駄洒落も存在する。上記の意訳は、それを克明に記した  
稀有な状況といって良い。まったく、いい加減にしてくだじゃれい・・・  
 
「きゃあああああ───ッ・・・」  
目を見開いて叫ぶドツクちゃん。解説すると、彼女の女陰は無残にも、  
珍獣の舌の侵入を許していたのである。それも割れ目を伝って、まだ  
未発達な女唇を掻き分けるように──  
「グフフ!(美味い!もう一杯!)」  
まだ青い少女の恥汁──略して青汁を味わいながら、珍獣はのたまう。  
その姿は、チビッ子萌えの同人青年が、エロゲーをやっているかの如し。  
 
「あッ!あッ!は、入ってくるゥ・・・」  
今度は目を閉じて、胎内で起こっている異変を感じるドツクちゃん。珍獣  
の舌は給食で配膳される、先割れスプーンのように分かれ、無理やりこ  
じ開けられた恥肉の襞(ひだ)を、這うように遡ってくる──少女に理解  
出来たのは、そこまでだった。  
 
「アーッ・・・」  
「グヘへへへ!(意訳・イキ汁、ゲットだぜ!)」  
うわあッと、身を大きく仰け反らせたドツクちゃんの女芯から、恥液が  
放出された途端、珍獣は触手を束ね、ガッツポーズを取る。その様を  
見ていたアキバ住人も、つられて思わず同じポーズを取った。が、まこ  
とに愚かと言わざるを得なかった・・・・・理由は言わずもがな・・・・・  
 
いつしか珍獣の周りを、幾重もの人の輪が連なっていた。無論、これは  
ダメ萌えの人々の輪で、その中心には、無数の触手に体を絡め取られた  
ドツクちゃんと、そこへ覆い被さる様な格好の珍獣がいる。  
 
「た・・・助けて」  
「グフフ・・・(意訳・可愛そうだが、誰もお前を助けようなんて、酔狂な  
考えを持つ奴はいないようだぜ。なにせ、ここはアキバだからな」  
ドツクちゃんは着崩したワンピースを、胸の辺りまでたくし上げられて  
いた。そして、細い触手がちんまりとした少女の純情を侵している。  
 
「やだあ・・・見てないで、誰か・・・助けてよう・・・」  
哀れにもドツクちゃんは衆人環視の中で、麗しい肢体を嬲られながら、  
救いを求めて手を差し伸べていた。しかし──  
「すげえ・・・触手って、すげえな」  
「ああ、俺も触手欲しいぜ」  
と、アキバの魑魅魍魎たちは、愛らしい少女の全身に絡みつく触手に萌え  
を感じ、ただ見ているだけ。もう、何と言っていいのか分からないが、とりあ  
えず逝って良しとでも毒づいておく。  
 
「アーンッ・・・」  
触手のいくつかが、ドツクちゃんの胸元へ伸びていた。それも、まだ乳房  
が膨らみを持たない事に乗じて、可憐な苺の如き蕾ばかりを責めている。  
「イヤッ・・・転がさないでぇ・・・」  
触手がドツクちゃんの窪んだ乳首を、掘り起こすように突いた。その上、  
乳輪をなぞるように蕾を転がしては、少女を追い詰める。  
「きゅんッ!」  
きゅっと唇を結んで、むずがるドツクちゃん。珍獣の触手が、彼女の乳首  
を絞ったのだ。  
 
「グフフフのフ♪(意訳・秘技、一番絞り!しかし、極上の女峰だぜ、  
このイチゴちゃん・・・市場へ卸したら、天井知らずの値がつくな)」  
珍獣は滑らかな少女の肌の上へ触手をはべらせ、ただひたすらに  
乳首を嬲った。時にきつく、時に優しくと緩急をつけながら──だ。  
 
「ああ〜・・・お、おかしくなっちゃうッ!」  
乳首責めもさることながら、ドツクちゃんを困らせているのは、先ほど  
から恥丘を割って入ってきている舌の存在。しかも、珍獣はそれに触手  
をプラスして、花開きかけた幼い恥部へ、淫らな攻勢をかけているのだ。  
「だッ・・・だめぇ・・・」  
ひくっひくっと体を震わせ、切ない表情を見せるドツクちゃん。その直後、  
素手ゴロ天使はついに、天にも昇る気分を味わう事となる。  
 
「ああッ!な、なあに、これッ・・へ、変だよぉ・・」  
ドツクちゃんは両手で顔を覆い、下半身をぶるぶるとわななかせた。女が  
得る絶頂をいうものを、今ここで、初めて知った・・・いや、知らされたので  
ある。  
 
「グフ・・・(意訳・いいんだよ、イッても・・・)」  
珍獣は少女が達しかけた時、優しい目で問いかけた。バカバカしい!と  
思われるかもしれないが、かの者は畜生の身でありながら、人間の女を  
思いやるような仕草を見せたのである。  
 
「ああ───ッ・・・」  
ドツクちゃんの今際の声が、秋葉原内に響く。それと同時に、アキバに巣食  
うダメ人間たちはそれぞれ対になり、何故か組み体操を始めた。種目は花形  
であるサボテン。おそらくは薄汚れた精神が暴走し、このような奇行を取らせ  
たと思われる。が、それはどうでも良かった。もう、ほんとうに・・・・・  
 
時は流れ、夏のお祭りも終わった秋葉原には、静寂が戻っていた。  
しかし、珍獣の存在が潰えた訳ではない。  
 
「うわあ!珍獣が出たぞ!誰か食われてる!」  
ある同人ショップ前に、カマキリそっくりの珍獣が現れ、ダメ萌え  
人間を捕食していた。しかもその珍獣は、蟷螂拳にも似た動きを  
見せ(元々、蟷螂拳はカマキリの動きを模した拳法なので、当然と  
いえば当然)、凶暴さに拍車をかけている。その上、笑いを誘いたい  
のか、カマの部分にはこう見えても人妻です──と書いてある。推測  
に過ぎないが、カマキリ夫人(五月みどり?)という駄洒落のつもりらしい。  
 
「ケーッ!」  
「わああ!こっちへ来るぞ!みんな、逃げろ!」  
カマキリ珍獣が暴れる中、逃げ惑うアキバ住人たちの流れに逆らう  
一人の少女が現れた。言うまでも無く、これは変身前の素手ゴロ天使  
ドツクちゃんこと、山田かでんである。  
「出たな、珍獣め!へーん・・・しん!」  
変身シーンは略すとして、かでんは光に包まれた後、素手ゴロ天使ドツク  
ちゃんへとその身を転じさせた。その直後──  
 
「シャアアア!(意訳・合体だ!いくぞ、ドツク!)」  
「あいよ!あー君」  
ドツクちゃんの背後から、アリジゴクに似た珍獣。今は、ドツクちゃんから  
あー君という名を授かっている、あの異形が現れたのである。そして・・・  
 
「珍獣合体、ドツクちゃんエース!」  
ぱくっと下半身を珍獣に飲み込まれたドツクちゃんが、声高らかに叫んだ。  
ちなみにエースは、あー君のAをもじったもの。  
 
「グフ(意訳・合体も板についてきたな、俺たち)」  
「お愛想言ってる場合じゃないわ。来る!」  
珍獣とドツクちゃんとの間に、息の合った空気が流れる。その様はまるで、  
夫婦の如く。  
 
「ケーッ!」  
カマキリ珍獣が吼えながら、ドツクちゃんエースに近寄ってくる。しかし、  
二人に怯えの色は見られなかった。  
「グフフ(意訳・大したやつじゃない、雑魚だよ)」  
「でも、油断は禁物よ。いくわよ、あー君」  
そんな遣り取りの後、ドツクちゃんエースはカマキリ珍獣に向かっていく。  
 
実は今、人間のチビッ子萌え珍獣は、あの時ドツクちゃんに女の喜びを覚  
えさせた責任を取り、しもべとなる事を誓っていた。これは、衆人環視の中  
で、恥ずかしい絶頂シーンを見られてしまった、ドツクちゃんの意を汲んで  
の事。手早く言うと、責任を取ってくれと泣き喚くドツクちゃんに屈したので  
ある。その上で、彼女のライフワークである珍獣退治にも参加させられて  
おり、今やかの者は珍獣合体の土台を務める身なのだ。  
 
「グワアーッ・・・」  
そんな説明の間に、カマキリ珍獣は早々と断末魔の悲鳴をを上げて、倒さ  
れている。素手ゴロ天使に珍獣の膂力を足した、今のドツクちゃんに敵はない。  
彼女の前に立ちはだかるものは、ただ死あるのみ。  
 
「やったね、あー君」  
「グフ・・・(意訳・他愛もない)」  
骸と化したカマキリ珍獣を見下ろし、ドツクちゃんエースは得意顔。  
 
「やったあ!カマキリ珍獣を倒したぞ!」  
「僕らのドツクちゃんエース、ばんざーい!」  
秋葉原に平和が戻ると、ダメ萌え人間たちがわらわらとドツクちゃん  
エースの傍へ駆け寄り、喜びの色を見せた。すると──  
 
「グフフ(意訳・相変わらずうるさいやつらだ。なあ、ドツク、二、三匹  
食っちゃっていいかな?)」  
珍獣合体の土台は、忌々しそうに言う。しかし、ドツクちゃんはつとめて  
冷静に、  
「だめよ、あー君。あれでも、一応は罪無き人々なんだから」  
と、言葉を繋いだ。女性上位とでも言おうか、太古より伝説に出てくる  
珍獣の類は、大抵女性に弱いと記されている。どうやらこの者も、それに  
なぞらえた性格を持っているようだ。  
 
「グフ(意訳・ドツクがそう言うんじゃ、仕方が無いな。じゃあ、帰ろうか)」  
「うん」  
こうして、珍獣合体ドツクちゃんエースは、秋葉原を後にしていく。そして、  
その姿を一人の偉人が見送っていた──  
 
「素晴らしいですねえ・・・珍獣と人の触れ合い・・ぼかぁ、感動しました」  
そう言って、ドツクちゃんエースを見やるのは何と、某ムツゴOウさんで  
ある。動物王国を築いたあの偉人が手を叩き、目を細めて見ているのだ。  
「二人は寝起きを共にし、種を越え、生きている・・・素晴らしいじゃありま  
せんか・・・ねえ、みなさん」  
ムツゴOウさんは共生の素晴らしさを謳いながら、アキバ住人たちに問い  
かける。貴様ら、悔い改めよ!と。  
 
この後、秋葉原はドツクちゃん萌えの同人誌が流行し、また廃れて  
いくのだが、それはまた別のお話。  
 
今夏、日本を震撼させている珍獣は、未だそこいらを徘徊してはいる  
のだが、きっとドツクちゃんエースの二人が、それらを薙いでくれる事  
であろう。そして、いずれは珍獣と人間が共生する道が開かれるかも  
知れない。  
 
もちろんそれは、あの動物王国を築いた偉人の手によって・・・・・  
 
おしまい  
 

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル