ぴんぽーん
(ん?誰だ?今日遊ぶ約束したやつはいないはず、夏奈か?)
「はーい。ちょっと待ってくれ」
新聞屋対策としてチェーンをつけてから開ける。
ドアの隙間から黒装束を着た少女が立っているのが見えた。
その少女はどもりながら言った
「あ、あのあなたの魂もらっていいですか?」
俺はすぐにドアを閉め鍵を掛ける。
(俺はなにも見なかった。
さて扇風機にあたりながら昼寝でもするか)
「ちょっ、な、なんで扉閉めるんですか?開けてくださいよ。
お願いしますから。」
(いや、夕飯の支度そろそろするか。腹減ったし)
「あっ、もしかして無視ですか?無視ですね。わかりました。
あなたがそういう態度をとるなら私もそれ相応の態度をとりますよ」
(勝手にとりやがれ、こんちくしょう。
あー勿体ないな。あんな可愛いのにな、この暑さのせいか…
地球温暖化は人にまで影響を与えるのか)
そう思いながらドアに背を向けキッチンへとむかおうとする。
するといきなり何かに腕を掴まれた。
驚き振り返ってみると、
さっきの黒装束の少女が扉から半分体を出し俺の腕を掴んでいた。
「なっ?」
「あ、あなたが悪いんですよ?私だって将来がかかってるんですから」