ヒュイン
突然、俺の目の前を何かが通った。
ゴトリと音を立てて崩れ落ちるワインの口。
赤と白の液体が混じったところにそいつはいた。
・・・そして、そいつは俺に微笑みかけた。
キレイだった、とてもそうとは思えない白い肌。その肌に映える黒い髪。年相応にみられないである童顔。
そして、そのなんとも言えない、引きずり込まれるような 笑顔
そいつに俺は見とれていた。間違いなくみとれていた
・ ・ ・
そいつは何かをいった。そしてその顔に満面の笑みを浮かべる。
何だろう?身を乗り出す俺。そこでまた、ゴトという落下音が・・・
何だろう?これは?
俺が『俺』を見上げている。 ・・・首のない『俺』を
ハハハ 落ちたのは俺でした。
最後にもう一度そいつを見よう。そしてそいつの服を見ると俺は意識を失った。
『ウォルター』と書いてあった