カシュン カシュンと金属のこすれる音の響く戦場。
そこに そいつは いた
踊っているようだった。 その黒い体を翻しながら。
ヤバい。誰が言うわけでもないが、俺達は一斉に引き金を引いた。
ヒュバババババ!!!
弾丸が『奴』に目掛けて殺到する。戦場を交錯する。
奴は躍りながら次々に弾丸をかわしていく。
そして、奴が踊るたびに 仲間が次々に消えていく。
だめだ。もう、奴はヤバい。もう、あの軍隊はいない。
もう、残っているのは俺だけだ。
引き金を引いた。いつまでも引いた。
既に俺の銃は銃の役目を終えていた。
だめだ……
俺が腰の斧に手をかけると同時に 一筋の赤い光が『俺』を掻き消した。
連邦の 踊る黒い死神め………