「……はい、終了です。回収して下さいー」
……あー…やっとテスト終わったー……
中間は結構良かったのに、期末になるとやる気の無さが浮き彫りになってくるよねー。
「……なーなー、梨亜はどうだった?結構埋まったか?」
「………あつっくるしいからくんな」「酷っ!!」……ったく…
私の名前は『芹沢 梨亜<セリザワ・リア>』。
単なる高校に通ってる一部を除いて普通の高校生。
…見ての通り、数学嫌いだ。誰かアレの楽しさを教えてくれ。
「……おつー」「…むり、せんかを止めて……」「……あたしにゃむりだわ」
……このひとまわりちっけぇのは、『虚 夢李<ウツロ・ムリ>』。
普段はかなりはっちゃけてる奴だが、流石にこの暑さの下では名前通りになるらしい。
…んで、あのうざいのが『宵町 茜花<ヨイマチ・センカ>』。説明は省く。
「梨亜はさ、この後なんかあるわけ?なかったら一緒に飲もうぜ」「……わーい、残念ながら用事はあるけどサボるー、行くー」
「だーめ。ちゃんと用事は済ましてから来なさい。…つーか茜花、飲むのはジュースよね…?」
「……リアよ、何故悲しい。……それはね、……」『何独り言呟いてんの〜』
……何が悲しいって、そりゃさ。
テスト明けに死神やってりゃ疲れるっての。
『りあ〜、時間〜。体よこせっ!』「あまり無理しないで欲しいのだが」
死神とは何か。死神とは、死神である(言い訳的な意味で)。
漫画やアニメでは、バケモノだったり戦士だったりノートくれたりと、色々あるでしょ?
こいつは、精霊、とでも言うのか。幽霊みたいにとり憑いたりするけど。そういう種族なのだ。
「っと、チェンジ完了……りあはかなり疲れてるのな。身体が軋むぞ」『分かったら遊ばせろ。早く終わせ』「ん」
地上の死神の仕事は。
・浮遊霊を導く
・悪霊をかっさばく
・自殺を止める
……これが大体かな。今自殺とか多いからね。
悪霊なんて。いてもたいしたことないやつらばかり。かっさばいてもストレス解消にもなりゃしない。
そんなわけで、浮遊霊に死を自覚させに今日も仕事だ。あーめんどい。
「……あ、あなた死神ですか?」「ですね」「あー…やっぱり死にましたか。それで、何すればいいんですかね?」
「……ハイハイこちら死神名[Lia=Recall]、あん?りあは今借りてるから無理!仕事中だってんの!」
『……リア、今の』「りあのクラスメートだよ。仕事終わせってよ」『携帯ならまだしも死神通信機にハッキングしたなあいつら…』
「……嫌だ!死にたくない!生き返らせてくれ!!」「…上に内緒でたまに生き返らせたりしてるんだが、あんたのは手遅れだなー…内臓破裂、複雑骨折。」
『ついでに脳挫傷もね。』「うわぁぁぁあん!!」
……一段落ついて。
「……なー、りあ」『なんだいりこーるさん』「最近『死』に無関心なのが増えたな」『……かもね』
…最近は、自分が死んだ事を聞き、落胆する人間が少なくなってきた。
――『……別に死んでもいいや。』…こういう奴らが増えてるのだ。
「…あーでも練炭とかは正直勘弁だよな。硫化水素とか。」『あれは自殺じゃなくて『集団友人殺害事件』でいいよもう』
……さて、死神化を解除して、後は夢李たちと夜のお茶しに――、
「……アイツなんだ?」…リアが指差す。
その先には、ビルの屋上。
『……ッ!!!![RIZE UP]!!』「了解ッ!!」
精神力を高め、霊力を解放し、瞬間移動。
「……ちょっと!アンタは何やってんの!!」……ビルから墜ちる予定だった少年は、いきなり現れた私に気付いたようだった。
「……ダレ?天使?悪魔?」「死神!!むしろ人間!!」「……人間?」
……死神化は解除したから、今の私は単なる人間だ。多少霊術は使えるが。
「……人間が死神になって、平気なの?」「毎晩仕事で寝不足よ、自殺志願者止めたりしてるから!!」
……睨む。流された。
「…とりあえず、私が死神仕事辞めない限りは自殺すんじゃねぇ。これ以上仕事増えんのは迷惑だ」「……ならさ、
俺も死神にしてくれよ。
……駄目?手伝うぜ?」
………なんだよこの唐突な奴は。そんなに生きたくないか。
「…了承貰うまで待つからな」「『………』」
……最近はこういうのも増えてきてる。
……言い忘れた設定。
まず、私達の学校には、一部変なのがいる。
その内の一人は私だが、友人達も負けてはいない。
宵町茜花。彼女は超能力者だ。
透視から念動までなんでもだ。故に、多少の寝坊では遅刻しない。テレポートできるから。
…ちなみに、死神の情報網にハッキングしたのはコイツの仕業。
さて、虚夢李。彼女は魔法使いだそうだ。
……なんでも最強の魔法使いにスカウトされたとか。なんだそりゃ。
魔法については、ゲームなんかと同じく『属性』が絡むという。楽しそうだ。
………で、さっき屋上に行ったら。
「…よっ」「…………」
「アンタ、ここの生徒だったんだな」「おい自殺志願者。
なんでこの学校にいる?
どこぞのギャルゲか?ネオロマンスか?B級エロゲなのか?
てゆーか死にてぇなら虐められろ。引き込もれ。イジメ理由に自殺しろ。」
「……いきなりだな」「むしろ死ぬな。仕事が増える。死にたきゃ引っ越してから氏ね」「……」
……溜め息ばかりの毎日は始まったばかりだ。
打ち切りエンd「うぉーい、何終わしてんだ」
……ちっ。