シスターエルモは、不良だ。  
 彼女がそうなったきっかけは、修道院からお祈りをするために隔週で赴く、教会本部のある町でのことだった。  
 ふらりと本屋に立ち寄った時。  
 雑誌を間違えて、女性用成年誌を買ってきてしまったのだ。  
 見ずに捨てるのは勿体無いと、興味本位に呼んだその本には、彼女の人生において学ばれなかった知識が大量  
に書かれていた。  
 様々な性に関する情報が詳細に説明されている中で、一番少女の興味をそそったのが特集はローターを使った  
自慰の方法だった。  
 次のお祈りの日。彼女は小遣いの金を全てはたいて雑誌とローターを二つ買ってきた。  
 自分用と、布教用だ。  
 結果、  
「ねぇ……また、イカせあっこ、しよ?」  
「え、う……うん」  
 小高い丘の小さな教会は、毎夜欲望にまみれることとなった。  
 エルモを中心として、若いシスター達にどんどん伝播していったのだ。  
 今まで生きてきて“快感”というものを知らなかった彼女達は、手引書と背徳者による指導により  
まるで砂漠で水を得た旅人のように、貪欲にそれを貪った。  
 
「でも、こんなに毎日やってたら罰があたるんじゃ……」  
 長い金髪の娘が、ベッド上段へ憂えた。  
 今日誘ったシスターエレンは、大人しく、引っ込み思案で、信心深い子であった。  
 自慰はしたい、が教義に反する。既に何度か戒律を破っている身で、なお神に逆らうか否かの杞憂の  
葛藤に苦しんでいる。優しい、正直な娘であった。  
「大丈夫、神様は寛容だよ」  
「でも……」  
「第一、それなら真っ先に私が戒められてるって」  
 対して、エルモは明るく何事にも積極的で、どちらかというとお絵かきや読書でなく男子と外で元気に  
遊ぶ性格だ。太陽のような、天真爛漫な娘である。  
「で、でも次はどうかわからないじゃない。聖書も、院長さまもいつも仰っているわ。姦淫はいけないって」  
「私、子供だからそういう難しい言葉はわかりませんっ」  
 言いながら、彼女は二段ベッドから飛び降りる。ショートカットのブロンドが、シャンプーの香りを辺り  
へ振りまいた。  
 そのまま、下段のエレンの布団へもぐりこむ。  
 16で一番年長のエルモは、毎夜毎晩他人のベッドに忍び込んではこういう事を繰り返していた。  
「もう……」  
「えへへ」  
 
 お世辞でも質のいいとは言えないベッドに、上等の短長様々な金糸がばらまかれる。  
 それは窓から射し込む月明かりに静かに照らされ、シスター達を更に幻想的に見せた。  
「エレン、今日の歯磨き粉は?」  
「ミントよ……って、あなたもでしょ。ん、ちゅ、んぅ……」  
 二人は抱き合って、そっと口づけをした。互いの味が口の中に広がる。  
 それのせいで敏感になった口内で、舌をからませ、吸い合い、相手の唾液を奪い合う。  
 そのキスは、少女であり聖職者である者とは思えないほど、ひどく大人で、深い、淫靡なものであった。   
 
「ねぇ……」「……うん」  
 思考が蕩ける。太股を絡ませあい、股間を擦り合わせて求めあった。。  
 まだ陰毛すら揃わないような秘所は、しっとりと下着を濡らしている。  
 熱に浮かされるまま、枕の下に隠してあったローターを取った。  
 一度それを口に含んでから、パジャマを乗り越えパンツの中へ手を入れて、互いのクリトリスへ押し当てた。  
「あっ」「んっ」  
――彼女たちは、あえて衣服を脱がずに行為に及ぶようにしていた。  
 それは、ずっとそこに位置が固定できるからとか、両手を使えるようになるからとかではなく、  
シーツを汚さないためだった。  
 下着は若い彼女達が洗濯できたが、シーツは年長組のシスターの担当だ。  
 もし大きなシミの原因を聞かれた時に、答える事ができない。  
 その点着衣したままであれば、よほど激しくしない限りそうはならない。  
 代わりに下着はびしょ濡れになってしまうが、行為後は疲れて寝てしまうので、さほど気にはならなかった。  
「いい?」「うん」  
 二人は、コードでつながったリモコンを握り締める。  
 そして同時にダイヤルを回した。  
「んんぅっ!」  
「んぁあっ!」  
 
小さなたまご状の機械は、指示によって鈍い音を立てて振動し始めた。  
 彼女達のまだ幼い陰核に永続的に甘い痺れを与えていく。  
「んぁ……はぁっ! エルモ、つよ……ふぁあ、すぎっ……!」  
「んぅ、あはぁっ!! そ、そんなことぉ……ああぁっ!!」  
 ローターの振動レベルは最弱であった。それでも刺激が強すぎるのか、強く抱きしめあって、悦楽に震える。  
「んぅ、んんっ!! ぁ、ぁはっ…ひぅっ!!」  
「ふぁあっ、あぅっ!! はぁ、んぁああっ!!」  
 身体を悶えさせるたびに、太股と太股とがこすれ合う。たまにローター同士がこつんとぶつかり、  
その度に彼女達は大きく仰け反った。  
 それは微震とは違った大きな波を与え、より絶頂へと導いていく。  
 大勢が寝ている中でするスリル、教えに背いているという背徳感が興奮をあおり、二人を昂らせていた。  
「ぁあ、ふぁあっ!! あはっ、はぁぁ!」  
「やぁ、んんぅ!! きもち、ひぁ、いぃ……!」  
 彼女たちはローターの他に、太股を擦り合わせる事はしたが、決して下着越しに指で触ったり、直に舌で  
愛撫するといったような事はしなかった。  
 雑誌にはそれらや、もっと過激な方法も書いてあった。しかし、一度も実践されてはいなかった。   
 
 今後激しいものになっていく可能性は大であったが、彼女達には、まだそれだけで充分だったのだ。  
 それは同世代や大人の女性と比べて、一見過激なようで、実はひどく幼い自慰だった。  
「あぁう……うぁ、あぁあっ」  
「うああっ!! あは、ふあぁっ!! はぁあ……ふぁ、んむぅ」  
 声が我慢できなくなって、エルモはエレンの唇を奪った。  
 自慰を知った日から毎日誰かと繰り返しているエルモのクリトリスは、周りのシスターたちより  
感度が上昇しているのだ。  
 当然、知らずのうちに自らを調教しているなど幼いシスターは知る由もない。  
「んぅぁ、ふぁむ、むぅ……」  
「むぁ、んんぅ!! ひうぅ、ふうぅぅっ!!」」  
 エルモに限界が近づいてきた。一生懸命、肩を抱く腕に力を込め、下腹部に力を込めて堪える。  
 が、エレンにそういった様子はない。まだ恍惚の表情で、快感の波間を漂っているように見える。  
 少し悔しくなって、ダイヤルをほんの数センチ回した。  
「ひぁああぁっ!!! ふぁあっ、うそ、んうぁああぁっぁ!!!」」  
 それだけで、エレンの限界を振り切った。  
 
 抱いている体はがくがくと震え、宝物をシーツに撒いたように髪を振り乱した。  
 ぎゅうぎゅうと股間を押し付けてくる。彼女の愛液で、ひざの辺りまで濡れてくるのがわかった。  
「えるも、らめ、ふぁあ!! こえ、れちゃ、うぁあああぁっぁ!!!」  
 その姿に、エルモは夢中になった。  
 いつも大人しいエレンが、こんなにも乱れている。獣のように大声を上げて、よがり狂っている。  
 イくときは自分もこんなに乱れているのだろうか。  
 エルモは、自分がイキそうになっているのを忘れた。  
 もっとよがっている姿が見たくなって更につまみをひねる。  
「あひぁあああぁっぁぁあっっ!!! えるも、える、ひああぁっぁぁああ!!!!」」  
「んぁ、ねぇ? 雑誌みたいに、あっ、イクときは……」  
「い、イったぁ!! イったようっ! らから、ああぁ、あはああぁああ!!! とめてぇええええっ!!!」  
 絶叫しながら、パートナーに懇願する。  
 
 イった後にも永続的に与えられる快感は、エレンにとって天国のような地獄でしかなかった。  
 ぐるぐると体内を渦巻く悦情が、無限に生成され続けて、ずっと放出されているような感覚。  
 暗い闇を落ちていくような、体から何か出て行くような感覚に、不慣れな彼女は大声を上げるしかない。  
 が、まだそんな彼女を見ていたいエルモは止めようとしない。  
「だーめ」  
「そんな、ぁああぁあっぁあ!!! はああぁあ、やめ、あぁはあぁあぁっぁあああ!!!!!!」」  
 と、その時だった。  
 
「何事だぁ!」  
 ばん! と開け放たれた扉が壁を叩いた。ロビーの明かりが、暗い室内に差し込んでくる。  
 寝室に声の主がずかずかと入ってきた。逆光で姿は見えないが、直ぐに監督官とわかった。腰まである  
長い髪、すらりとした長身、大きな胸、そして凛とした声。そんな条件を満たす女性は、彼女しかいない。  
 エルモはあわててスイッチを切った。  
「ふぁ、ぁ・・・」  
 ようやく責めから解放されたエレンは、熱っぽく声を漏らした。糸の切れた人形のように脱力して、  
絶頂の余韻を噛み締める。  
「今のは誰の悲鳴!?」  
 監督官は腰に手を当てて、三つ並んだ二段ベッド全てに怒鳴る。  
「エルモ! 年中組の室長はあなたでしょ! 説明して!」  
「ぁ、シスタークレア、これは、いや、えっと……」  
 とっさに、背中にリモコンを隠した。クレアはそれを見逃さない。  
「出しなさい!」  
 嫌だった。ばれたら、この習慣が終わってしまう。もっと気持ちいい事がしたい。  
 弁解しようとした、その時だった。  
 エルモのローターが強く振動し始めた。  
「ふぁあ!!」  
 エレンが、さっきまでのお返しとばかりにつまみを回したのだ。  
 
 怒られて冷めていた身体が、一気に火照りを取り戻す。  
「ふぁとは何です!」  
「んぁ……ぁ、やぁ……え、エレン!」  
 名前を呼ぶ。だが当人はとろけた表情で、うつろにエルモを見上げるだけだ。  
「布団、剥ぐからね!」  
「や、です……ひぁあっ、ふあぁ、え、えれん……やぁああっ!!」」  
 今ここで強く叱られたとしても、ローターを没収される事態は避けたい。そのためにはただひた  
すら、ばれないように平常に振舞うしかなかった。だが先程まで絶頂寸前だった彼女の幼い身体は、  
上手く快感を制御できない。  
 顔を真っ赤にし、ぎゅっと目を瞑り歯を食いしばってもぞもぞとしている姿は、怒鳴り声で起きて  
来たばかりの友人達からも、快感に震えているように見えた。  
 布団がはぎとられた。暗さとエルモが股間を押さえていた事が幸いし、下着から伸びたコードは見え  
なかったが、隣でぐったりしたエレンが握り締めているリモコンは、クレアには見えたようだった。  
「エレン、出しなさい」  
「ふぁ、い……」  
 何も考えずに、言われるがままに差し出す。  
「だめ、エレン!」  
「だめじゃありません。何、これは」  
 
 クレアは受け取った桃色の長方形のそれをじっくりと眺める。  
 一通り見終えた後、「中」の辺りまで回されているつまみに興味を惹かれた。  
 そしておもむろに、思い切り振動レベルを限界まで引き上げた。  
――この時、彼女の口角が笑みの形に歪んだのを、誰も見たものはなかった。  
「ひぁああぁぁっ!!! あはぁっ、ふぁあああぁあっぁああっ!!!」  
 絶叫。獣のように大声を上げ、思い切り仰け反った。  
「うあ、うぁああぁっ!!! くれ、くれあ、ああぁああああぁああっ!!!!」」  
「ど、どうしたの!?」  
 クレアは、迫真の演技をした。頬へ両手を当て、うろたえたように、エルモに近づく。  
「エレン、来なさい。エルモをつれていきます。他の者は寝るように!」  
 強く部屋中へ言い渡すと、痙攣するように体を震わせている彼女を抱き込んだ。  
 左手を肩へ右手を尻へ伸ばし、抱っこのように。右手は強くクレアの側へ力を込められ、  
彼女の腹へ、ローターをクリトリスに強く押し当てるような形で。  
「うぁあっ!!? くれぁ、そこっ、あはぁあぁああっ!!!」  
 そうして三人は、寝室を後にした。  
 
 *      *        *        *  
   
 目を覚ますと、見た事のない場所だった。ごつごつとした岩壁の、空気の冷たい、  
まるで牢屋のような荒涼な景色だ。  
 冷たい感触がする。自分はどうやら全裸にされて、鉄か何かの椅子に座らされているらしい。  
両手は天井からの鎖で繋がれていて、両足は大股開きで固定されている。太股と足首には、  
椅子から生えた拘束具がそこから逃げないように巻きつけられていた。  
 座り方は浅く、まるで誰かに股間を突き出しているような姿勢だった。  
「おはよう、エルモ」  
 正面にいたクレアが、にこやかに挨拶をした。その隣にはエレンがいて、怯えたような目で  
こちらと彼女とを交互に見返している。  
「ぁ、ぇ……クレア?」  
「ええ。……気持ちよかったかしら? オナニーは」  
 突然年長の彼女から飛び出た淫語に、エルモは目をむいた。自分より遥かに信心深いはずの  
クレアが、何故そんな単語を知っているのか。一瞬、夢かとも思った。  
「え、あ、あの」  
「ふふ。まさか、ローターを強にするだけで失神までしちゃうとは思わなかったわ」  
 
 いたずらっぽくはにかんだ。それはまだ19才の彼女に相応しい健康的な笑顔だったが、  
その言動との差が、一層いやらしく彼女を見せていた。  
「な、なんでそんなことを……?」  
「そ、そうですっ」  
 二人が訊いた。  
「まぁ、私もまだ若いってコトよ。院長さまや他の先輩方と違って、ね。そりゃ興味くらい  
あるわよ」  
「な、なるほど」  
「でもね」  
 クレアは、エルモへ近寄った。それにびくりと反応するが、腰から上しか動かない。彼女は  
そっと指をエルモのあごへ這わせた。そっと持ち上げて、口付ける。  
「ん――っ!?」  
「んぅ、ちゅ、ちゅぷ……れぉ、ちゅう……ふぁ。ふふふ」  
 それだけで、エルモは蕩けた。雑誌で見たのより遥かに淫らな、想像を絶する甘い  
ディープキスに、何も考えられなくなる。  
「一応神様に背いた訳だから、お仕置きをしようかな、って思って」  
「ぇ……?」  
「私が、エルモをイカせてあげる」  
 もう一度、彼女は微笑んだ。  
 
「そ、それが、お仕置き?」  
「大丈夫、一回イったらおしまいにしてあげる。ここは異端尋問室だからどんな大声を出して  
も絶対に外には漏れないし、院長様達は夜のお祈りに出てるから今は教会に私と貴方達しか  
いない。絶対大丈夫だから」  
 言いながら、頭を撫でる。それは、こんな拘束状態に置かれているエルモに、絶大の安心  
を与えた。この人なら、お仕置きされてもいいかもしれない。  
 それに、異端の罰がそんなことなら、とんでもない破格だ。普通ならもっと、どうなるかは  
知らないし知りたくもないが酷い事をされるだろう。  
「その代わり、ここで見聞きした事は秘密ね? 私が怒られちゃうから」  
「……はい」  
「よしっ。じゃあ、エレン、こっちおいで」  
「ぁぅ……は、はぃ!?」  
 立ち尽くしていた彼女は、素っ頓狂な声を上げて返事をした。だがすぐに手招きの通りに、  
クレアの横へ移動する。  
「な、なんでしょうっ!?」  
「これから、エルモにお仕置きをするから。エレンも手伝って」  
「ぇ、で、でも……。私も、その、えっと……」  
 
「どうせ、エルモが誘ったんでしょ? じゃあ、エレンのお仕置きは、私の手伝いってことで」  
 さっぱりとした笑顔を、エレンに向ける。負い目のある彼女は、それにただ頷くしかない。  
「えっと、じゃあ、するね。エレンは、私の真似をしてね」  
「は、はい」  
 言って、そっとエルモの右胸に唇を寄せた。しっとりとした白い肌に、唾液まみれの舌が這う。  
「んぁっ!」  
 遅れて、エレンも戸惑い気味に続く。  
 自慰にはクリトリスしか使ったことのないエルモにとって、それは初めての感覚だった。  
 そことは違う、じんわりと込み上げてくるような喜悦。強烈でもなく、かといって微弱  
でもない。今までの鋭いようなものと違い、柔らかく包み込んでくるようなそれに、ひどく戸惑う。  
「ふふ、やっぱり、イキ続けたばっかりは敏感?」  
「ふぁ……ひっ、あぁ……わ、かんな、はぁっ!」  
 少しざらついたものがそこを這う小さな摩擦に、エルモは体をひくつかせる。  
「……んぅ、ぅぁ……あっ、あ、あぁ……」  
 それにローターは機械的で一定な振動だったのに、クレアの舌は強弱の波が激しい。  
先端をちろちろとかすめるようにしたかと思えば、根元から舐め上げ、乳輪に沿って円を描く。  
 
 一方エレンは、舐め方がわからないのか乳飲み子のようにただ胸を吸うだけであった。拙いが、  
一生懸命で、優しい。  
 二人のあまりに違う責め方の差が、またエルモを昂ぶらせていく。  
 こんなもので、クリトリスを舐められたらどうなってしまうのだろう。  
「あぅ、ぁああ……ひっ、ひぁぁっ!!」  
 顔を真っ赤にして、嬌声を上げる。だがクリトリスほど気持ちよくないせいか、快感だけに  
集中できない。二人の目を気にして、とろけそうな表情を隠そうとして顔を背ける。手でも  
顔を覆おうとしたが、鎖にはばまれてそれは叶わなかった。  
 エレンは、その様子を上目遣いに眺めていた。そして、心底エルモを可愛いと思った。年上で、  
普段は姉御肌な彼女が、自分の舌ひとつでこんなにも乱れている。  
 意地悪をしたい気持ちが湧き上がってくる。サディスティックな感情のままに、エレンは訊ねた。  
「えるも……きもち、いい……?」  
「や、やぁ……な、んか、ひぅっ! んぁ、その……うぅ」  
 答えられない彼女を、一層愛しく思った。そしてそのお仕置きに、クレアがしたように  
乳首に甘く噛み付く。そのまま、こりこりと歯で転がした。  
「なんかじゃ……ちゅ、わふぁんなひよ?」  
 
「だ、だって、ふぁあっ! やぁっ、それ、あぁあっ!!」  
「きもちいい?」  
「いい、きもちいいっ! だか、だから、それぇっ!! やめ、ひぁああっ!!」  
「よくできました」  
 ご褒美に、それをやめてあげる。年上の彼女を従わせたという征服感に、ぞくぞくするものが  
背筋を這い上がった。恍惚の表情を浮かべるエレンに、驚いたように  
「エレンって……へぇ、そうだったのね」  
「私は、エルモが好きなだけ。だよ、シスタークレア」  
「普段は大人しいのに……。目覚めちゃったかな?」  
 首をかしげて、おもむろにエルモの太ももへ手を伸ばした。そっと、触れるか触れないかの所で  
撫でまわす。  
「いひぁっ!」  
「やっぱ、敏感ねぇ。エレンはお腹をしてあげて」  
 命令を無視して、彼女は自分の髪へ手をやった。指を金糸へ絡ませて、くるくると巻いていく。、  
 何度かすると、それはまるで細い筆のようになった。それを満足気に眺めると、指示通り  
ゆっくりと下腹へ手を伸ばす。  
「……こういうの、どう?」  
 今度は言われた通りへその周りを刺激する。穂先だけで、軽く、時間をかけて。  
「ふぁ、ああぁあぁ……ぁひっ、うぁ……」  
 
「ふぅん、なかなか……うまいなぁ。初めてでしょ?」  
「ありがと。うん、もちろんそうよ」  
 二人とも、にやにやしながらエルモの全身を愛撫した。エレンは胸以外の性感帯を知らないのか、  
舌と髪とで。乳首だけでなく、膨らみかけの乳房全体を満遍なく責めていく。  
 クレアは上から。耳や首、鎖骨、腋の下、腹、太もも、足の指。どれも丁寧に舐め上げていく。  
 それはどれもエルモには初めての感覚だった。指が動き、髪が触れ、舌が通過するたびに、体は  
揺らめく。時折、電流を流されたかのように腰が大きく浮くのは、限界が近い証拠であった。  
 だが、最後の一押しが足りない。絶頂に達するきっかけを、二人が与えてくれないのだ。いくら  
近くまで来ようと、絶対に股間には愛撫は届かない。自分でどうにかしようとしても、両手は  
鎖で繋がれている。両足は開いた形で固定されていて、エルモに手段は残っていない。  
 そんな状態をあざ笑うように、太ももをクレアの髪が通過していった。全身の毛が逆立ち、また  
腰を突き上げる。  
 最後にはエルモは過呼吸の様になり、涎をだらしなく垂らして痙攣し、喘ぐだけになっていた。  
 
「ねぇ、エルモ? 触って欲しい?」  
 クレアの問いに、待ちかねていたかのように首を何度も縦に振る。  
「どこを?」  
「ひぅあぁっ!! はっ、ふあっ……く……くりぃひっ!? ひゃ、やぁっ!」  
 エレンの意地悪な問いに、また答えることができない。性欲に理性が負け、羞恥を堪えて単語を  
言おうとする。だが感じ過ぎて、最後まで言い切るまでに声を上げてしまい、意味をなさなかった。  
「シスタークレア、答えられないみたいだから一度止めてあげていい?」  
「……オニね、エレンったら。……じゃあ、はいっ」  
 掛け声と同時に、ぴたりと愛撫が止まる。  
 普通なら安息できるはずのそれに、長らく愛撫され続けたエルモは耐え切れなくなっていた。  
体が疼いて止まらない。熱い、溶岩のような感情が体内を渦巻く。  
「ぁ、ぁあぁあ……ぁはっ、はぁ、はっ……! あぁ、うぁ……あぁっ!」  
「止めたのにあーあー、だって。ふふ……。さ、どこをどうしてほしいの?」  
「さわってぇっ!! くりとりすっ、おかしく、なるからぁっ!! くり、おねがっ、ぁふぁあっ!!!」  
「どうする、エレン?」「……さぁ、どうしましょうか」  
 
「やらぁっ!! さわって、さわってぇ!! くりとりす、おねがいぃっ!」  
「んふー、じゃあ触るんじゃなくて、舐めてあげよっか」  
 クレアは立ち上がって、エルモの股間の前まで移動した。薄い桃色の秘所からはとめどなく蜜が  
溢れ出し、太ももから滴り落ちている。陰核は破裂しそうなほど勃起し、少女の丘に不自然な  
ほどに屹立していた。  
「はや、はやくぅっ!! わた、くれあっ、へんにっ、あぁあっ!!」  
 まじまじと眺めると、小さく息を吐いてそっと唇をクリトリスへ寄せた。それと同時に、  
じゅるじゅると音を立てて思い切り吸い上げる。  
「あ゛ああぁっぁあ゛あああぁぁあぁっぁぁぁああああ!!!!!!!!」  
 快感が爆発した。ようやく訪れた絶頂に、歓喜の悲鳴を上げる。  
 電撃に打たれたように全身を仰け反らせて、潮を吹いた。両手を握り締め、腰は跳ね上がり、  
つま先は伸びきって、限界を体現する。  
 だが絶頂を迎えたのに、愛撫は止まらない。  
「あぁあぁあっぁあああ!!! やあああっ、わたっ、イっあぁあああっ!!」  
 その言葉を聞いて、少しだけクレアは股間から頭を離した。袖でべたべたになった顔を拭い  
ながら、笑顔で質問する。  
「イったの、エルモ?」  
 
「はっ、あぁっ! ぁは、は……はい……ひっ、あぁ……」  
「へえ。じゃあ、証拠は?」  
「ぇ……?」  
 最初、問われた意味が分からなかった。なんでそんなことを聞いてくるのか、理性を失いつつ  
ある頭では不明瞭にしか受け取れない。  
 だが、時間が経つにつれてその言葉の意味が理解できたとき、背筋が凍った。  
「しょ、しょうこなんて……っ!」  
「無いの? だったら、止める訳にはいかないわ。ウソかもしれないじゃない」  
 にやにやしながら、またそこへ顔を埋める。反論する前に、舌先で陰核をつぶすように押した。  
「きひぁああぁっ!!」  
 イったばかりで敏感になっているところへ神経の塊を責められ、エルモはそれだけで絶頂に  
達してしまう。  
「やぁっ、あはぁっ!! わた、うそじゃ、ふぁあああああっ!!  
「なら証拠を見せて?」  
「わかんなぁっ、そんな、あぁっぁああ!!」  
「ふふ、クレアも大概……♪ でも、そうね。嘘はいけないわ、エルモ」  
 サディスティックな笑みを浮かべながら、エレンは左の乳首へ歯型ができるほど強く噛み付いた。  
片方も指で摘み上げ、こねるようにして動かす。  
「うぁああっ!! うぁ、あ゛ぁああっ!! えれ、んぁああっぁああ!!!」  
 
 普段なら苦悶の表情を浮かべるような痛みでさえ、極上の快楽に変換される。半開きの口  
からは唾液があふれ、それが快感に暴れる度に飛沫になった。  
 舌が膣口から蜜をすくっては、芽へ塗りたくる。どろどろになったそこを、唇で噛んで  
吸い上げた。じゅる、という音。蜜と空気がない交ぜになって、淫らな音を立てる。  
「あひぁあぁあっ!! やらぁっ、もっ、イっ、うぁあああっ!! らえっ、ふぁあああああっ!!!」  
「かーわい。もうなに言ってるかわかんないわ」  
 半狂乱になって喘ぐエルモに、今度は爪で乳首の先端を引っかくように往復させる。むず痒い  
ような刺激で表情を蕩けさせる彼女に、エレンは満足気に微笑む。  
「もうちょっと、幸せにしてあげる」  
 クレアはそう言うと口での愛撫を止め、ゆっくり指を陰核へ這わせた。何度かそこを  
撫ぜた後、そっと包皮を剥く。  
 氷を押し当てられたような感覚がエルモを襲った。濃い桃色の霧に覆われていた思考が、少し  
だけ正気を取り戻す。外気に真芯が触れただけで、剥き出しの神経が凍ってしまうような想像が頭  
を巡る。  
 そこをそっと、舌先で頭をくすぐった。  
「――――っっっぁああああああ!!!!」  
 
 声にならない悲鳴を上げて、エルモは全身を壊れるくらいに仰け反らせた。  
 そのまま、ぴちゃぴちゃと音を立てて剥き出しのクリトリスをしゃぶっていく。  
「あ゛ぁああっあああ゛ぁああぁああっっ!!!」  
「んふー、気持ちいいでしょ」  
「ぁあああっぁあぁああ!!! やらぁああっ、もっ、やらぁあああああぁああっっ!!!」  
「何がや、なのかしら?」  
「イっ、あぁ、イくのぉっ!! もぅイくのやらぁああぁっぁああ!!」  
「どうする、クレア?」「そふね、じゅっ、もう……いいかひら」  
 言って、ようやく彼女は顔を上げた。エルモの淫液で、口まわりはまるでふやけたように  
なっている。舌なめずりをしてそれを舐めとり、飛沫で汚れた服で顔を拭いて、  
「これでおし、まいっ!」  
 クリトリスを、指で弾いた。  
「う゛ぁああ゛あぁっぁああ゛あぁっぁあああああああ!!!!!!!」  
 最後に与えられた、叩くという新鮮な刺激にエルモは大きく反応した。  
 咆哮にも似た嬌声を上げ、まるで拘束椅子が電気椅子に見える程身体を揺らした。潮を盛大に噴出  
して、正面のクレアの服を更に汚す。筋肉は弛緩し、そこから小水が漏れ出した。  
 ついに思考は快楽の波にさらわれて、気を失った。  
 

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル