ある晴れた空の下、真夏の炎天下の海。
その砂浜にあまりにもその場に似合わない、
眼鏡をかけたガリガリのひ弱そうな白衣を着た男が居た。
彼の名前はドクターマッド。
頭がよくて、本気を出せばノーベル賞の2、3個は軽く取って
人類に貢献できるのに、彼の研究はいつも珍妙な物ばかりを作っているのである。
そして彼の傍らには上下黒のビキニを着た
黒髪のショートカットの美しい女性がパラソルを差して、
彼を炎天下の日差しから守っていた。
彼によって作られた、助手のメイドロボ、ティムである。
ティムは博士のためにパラソルを斜めにもっているせいか、
ティムの大きな胸はみごとに、水着から零れ落ちそうだった。
こころなしか、食い込みもかなりきつい。
ティムのスタイルの良さも相まって、さながらグラビアの撮影のようである。
博士の位置から見るとかなりいいアングルになる。
そのためか、博士もちらっとはそっちの方を見るのである。
その博士の視線に気がついたのか、ティムは問いかけてくる。
「何故、新作機械の実験をこんな砂浜で?
研究所でもできるでしょうに……」
「ふっ、君には永遠に分からないことだ。
つまり、男のロマンと言い換えてもいい。
燃え滾る情熱のためなら、私はなんだってする」
「そうですか」
と、そっけない返事を返すティム。
けっこう、無口さんのようである。
そうこうしているうちに博士は機械の調整を終えたようである。
「さぁさぁさぁ!!聞いて驚き、見て驚愕!!ドクターマッドの新発明品!!」
「……」
「スイッチ・オーン!!ぽちっとな。」
ドクターマッドが歓喜に満ち溢れた表情で、発明品にスイッチを入れると、
ティムの着ているビキニが、怪しげな光に包まれだした。
しかもその範囲はティムだけではなく海に遊びに来ていた他の女性たちも、範囲に包まれていた。
範囲から漏れたのは、ブサイクと幼女だけである。
水着の種類も無差別でビキニも、レオタードも、スク水も、全部が対象だった。
だが、真の恐怖はまだ始まってすらいなかったのである。
「いや〜ん!!」
ビーチの各所から聞こえてくる、女の子の悲鳴。
なんと、直後にすべての水着が消えてなくなってしまったのである。
一瞬にして体を包むものがなくなってしまう乙女達。
一糸纏わぬ姿は男たちに丸見えであった。
こっちでは、ポニーテールの気の強そうな女の子が赤面して必死に手で隠していた。
あっちでは、気の弱そうな女の子がいまにも泣きそうな表情だった。
中には、裸で入ることに気づかずに昼寝をしている大胆なお姉さんもいた。
とにかく、ビーチ中が大騒ぎになっていたのである。
周りの女の子はみんなすっぱだか。
男含め、みんなでパニックになっていた。
ある女の子は気が動転して、必死に更衣室までなにもつけないで駆け込んでいた。
別の女の子は、海に飛び込んだのである。
「博士。転送装置の実験はいかがでしたでしょうか?」
ティムが博士に語りかける。助手のティムも機械の巻き添えを食らって、
ビキニを剥がされたのであるが彼女は眉一つ、動かさなかった。
惜しげもなく美しい裸体を博士に晒すティム。
彼女には羞恥心をいうものがプログラミングされていなかったようである。
だが、下心溢れる博士の目はティムに釘付けであった。
「あぁ。うまくいったさ。これでビーチは大パニック。我輩も眼福である」
「それでは、帰りましょうか」
「あぁ。帰るとしよう。」
そういいながらも、両手でティムのおっぱいを鷲掴みにする博士。
それでも、ティムは無表情であった。
「あの、片づけができないのですが。」
「おぉ、そうだったでありますな。」
博士は素早くティムの胸から手を離した。
こうしてティムは非常に重い器具を軽々と車の荷台につめこみ、
博士と共に撤収する。
そう、水着を脱がされてパニックに陥った女性達を置いて…。
その後、この話がニュースとなって世間を揺るがしたのは
言うまでのない話だった…。