ほらふきなおんがくかともいちど  
目が見えなくなる前に会ったほらふきな音楽家を探して旅をする少女のお話…  
 
むかし、あるところに病気を患った少女がいました。  
彼女は退屈だったので庭に出た所、庭の木に向かって何かを書いている男がいました。  
なにをしているのか、と問うたところ、彼はこの木の精を歌にしていると言った。  
彼女は彼に興味を持ち、度々部屋に招いた。そして外の世界の話を聞いた。  
大ウナギとの戦い、一角牛との死闘なんて言う話も出てきた。  
彼のおとぎ話の様な冒険話は毎夜行われた。彼女の闘病生活唯一の楽しみとなった。  
ある晩父親に気づかれて、追い出されてからは彼は来なくなった。  
やがて彼女の目は光を失った。それと引き替えに体の病は治った。  
そしてある晩、彼女は杖を持ち家出しました。そして幾多の危機と困難を乗り越えた彼女は  
ある村に留まりました。そこで懐かしい声を聞きました。  
彼は彼女に気づくなり求婚しました。受け入れた彼女は結婚しました。  
二人は村一番のいい夫婦になり、二児を設けたということです。 めでたしめでたし   
 

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