息を殺し、気取られないように一つ、また一つと歩を進める。五臓の底に息をためて、畏れずためらわず……ややっ、こんちこんち!向井邪邪丸です!
大きな大会もしばらくなく、モチベーションの下がりきった顔で僕達は2年3組の教室の中、残暑に苦しんでいたワケなんだけど…
「ねぇね、むっきーむっきー!若い肢体を持て余すのもアレだし、かくれんぼしよっか」
スカートの中を団扇でぱたぱたと扇ぎながらの瞳美先輩の提案により、僕は彼女を見つけるために校内をさまよっているのでした。色はうすいピンクでした。
「…おっと、いけないいけない」
下着という物への憧れと相まって、僕の股間はぐぐっと膨らみかけてしまう。
回数を減らせばその分、量が増えるということを先輩は学習したらしく、最近はたまにしか特別練習をしてくれないのだ。
いつ来るとも分からぬ灰色の快楽のため、僕はオナニー断ちを敢行しているんだけど……
「もう3日目かぁ……。早くしてくれないかな〜」
想像してみて下さい。
中学1年の健康な男子が、3日間も右手(もしくは左手)に留守番させる、その愛しさと切なさと心細さを。
3日間のチン黙を続けているマイサンは、わずかな妄想ですらも直立不動の態勢に入るのだ。
「鎮まりたまへ、鎮まりたまへ……池上さん、おぉ池上さん……」
僕は固く目をつむり、同じクラスで隣りの席に座る、試合後のタイのキックボクサー風の顔をした女の子を思い浮かべてみた。
「ふうっ、さすが池上さんだ!瞳美先輩のパンチラを相殺するなんて………!?」
背筋がピーンと張りつめる。この気配……瞳美先輩と似てるけど少し違う……だけど僕はこの気配を知っている。一週間くらい前から僕をつけてくる誰かのものだ!
青臭い夏の空気を吸い込んで、背後にいるその人物に意識だけを向ける。
ツクツクホ〜シ、ツクツクホ〜シ、ツクツク…………
「誰だ!」
夏の終わりを謳うセミの声が止むとともに、一瞬にして振り返る。しかしそこには誰もいない。
「……おかしいなぁ、完全に気を捉えたと思ったんだけど。いったい誰なんだろう?瞳美先輩によく似た感覚だったけ………」
バコォッ!!!!!
後頭部に鋭い衝撃がはしり、思考が強制的に中断される。
薄れゆく意識のなか、僕がなんとか見ることが出来たのは……濃紺のブルマだけだったわけで…………
パコン……ぺちっ
パコン……ぺちっ
……?
ぼんやりとした視界に、薄暗い天井が入ってくる。手足が動かない…………
パコン……ぺちっ
首だけを起こし、股間ごしに音のする方を見やる。そこには、スピンのかかったサーブを僕のチンポに打ちつける、卓球少女がいるだけなのであった……。
つづく
「んなアホなっ」
あまりに異常なシチュエーションのために、僕は思わず80年代風のつっこみを入れてしまった。
「球を玉にあてて、狙え金!」
なんてジョークが思いつくほど、僕の意識は一気に覚醒した。
「あら、起きたのね」
僕が目を覚ましたことに気付いた少女は、ラケットを置き近付いてくる。うん……結構可愛いかもしんない……ってこの人は!!
「あなたもしかして……」
赤みがかったショートカットに、クールビューティな印象を抱かせる切れ長の目、そしてなによりも、この中学校で濃紺のブルマを穿くことを許された唯一の人物!
「そう、『全知全能の卓球部長』こと沢井 ゆかり……それが私」
「誰に向かってやってるんですか?その小ぶりな胸を強調するあざといセクシーポーズは」
「だって私は『全知全能の卓球部長』だもの……モニタの向こうへのサービスカットも忘れないわ……」
な、何を言ってるんだろうこの人?
卓球部の副業として占いをやり、百発百中だということで女子に絶大な支持を受けてるらしいけど、本当になにか見えているのか…?……いや、そうじゃなくて!
「その沢井先輩が、なぜ僕を卓球台に縛りつけ、チンチン丸出しにしてるんですか!?」
「水くさいわ……私のことはゆかりんって呼んでね……」
「ゆ、ゆかりん……」
「やん……照れちゃう……」
そう言って彼女は頬を赤くしながらくい込んだブルマを直すのだった。ダンディズム!
………はっ!なぜか気付かないうちにゆかりんのペースになっている!初めて遭遇するタイプだなぁ……。
「あのですね……だからなぜ……」
「私は……今まで沢山の相談をうけ、それを解決してきたわ……」
なんだ、急に真顔になって語り始めたぞ。
「サクサクした食感のマーボー豆腐の作り方から、デンプシーロールの弱点の克服法まで…女の子の持つさまざまな悩みを解決してきたの…」
「は、はぁ……」
微妙にピントのずれた悩みだなぁ。
しかし、確かに彼女は様々な問題を占いや助言により解決してきたのである。
悩みを解消した女の子信者達はその後ゆかりんを慕い入部し、いまや卓球部は50人の部員を抱え、吹奏楽部と並ぶ大所帯にまで成長。『全知全能の卓球部長』という浮き名の所以である。
「だけど最近……困った相談をされたの……それで、向井くんに協力して欲しくて……」
ゆかりんは長いまつげをそっと伏せた。しかし何だろう?これ程の人が困ってしまう相談て。しかし……
「ぼ、僕でよければお聞きしますけど……」
僕だって父さんの血をひく漢なのだ。こんな美少女の頼みを断るワケにはいかない!
頼みが了承されたことが分かり、ゆかりんはにこ〜っと微笑んだ。
「ありがとう……」
か〜っ!こちらこそ、生まれてきてくれてありがとうだぜ、この野郎!彼女の微笑みを目にし、俄然やる気がでてくる。
「はいっ!それで……僕は何をすればいいんでしょうか?」
するとゆかりんは慌てて手を振る。
「あっ……向井くんは何もする必要は無いの……だって、相談の内容は……」
「内容は?」
オウム返しに聞くと、彼女は手をもじもじさせながら一つ小さく息をはいた。
「病みつきになるほどの快感を……男の子に与えて、もう二度とは戻れない……後ろ向きの人生に引きずり込む方法…………」
メっトロポリタンジャーーーニイィーー!!!!
……何を言ってるんだこのめんこい娘は。全然分かってない。
君のその表情、仕草、言葉こそが一番の快感な・ん・だ・ZE。………ってそうじゃないでしょう僕!
「ででででも、なんで僕なんですか!?」
いつでもポジティブ・ライフを心掛けてきた僕のうろたえる様子を見て、それはね……と、彼女は微笑んだ。
「私が……ショタ好きだから……」
ああそうか、そうだったんだ。だから瞳美先輩と似た気配を身にまとっていたんだね。言うなれば彼女たちと僕との関係は捕食者と小動物だもんね。納得!
悟りに似た境地に至った僕の下半身に、ゆかりんは跨ってきた。
「じゃあ早速……」
言うや否や、彼女はブルマ尻を僕のチンポにぐりぐりと押し付けてきたのだ!
「どおかな……?気持ちいい……?」
息を荒くしながら、腰をぐいぐいローリングさせてくる。剥き出しのチンポコに、柔らかいながら弾力を保ったブルマ生地が擦り付けられ、『右曲がりの鬼』は早くも60%の力を示した。
それだけでも気持ちいいのに、さらにゆかりんは………
「えいっ」
むぎゅ〜
パイオツを僕の顔に押し付けてきたのであります大尉!
おや?このほっぺに感じるしこりはもしや…………
「ふふっ……分かる…?体操着の下……ノーブラなの……んんっ…」
今死んでも悔いは無いッ!いやっ、出来れば最後に3日間の寂しさと情熱とがミックスされたホットミルクを、この濃紺のブルマにぶっかけて果てたいッ!!
両親と妹にあてた辞世の句を考えてる最中も、ゆかりんの動きは止まらない。
「ほらぁ〜ほらぁ〜…欲情しちゃえ〜……。まだ未成熟ゆえの歪んだ劣情を私に浴びせちゃえ〜…」
腰のうねりが上半身に伝わり、その流れに乗って胸を押し付けてくる。見事なまでの連携だ!チンポパワー80%達成!
段々迫ってくる射精の瞬間を待っていると、ゆかりんは突然にその国宝級の動きを止めた。
「はぁ…はぁ…、これはここまで……」
「えー」
涙さえ浮かべて腰をぴこぴこさせる僕を尻目に、彼女は卓球台から降りた。
息を荒げる彼女のブルマの大きな染みは、果たして僕の先走り汁のみに因るものだったのか…………汁といえば「先走り汁」と「なめこ汁」の二種類しか知らない幼い僕には、分か、らんのである……。
めしべについて考察していた僕に、赤い髪の少女は囁いた。
「次はこれ……それそれ〜……」
チンポ越しに彼女は笑顔を見せ、その小さく繊細な手をぴとっ、と鬼にそえた。
う〜ん…かすかにひんやりとして、吸い付くようなこの感触………妖刀の放つほのかな青白い光に似ている!
「………それじゃいくよ……とりゃ〜……」
掛け声はぼんやりしてるものの、物凄い手コキが始まった。
さすが卓球部部長と言うべきか…くいっ、くいっと波うつ手首のスナップが素晴らしすぎる!
断言する!
今なら王○サーブ以上の球が君には打てる!
くちゅっ、じゅぐ、ぬちゅっ、ぬちゅっ……
卑猥な音を聞くともなく聞きながら僕は、
(マイサンは赤黒いから……きっと赤鬼さんにも黒鬼さんにも、仲間に入れてはもらえないよね……)
なんて…ちょっぴりおセンチな気分だった。
さきっぽから次々と溢れる汁は、ついにゆかりんの手首から垂れ落ちるまでの量に達し、僕のチンポも……うむ!100%状態に到達した!
(あいにくここまで先走りを出すのは初めてでねえぇェェ。…ほかほかの精液でねっとりと体中を染めて、泣き叫ぶがよいわ!)
しかし悲鳴をあげたのは彼女ではなかった。根元が膨らみかけた瞬間にパッと手を離したからである。
「キャー。なんでこんなとこで止めるんですかぁ〜!うぅっ……あんまりですぅ……」
美しい涙がとめどなく溢れる。
マイサンもびくっびくっとしながら、ちょっと白いものが混じった涙を流している。
「だって……手で出しちゃったらスレ違いだ!と罵られちゃうじゃない………ねっ」
「誰に向かってやってるんですか、その困った表情の上目遣いは」
「…それとも罵られるのは好き…?踏んであげよっか……?」
頬を赤くしつつ、ドキドキを抑えるかのように小ぶりな胸に手をあてながら、僕をちらちら見ている。
ふ、踏まれるのもいいかも……出来れば靴下は履いたままで……。
「……罵られるのは嫌いです」
「……そう、ざんねん……」
大切な時に素直になれない僕のばかっ……。
「じゃあ……いくね」
ゆかりんは薄い唇を丸くひらいて……
ぱくっ
おほーっ!
手のひらと同じように、ゆかりんはお口の中もひんやりとしている!
うーーん……瞳美先輩の溶かされるような快感を与えてくれる暖かいおくちもいいけど、ひんやりとしたおくちも気持ちEなぁ。
チンポとの温度差のためか、れろれろとうねる舌や、くちゅくちゅと音をたてる唾液の動きが鋭く伝わり、脳が夢現な感じに陥るのです。
ゆかりんを見てみると、目を閉じて一心不乱にしゃぶっている。
口に含んだ鬼頭を一生懸命に舌を使い舐めまわし、切なそうに眉を寄せて、じゅるじゅると音をたてて色んなものが混じった唾液をすすっている………ああ……120%だ………。
「……ぷはっ」
太すぎるのでアゴが疲れたたのだろう、ゆかりんは一度口を離し、僕の目を上気した顔で見つめ
にこっ
微笑みながら裏筋にちゅっ、と軽くキスをした。とどめは、それだけで充分だった。
「うえーーーーーーーーーーーいっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
どびゅるるっ!!どびゅるるっ!!どびゅるるっ!!
こ、こんなの初めてだ!細い管の中を大きく濃い塊が次々に通りぬけていき、危険なほどの快感が僕を襲った。半開きの口からは、ヨダレが垂れているかもしれない。分からない。何も考えられない。
どびゅるるっ!!どびゅるるっ!!どびゅるるっ!!
涙の溜まった目をゆかりんに向けると、恍惚の表情で虚空を見つめ、全ての精液をその躰にうけとめようとしていた。
どぴゅっ……ぴゅ……
やっと終わった……。
ゆかりんは薄く目を開けて、自分にまとわりつく精液を確認している。
前髪からブルマから伸びる太ももまで、余すとこなく濃いザーメンに犯されていた。
体操着には精液が染みこみすぎて、乳首が透けて見えている。
それに気付いた彼女はクスっと笑い、乳首にべっとりとついた白い塊を指先でぷるぷると弄びながら深く息を吸った。
「……んー……精液ってこういう匂いなのね………なんだかHなにお………」
「あーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
甲高い叫び声が、卓球部の部室に満ちた淫靡な空気をぶち壊した。
肩をいからせ、大股でこっちにやって来るのは……。
「あら……ヒトちゃん………どうしたの?」
ゆかりんが、精子まみれの顔でにっこり笑った。そう!瞳美先輩がやって来たのだ!
「どうしたのん?………じゃないでしょっ!全く……なかなか探しに来ないと思ったら…」
……そういえば隠れんぼしてたんだっけ。
「私のムッキーに何してんのっ、ゆかりん!」
どうやらこの2人は友達らしい。ぷりぷり怒っている瞳美先輩に、ゆかりんは事もなげにこう言った。
「ヒトちゃんに頼まれたこと……調べてたの………。ほら、後ろ向きの人生に引きずり込む方法………」
あんただったんかいっ!!
そんなツッコミをする気力も無いほど疲労していた僕は、死んだ魚のような目でなりゆきを見守った。
「だからってムッキーを選ぶことないでしょ!せっかく……せっかく3日間もタメさせたのにぃ……」
驚いたことに、先輩のキレイな瞳から大粒の涙がポロポロこぼれた。瞳美先輩……僕よりつらい思いをしてたんですね………。
「ふふっ……おかげでこんなにいっぱい……出ちゃった……ちゅっ」
ゆかりんは笑いながら、太ももに引っ付いた精液を指ですくって、瞳美先輩に見せつけるようにして舐めた。
ぶちっ
「うぅ〜〜〜っ……………返せ〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!それはぜんぶ私の精液よ!」
「ふふっ………あーげない……」
二人の争いをぼんやりと眺めながら、僕はふと思う。逃げられないのは僕なのか、それとも彼女たちなのか……。
まあ考えるの面倒くさいし寝よっと。
今日の晩ごはん、しゃぶしゃぶだといいなぁ………。
卓球ラケットを握ったゆかりんとフルートを縦笛のように吹いている瞳美先輩。2人の異種格闘技を眺めながら、ぼくは深い眠りに落ちていくのでありました。
おわり