「はぁ…たっちゃん、気持ちいいよぉ…」
私は今、たっちゃんの部屋のベッドに寝ながら、オナニーをしている。
でも、この部屋の主は居ない。今頃、リビングのソファで寝ている頃だろう。
ちなみにたっちゃんの部屋は2階、リビングは1階で離れている。
だから、たっちゃんに気付かれることはないと思う。
『いくら好きな人がココに居ないからって、人の部屋でそんなことするなんて良くないよ!』
なんて頭の中の一部が叫んでいるけど、指が勝手に動いてしまう。
くちゅくちゅとエッチな音が、たっちゃんの部屋に響く。
「んんん!…やだぁ…ゆびいれちゃやだぁ…」
たっちゃんの匂いが布団からする。そのせいか、たっちゃんに触られている感覚に陥る。
そんな感覚が、私をもっとダメな子にしてしまう。
指が、たっちゃんの指が、私を犯している。私、犯されちゃってる。
もっと奥まで入れて、かき混ぜて欲しい。そう思っていたら、指がそのように動き出す。
「んんんんんっ!んあっ!」
思わずいやらしい声が漏れる。
「やっ…!こえでちゃう…!そんな、はげしく、しちゃ、だめぇ…!」
その声がたっちゃんに聞かれている感覚に陥り、恥ずかしくなる。
オナニーで火照った体が、さらに熱くなる。
「いやぁ…体が熱いよぉ…たっちゃぁん…」
ふと動いた指がクリトリスに触れる。
「あ、だめだめだめ、いくいくいく、いっちゃう…っ!」
ぐちゅぐちゅという水っぽい音が聞こえる気がする。
でも意識が霞んでる。ダメ、飛ばされちゃう。
飛ばされないよう、たっちゃんの匂いがする布団を掴む。
「いっ…ぁぁぁあああああああああああ!!!!」
視界が真っ白に染まる。ふわふわとした感覚が私を包む。
たっちゃんが、わたしを、つつんでる。
このまま、たっちゃんに、あまえちゃえ。
ダメな子になってた私は、後始末も忘れて、眠りについた。
翌日、たっちゃんに起こされる前に起きて、その惨状に羞恥することになるのだが。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
俺は今、リビングでAVを見ている。もちろんヘッドフォンも忘れない。
普段は部屋で見るのだが、今日は美紀にマッサージした後、
「あ、言い忘れてたけど、今日泊まるからね。」
なんて言われてしまい、部屋を追い出されたのだ。
美紀にマッサージをすると、非常にムラムラしてしまう。
普段見れない、肩とか鎖骨あたりの素肌とか。
普段触れない、すべすべの脚とか。
太ももをマッサージしていたら、「ぅん…」とやけに色っぽい声が出たりとか。
背筋を伸ばしてやったら、着やせする美紀の大き目の胸が目に入ってしまったりとか。
非常に生殺しだと思うのは、俺だけだろうか?
まぁそんなこともあって、非常にムラムラしている。
おまけにウチは1階と2階、両方にトイレがあるおかげで美紀はココに来なくてもトイレに行ける。
さらに今日は両親が旅行中ということもあって、非常に好都合なのだ。
『んんんんんっ!んあっ!』
画面の中の女優が喘いでいる。モザイクのかかっている部分からこぼれてくる透明な液体。
ちなみに女優がちょっと美紀に似ているのは…その、ほら、察してくれ。
ついでに言うと、女優の名前が「河合 未樹(かわい みき)」。…まぁ、いいじゃないか。
画面の女優の喘ぎを、本物の美紀の声と想像の中でシンクロさせる。
そして、美紀に触れたぬくもりを思い出しながら、擦る。
『あ、だめだめだめ、いくいくいく、いっちゃう…っ!』
や、やばい。美紀の声はやばい。今日はいつも以上に早く終わる気がする。
『いっ…ぁぁぁあああああああああああ!!!!』
あ、やばっ、出ちまう!
びくっと体が震える。急いでティッシュで抑える。
『はぁ…はぁ…気持ちよかったぁ…』
女優さんの気持ち良さそうな表情にぞくぞくしてしまう。
あぁ、アソコから白いの出てる、ってコレ中田氏モノかよ!…このAV置いてたレンタル屋、グッジョブ。
後始末を終えて、ふと思う。なんか虚しいよなぁ。
「なんで気付かないんかなぁ…マジで好きなのに。」
想いが届かない事を嘆くと同時に、自分の不甲斐なさにも嘆く。
「いつかは本当にあんなことして、結婚して、子供ほしいよなぁ…はぁ…」
「…さっさと寝よ…」
いつか気持ちが届くことを信じながら、解消されきらないムラムラ感を抱えながら眠りについた。
そのムラムラ感が朝勃ちとして美紀に発見されて、数日間ギクシャクしてしまうが、それはまた別の話―――