クリスマスイブについに恋人になったたっちゃんと私。  
恋人になった後でファーストキスを瑞希に見られたり、ベッドでいちゃついてたとこを実の両親に見られたりって言うハプニングはあったけど。  
 
ペアリングは翌日買いに行った。買った指輪はデザインが素敵なシルバーリング。  
いつでもどこでも填めていたいなぁ、って思ってたら、『没収されたりしたら困るから、学校にはつけていかないようにな?』って釘を刺された。  
たっちゃんの正論にうなだれていたら、『もし指が寂しかったらコレ使っていいから』って、視線を逸らしながら手を差し出してきた。  
たっちゃんの突然の提案に顔がにやけちゃって、照れ隠しにたっちゃんの胸に顔を埋めて「バカ」って思わず怒っちゃった。  
 
夜はたっちゃんのパパママが海外から帰ってきたので、たっちゃんの家で合同パーティー。  
お互い両親が無類のお酒好きで、しかも私達が付き合いだしたって言う酒の肴があったせいで大騒ぎになった。  
「ついにウチのバカ息子にも彼女が出来たかっ!」  
「いやいや、辰徳クンはなかなか出来た男ですぞ?10年も一途に想い続けるなんてなかなか出来ませんよ。」  
「ただのヘタレなんですって辰徳は。男なら好きな女の子を押し倒しちゃえばいいのに。」  
「うふふ♪たっちゃんは紳士さんですからねぇ♪優しくて、お料理も上手で、美紀にはもったいないくらいの男の子ですよ♪」  
実の息子を貶す親と、義理の息子(予定)を褒めまくる親。普通逆じゃないのかな?  
「息子よ、そういえばまた料理の腕を上げたんだってな?つまみ作れ〜!今すぐに!なに材料がない?これで買ってこい!10分以内に!」  
「久しぶりの息子の料理楽しみだわ〜♪」  
「そう言えば義理の息子になってからは初めての宴会ですな。美紀、コレで何かめでたいもの買ってきなさい。めでたいだけに『たい』だぞ?あっはっはっは!」  
「お父さんおやじギャグはいただけないわぁ♪あ、美紀、お酒の追加もよろしくね♪」  
そして結局料理を作らされるハメになるたっちゃん。  
酔っ払い達のから騒ぎに疲れたのか、たっちゃんはため息をつきながら、  
「・・・とっととつまみ作って、コレら置いて先に寝ちまおう。」  
と漏らした。コレ扱いは酷いけど、私もこの人たちには着いていけないよ・・・  
 
そんな感じでたっちゃんのご両親にも説明し、お互いの両親も公認で付き合うことになった。  
あの日からエッチなことはしていないんだけど、それでも出来るだけ一緒のベッドで寝るようになった。寝る場所は私の家だったりたっちゃんの家だったり。  
例えたっちゃんの言ってた説が眉唾だったとしても、一緒に寝るって言うだけなのにひどく安心する。  
しかもたっちゃんは寝る前にマッサージとかハグとかのスキンシップをしてくれるから、とっても嬉しい。  
年明けてからはちょっとの間離れ離れに。毎日たっちゃんからメール来てたし、夜は電話したから寂しくは無かったけど。えへへ♪  
 
5日はたっちゃんを連れてみんなと遊んだ。その時に紀子と湊には付き合い始めたことを話したら、二人とも絶句してた。  
その場に偶然居合わせた瑞希がフォローしてくれたお陰で二人とも諦めてくれたけど。  
でも、瑞希がいつの間にか撮っていたキスシーンの写真を出されたときは私もたっちゃんも恥ずかしくて怒ったけど。  
その後、湊が珍しくこんな事を言ってきた。  
「ねぇ、美紀、海神君、付き合い始めたからって、私たちと遊ばなくなるなんてこと、無いよね?」  
「美紀が嫌がるなら別だが、俺はそんな事しないよ。知り合いが変な男ひっかけても困るしな。」  
「たっつー、キミは二人のパパなんですか?実は二人とエンコーしてたとか!?いやーん、不潔ー!」  
「どうやったらそこに思考が着地したのか教えていただきたいんだが佐々木さんよ?」  
「あはは、まぁまぁ、いつもの瑞希じゃん?と言うか、私も別に構わないよ」  
「ミキティ、ナニゲに毒舌だよね・・・のりぴ〜!」  
「はいはい、たまには瑞希も反省しようね?」  
「紀子まで敵かっ!?みなっち〜!」  
「あはは・・・海神君は女の子をお金で買うような人じゃないもんね」  
「四面楚歌だ〜!」  
「あははははっ!!!!」  
とまぁこれからの付き合いも変わらずってことで。  
ただ湊はまだ狙ってる節があるから気になるんだけど・・・  
 
その日の夜はたっちゃんにお願いしてご飯を作ってもらった。最近はあんまり家でまったりしてなかったしね。  
ご飯の後はソファの上でくっつきながらお話タイム。  
「そういやたっちゃんのパパもママももう行っちゃったんだね」  
「『コレが無くなったらバイトでもするんだな』って書き置きと現金15万円が今朝机の上に置いてあったよ。多分小遣い兼今月の食費だろうけど。相変わらず挨拶とかなしで行っちまったよ」  
「あはは・・・」  
「まぁ暮らせればどうでもいいけどな」  
そういやたっちゃんがこの家で一人暮らしし始めたのが中2になった頃だっけ。  
それ以来、ご両親は年数回しか帰ってこなくて、帰ってきて数日いたなと思ったら現金を置いてふらっとまた出て行っちゃう。だから、私もたっちゃんのご両親に会う機会があまり無い。  
そんな親なのによくグレないよなぁ、っていつも感心するけど。  
「昔から思ってたんだけど、よくグレたりしなかったよね?」  
「そりゃ、好きな奴がいたからな。グレてる暇があるなら自分磨きしたほうがよっぽどいいさ」  
いつもの柔らかい視線で、遠回しに『ずっと美紀のことを考えてた』って言われたこと理解して、顔が熱くなる。  
「・・・ばか」  
「バカで結構。事実、美紀と付き合い始めてからかなり浮かれてるからな」  
「――っ」  
本当に卑怯。まるで麻薬のように、たっちゃんの甘い言葉が私を鋭く、深く抉ってくる。  
「たっちゃんなんて嫌い。好きだけど、嫌い」  
「なんだそりゃ?」  
「これ以上私を惚れさせてどうする気?私、たっちゃんなしじゃ生きていけなくなっちゃうよ?」  
「別にいいんじゃないか?俺だって美紀から離れることなんか考えられないからな」  
そう言いながら、たっちゃんはさらに強く抱きしめながらキスをしてきた。  
たっちゃんの言葉、心地良い抱かれる感覚、柔らかくて甘いキスの感触。  
全てが私を縛り付ける鎖。私は甘い甘い牢屋にとらわれてしまった、可哀想な女の子。  
恋っていう甘い牢屋に捕らわれた私は、我慢できなくなって、とても卑猥なおねだりをしてしまう。  
「ねぇ、たっちゃん、もう私、我慢できないよ」  
「俺もだ。美紀が欲しい」  
「・・・うん♪」  
私の卑猥なおねだりは牢屋の主に了承され、私たちはキスという契約を交わした。  
 
「はうー・・・緊張するー・・・」  
今私は、たっちゃんの部屋の布団に包まり、たっちゃんがお風呂から出てくるのを待っている。  
瑞希から聞いた話だと『初めて』はものすごく痛いらしい。雑誌には千差万別って結果にはなってたけど、やっぱり身近な人の話を聞くとそれを信じちゃうよね?  
とりあえずバファリン飲んどけば痛くないかな?と思ってたときに、  
「美紀、開けても大丈夫か?」  
「ひゃい!う、うん!大丈夫だよ!」  
不意にドア越しにたっちゃんに話しかけられて、変な返事になっちゃった。  
「ちょっと遅くなっちまったな。ごめん」  
「ううん!大丈夫大丈夫!」  
「・・・?」  
「な、なにかなたっちゃん?」  
「美紀、緊張してるのか?」  
「な!何を言ってるのかなぁ私のカレシさんは!わ、ワタシ全然キンチョウしてナイヨ!」  
「ところどころ発音がおかしいぞ」  
「そ、そんなこと・・・っ!」  
たっちゃんが上半身裸のまま、私の頭を自分の胸に当てるように抱きしめてきた。  
ドクンドクンってたっちゃんの心臓がビートを刻んでる。なんだか少し落ち着くな・・・  
「俺だってな、緊張してるんだ。わかるだろ?」  
「・・・うん、ドクンドクンっていってる音が、すごく早い」  
「一緒なんだから、無理に虚勢張るなよ」  
「・・・うんっ♪」  
素肌で触れ合うって、すっごく恥ずかしいんだけど、こんなに心地良いんだ。  
「たっちゃん、もう大丈夫。ありがとっ!」  
「・・・じゃ、電気消すか」  
私の反応に照れたたっちゃんは電気を消そうと私から離れようとしたから、私は離すまいとたっちゃんの腰に手を回す。  
「なぁ、美紀。これじゃ電気を消せないんだが」  
「・・・いいの」  
「いいのって、お前・・・」  
「初めてたっちゃんに裸見られるのはとっても恥ずかしいけど、いいの。たっちゃんに全部見てもらいたいから、いいの」  
「・・・わかった」  
私の裸を見て、なんてとってもエッチなお願いだと思う。でも、たっちゃんになら見られたいのは本当だから。  
 
「ん・・・んはぁ・・・んん・・・」  
「ちゅ・・・ちゅく・・・ん・・・」  
私のベロとたっちゃんのベロが触れ合う。この間もしたけど、このキスは他の人には許しちゃいけないキス。  
だって胸がきゅんって切なくなって、キスしてる人のことしか考えられなくなっちゃうんだもん。  
「はぁ・・・ね、たっちゃん」  
「ん・・・なんだ?」  
「そのまま動かないでね?」  
「はいよ」  
座ってるたっちゃんに背中を向けて、脚の間に座る。そして、巻きつけてたバスタオルをほどいて、  
「み、美紀!?」  
「たっちゃん、腕を前に出して?」  
「え?え?えーと、こ、こうか?」  
私の横からにょきっと出てきたたっちゃんの腕、と言うか手を取って、そのまま私の胸に触れさせる。  
「ん・・・そのまま軽く揉んでみて?」  
たっちゃんの大きな手ですら包みきれない私の大きな胸。私の後ろでたっちゃんがものすごい興奮してるのが分かって、ちょっと苦笑い。  
「ん・・・はぁ・・・気持ちいいよ、たっちゃん・・・」  
たっちゃんが優しく私の胸を揉んでくれる。オナニーの時の想像と同じような優しさで、想像よりも大きな感触で。  
思わず私の口からいやらしい声が漏れて、おっぱいの先の方がが堅くなるのが分かる。お腹の奥から何かがあふれてくる感覚も、いつもより鋭い。  
「ね、たっちゃん。胸の真ん中に、堅い部分があるでしょ?それが私の感じる場所だよ」  
「ここが感じるのか・・・触っていいか?」  
「うん。でも優しくしてね?」  
「分かってるよ」  
たっちゃんが指先でおっぱいの先っぽに触れてくる。最初は優しく、徐々に触るだけじゃなく、つねってきたり、ぐりぐりと押し込んできたり。  
つねられると体がビクンって反応しちゃって、余計にいじめてくる。息が荒くなって、お腹の奥のほうが切なくなってくる。  
と言うかいつの間にか脚がモジモジと動いて、その動きのせいでクリトリスがやわやわと刺激される。  
 
クリちゃんにも触れて欲しい、そう思った私の思考はいつの間にかたっちゃんの腕を掴み、下に導いていた。  
「ねぇ、たっちゃん・・・ここね、このちょっと硬いところなんだけど・・・」  
「ん・・・なんだかヌルヌルしてるな」  
「やぁん・・・恥ずかしいよぉ・・・んんっ!そ、そこなんだけど、そこもいじって・・・?」  
「わかった・・・てか美紀、すごい濡れてるな・・・」  
「やっ!い、言わないで・・・」  
たっちゃんがエッチな言葉でいじめてくる。恥ずかしいんだけど、それもちょっと快感になっちゃってる。私、へんたいさんなのかな?  
そんなことをぼーっとする頭で考えていたら、さっきよりも強く、激しい快感が体を駆け巡ってきた。  
「ああっ!や!たっちゃんそこ!そこダメなのぉ!」  
「ん?ダメなのか?さっき美紀に言われたとこを触ってただけなんだけど・・・」  
私がダメって言ったことで、たっちゃんが動きを止めちゃった。ダメって言っても嫌なんじゃないんだけどなぁ。  
「や、ダメって言うのは気持ちよくておかしくなっちゃいそうって事で・・・」  
「ああ、そういうことね。じゃ、続けるぞ?」  
「うん・・・でも、本気で嫌がったらやめてね?」  
「わかったよ」  
「おねがああっ!いきなりしな、ふあ!いでんんんっ!」  
私が喋ってるのにいきなり人差し指と中指でクリちゃんを撫で始めるから妙にエッチな声になっちゃって恥ずかしくなる。  
その反応に気を良くしたのか、責め方を変えないでしつこくクリちゃんを撫で続けるたっちゃん。  
あこがれてた人にエッチな事されちゃってるって言う事実だけでヤバイのに、そんなに激しくされたら限界が近くなっちゃう。  
「ダメダメダメ!たっちゃん!」  
「気持ちいいか?」  
「うん!うん!でもイっちゃうからやめて!」  
「いいよ、一回イっちゃいな」  
「がま、できない!イクイクイク!あああああああああっ!」  
何を口走ったのか分からないけど、たっちゃんに『イっちゃいな』って言われたせいでふわーっと体が浮いて、思考が全部吹っ飛ばされちゃった。  
体が自分のものじゃないみたいにビクンビクンと跳ねる。はぁはぁと荒い息を吐くことしか出来ない。  
「美紀、イったのか?」  
「うん・・・イっちゃったぁ・・・」  
「そうか。良かった・・・」  
「ふぇ・・・?」  
「この後痛いことするからな。少しでも気持ちよくなってくれればちょっとは違うかなって思ってな」  
「えへへ・・・たっちゃんやさしーんだから・・・」  
「そ、そんなこんんっ!」  
たっちゃんの気遣いが嬉しくって、のしかかって私からキスをする。  
キスをしながら気付いたんだけど、たっちゃんの方も準備万端みたい。  
「ねぇ・・・たっちゃん・・・もう私は大丈夫だから、そろそろたっちゃんと一緒になりたいよ・・・?」  
「う・・・わ、わかった。だが、ちょっと待ってくれ」  
「うん♪待ってるよ・・・♪」  
たっちゃんが後ろを向いていそいそとしだした。もしかして、ゴムかな?  
「こ、これをこうして・・・よ、よし!できた・・・美紀!い、いいか?」  
「うん・・・♪」  
 
「こ、ここか?」  
「ちょっと上過ぎ・・・あんっ♪そ、そこは別の・・・」  
「あ、な、なるほど。じゃ、じゃあここらへん・・・か?」  
「あ、そこだよ。そのまままっすぐ来て」  
「う、うん」  
ちょっと苦労したものの、無事に入れるべき場所を見つけ、私の中へと進んでくるたっちゃん。  
私の中が引き裂かれるような感覚に、声が出せなくなる。  
「〜〜〜〜〜!?」  
「う、うああっ!なんだこれ!?ヤバッ!」  
「ぃ・・・ぁ・・・」  
「み、美紀ごめん!痛いだろ!?」  
「う、ううん・・・!こんなのいたくなっ・・・〜〜〜〜〜!!」  
痛くないって言おうとしたけど、やっぱ無理。痛いものは痛いんだもん。でも、たっちゃんとしっかり繋がりたい。  
「痛い・・・けど、ちゃんと奥までして?」  
「・・・分かった。じゃあ続けるぞ」  
「うん・・・っ!?」  
痛くて逃げたくて、でも逃げたくないから我慢する。声にならない声で痛いと叫ぶ。  
「〜〜〜〜〜!」  
「うあ・・・入った・・・入ったぞ、美紀」  
「う、うん。いったぁ・・・」  
「ごめんな」  
「ごめんって思うなら抱きしめてくれないかな・・・?」  
「うん。分かった」  
たっちゃんがぎゅって抱きしめてくれる。全部繋がった上で抱きしめてくれる。  
その事実に嬉しくなって、少し痛いけどお腹の中がきゅんってなる。  
「って美紀!動かすなって!」  
「え?動かしてないよ?」  
「な、中がグネグネしてやばいからっ!」  
「そんなこと言われてもどうやったら止められるのか分からないよぉ」  
「あ、もう無理!うあああっ!」  
「はうっ!」  
たっちゃんのが中でビクンビクン震えてちょっと痛い。・・・って言うか、もしかして?  
「た、たっちゃん、もしかしてイっちゃった?」  
「・・・言うな」  
「え、えへへっ♪」  
「可愛くしてもダメ。傷ついたぞ・・・」  
「ご、ごめんってばぁ!」  
痛かったけどたっちゃんの意外な事実(早撃ちさん)ということが分かってしまった、私たちの初めてのセックスはあっけない幕切れとなってしまった。  
 
「なぁ、美紀」  
「ん〜?なあに?」  
「やっぱり早いよな・・・」  
「さっきのこと?」  
「うん・・・」  
ベッドで横になりながら、先ほどので自信を失ったたっちゃんが私に愚痴ってくる。私は全然気にしてないのになぁ。  
「私は全然気にしてないよ?」  
「・・・本当か?」  
「うん。それにね、たっちゃんが私の中で気持ちよくなっちゃったから、ああなったんだよね?」  
「・・・うん」  
「だからいいの。と言うか最後までちゃーんと出来て嬉しかったんだよ?」  
「・・・そうか」  
「うん♪だから気にしないで?」  
そう声をかけながら、たっちゃんに抱きつく。裸で抱きつくのってすっごく気持ちよくって、思わず甘えんぼになっちゃう。  
「ね、ね!頭撫でて?」  
「・・・はいはい」  
呆れたように、でもどこか安堵した雰囲気のたっちゃんが私の頭を撫でてくる。その心地いい感じが私を少しずつまどろみへと誘う。  
「たっちゃん・・・ちょっと眠たくなってきちゃった・・・」  
「俺も疲れて眠くなってきたよ・・・寝るか」  
「うん・・・ね、寝る前にキス、して?」  
「ああ・・・」  
ゆっくりと優しい、触れるだけのキス。流れ込んでくる優しさに包まれて、私は落ちていく。  
 
「たっちゃん・・・おやすみなさい・・・」  
「だいすき、だよ・・・」  
 

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