まるでアリクイ。小さく狭い穴に、長く厚い舌を差し込んで、精液とローションのミックスジュースを啜り上げてる。  
 一生懸命に、一滴も残さずに、恍惚とした表情で、ぢゅるぢゅると卑猥な音を立てて飲み干して行く。  
 餌を貪(むさぼ)るアリクイ。  
 だけどアリクイの顔は、熱い吐息は、大きな胸は、細い腰は、丸い尻は、その姿はっ!  
 この世の誰よりも魅力的で、この世の誰よりもエロティック。  
 そんな幾つ美辞麗句を並べても足りない幼馴染みが、たった一つ、我慢できなかったモノ……罪悪感に狩られながらも、誘惑に負けて、オナニーホールの中を舌で掻き回す。  
 咥内でテイスティングして、唾液と混ぜてクチュクチュ咀嚼して、ゆっくりと咽を鳴らして胃に収める。  
 
 ボクの好きな、ボクの大好きな美月が、ボクの目の前で。  
「ふぅっ、ふぅっ、ふっ……みつきぃ、みつきぃっ、ボクっ、もぅ……イッちゃう、よぉっ」  
 ボクは四角いクローゼットの中。隙間から『おかず』を眺めて、左手は声が漏れない様に口を塞ぎ、右手はドロドロにヌメるチンポを扱く。  
「きもちいいよ、みつきぃっ……あっ、はあぁっ、みつきのクチのナカ、とっても、きもちっ」  
 限界は早い。今までの中でも恐らく最速。だって、いつも妄想で犯してる人が、ボクの前で恥態を見せてくれてる。  
 だから、だからっ、いつもよりリアルに美月のクチを思い浮かべて、幼馴染みをたんなるオナペットに格下げして、性欲の吐け口に。  
 美月は全て吸い付くしたオナニーホールを強く握り、微かに滲み出る残り汁を名残惜しそうに舐め取ってる。  
 ばかっ! えっちぃすぎるんだよっ! エロみつき!!  
 何で階段上がる時に後ろ押さえないの!? 下から丸見えだって分かってるのに、何で短いスカート穿くの!? 何でボクに押さえさせるの!? ボクにお尻を触らせるのっ!?  
 お昼はフルンクフルトばっかり食べて……ボクもう、許さないんだからねっ!!  
 ボクの身長が伸びて、美月よりも力持ちになったら、絶対にイラマチオしてやるんだ!! あのクチのナカに無理矢理……あっ、イキそっ。  
「ぁっ、あっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、美月、ミツキ、みつき、みつきっ……んっ、ふぎぃっ!?」  
 弾ける。クローゼットの内扉に向けて、しこたま射精する。バレないように声を殺して、イッた後も扱き続けて、びゅる、びゅる、びゅびゅぅぅぅっ。  
 シテたのは自分の手なのに、今までで一番の快感だった。  
 さきっちょからは、さっき出したばかりとは思え無い程の精液が飛び散り、最高のけだるさが全身を包む。  
「はぁっ、はぁっ、んっ……すきっ、大好きだよ美月。ボクも、我慢するからねっ」  
 そして冷静になった頭で、改めて誓う。約束は絶対に守るって。  
 美月を、ボクの彼女にするんだ!  
 変更しない決意を固め、フラフラと立ち上がった幼馴染みを見詰める。  
「ははっ、私……何やってるんだろ? へんたーい、へんたい美月っ、あははぁっ……あーあ、コレ私がやったってバレちゃうよね? はあぁっ、帰ろっ」  
 美月は冷めた声で自らを卑下して笑うと、濡れて重くなった下着を左手に、オナニーホールを右手に持って部屋から出ていってしまった。  
 
 持って帰っちゃダメぇぇぇぇぇっ!!!  
 
 
 にんじんさーん、じゃがいもさーん、メインディシュのおにくさん〜♪♪  
 
 ――トントントントン。  
 
 こんな頭悪い歌が浮かぶなんて……死にたい。でも死ぬ前に美月とエッチしたい。あーあぁっ、死にたい。  
 ハーフパンツとアルバのTシャツに着替え、その上から青いストライプのエプロン。  
 キッチンに立ち、包丁を持って、野菜を一口サイズに。牛肉も軽く火を通して、同じく一口サイズに切る。  
「あした、なんて声かけたらいーの? よー美月、俺様のオナホ知らねーか? って、軽く言えたら苦労しないんだよなぁ……はあぁぁっ」  
 オナニーして気持ち良くなった後、冷静になって、脳内がクリアになって、夕食のカレーを作りながら自己嫌悪。  
 インスタント以外はカレーとチャーハンとハンバーグしか作れないし、別な料理教えてって言おうかな?  
 うん……そう、だねっ。自然に、自然にっと。  
「頑張ろっ、ファイトだボク!!」  
 煮えたナベに切り終えた食材を放り込み、フタをして加減を中火に落とす。  
 そして、待ってる間にサラダでも作ろうとキャベツをまな板に乗せた時、  
「おかえり砂耶……」  
 ピクリ。大好きな声がボクの名前を呼ぶ。  
「みつ、き?」  
 振り返ればやっぱり。やっぱり幼馴染み。繋がったリビングキッチンのリビング側。その入り口に、元気無く微笑む美月が居た。  
「あのっ、あのっ……チャイム押しても反応ないし、でもっ……明かり付いてたから」  
 前倒しになっちゃうけど良いかな。まっ、取り敢えずはっ、  
「もうちょっとでカレーできるから、一緒に食べよ? ほらっ、ソファーに座ってテレビでも見てて」  
 話しを逸らそう。視線をまな板に戻し、慌てないように深呼吸して、キャベツ玉の1/4カットを千切りに。  
 タントンタントンタントントン♪ 手早く切って大皿に乗せ、水洗いしたプチトマトを回りに盛り付ける。  
 後はキクラゲを上にまぶせば、サラダの完せ……  
「ねぇ砂耶? 私、ね……考えたの、このままじゃ駄目だって。砂耶だって嫌でしょ? パンツを盗んでオナニーする幼馴染みなんて」  
 する間際。いつの間にか美月に真後ろへ立たれ、肩に手を乗せられ、頭におっぱいを当てられていた。  
 プラスされて真剣な告白。美月はボクに、何か大切な事を言おうとしてる。  
 てか、オナニーして来たんだ?  
 ははっ、でもね美月……そんなんじゃ軽蔑しないよ? ボクを好きなんだって、逆に嬉しいくらい。  
「ううん、ボクは嬉しい。知ってると思うけど、ボクも美月の写真を見ながらシテるから……」  
 だから。恥ずかしいから。頬っぺたが赤くなってるってわかるから。  
 振り向かず、まな板に視線を落としたまま、ボクの『おかず』は美月だよって告白する。  
「はあぁっ……そんな言い方するなんて、ズルイよ砂耶。カラダだけじゃなくて、ココロまで砂耶無しじゃ生きていけなくする気なの?」  
 肩へ置かれた手に力が篭り、熱い吐息が耳に掛かり、トクン、トクン、と美月の鼓動が全身に伝う。  
 ボクのだって爆発寸前。二人の鼓動は紡ぎ合い、繋がり合い、相乗効果でもっと大きく。  
 
 キスしたい。  
 
 心からそう思って……  
「みつき、ちゅーしよっ?」  
 優しく手を払い、ゆっくりと振り返る。  
「えっ……う、うん。うんっ!!」  
 爪先立ちして背伸びして、両手も伸ばし、美月の後頭部でぶら下がる様に組む。  
 戸惑いながらも頬を染め、目尻に大粒の涙を浮かべる美月を見て、ボクもニッコリ笑顔。  
 寝てる時にファーストキスを奪われて以来、軽いトラウマになってボクからキスするなんて無かった。  
 唾液目的かもって、頭の端っこをいつも過ぎるから。  
 でも、でもね美月? もう、それでも良いかなって思うんだ。それぐらい、美月が大好きだよっ。  
「んっ」  
 目を閉じて唇を突き出す。  
「さやぁっ……」  
 するとボクの顔がてのひらで挟まれて、  
 
「「ちゅっ」」  
 
 二人の唇が重なった。  
 背が伸びたら、ボクがリードするからね美月。  
 それまでは、情けない幼馴染みで許してね。  
 
 
 コトコト。カレーが煮える音。  
 だけど今は、そんな音も交ぜたくない。  
「ちゅ……みつき、吸って」  
 一旦クチを離してペロリと舌を出し、組んだ手を解いて美月の耳を塞ぐ。  
「うんっ」  
 美月もすぐにボクの耳を塞ぎ、今度は少し口を開いてキス。  
 ちゅるちゅる、ぢゅっ、ちゅちゅぅっ……  
 ボクの舌を上下の唇でしっかりと挟んで咥え、きゅきゅぅっと長い舌を巻き付けて吸い上げる。  
 どこまでも卑猥に、絡み合う音だけが脳内に響く。他は何も聞こえない。  
 ボクの舌をトロトロにして、裏側まで余す所無く舐めて、気持ち良く……してくれる。  
 
 ちゅっ、ちゅっ、ちゅうっ……  
 
 あっヤバイ、朦朧として来た。こんなの久し振りだもんなー。  
「んっ、はあぁぁっ……ゴメン、なさいサヤ。ふっ……んぢゅっ」  
 再び唇が離されて、三度の接吻。  
「んんっ!!? あっ……んぐっ」  
 だけど違った。これはキスじゃない。  
 まるでさっき、さっきのアリクイ、オナニーホール。  
 ボクの口に舌を差し挿れ、喉の奥まで押し込んで、無理矢理に『何か』を飲ませた。小さくて、固形の何か。  
「んっ、ぷはっ! いきなり何するの美月っ!?」  
 慌てて口を離し、舌をズルズルと引き抜き、美月の肩を押して数歩も後ろに下がる。  
 怒ってると意志表示して美月の瞳を睨み付けた。甘ったるい雰囲気は、あっと言う間にブチ壊し。  
 僕は間違い無く睨んでる。美月の目を見据えて、低く唸り声を上げて。  
 間違い無く、口元を吊り上げて、目を三日月の形にして笑う美月を睨んでる。  
「ふふっ……ねぇ? 砂耶って、Mでしょ?」  
 それなのに、反省した様子も無く、ボクの問いにも答えない。  
 しかもボクをMだって……あはははははっ♪ 検討外れだよ美月? 背が低いから? ボクが美月よりちっちゃいからそう思うの?  
 ちょっと頭に来たし、教えて……あげようかな?  
「ボクはSだよ美月。頭の中じゃいつも……あ、あっ、ああっ……うわああぁぁああぁぁぁぁぁぁっ!!!」  
 言葉は途切れた。吐き出せない。  
 突然に、それも一瞬で、全身がもの凄い熱を持ったから。  
「ゴメンね砂耶、マカ王バイアグラって言うんだけどね……飲ませちゃった♪」  
 急いでエプロンを外して床に叩き付け、未だに微笑む美月を押し退けてリビングに出る。  
「あっ!? うぐうぅっ……」  
 足の力は抜け、もつれて転ぶ。  
 それでも歩伏前進で、何とかソファーまで辿り着き、浅く腰掛けて背もたれに上体を倒す。  
 ダメだ。腰から下が動かなくて、立つ事さえできない。  
 
「はぁぁっ、はぁぁっ……はぁぁっ!!」  
 息が、顔が、身体が、膨大な量の熱を蓄えてる。  
 口も閉じれないから、ヨダレを垂らしっぱなしで舌も垂らしっぱなし。  
 それを拭おうとしても、ダルさで手が脳からの命令を拒否してる。  
「はぁっ、はぁぁっ、あつぃ……よぉっ」  
 ただ、一部分だけ。  
 足の間に在るチンポだけが、まるで全身の力を吸収したかの様に激しく勃起してる。  
 ハーフパンツを持ち上げ、くっきりと形を示し、早く楽にしてと訴えてる。  
 服を脱ぐとかそんなんじゃなくて、もう二回も出してるのに、まるで足らない。  
 痛いんだ。射精して、射精して、射精しまくって、この熱を体外に放出しないと、気が狂ってしまいそう。  
 
 そんなに苦しんでるのに……  
「ふふっ、随分と……大変そうね?」  
 美月は目の前で、右手には鋏(はさみ)を持って、ボクを見下して笑うだけ。  
 美月がやったクセに。  
 美月のせいなのにっ。  
 言いたい事は山程ある。でもっ、それよりも今は!  
「はぁっ、帰って美月っ!! 今すぐに帰ってぇぇぇぇぇっ!!!」  
 オナニーしたい! はやくっ、いっぱいシコシコして出さないとっ、オカシクなるぅっ!!  
 だから本気で、できる限りの大声で、美月の目を見て叫び吠えた。  
「私が、楽にしてあげるから……」  
 けど、そんな訴えは通じない。  
 美月はボクの足の間で膝立ちになると、一呼吸も置かずにジョキン。  
 鋏をチンポの付け根ら辺に当て、左手で少しハーフパンツを引っ張ると、下着ごとハーフパンツに小さな切れ目を入れた。  
「だめっ、だめぇっ! みつきダメぇぇっ!!」  
 そして、鋏をキッチンまで床を滑らせて放ると、作った切れ目に両手の指を突っ込み、  
「やだやだっ! 私、見たいもん……砂耶のおちんちん見たいのっ!!」  
 そのままビリビリと、左右にハーフパンツを引き裂いた。  
 チンポを中心に、丸く破けて穴が空く。  
 あー、見られちゃった。バキバキに勃起したボクの……見られないように、して、たのにっ!  
「ボクをっ、どうする、気なの、みつきぃ?」  
 美月は飲んでない筈なのに、ボクと同じく肩で息をして、ボクのチンポに釘付けになって、瞳は潤み蕩けて、冷静なフリで、興奮してる。  
 それはそうだろう。アリクイの好きな味のモノが、ここから出るんだから。  
「ふぅぅっ、ふぅぅっ……だって砂耶、Sなんでしょ? ねっ、私が……試してあげるわ」  
 美月はチンポからボクの顔に視線を移すと、上の制服を脱ぎ捨て、鋏と同じくキッチンへ。  
 すると出て来たのは、美月が制服の下に来てたのは、見覚え有る布製の白い半袖。  
 パツンパツンにフィットしてる、ボクの、中学生時代の、体操服。しかも大きな胸に引き伸ばされて、可愛いおヘソが丸見えになってる。  
「ゴメンね砂耶。雑巾にするからって貰ったけど、実はぁっ……ふふっ、パジャマにしてたの♪」  
 美月は尖った乳首の形が浮かんでるのも気にそず、自らの胸元に指を入れると、谷間に挟んでいた細いボトルを取り出した。  
 これも見覚えが有る。ボクも持ってるし、いつも使ってるモノ。  
「ほら砂耶っ……」  
 それを、ローションを。フタを開け、逆さまに持って、ドボドボと自分の上半身にブッ掛けた。  
 一瞬で美月は濡れ、服はブラも付けてない素肌に張り付き、ピンク色の乳首を透視させ、テラテラと艶めいて粘着質な水音を立てる。  
「砂耶の趣味はバレてるんだから……私にたった一言、お願いするだけでいいんだよ? 着衣パイズリって、して欲しいんでしょ?」  
 更に乳首の下位置までスソを捲くり、両胸を左右から押し付け合うようにして挟み持つ。  
 ローションで塗れて糸を引かせ、ここに挿れて良いよって、ここに精液ビュルビュルして良いよって誘惑してるんだ。  
「ああっ、ああっ、そんなぁっ」  
 だけど、セックスはしないって……でも、でもっ!  
 こんなの、こんなのってないよぉっ!!  
 射精したいのに、オナニーしたいのに、足は動かなくて、美月は目の前。  
 はっ……だったら、だったら仕方ないよね?  
 これはセックスじゃないって最低の言い訳で、  
「みつきぃ、みつきのオッパイで、きもちよく、してっ……」  
 美月を求めたって。  
 
 

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