「こどもは誰の子?あなたの子?」  
 
「あなたぁ……お弁当忘れてるわよ」  
桂子は机の上に置き忘れていたお弁当の包みを手に取り、玄関にいる夫へと声をかけた。  
夫婦になって半年。  
まだ初々しい夫婦の朝だった。  
「あー、悪い悪い」  
玄関で靴を履いていた夫は、罰の悪そうな笑みを浮かべて頭をかいた。  
「もう、はい。お弁当」  
桂子にお弁当を手渡され、夫はカバンに崩れないように詰め込むと桂子をそっと抱きしめた。  
そして優しく唇を重ねる。  
肩のあたりで整えられた黒髪を優しく何度か撫で、夫は体を離すともう一度そっと唇を重ねた。  
「んっ、じゃいってくるね。  
 今日も遅くなると思うけど」  
笑顔で手を振りながら桂子に背を向け、玄関の扉を開ける。  
そして振り返ることなくエレベーターへと向かい出勤していった。  
そんな夫の後姿を、桂子はニコニコと手を振りながら、見えなくなるまで見送りつづける。  
 
ガチャ  
 
そんな桂子の背後で、ドアが開く音がした。  
桂子はその音に、ドキッと驚き、そして股間がキュッと締まるのを感じる。  
「おくさーん、おはようございます」  
桂子の背後から声がかけられる。  
「お……おはようございます」  
桂子は振り返ることなく、背後の声に答えた。  
「今日は私の番ですねぇ  
 いやぁ、待ち焦がれちゃいましたよ」  
背後の声は明るく言いながら、桂子の肩に手をおいた。  
 
パフッ  
 
桂子の肩にけむくじゃらの手がおかれていた。  
けむくじゃらの手は、さわさわと桂子の顎をなでまわす。  
「んんっ……」  
桂子はその感触に頬を染め、またキュッと股間に痺れを感じる。  
「さ、顔を見せてくださいよ」  
桂子は頬を染めてゆっくりと振り返った。  
そこには全身を白い毛で覆われた大男がいた。  
猿型異星人の山田さん。  
桂子の住むマンションの隣室の住人だった。  
家賃3万円。  
破格の値段のこのマンションの住人の大半は宇宙人だ。  
このマンション唯一の地球人である桂子は、マンションの人気者だ。  
最初に桂子を部屋に連れ込んだのは、302号室のナンパ好きのキツネ型異星人の岩手さんだった。  
控えめな性格で、強く言われると断れない桂子の性格を利用して自分の部屋に連れ込むと、  
そのウブな体を存分に楽しんだ。  
新婚で性行為自体があまり経験のなかった桂子の体を、思う存分楽しんだ岩手さんは、  
仲のいいイカ型異星人の前田さんに話してしまい、前田さんは「じゃ、俺も」といって桂子さんを連れ込んだ。  
それが次から次へと続き、いつのまにやらマンション中の住人が桂子さんの取り合いをしている状態だった。  
「いやぁ……桂子さん人気あるから中々まわってこないんですねぇ。  
 はははは」  
山田さんは頭をかきながら、桂子の肩をポンポンと叩く。  
 
桂子はその言葉を聞いて、思わず顔を両手で覆った。  
「ささっ、部屋の方へ」  
「あっ、まって……」  
背後から両肩を掴まれ、桂子はおされるがままに山田さんの部屋に連れ込まれる。  
うろたえる桂子をよそに、山田さんは後ろ手で鍵をしめ、部屋の奥へと背中を押していく。  
部屋の居間には大きめの布団がすでにしかれており、すでに準備は万端だった。  
「ささっ、服はぬぎぬぎ」  
「あぁっ……そんな」  
着ていたTシャツを脱がされ、プルンと大きな胸がこぼれ出る。  
山田さんはあっさりと白い下着も剥ぎ取り、桂子を全裸にした。  
「は、はずかしい……」  
桂子は両手で胸と股間を隠し、もじもじと体を揺すらせる。  
「なにいってるんですか、奥さん。  
 奥さんはほんとかわいいなぁ……  
 やっぱり奥さんより、桂子さんと呼んだほうがいいかな」  
山田さんは毛に包まれた顔をにやつかせ、桂子の体を引き寄せた。  
毛に覆われた胸板に抱かれ、桂子は獣型宇宙人独特の臭いに包まれた。  
「はぅぅっ……」  
その臭いに桂子は頭がクラクラし、無意識のうちに顔をおしつけていた。  
(だめぇ……この臭い……)  
全身の力が抜けていき、二人は倒れるようにベットに寝転んだ。  
山田さんの体の下になった桂子は、陶酔するような表情で厚い胸板に顔をうずめている。  
まるで巨大なぬいぐるみに顔をうずめているかのようだった。  
「どうです、今日桂子さんと一緒できるというので念入りに洗ったんですよ。  
 リンスも一本も使っちゃいましたよ。  
 どうです? ツヤツヤでしょう?」  
毛むくじゃらの顔に満面の笑みを浮かべて、山田さんは桂子に問いかけた。  
「す、すごく気持ちいいです。  
 ふさふさしてて……」  
桂子はそっと胸板の毛を撫でながら、鼻を近づける。  
濃い体臭に混じって、かすかに桂子の好きな香水の匂いがただよってきた。  
「気づきましたか?  
 岩手さんに聞いて桂子さんの好きな香水を少しつけてみたんですよ」  
ボリボリと頭をかきながら照れる山田さんの姿に、桂子は少し頬を染めて顔を手で覆った。  
そんな桂子の手を山田さんははがし取ると、その震える唇に自分の唇を重ね合わせる。  
舌で閉じあわされた唇をこじあけ、中でヒクつく舌に絡め合わせた。  
「んっ……んんっ、クチュ、はっ……んんっ!」  
熱烈な口づけに、桂子は体が火照ってくるのを感じる。  
いつしか答えるように桂子も舌を絡めあわせ、注がれる唾液を飲み干していた。  
「ぷはっ、桂子さんのお口は最高だなぁ、ほんと。  
 毎日でも吸わせてほしいくらいですよぉ」  
山田さんは嬉しそうにギュッと両手で桂子を抱きしめる。  
スリスリと頬擦りされ、桂子は敏感になった肌を刺激され目を細めた。  
岩手さんになし崩し的にくどかれ抱かれた桂子は、完全に宇宙人にハマッていた。  
常に優しく花のように扱われ、人間同士では味わえない快感を徹底的に教えられた体は、  
理性を軽く吹き飛ばし、誘いを断れなくなっていた。  
「はぁ……山田さん。  
 ステキです、ココ」  
桂子は山田さんの下半身で、すでにカチコチになっていた勃起を優しくこすりあげた。  
「うおっほぉっ!」  
変わった叫び声をあげながら、山田さんはビクッと体を震わせる。  
桂子の手の中で、山田さんの勃起はさらに硬さを増していく。  
その力強さに、桂子は自分の息が荒くなっていくのを感じていた。  
山田さんは桂子の上に馬乗りになると、その勃起を見せ付けるように体を起こした。  
全身毛むくじゃらの体の中心、股間には剛毛に覆われた太い勃起がそそり立っている。  
その先端からは先走りの体液がにじみでて、剛毛をテカらせていた。  
桂子は山田さんを挑発するように、豊かな胸を寄せて谷間を作る。  
 
モチのように弾力のある胸がキュッと寄せられ、山田さんの喉がゴクッと大きく上下した。  
「来てください」  
桂子は消え入りそうな声で、寄せたままの胸を上下に揺らす。  
山田さんは慌てて勃起に手を添えると、深い胸の谷間に勃起を挟み込んだ。  
「おほっ、うほおぉ」  
吸い付くような肌の感触に包まれ、山田さんは奇声をあげる。  
桂子は胸の間で動く熱い勃起を真剣に見つめ、寄せた胸でしごきあげた。  
「あぁぁっ! たまりませんよ、桂子さん。  
 あなたはほんとにステキだ! おほおぉっ!」  
柔らかい胸の感触に山田さんは肩を震わせる。  
無意識のうちにその腰は前後に動き、先走りの体液が桂子の首筋を濡らしていた。  
その濃い臭いに、桂子は夢中で舌をのばし先端を舐めあげる。  
「そ、そんな事まで、あほぉぉっ!」  
いつしか胸奉仕は解かれ、桂子の口内に勃起は吸い付かれていた。  
桂子は顔を振りながら、山田さんの勃起を先端から根本まで丁寧に含んでいく。  
昨日蛇型異星人の楠さんに教えられた口奉仕の妙技を、桂子は早速実践していた。  
「こ、こんな、すごすぎます! 桂子さん。  
 あぁぁっ! この私がこ、こんなに早く……うわぁぁ!」  
ガクガクと腰を震わせ、山田さんは桂子の頭に手をのせた。  
股間の勃起は限界近くまで大きく膨らむと、桂子の口内に体液をほとばしらせる。  
人間のよりも遥かに濃い体液を、桂子は目を細めて嚥下していく。  
「んっ、んんっ! んんぅ〜……んっ」  
コップ1杯はありそうな体液を全て飲み干し、桂子はようやく勃起から口を離した。  
そして山田さんに見せ付けるように口を大きくあけ、舌をつきだして口内を見せる。  
一滴残らず体液を飲み干した事を伝えるように、楠さんに躾られていた。  
「全部飲んでしまったのですか……私のものを……  
 初めてですよ、同属でも出来なかったのに」  
感動したのか、山田さんはギュッと桂子の体を抱きしめた。  
褒められて桂子も嬉しくなり、呼応するように山田さんを抱きしめる。  
「今度は私が桂子さんを気持ちよくしてあげますからね!」  
桂子から体を離すと、山田さんは力強くそう宣言した。  
そして桂子の体を布団に寝かせると、その横に横たわる。  
毎日のようにマンションの住人に抱かれている体は、女の色気をただよわせていた。  
その裸体に毛むくじゃらの手をのせ、上から下へゆっくりと撫で下ろしていく。  
「んんっ……」  
その微妙な快感に、桂子はビクッと頤をそらした。  
手は桂子の股間で止まると、綺麗に整えられた秘毛を撫でまわす。  
少し盛り上がった股間の土手を、二度三度と撫でられて桂子はかすかに声を漏らした。  
焦らすように撫でまわす手は、ようやく股間の中へと潜り込んでいった。  
桂子は少し脚を開き、待ち望んでいた手を迎え入れる。  
桂子の股間はすでに出来上がっており、少し撫でただけで山田さんの手をぐっしょりと濡らしていた。  
「すごいですね。  
 以前よりも濡れやすくなったようですが」  
「だって……前田さんが……」  
「前田さんのいっぱいある手でいじられたせいですか?」  
山田さんの問いにコクッと頷く桂子。  
 
きっと前田さんの複数ある触手で、めいいっぱい可愛がられたに違いない。  
「前田さんは濡らすのが好きですからねぇ。  
 じゃ私は趣向を変えますかね」  
山田さんはそういうと体を起こし、桂子の下半身側へと移動する。  
両手で桂子の脚を割り広げると、そそりたった勃起を秘唇へとおしつけた。  
「ふふふ、いきますよ」  
そそり立った勃起をゆっくりと上下させ、秘唇の入り口の襞を擦り上げていく。  
勃起の表面の剛毛が桂子の襞を刺激し、桂子は体をのけぞらせた。  
「あぁあっ! やっ! 毛、毛がぁぁぁ!  
 あっ、あっ! やっ……こんな、ひんっ!」  
リズムよく腰を振られ、桂子は布団をギュッと握りしめ可愛らしく声をあげる。  
「いい声ですよ、桂子さん。  
 ほしいですか? もう」  
「ほしい、いれてぇ、はやくぅ」  
ねだるように甘い声をあげる桂子。  
その蕩けるような声に、山田さんは腰を止めると桂子の唇を奪った。  
「んんっ……んちゅっ……んんっ、んん〜〜っ」  
熱烈なキスを交わしながら、山田さんは勃起の位置を調整し、桂子の秘唇へと照準を定めた。  
より深く舌を絡めながら、その太い勃起を桂子の胎内に埋めていく。  
「んっ、んんんんっ〜〜〜〜〜!」  
間近で聞かされる嬌声に、山田さんは鼻息を荒くしながら深く深く腰を送り込んだ。  
たっぷりの愛液が溢れ出る桂子の秘唇は、侵入してくる勃起を優しく包み込んでいく。  
「奥まで入りましたよ。  
 どうですか?」  
唇を離し、顔を真っ赤にそめて荒い息を吐く桂子の頬を両手で挟み込む。  
桂子は答えることもできず、その変わりに胎内をキュッと引き締めた。  
「お昼からは大和田さんの予定ですからね。  
 それまでたっぷりやりましょうね」  
胎内に埋まった勃起をゆっくりと引き抜いていく。  
 「あぁぁぁっ! 毛……毛がぁぁぁっ!」  
胎内に埋まった勃起にびっしりと生えた剛毛が、桂子の胎内の隅々を刺激する。  
押し込まれる時は毛の一本一本が襞を擦り、引き抜かれる時は毛先が襞をひっかきまわす。  
人間同士では味わう事が出来ない感覚に、桂子は喉をそらせ腰を震わせた。  
両手を山田さんの腰にまわし、より深くとねだるようにお尻を撫でまわす。  
答えるように山田さんも腰を突き出し、桂子の子宮を押し上げた。  
「ああぁぁっ! いひぃぃっ! きもちいぃぃっ!  
 もっと、もっとぉぉぉっ! あんっ! あぁぁぁ!」  
桂子がもっとも好きな体位の正常位で、山田さんは攻め立てる。  
次に桂子を抱けるのは13日後の予定なのだ。  
そして今日のお昼までは、あと3時間しか残されていない。  
桂子の体を堪能するように、山田さんは桂子の腰を掴み胎内をかきまわす。  
その体に自分を染み付けるように、忘れられないように胎内に刻み込んでいく。  
「すごいぃぃっ!  
 や、山田さんのぉぉっ! 奥までぇ!  
 ああぁぁっ! ひっ、ひっかかってすごいのぉぉ!  
 つきあげられてるぅぅ、あぁぁ、引きずりだされちゃぅぅぅ」  
桂子の胎内が絶頂に向けて、締めつけを増していく。  
くびれた腰が左右にうねり、甘ったるい声を漏らしながら艶やかな黒髪を振り乱す。  
「ふあぁぁっ、素敵ぃぃっ、イイッ!  
 あぁぁん、もっとはげしくぅ!」  
マンションの住人に開発された肢体は、男の扇情を誘い、急速に昂ぶらせていく。  
 
「うぅぅっ、この私が……くっぅぅっ!」  
絡みつくように勃起を締めあげ、生暖かく気持ちい感触が下半身を占有し、  
山田さんは必死の形相で射精を少しでも遅らせようと、腰の動きを緩めようとする。  
「だ、だめぇぇっ! うごかなきゃ!  
 あぁぁぁっ! いひぃぃぃっ!」  
しかしそんな山田さんの努力も、桂子の空腰の激しさの前には無力だった。  
器用に絡めた脚を使い、迎え腰で山田さんの勃起を刺激する。  
「あぁぁっ! 桂子さん、そ、そんなにうごいちゃ!  
 うあわぁぁっ!」  
昂ぶっていた体は止める事は出来ず、腰を震わせながら桂子の胎内に射精をはじめた。  
 
ドプドプッ! ドプッ!  
 
2度目とは思えないほど濃厚な体液が、桂子の子宮に注ぎ込まれていく。  
「あぁぁっ! き、きたあぁぁぁっ!  
 すごいぃぃぃ、あぁぁぁぁぁっ!」  
人間のモノより少し高い温度の体液を注ぎ込まれ、桂子は胎内が焼かれてしまいそうな感覚に身を震わせる。  
宇宙人の体液は、冷たいものから熱湯のようなものまで様々で、桂子がハマッてしまった要因の一つだった。  
ギュッと両足を山田さんの腰に巻きつかせ、桂子は体毛に覆われた胸板に顔をうずめて絶頂の余韻に浸る。  
「吸い取られるようでしたよ……桂子さん。  
 ほんとにステキだ、あなたは……」  
潤む瞳でみつめてくる桂子の頬を、優しく口づける。  
胎内に埋まった勃起は萎える事無く、胎内でその存在を主張し続けている  
「もっと……」  
そう耳元で桂子に耳元で囁かれ、山田さんは桂子の体を持ち上げるように立ち上がる。  
駅弁といわれる体位に持ち込み、しっかりと桂子のお尻を掴み上げた。  
「私を忘れられなくしてあげますよ! 桂子さん!」  
力強くそう宣言すると、山田さんは勢いよく桂子の体を揺らす。  
「あっ! ふ、ふかいぃぃっ!  
 いひぃぃっ! 山田さんのが奥までぇぇ! あ、あぁぁぁっ!  
 らめ、つぶれちゃ、あぁぁ、奥突かれるのすきなのぉぉ!」  
桂子の絶叫じみた嬌声を聞きながら、さらに激しく胎内を突き上げる山田さん。  
ボタボタと股間からは、愛液と注ぎこんだ体液が逆流し零れ落ちていく。  
ぬぶっ、ぬちゃ、ぬちゅっ! 水音が部屋内に響き渡り、二人の荒い呼吸音が重ね合わさる。  
「あぅぅっ! ああぁぁっ!  
 らめぇぇっ! もう、もうらめぇぇ!  
 いいぃぃっ! 毛つきが凄いのぉ……あぁぁぁ!」  
ビクッと体を奮わせ、絶頂に達した桂子は愛液をしぶかせる。  
絶頂に震える肢体をさらに攻め立て、自分を桂子の体に刻み付けていく。  
「でますよぉ! 膣に! 中にだしますからね!」  
汗をはじかせながら、しがみついてくる桂子にそう宣言する山田さん。  
「いいのぉ、きてぇ! 膣にぃぃっ!  
 熱いのいっぱいそそいでぇ……ほしいぃぃ」  
その声を聞き、山田さんはギュッとお尻を掴むと、胎内奥深くに勃起を密着させた。  
 
「くっ、うおぉぉぉっ!」  
激しい咆哮と共に、3度目の射精が桂子の胎内に放たれる。  
ドクッドクッと力強い脈動と共に、熱い体液が桂子の胎内にしみこんでいく。  
「あぁぁぁぁ……ぁぁ……」  
立て続けに膣内射精をきめられ、深い絶頂に桂子は意識を白濁とさせた。  
それでも桂子は山田さんにしっかりとしがみつき、腰にまわした脚を離そうとはしない。  
小刻みに震える体を抱きしめながら、山田さんは布団の側に置いておいた栄養ドリンクを拾い上げる。  
通販で買った1本3000円の高級品。  
それを一気に飲み干してしまうと、桂子をベットに押し倒した。  
「まだまだ時間はありますよ!  
 桂子さん!」  
挑みかかるように組み伏せられ、桂子はまた甘い声をあげはじめた。  
 
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ピンポーン  
 
玄関のチャイムがなり、山田さんはゆっくりと立ち上がると玄関に向った。  
ドアを開けると、そこには603号室の住人、犬型異星人の大和田さんが立っている。  
「やぁ、山田さん。はっはっ  
 準備いいかな? はっはっ」  
お尻の尻尾を勢いよく左右に振りながら、大和田さんはすでに荒い息を吐いていた。  
「うん、桂子さんも今出てくるよ」  
山田さんが背後を振り返ると、衣服の乱れを整えた桂子さんが玄関まで来ていた。  
少し俯いたその顔がとても色っぽく、先ほどまでの痴態を思い出させる。  
「じゃ桂子さん、またね」  
山田さんが手を振ると、桂子さんは頬を染めてそっと手を振り返す。  
その仕草の可愛さに、大和田さんと山田さんは二人そろって頬を緩めた。  
大和田さんは桂子さんの手を取ると、急くようにひっぱりながらエレベーターへと向う。  
山田さんはその後姿を、見えなくなるまで家の扉の前で追っていた。  
 
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「ただいまー」  
「あなた、お帰りなさい」  
桂子は玄関に座り込み、くたびれた様子の夫に声をかけた。  
「いやぁ、疲れたよ。  
 ちょっと肩かして」  
夫は手を伸ばし、側の桂子の肩に手をかけた。  
そして靴の紐を両手ではずし、靴箱に直す。  
手に持ったハンカチで額を拭きながら、肩を貸してくれた桂子の頬にくちづけた。  
「お風呂にします?  
 それともお食事ですか?」  
「うーん、お風呂かな。  
 桂子たまには一緒に入ろうか」  
ネクタイをはずしながら、夫は桂子に笑いかけた。  
「えぇ、入りましょう。  
 でもその前に……報告する事があるの」  
桂子は微笑みながら、そのお腹を押さえた。  
「え? まさか……できたの?」  
「えぇ……」  
頬を染めてコクッと頷く桂子。  
「ははは、や、やったぁ!  
 よくやったよ、桂子。  
 今日は最高の日だ!」  
満面の笑みで服を脱ぎながら、居間へと移動する夫の背中を見ながら桂子はつぶやいた。  
「ごめんなさいね、あなた」  
ダレの子か分かるのはそれから数ヵ月後の事。  
産婦人科で真っ青な顔で崩れ落ちる夫を横目に、大きくなったお腹を優しく撫でる桂子の姿があった。  
 
 
おわり  
 
 

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