突然足元から光が現れ、サラが次に気がついた時には全く別の場所に飛ばされていた。  
一瞬パニックに陥りそうにもなったがサラはすぐに冷静な思考を取り戻した。  
おそらく魔法関連によるこの転送は、その分野には詳しくない自分が一人でいくら考えても絶対に答えは出ない。  
それよりも大事なことはこれからどう立ち回るかである、原因や犯人はルーシアやアカネと合流してからまた考えればいい。 
冒険にはいつも予想外なことが付きまとうし、それらすべてを理解するには自分は小さすぎることもサラは知っていた。  
今すべきことは二人と合流することである。  
あたりをぐるりと見回してみて気づいたことは、ここは飛ばされた場所からあまり離れていないということだった。  
森を挟むようにしてある山脈を見れば景色はほとんど変わっていないからだ。  
「これなら割と早く合流できそうかな」  
もちろん他の二人も遠くには飛ばされていないことが大前提だが・・・。  
そして山脈以外には相変わらずの森と泉がすぐ近くにあった。  
人の手が一切加えられていないきれいで澄み切った水。  
城内の池ももちろん手入れはされているが、やはり自然の美しさには敵わない。  
 
久しぶりにみる美しい景色に少し心が休まる、城を壊すなどと噂されるサラも正体は花やキレイな物が大好きな乙女なのだ。  
サラはそっと池の傍に腰をおろした、水はそこがくっきりと見えるほどに澄み切っている。  
森の中を突き進み、声を追いかけ走ったせいで体は汗と土でひどく汚れていた。  
「せめて顔だけでも洗っておきたいかな・・・」  
水を覗き込むような形になり手で水を掬う・・・  
しかしその次の瞬間には、背中に伝っていた汗がすべて冷や汗に変わったような錯覚を覚えた。  
手をつけた水の感触が異常だったのだ。  
水につけたはずの手に伝わるぬめりとした感触・・・手にまとわりついてくる水ではない何か・・・・  
サラは体ごと捻るようにして手を引き抜き、体を後ろに思いっきりそらす。  
しかしソレサラの手から離れなかった、サラの体の動きに合わせて水の一部が盛り上がりそのままサラの体の上に覆いかぶさってきたのだ。  
「ひぃ・・・くそっ・・・」  
スライムの一種だろうそれにサラは思いっきりひざ蹴りをかます。  
しかし手ごたえはグニャリとしたもので明らかにダメージは与えられていない、スライム系は基本的に魔法でないとまず倒せない。  
 
「きゃは、引っかかった・・・隙をついて襲うつもりだったのに自分からあたしの中に手突っ込んじゃったね」  
その声は・・・そのスライムから発せられていた、幼い少女の声にも聞こえる。  
その間にもサラの体にはスライムがみっちりと絡みついていきどんどん身動きが取れなくなっていく。  
「くっ、はなしなさい・・・いやあ・・・離して・・・」  
サラはのどの奥でうめき必死にもがくがそれも徐々に弱弱しくなっていく、スライムによって体を押さえこまれていくのだ。  
「離さないよ、せっかく捕まえたおもちゃだもん。一緒に楽しいことしょうね・・・」  
サラの顔付近のスライムの体の一部がグニャリと歪み顔が現れた、声と同じように少女のそれは二ヤリと微笑んでいる。  
「んっ・・・やぁ・・・・」  
サラの声が急に色っぽくなる、纏わりついたスライムがグニャグニャと蠢きサラの体を撫でまわし、揉みこみ始めたのだ。  
それはマッサージされているかのように優しく、それでいて確実にサラの感じる部分を付いてくる。  
「あたしに掛ったらどんな女の子もイチコロなんだよ・・・この前もシスターを一人捕まえて一緒に遊んだんだけどね  
 
最初は神様がどうとか言って必死に我慢してたんだけど、一時間もした頃にはあたしにもっともっとってお願いしてたよ」  
そう話すスライムの口調は本当にぬいぐるみで遊ぶ少女のような無邪気なものである。  
「ああいうおしとやかな女の子が堕ちて行くのって本当に楽しいよね、シスターだから今までいろいろ我慢してたんだね。  
でも君みたいな気の強そうな女の子を堕とすのも大好きだよ・・・」  
スライム娘の愛撫はなおも続き服の上からサラの体中を優しく責め続けている。  
「ふざけないで・・・誰があんたなんかに・・・んっ・・・きもち悪いだけだ化け物・・・はうっ・・・」  
サラがそうつぶやいた瞬間スライム娘の口がグニャリとゆがむ。  
「うふふ・・・そうそうそうやってたくさん反抗してね、君は最終的にはどうなっちゃうのかな・・・まずはそのプライドからたたき壊しましょう」  
サラの股間付近にまとわりついていたスライム娘の体がうねうねうごめき武闘着と下着の中に入り込んできた。  
「いや・・・そこは・・・やめて、いやあああ」  
もはや体をよじることも出来ないサラの股間に直接みっちりとスライムは張り付く。  
「こっからが本番だよ・・・」  
 
股間に張り付いたスライムはサラの尿道を弄り始めた、尿道とその入口をくちゅくちゅと揉み、突きまわす。  
「いやあああああぁ・・・やだ漏れちゃう・・・漏れちゃうよおお・・・」  
とたんにサラの声がせっぱつまったものになる、森に入ってから一度も排出していなかったそれはたっぷりと膀胱の中にたまっていた。  
「漏らしちゃえ、漏らしちゃえ、出しちゃえ・・・・ほら・・・・ほらほらほら・・・きもちいよおおお」  
サラの顔に焦りの色と汗が浮かんでくる。  
スライム娘の声はゾッとするほどに楽しそうである。  
「結構我慢するんだね、お漏らしはいや?出しちゃいなよ、気持ちイイよ。  
しかたないなぁ・・・・・出させてあげるね」  
スライム娘がそういうと尿道を弄っていたスライムはゆっくりと尿道に侵入し始める。  
スライムの体は自在に形をかえ、排出するための器官にジワジワと侵入してくる。  
サラの体にゾクゾクと寒気と痛いような痒いようなもどかしい感触が股間か伝わる。  
やがて膀胱の入り口にまでたどり着いたスライムはその入口をクニクニと弄る、その瞬間にサラの我慢は限界を迎え体中の力が抜けた気がした。  
「あぁ・・・出ちゃう・・・はぁぁぁ・・・」  
 
スライムが尿道から引き抜かれるとそこからチョロチョロと尿があふれ出す、あふれ出た尿はサラの下着と武闘着にジンワリと染みこんでいく。  
サラは顔を真っ赤にし唇をかみしめて必死に排尿を抑えようと力むが一度あふれ出たそれは止まってはくれない。  
「恥ずかしいね、服着たままオシッコしちゃったね、でもすごく気持ちイイでしょ?癖になりそう?」  
服や下着が吸いきれなかった尿が地面に広がっていく、サラは泣き出してしまっていた。  
「あれ、泣いちゃった?予想以上の効果だ・・・でももっともっと恥ずかしい目にあってもらうよ」  
サラの尿が一通り出終わるとスライム娘は再びサラの尿道に進入し始める。  
「いやぁ・・・もう許して・・・いやだよぉ・・・」  
そこにはもう凛々しく自身に満ち溢れたサラの姿はなかった。  
ゆっくりと尿道を進んでいくスライムの感触が再びサラを襲う、膀胱の入口にたどり着いたスライムは今度はその中に入り込み始めた。  
膀胱の中にスライムの一部がじわじわと溜まっていきそれらが中でもぞもぞと蠢き始める。  
とたんにサラに激しい尿意が襲いかかる。  
「ひぃっ・・・やぁ、オシッコがまた、オシッコ漏れちゃうよ・・・ふあああああああ・・・・」  
 
耐えがたい尿意がサラを襲うが中身は尿ではなくスライムなのでもちろん出すことも出来ない。  
逃れられない尿意がサラの股間に広がるがサラの意志ではどうすることも出来ないのだ。  
スライムが膀胱いっぱいに溜まると股間の付近を愛撫していたスライムたちも動きを変える。  
クリトリスに絡みつきそのままズルズルと回転を始めたのだ。  
ズルズルとクリトリスを擦られる快感が延々と続く、スライムならではの柔軟さで様々な角度でクリトリスを磨きあげていく。  
激しい尿意と激しい快感が合わさり気も狂わんばかりの刺激がサラに広がる。  
その他の部分に張り付いた体中のスライムもサラの体を責め立て続けている。  
「すごいでしょ?こんなの人間相手じゃ絶対味わえないよ・・・そろそろ一回イかせてあげるね」  
スライム娘は言い終わるのと同時にクリトリスを吸引し始めた。  
「ひぃ・・・だめっ・・・・ああああああぁ・・・」  
細かく振動しながらクリトリスに吸いつくような強すぎる刺激にサラはあっさりとイッてしまう。  
体がガクガクと震え強すぎる快感がサラの頭を真っ白に染め上げていくが、すぐに激しい尿意がサラを現実に引き戻す。  
 
絶頂を迎え体中の力が抜けても膀胱の中にいるソレは抜けてくれない。  
「もう許して・・・変になっちゃう・・・んっ・・・」  
涙と涎で顔をくしゃくしゃにしながら懇願するサラに、スライム娘は無邪気な笑みを浮かべる。「まだまだこれからじゃん、そろそろ中も弄ってあげる」  
今までは浅く入口をいじられていただけの膣にスライム娘の一部が入り込み始める。  
すでにドロドロになっているそこをスライムは感触を確かめるようにしながら入り込んでいく。  
「んん・・・やぁ・・・」  
ねっとりとした快感と、スライムが膣に入り込んだことによって加わる圧力のため強くなった尿意がサラの体に広がる。  
「こっからが本番だからね・・・うふふ」  
次の瞬間にはサラは我を忘れて喘ぎ始めた。  
股間のスライムが凄まじい勢いで中をかき回し始めたのだ。  
それと同時に膀胱内のスライムも動きを変える、細い形状に変化して尿道でツプツプとピストン運動を始めた。  
溜まりきった尿がすべて排出されていくような開放感が広がり、膣をかき回される快感がサラの頭を白く染めていく。  
白く濁った愛液がサラの股間からあふれ、それを吸収していくスライムの体の一部が白く濁っていく。  
 
完全に思考の全てを奪われたサラは喘ぎ、うつろな目で空を見上げながら何度も体を痙攣させる。  
「いい子いい子、気持ちいいでしょ?このままあたしのおもちゃにしてあげるからね、毎日何回でもイカせてあげる」  
そんなスライム娘の言葉も快楽をむさぼるサラの耳には届いていなかった  
 
 
「ルーシアちゃんて面白い子ね」  
リリスが唇の端を釣り上げるようにして微笑みながら話す。  
「それはどうも、でもあなたの愉快な顔には負けるけどね」  
リリスの正面に立つルーシアも負けずに不敵に微笑んでいる。  
 
少し前の事、魔法の力によって飛ばされてきたルーシアに、リリスはいきなり攻撃を仕掛けた。  
突如転送させられた上に不意打ちをかけられれば、いくら百戦練磨の戦士でも対処できない。  
そうして弱らせたところをじっくり弄ぶのがリリスのお決まりのパターンであった。  
反撃できない獲物を生かさず殺さずで責め抜いて壊してしまう。  
リリスは何百人もの女をこうして犯してきたのだ。  
 
しかし今回の獲物……ルーシアは突然飛んで来た雷の弾にも、焦る事もなく華麗に避けてしまった。  
それどころか避ける動きの流れのままに、剣を引き抜きリリスに向け切りかかって来たのだ。  
堪らずリリスは飛びのき今に至る。  
 
「気に入ったわ……その強気な顔が快楽に歪むところが見たくなってきちゃった。」  
リリスは内心驚きつつも、壊しがいのある獲物に興奮していた。  
「お姉さんがたっぷり遊んであげる……どうされたい?」  
剣を握るルーシアの手に力が篭る。  
「悪いけど遊んでる暇はないの、早く仲間と合流して用事を済ませないとならないの」  
その言葉を聞いたリリスの目が愉快そうに見開かれる。  
「ノストアに行って異変の調査をしてこないと、大事な大事なメアリーちゃんに怒られるんだよね」  
「くっ!!」  
ルーシアの足が止まり喉の奥から声が漏れてしまう、その顔には驚きの色が隠しきれずに表れていた。  
「あは♪そんな顔も出来るじゃない、そうよあたしは何でも知ってるの  
例えばあなたの好きなメアリーちゃんね、一昨日の夜にベッドの中でオナニーしてたよ  
声を押し殺しながら…それでも熱い息遣いと、たまに『はうっ』て可愛い声を漏らしながら  
ウブな女の子のオナニーしてる姿いいよね……あたしまで濡れちゃった……」  
うっとりとした表情で語るリリスを、ギラギラとした目で睨み付けるルーシア。  
「普段の機械みたいなルーシアちゃんも好きだけど、今みたいに動揺してるルーシアちゃんもかわいい……」  
リリスの表情がうっとりしたものから、小悪魔のような悪戯じみた笑みに変わる。  
「それじゃあそろそろ……快楽にとろけちゃう顔も見せてもらうよっ!!」  
言葉が放たれるのと同時にリリスの足元が輝きだし、そこから現れた無数の触手がルーシアに向かって伸びていく。  
呪文の詠唱すらない、魔法使いの常識を逸した素早い召喚。  
しかしそれに対するルーシアの動きはさらに素早かった。  
一すじの恐れも迷いもないそれは、新しい触手が現れるよりも早く迫る触手を切り払っていく。  
リリスとルーシアの距離は瞬く間に縮まっていき次の瞬間にはリリスの頭上に向けルーシアの剣が振り翳される。  
ルーシアの剣は躊躇する事なく振り下ろされた。  
 
「イク……はうううっ!!」  
スライムに包まれたサラの体がビクンと跳ね、何十回目かの絶頂を迎える。  
「リリス様は?」  
スライム娘は体内でサラを責め立てながら、驚いた表情でルーシアを見つめる。  
「私がここにいるんだからわかるでしょ? サラを離せ雑魚がっ!!!!」  
前半はおどけるように囁き、後半は殺気をまぜて怒鳴る。  
スライム娘の体がビクリと跳ねてのけ反る。  
「な……何よ? あなた剣士? あたしに勝てると思ってるの?  
あなたもオモチャにしてあげる…オシッコ出させて、て泣かせてあげるんだから…」  
スライム娘は体の中からサラをドサリと解放し、ルーシアにむかって飛び掛かって来た。  
ルーシアの体にスライム娘がまとわり付く瞬間……  
ものすごい蒸気をあげてスライム娘が蒸発していく。  
「ひゃあああ…なんで?火?魔法?ふわわわわわわ………」  
「剣士が魔法を使えないなんて決めつけないでくれる?」  
ルーシアの手の平から燃え上がる炎はたちまちのうちにスライム娘を消し去ってしまった。  
「さて…こっぴどくやられたわね…サラ、あなたらしくない…」  
「すみません…ルーシア様……」  
未だ現実感の戻らない虚ろな表情でサラがポンヤリと答える。  
ルーシアは荷物からマントを出しサラに着せてやりながら、立ち上がるのに肩を貸してやる。  
「ありがとうございますルーシア様……私…スライムなんかに……」  
サラの瞳から零れた涙をソッと拭き取るルーシア。  
「もうお嫁に行けません…いっそルーシア様、私を貰って下さい」  
少し落ち着いてきたのか、サラは顔にうっすらと笑みを浮かべながらそんな軽口を飛ばす。  
「私の嫁はメアリーだけよ」  
だからルーシアもそんな冗談を笑顔に乗せて返したのだった。  
 
その後二人はウツボカズラにすっぽりと包まれたアカネを救助し、森を抜けノストアへとたどり着いた。  
 
「そう……ノストアでは今も被害者が……」  
窓から差し込む夕日によってルーシアの顔が真っ赤に染め上げられる。  
メアリーはベッドに腰掛けているので、ルーシアを見上げる形になる。  
その顔は森へ向けて城を出発した数日前よりも少しやつれた様にも見える。  
森を抜けノストアの様子を調査して来た彼女は、部下の二人と共に先ほど帰ってきたばかりだ。  
その表情からも決して楽しい旅では無かった事が伺える。  
とくにサラとアカネはひどく疲れきっていたようで、城に戻るなり眠りこけている。  
「はい、やはり村の近くの洞窟が原因であるのは間違いなさそうですね」  
「それから……ルーシアが森で出会った魔女の、死に際に残した言葉が気になるわね」  
ルーシアの顔が曇る、森で彼女を襲った魔女……リリスが放った言葉  
「ネクドマリアなる者が復活すると」  
 
「語り部達がその名前を知っていたよ。やはり昔話は彼等に聞くのが1番じゃな、しかし……メアリーは本気でそんな話を?」  
物憂げな顔を真っ白い長い髭で覆ったガルムが、その長い眉の下から鋭い瞳を光らせる。  
姫、ではなくメアリーと呼ぶのは彼なりの意地だろうか……  
「実際に有能な魔法使い含め何人もの村人達が誘拐されてるのよ? 単なる人さらいとは思えないわ」  
ガルムとメアリーは会議室で向かい合って座っている。  
あまりにも情報が不透明なため、メアリーはガルムにネクドマリアに着いて調査を頼んでいたのだ。  
「むん……語り部達が言うには、ネクドマリアとは遥か古の時代、この地に栄えた大帝国を三日で滅ぼし支配した。  
恐ろしい力を持ったソレは長年に渡り人間を家畜として飼育しその魔力を吸い上げ続けていたと  
ガルムは長い髭を捻りながら話を続ける。  
「しかしその悪夢のような時代もやがて終幕を迎える。どこかから表れた7人の英雄達がネクドマリアをうち倒した。  
かくしてネクドマリアは倒れ、その巨大な魔力はこの地を豊かにした。  
ここが他の国に比べ魔力の強い人間が多いのは、そのネクドマリアの力が大地を通じて人々に受け継がれているかららしい。  
まぁ確かにフィア騎士団は最強じゃしな……ガハハハハハ」  
語り部達とはフィア国が建国されるよりも遥か昔からこの地に住んでいた民族達の子孫だ。  
今でこそ、この国に溶け込んではいるが、昔はいろいろと衝突もあったとメアリーも父から聞いている。  
しかしそんな彼等の知識は掛け替えのない財産なのだ。  
「ありがとうガルム、恐ろしい話ね……」  
ガルムの口元がニヤリと歪まされる。  
「なぁに、単なる昔話の一つじゃよ、彼等は羊が国を滅ぼすと真顔で語る人種じゃからな」  
ガルムの言う事はもっともだ、破滅思想はそれこそ星の数ほどある。  
その一つ一つを気にしていてはとても女王などやってはいられない。  
「分かっているわガルム、だけど……」  
ルーシアを襲った魔女の言葉、その状況で嘘をつく理由がない。  
そこへ次々と報告される魔物の目撃証言、今フィア国が何か異常な事態に陥っている事は事実なのだ。  
「ククク……やはりメアリーは心配性じゃな、女王には向かん。  
まぁまた何かあったらワシに相談すればいい」  
とんだツンデレ爺だとメアリーは思ったが、もちろん口には出さない。  
「メアリー様」  
扉越しにルーシアが呼びかけてくる。  
「それじゃあ、また」  
メアリーは席を立ち扉へと歩き出す。  
その時一瞬見えたガルムの顔は大臣のものではなく、メアリーが幼い頃に父と共にメアリーを愛おしいんでくれた優しいそれだった。  
メアリーは手を強く握りしめる。  
この国には守るべきものが山のようにあるのだ。  
 
ルーシアとともに部屋へ戻れば、外はすっかり暗くなっていた。  
もうルーシア達が帰って来てから三日になるが事態はなかなか前進していかず、時間ばかりが過ぎていくばかりだ。  
メアリーはガルムとの会話を手短にルーシアにも話していく。  
「で、具体的にはどうなされるのです?」  
半分崩れるようにベッドに寄り掛かっているメアリーにルーシアが訪ねる。  
「いろいろと気になる事はあるのに、どれも確信がないわ。やはり答えはノストアの洞窟にしか無いのかもしれないわね……」  
フィア騎士団は相変わらず動かせずにある。  
あまりに力強く、巨大なそれはよほどでなければ動かせない。  
そして一度動いてしまえば止める事もまた用意ではないのだ。  
ルーシアの報告を受け数人の先遣隊がノストアへ向かったが彼等はまだ帰って来ていない。  
「やはり私がもう一度行ってきます。このままでは何か取り返しがつかない事になりそうな予感がします」  
ルーシアの真っすぐな瞳をメアリーは見る事が出来ない。  
詳しい事は聞いていないが、サラとアカネが悲惨な目にあった事は分かる。  
今度こそ無事では済まないかもしれない。  
「メアリー様!!」  
たまらずメアリーは頭を抱え込んでしまう。自分の無力さ故に、ルーシアを再び危険に曝す事になるのは耐えられない事だった。  
そんなメアリーの傍にルーシアがそっと近づいて来る。  
「メアリー様……メアリー、私なら大丈夫だから。  
何があってもメアリーの元に帰ってくるから……私が約束破った事なんてある?」  
女王と騎士ではなく、幼なじみとしてのルーシアの言葉だ。  
メアリーが顔をあげると、無邪気に微笑んだルーシアの顔がそこにあった。  
「大丈夫……メアリーが無事を祈っていてくれさえすれば、それで充分。  
魔女が出ようが羊が出ようが関係ないよ」  
気がつけばメアリーの瞳からは涙が溢れ出していた。  
「ゴメンね……ルーシア」  
ルーシアは奮えるメアリーの体をそっと抱きしめたのだった。  
 
真っ暗でじめじめとしているが、不思議と足元はしっかりとしていて歩きやすい。  
つい最近にも人の出入りがあったようだが、どうみても人為的に手入れがされている。  
そしてそれが余計に不安と恐怖を煽って来る。  
村人によれば先遣隊は洞窟へ入っていったきり戻ってこないらしい。  
相応の訓練を積んだ人間が五人もいて、簡単にやられるともおもえなかったが、それでもこの場合は何かあったと考えるべきだろう。  
「長いですね」  
ポツリとサラが呟く、彼女はルーシアが城を立つ直前に寝床から飛び出し、付いて来ると言い出したのだ。  
その目には以前以上の強い意志が見てとれる。  
そしてもう一人……  
「あうう……なんかここ臭いです……」  
アカネもまた無理を言って付いて来ている。  
彼女などは寝起きだったのかベッドから半分這うようにして出てきた。  
彼女なりにも何か思うところがあるのだろう。  
三人が洞窟に入ってもうどれくらい立つのかも分からない。  
「二人共、油断しないでね。」  
森での出来事がかなりトラウマになっているのか二人は神妙にうなづく。  
ここは敵のアジトなのだ……何かあれば今度こそ助からないだろう。  
もし前回のような目にあえば快楽という名の牢獄に捕われ、二度と抜け出せなくなる。  
殺すのではなく犯し、辱める。  
その卑劣さを思いだしルーシアが奥歯を噛み締めた時だった。  
「魔力の気配が……二人共、あれ!!」  
アカネの声が静かな洞窟に響き渡ったのだった。  
一瞬再び転送の魔法でも使われたのかと思いルーシアは身構えた。  
しかし目に飛び込んだのは前方の通路を塞ぐように張られた光の網  
「結界?」  
よく見れば網のように見えたソレは無数の文字が折り重なって出来ていた。  
試しに剣で突いてみるが感触はあたりの壁と変わらない。  
「通れないのかしら……アカネ、魔法で解除か破るか出来ない?」  
ルーシアがアカネの方を振り向くとその表情は曇っていた。  
「見た事のない術式なので解除は……壊すにも下手をすれば洞窟ごと崩壊してしまいかねません」  
「そう……回り込めそうな道とかあったかしら?」  
ルーシアが引き返そうと後ろを振り向いた直後だった。  
 
「待って下さい、あれっ!!」  
サラが結界の向こうを見据えながら叫ぶ。  
ルーシアが目を凝らすと何物かが走ってくるのが見える。  
十代半ばといったところの少女だ。  
短く切り揃えられた髪がそのあどけなさを強調し、薄手の鎧もまだ着なれていないように見える。  
ルーシアはその少女に見覚えがあった。  
最近フィア国の兵士の仲間入りをした彼女はまだ訓練兵だったはずだ。  
おそらく初の実地訓練のついでに先遣隊に参加させられたのだろう。  
そんな彼女が剣も持たずにこちらに必死に走ってくるのだ。  
その理由はすぐに分かった。  
彼女に続いてグロテスクな触手が何本もすごい早さで迫ってきたのだ。  
彼女とルーシア達との距離はもう少しだ、一瞬明るくなった彼女の表情はすぐに泣きそうなそれに変わる  
結界だ  
少女とルーシア達の間に張られた結界は少女の逃げ道を完全に塞いでしまっていた。  
結界まで辿り着いた新米兵士の少女は、その小さな手で結界を思いきり叩きながら何かを叫んでいる。  
結界は音も阻んでしまうのか何を言っているのかは聞こえない。  
触手達は少女までもう少しの位置まで来ている。  
ルーシアは剣を引き抜き結界を力任せに切りつけるがビクともしない。  
続いてサラが力任せに殴りつけ、アカネが辺りが振動する程の魔法をぶち当てる。  
しかしそれは破れる事は無かった。  
 
少女の体は触手に巻きつかれてしまっていた。  
少女の喉元に鋭い触手が突き付けられる。  
一瞬貫かれるのかとアカネが小さい悲鳴をあげるが、その触手は少女の喉元を浅く突き刺しただけであった。  
「何かを、注ぎ込んでる?」  
少女の喉元からは彼女の血とは別に何かトロトロとした液体が垂れている。  
泣き叫んでいるような少女の顔に戸惑いの色が浮かび始めた。  
ようやく触手の離れた白い喉元が徐々に上気してピンク色に染まっていく。  
触手達は彼女を縛り上げたまま、鎧の下へ潜り込んでいく。  
ヌメヌメとしたそれは見るからに不快であったが少女の顔は恐怖に歪みながらもどこか緩んでも見える。  
そしてその表情はどんどん泣き笑いのようなものへ変わっていった。  
鎧の上からでは分からないが少女と鎧の間にはすでに数十本もの細い触手が入りこんでいる。  
触手達はその体を這い回り、舐め回しているのだろう。  
口から涎を垂らしながら虚ろな目をした少女の体が時折ピクンと震える。  
敏感な部分を容赦なく責め上げられているようだ。  
ルーシアの後ろにいたアカネが崩れ落ち小さな泣き声を上げる。  
やがて少女の体は弓なりにしなり、痙攣させる。  
触手達の責めに無理矢理に絶頂を迎えされられたのだろう。  
それでも触手達の動きは止まらなかった。  
少女への愛撫を続けたまま鎧を引き剥がし始めたのだ。  
あの細い触手のどこにそんな力があるのかは分からないが、鎧はその付け根からもぎ取られていく。  
鎧と一緒に下着も引きちぎられ少女のまだ幼い体があらわになる。  
華奢な体には汗が滲み上気しているのが見てとれる。  
小さな乳輪の中心はプクリと立ち自己主張をしていて、そこに触手達が群がっていく。  
まだ膨らみかけのそこはあっという間に触手達に群がられ見えなくなる。  
中ではどんな責めが行われているのか、少女は触手の動きに合わせて首を振り回す。  
おそらく少女自身にはもう立っている気力もないのに、触手の支えで無理矢理たたされているのだろう。  
ルーシア達に見せつけるように  
まだ男を知らないであろう彼女の女性器にも触手は伸びる。  
うっすらと生えた陰毛のあたりからお尻にかけて無数の細い触手達が集まる。  
それらは一本一本がバラバラに動き彼女の股間を無茶苦茶にまさぐり始めた。  
そこからは少女の愛液とも触手達の粘液ともつかない液体が絶えず垂れ続ける。  
無防備な股間を激しく責められ少女の体が何度も跳ねる。  
やがて少女の足と腰に太い触手が巻きつきその体を持ち上げる。  
そしてそのまま足をM字に開かせたのだ。  
 
触手にもみくちゃにされている秘部が向きだしになる。  
ルーシアは確信していた……触手達は見せつけているのだ。  
嫌悪感と共に体の疼きがルーシアの体に広がっている。  
サラとアカネも同じなのだろう、無力感に地面にへたり込みながらもその視線を外せずにいた。  
少女の陰核は何本もの触手に突き回され、舐め上げられている。  
敏感なそこをあのように容赦なく責められればどんな女であっても耐えられないだろう。  
実際少女はもう何度目かも分からない絶頂に押し上げられる。  
さらに秘部に一本の太い触手が近づいて来る。  
それには無数のコブがついていてビクビクと脈売っている。  
「やめてっ!」  
思わずルーシアは叫ぶが、触手達の動きが止まるはずも無かったのだ。  
ヒクヒクと痙攣する少女の膣にそれは潜り込んだ。  
愛液と触手の粘液とでドロドロになったそこはコブ触手をすんなりと受け入れていく。  
奥にまで到着した触手は一度そこで動きをとめ、そのまま一気に激しいピストン運動を始めた。  
一際大きく跳ねた少女の体を触手達が無理矢理押さえ付ける。  
目にも止まらない早さで挿入を繰り返す触手から与えられる快感に、少女は首を折れそうな程にのけ反らせる。  
次の瞬間、少女の股間から潮が勢いよく吹き出した。  
それがルーシア達の目の前の結界に飛び散る。  
それでもコブ触手は激しい前後運動を止めず少女に何度も潮を吹き出させる。  
結界がビシャビシャになり、少女の下に水たまりが広がっていく。  
少女は意識が飛びそうになっているのか、すでに焦点を失った瞳をしている。  
少女の愛液と潮を散々搾り尽くし、彼女をいたぶっていたコブ触手に変化が起きた。  
ブルブルと小さく痙攣してからさらにピストンを激しくしたのだ。  
眺めるしか出来ないルーシアの背筋が凍りついた。  
コブ触手が一際大きく震えるのと同時に少女の秘部と触手の間から凄まじい量の白色液が漏れる。  
それから少し遅れて少女にまとわり付いていた他の触手達の先端からも同じものが吹き出した。  
それでようやく触手達は動きを止め、股間のコブ触手も引き抜かれる。  
ドロドロに汚された少女の体は触手の拘束が緩んでも、小さく痙攣を繰り返すだけでもう逃げようともしない。  
そして触手達は少女の体を再び持ち上げると、そのまま少女と共に洞窟の奥へと引っ込んでいってしまったのだった。  
アカネの啜り泣く声だけが響いている。  
サラはルーシアの隣で座り込んだままピクリとも動かない。  
その拳は血まみれになっている。  
ルーシア自身もあまりの無力感に声を出す事すら出来ないでいた。  
そんなルーシアの目の前が一瞬輝き、そこにあった結界はアッサリと消えてしまっていた。  
やはり見せつけていたのだ、無惨な少女の姿を……  
逆らった人間の末路を……  
そして結界が消えたという事はルーシア達にも奥に来いという事だろう。  
「サラ、アカネ」  
低い声でルーシアが二人の名前を呼ぶ。  
それだけで充分だった。  
「はい」  
血の滲んだ拳をさらに強くにぎりしめサラが  
「うん」  
怒りからか抑え切れない魔力を霧のように全身から漂わせながらアカネが返事をする。  
引き返すという選択肢などない。  
三人は少女の愛液にまみれた道を踏み、さらに奥へと進んでいったのだった。  
 
 
 

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