冷たい石の壁、石の床に囲まれた部屋に、女の押し殺した喘ぎと濡れた肉のぶつかる卑猥な音が広がる。  
毛足の長い獣皮を敷いた床に押し倒された女は、涙に濡れた顔で歯を食いしばるのだが、それでも時々声を漏らす。  
女を組み敷く赤銅色の肌の巨漢は、冷笑を浮かべて杭を打ち込むように腰を使う。  
「貴様の腰は貴様を裏切っているぞ」  
それを聞くと、女は腰の下の毛皮を握りしめていた手を巨漢の肩に当て、首を左右に振る。  
「認めたくないか。しかしこの音と我が砲身を包む肉の締め付けで、儂にはわかる。貴様はまた、儂から快楽を毟り取るのだぞ」  
巨漢が眉をしかめ、やや角度を変えて杭を打ち込むと、女はしなやかな胴をのけ反らせて意味を成さない言葉を叫ぶ。  
「い、い、…あ、ああっ!ふ、あ、あっ、嫌っ、…」  
巨漢は冷笑を浮かべたまま、女の腰を掴むと尻肉を引き攣らせ、女の中に精を注いだ。  
 
巨漢がゆっくりと砲身を引き抜くと、女の肉花から精と蜜混ざった粘液が溢れ、糸を引く。  
それを拭いもせず、立ち上がるとぐったりした女に言う。  
「相変わらず強情な、素晴らしい女だ。いや、やはり誇り高い女と言うべきか。せいぜい正気を保ち、儂を愉しませるがよい」  
女は半身を起こし、上気した顔で巨漢を睨んでいる。ただし、まだ脚を開いたままで、肉花から白濁液を滴らせている。  
「素晴らしい。貴様は怒った顔が最も美しい。その顔が快楽で歪み、泣き濡れるまで責め苛みたくなるぞ」  
巨漢は尖った牙を剥き出しにして一瞬笑顔を見せ、鉄格子の扉を開けて去っていった。  
 
 
【魔族の独言】  
 
……この汚れた地上にあれほどの女・貴重な真珠のような女がいるとは思わなんだ。  
あの忌々しい、聖なる信仰とやらに凝り固まった巫女王の正体が、あれほどまでに感受性の豊かな、官能の素質に恵まれた女の中の女だったとは。  
か弱い人類なのが惜しい、と言うべきか。それとも、儂があれと同じ種族だったらば……ふむ、それも面白いかもわからぬ。  
儂の腕の中で悶え、羞恥と敵意に歪む顔は実に美しい。儂の言葉に怯える顔、そして我が下僕どもに犯され尽して理性を失った巫女どもを見たときの悲痛な叫び。  
人類への凌辱は征服ついでの暇潰しと思っておったが、これは逸材。決して手放すまいぞ。  
 
 
……「素晴らしい。貴様は怒った顔が最も美しい。その顔が快楽で歪み、泣き濡れるまで責め苛みたくなるぞ」  
女は赤銅色の肌の巨漢を睨んだ。  
早く体を清めたいのだが、腰の奥がまだ痺れ、脚を閉じることもできない。  
しばらくそのままでいたが、水掻きと鱗のある足を引きずるような足音が廊下から聞こえる。  
これはいつもの、食事の盆を運ぶ魔物だ。相手は人間ではないとはいえ、恥ずかしい姿を見られるわけにはいかない。  
壁にもたれながら奥の湯殿へと歩くが、足元がふらつき、しゃがみ込む。ちょうどその時、配膳係の魚型魔族が鉄格子の戸を開けて入ってきた。  
「へへっ、魔王様のオ気に入リ。随分可愛がらレちゃッテ」  
訛りのきついからかいの言葉を無視し、這うようにして湯殿に入る。  
 
自分一人のために設えた(と恩着せがましく魔王は言った)金と真珠の泥沼のような、豪奢な湯殿で、女は丹念に体を清める。巨漢がしつこく責め立てた肉花は、特に念入りに清める。  
鏡に全身を映すと、体の線も肌の艶も巫女王時代と変わらず美しい。それが誇らしくもあり、忌々しくもある。  
悪鬼羅刹の類に純潔を奪われ、憎しみに燃えていても窶れる様子はない。最初のうちは目の下にくまができたが、数日経つと消えてしまった。  
 
湯上がりの桃色に上気した顔で部屋(と魔王が呼ぶ牢獄)に戻ると、寄せ木細工の小卓に程よい量の食事があった。  
美しく盛りつけられ、滋養に富んだ、太りも痩せもしないようによく考えられた料理である。  
半分ほど食べ進んだ時、廊下から何人もの女の絶叫と喚き声、魔物たちの嘲り笑いが聞こえてきた。  
 
「可哀相に。貴女がたの魂は肉体よりも一足先に神の御元で安らいでいるわ」  
女は魔物どもにたらい回しに犯されている巫女たちのために、短い祈りを捧げた。  
 

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