高校に入って、くじ引きで学級委員になってしまった僕は、
放課後残って掃除当番の分担表と時間割表、他諸々を作っていた。
言い出したのは女子の委員の河崎さん。
いかにも生真面目そうなメガネに、綺麗に肩の辺りで切り揃えられた黒い髪。
制服も襟元まできっちりしてて。かわいいとはお世辞にも言えない。
「こういうのは誰かがやらないといけないのよ」って言って。
昼間の班分けした紙を手に、マジックで名前を書いていく。
性格をそのまま表したような、漢字の止め、跳ねの細かい所まできっちりとした字。
こういうの、好きなんだろうな。僕は苦手だけど。
「松本くん、少し曲がってない?」
ほんのちょっとじゃないかって思ったけど、確かに表の線が少しズレている。
「書き直しましょう」
「紙、勿体無いよ」
「駄目です。こういうのは毎日見るんだから、きっちりしてないと」
睨まれる。ちょっと迫力がある。
僕はため息をついて、新しい紙を用意した。
夕陽が差し込む教室。
無言で作業を進めて、小一時間ようやく終わった。
河崎さんの作った表は、機械で作ったのかってくらい精密に描かれていた。
だが張る作業も当然のごとく、一苦労。
「ちょっと曲がってない?」
何度もダメ出しされて。苛々を通り越して呆れるくらい。
「そこまで気にする?」
「だって、曲がってたら気持ち悪いじゃない」
河崎さんの部屋はさぞきっちり整理整頓してるんだろう。
だけどため息をつく間もなく、上の画鋲を取ってと言われ。
河崎さんに手渡した時、ちょっと手が触れて。
途端、彼女の手が、ぼんやりと淡く光ったような気がした。
「きゃっ」
河崎さんがびっくりしたのか手を引っ込めたら、その勢いでもう片方の手に持ってた
入れ物が床に落ちて、無数の画鋲が床にばら撒かれてしまった。
「ご、ごめんなさい! すぐ拾うから」
いつも硬くて真面目な河崎さんが焦ってるのを見て。
彼女も女の子なんだ、と当たり前のことを思って。
そしたら、うなじが光ってた。さっきの手よりも強く。
あれ、これって、由香姉の時と同じ…?
触ったら、由香姉みたいに、エロくなるんだろうか。
この生真面目一直線の河崎さんが。
でも、もしそうならなかったら…?
うなじ何かに触ったら、きっと高校生活はセクハラ男ってレッテル貼られた
悲しいものになるだろう。
でも。
葛藤しながら、画鋲を拾って。
「松本くんはいいよ、私のせいなんだから」
「そんなわけにいかないよ。同じ学級委員なんだし」
「…ごめんなさい」
うなじ、腕、足、腰。河崎さんの全身のあちこちが、光ってる。
触ってみたかった。
彼女がもし、由香姉みたいになるんだったら、聞いてみたかった。
河崎さんのエッチな声。
偶然を装うように、河崎さんの腕の辺りに触れてみた。画鋲を取る振りをして。
一瞬、確かに河崎さんの動きが止まった。
だけど僕が画鋲取りに熱心な振りをしたせいか、また動き始める。
それから、何度か、腕や背中に触れてみた。
「あっ、ごめんね」とか、わざとらしく言い訳して。
そうしたら、いつの間にか、河崎さんの顔が赤くなってて。息も少し荒かった。
由香姉と同じだ。エッチな気分になってる。
わざとらしく「どうしたの?」って言って、手を握る。
手が一番強く光ってたから。だけど、握っても何の抵抗もない。
それに気をよくして手の甲を指で撫でてみた。
「ひゃうっ」
目を閉じて、少し体を震わせてる。画鋲拾いがまだ残ってるのに。
たぶん、このまま触っても大丈夫と思って、後ろに回ってうなじと背中を撫でてみた。
やっぱり何の抵抗もなく、僕のされるがままになってる。
指が触れるたび、びくんって震えて。
ふわっていい匂いがする。女の子の匂い。
「河崎さん、いい匂いがする」
「ふぁ、やだ、香水とか何てつけてないわよ」
「ううん、そうじゃなくって。河崎さんの、女の子の匂いがするよ」
「何それっ、そんなの知らない!」
耳が赤くなる。同時に、触ってほしそうに耳がぼんやりと光る。
この前借りた本にあったみたいに、左の耳を舌で舐めてみた。
「あぁっ、変になっちゃう、ふぅっ」
舐めるのって、すっごいエッチだ。いけない事してるっていう気持ちで
もっとエッチな気分になっちゃう。
耳とかうなじとか、猫みたいに舐めると、そのたびに河崎さんは
エッチな声を出して震えるんだ。
それを見た僕はもっとエッチな気分になる。
おちんちんも制服のズボンを突き破るんじゃってくらいに勃起してて、
先端もぐしょぐしょになって、トランクスを濡らしてる。
「河崎さん、すっごいエッチな声だよ」
「だって、だって、そんなに触るから!」
「触られたら気持ちいいの?」
「…うん」
「こことか?」
話しているうち、胸が光っていたから、後ろから手を回して、
ドキドキしながら触ってみた。
由香姉はいつもうつぶせだから、女の子のおっぱいに触るのは初めて。
でもきっと今なら大丈夫だって思えて。
「ふわ、あ、あぁっ! 変だよぅ」
おっぱい、制服越しだけど、柔らかいんだ。
恥ずかしい、と言うけど触って揉んでもやめてとは言わない。
それどころか。
河崎さんが僕の手を取ったかと思うと、ブラウスの下に潜り込ませて、
直接素肌に触れさせた。
「っ、かわさき、さん?」
びっくりして声が裏返ってしまった。
河崎さんはか細い声で言った。
「松本くんに触られたら、変な気持ちが止まらないの。もっと、触って」
かわいい。僕はその声に、くらっときてしまった。
ブラジャーを外したのか、生のおっぱいと、乳首の感触がある。
おっぱいが目に見えない分、手の感触がすごいんだ。
あったかくて、やわらくてぽよんぽよんしてて、乳首が硬くとがってる。
それにどこを触っても、エッチな声が聞こえて。
「おかしく、なりそう…」
と言って、僕にもたれかかってきて。
抱きとめるようにしたら。
「あの、ね。お尻に硬いのがあるけど」
「あ、う、えっと、その」
言われるのって、恥ずかしい…
「私でエッチな気分になって、その、ボッキ、しちゃったの?」
「…うん」
女の子の口から勃起なんて言葉が出て。しかも、真面目な河崎さんが。
すっごい、興奮した。
しかも、お尻をぐりぐりと押し付けてくるんだ。
「う、はぁ、気持ちいい…」
「じゃ、おあいこだよね? もっと触ってね」
せがむようにお尻を擦り付けてきて。
お尻、柔らかい…圧力すごくて、めちゃめちゃきもちいい。
僕はすっかり赤く光っていた川崎さんのスカートの中、
女の子の大切な場所に、手を伸ばした。
「ふあぁぁっ! や、やだ、そこ汚いよぅ」
気持ちいいのと恥ずかしいのが混ざったような声。
だけど僕は、気にせずパンツ越しに指で擦る。
由香姉よりもぐっしょぐしょに濡れてる。
多分クリトリスって部分の突起が指に当たって、河崎さんがすっごい大きな声を上げた。
「あ、そこ、なにこれ、ホントに、変になっちゃうっ」
そう言いながら、河崎さんが僕の指に腰を浮かせて押し付けてくる。
「ちょくせつ、さわってっ!」
…それって、その、河崎さんのおまんこに、その、直接…?!
「おねがいっ、はやくっ」
河崎さんの顔が蕩けてて、口元によだれまで垂らして、すっごいいやらしい顔で。
僕の興奮は最高に高まって。
勢いでパンツの中に指を突っ込んで、ぬるぬるしたのを指につけて、
突起を擦りながら、後ろからおちんちんをお尻に押し付けて。
「おちちゃう、おちちゃうっ、こわいよ、こわぃ、あっ、ふぁぁっっ…」
おまんこをいじられながら河崎さんが体を震わせて、多分イッちゃったんだ。
僕もイキたくて、ズボン越しに柔らかいお尻におちんちんを擦り付けて。
きもち、いいっ、かわさきさん、えっちぃ、すごぃっ…
河崎さんのイッた横顔を見ながら、僕はズボンの中で、思う存分に射精した。
出すときのおちんちんの痙攣にあわせて、河崎さんが
「あっ、なに、これ、また変に…あぁっ」
ってまた痙攣するのを感じながら、僕は射精の余韻に浸っていた。
すっかり暗くなった教室の中で、河崎さんから睨まれていた。
顔はこれ以上ないってくらい、真っ赤で。
「松本くん、誰か他にお付き合いしている人とか、好きな人、いる?」
「いや、いない、けど」
「そう…。それじゃ、私と、交際してください」
声もすごい硬い…って、えぇっ?!
「え、いや、だって、え、どうして?」
うつむきながら、彼女は言った。
「だって、あんな恥ずかしいことされたら、その、仕方ないじゃない」
「ごめん」
「松本くんが謝ることじゃない」
私が拒否できずに快楽に溺れたから…とか、すごい事言ってる。
「でも、さ。僕でいいの?」
「私の方こそ、女の子らしくないし、真面目すぎるって言われてる。
交際してもつまんないかもしれない」
だけど、って彼女は続けた。
「私もこれからあなたの事を知って、きっと好きになる。だからあなたも」
━━キス、された。
もしよければ私の事を好きになってね、と言って。
かわいい。
顔とかそんなじゃなくて、河崎さんの全部がかわいくて、
ぎゅって抱きしめちゃった。
河崎さんの匂いがする。
なんか、幸せ。
こうして僕は、生真面目学級委員の河崎志穂さんと交際を始めた。
周囲に聞かれて恥ずかしがる僕と違い、河崎さんは
「学生らしい清く明るい交際をしています」と堂々と言うのだ。
交際してからも彼女は生真面目一本槍で、誰に対しても厳しい。
勿論僕にも。
日直の当番を忘れた時はカンカンに怒られたっけ。
学級委員の自覚が足りない!とか言われて。
皆から「どこがいいんだ?」と散々聞かれたけど。
この指で触れた時にだけ見れる彼女のあの可愛い姿は、僕しか知らないんだ。
それがちょっとだけ、嬉しかった。
おわり