ヒュンッ!  
 
道場の石英灯の光を反射し、電光の如く振り下ろされる刀が空気を切り裂く。  
打刀を使って形稽古を行っているのは一人の少女だ。  
歳は16〜7、上下とも白袴の胴衣を着込み、輝く黒髪はボブカットにまとめられ、白皙の肌に二重の大きな瞳が印象的な整った顔立ちは、さながら日本人形のようにも見える。  
 
その少女が無言で打刀を振り続ける。  
静から動へ、動から静への一瞬の切り替え、小柄な体では考えられないスピードで打ち振るわれる技の数々、実戦を模擬した確実に相手の急所を掻き斬らんとする姿は、猫科の猛獣の爪を思わせる。  
様々な形を繰り返すこと約十数分、打刀を竹刀へと持ち替え、少女が呼びかける。  
 
「コウちゃん、お相手お願いします」  
 
「応!」  
 
道場の座場で見守っていたコウちゃんと呼ばれた少年が答える。  
顔にはあどけなさが残ることから、年の頃は少女と同じくらいに見える。しかし180cmはあろうかという大柄な体躯と、鍛え上げられている体からは、ある種の迫力が醸し出されている。  
少年は胴を、面を着け、籠手を嵌めて準備を進めていくのだが、少女は一切の防具を付ける気配がない。  
準備を終えた少年は、なんの躊躇いもなく少女に向かい合う。  
互いに礼を交わした後、そのまま地稽古という実戦のさながらの稽古が始まる。  
 
これは夜の小野寺道場では、いつもの光景である。  
コウちゃんと呼ばれた少年、小野寺康平はこの小野寺道場の長男として生を受けた。以来、5歳から12年間ずっと剣道を生活の一部として育ってきたのだ。  
そして向かい合っている少女、八嶺弥生は小野寺家に隣接する八嶺の屋敷に住む、康平と同い年の少女である。  
 
幼い頃から剣道の英才教育を受け育ってきた康平だが、無防備に竹刀を構える少女、弥生に向き合ってもいささかも気を緩めるような気配を見せない。  
それどころか本気で撃ちかかっていくのだった。  
 
「せやぁっ!」  
「せいっ!」  
「いやあっ!」  
 
裂帛の気合いと共に打ち込まれる剣撃は並大抵のスピードではない。  
この少年の持ち合わせた資質と、それに耽溺せずに厳しい練習によって磨かれた技量は、端倪すべからざるものがある。  
しかし、凡百の剣士であればあっという間に薙ぎ倒してしまうであろう剣撃も、弥生の体には掠ることもなく避けられ、その度に喉が、手首が、脇腹が弥生の竹刀に斬られていく。そう、打ち込まれるのではなく触れながら流されて、斬られるのだ。  
 
繰り返される打ち合いの中で、足を薙ぎ払われた康平が倒れ込んで大の字にひっくり返る。  
「くは〜、だめだ、これで今日は12回斬られた、昨日は9回だったのにな。集中出来なかったかなぁ?」  
弥生が構えを解いて倒れ込んでいる康平に礼をする。  
「終わる?コウちゃん、今日もありがとうございました」  
弥生の礼に、あわてて康平は起きあがり礼を返す。  
そうして面を外した顔には苦笑があった。  
「しかし、今日はいつもにまして全く歯がたたねぇ」  
「そんなことはないよ。踏み込みが早かったし…突きも鋭かった。でも、攻めに比重を置き過ぎだったかな」  
 
弥生の講評に肩を竦め、康平はため息を漏らす。  
「相打ち覚悟でやってみたんだ。でも掠りもしないんだもんな、自信なくするよ」  
「そんなことない、私は八郎の力があるから…インチキみたいなものだよ」  
弥生は自嘲気味に自分に宿る力を評する。  
「それにコウちゃんは、本当に強いよ。コウちゃんとの稽古はお務めの時に本当に役立ってるし、本気の稽古出来るのは、コウちゃん相手の時だけだもん」  
「あ〜フォローしなくっていいって。幼馴染みがスーパーマンで、それに併せて毎日稽古してりゃいくらかでも強くもなるさ。それでも全然お前には歯が立たないけれど」  
「スーパ−マンって…私、女だよ。八郎の力を宿しているだけで、無敵でも不死身でもないんだから」  
「はは、すまんすまん」  
康平がこんな、軽口を言うのは弥生の前でだけである。普段の…学校での彼は厳めしく無愛想で努力を尊ぶ少年なのだ。  
 
「そういえば、今日もお務めあったんだろ、午後から帰ったようだし」  
「うん…コウちゃん、なんか怒ってる?」  
声の響きに厳しいところがあっただろうか。そのニュアンスを弥生は察したようだ。  
「いや、別に。それより怪我はしなかったのか?」  
「…うん、ちょっとだけ。でももう直るところだよ」  
押さえていた康平の語気が鋭くなる。  
「ばか、怪我したんなら稽古の前に言う約束だったろ」  
「やっぱり、怒ってる…」  
「怪我を隠していたことについてだ!お務めについては、俺らには見えなくても、そういうのがあるんだと理解することにしたからな。だけれど、怪我なんかもしてっ!」  
「ごめんなさい…」  
うなだれる弥生を見て康平は義憤に駆られる。憤りの矛先は、やはり弥生のお務めの方に向かってしまう。  
「やっぱり、お務めについても納得は出来ない。重遠おじさんもどうかしてるよ。いくら大事な仕事だからって、弥生の貴重な学校の生活を犠牲にしてまでやらせなければならないことなのか?」  
「…お父さんを悪く言わないで…それが八嶺の家のお務めだから」  
目に見えて背中を丸めてしょんぼりしていく弥生の様子を見た康平は、我に返ると共にばつの悪そうな顔をして頭を掻いた。  
「悪かったよ、今更いってもしょうがないことだったな」  
話題を変え、弥生に向けてことさら明るい口調で言い放つ。  
「ほら、今日の午後の分のノート写せよ。お前に教えながら俺も復習するから」  
「あ、うん、ありがとう。いつもごめんね」  
「じゃ、まずお互い着替えてこようぜ。10時に俺の部屋に集合な」  
「うんっ!」  
 
小野寺の母屋にある康平の部屋では、普段着で炬燵に入りながら勉強する二人の姿があった。  
「で、ここは「テストに出すぞー」って亀さんが言っていたから、類題も含めてよく覚えておいた方がいいな」  
「う、うん…でも亀さん先生って何時もテストに出すって言ってない?」  
「まぁそれが生徒のモチベーションをあげると思っているんだろ、でも受験に関わるところは懇切丁寧に解説してくれるし、亀さんはいい先生だと思うぞ」  
「ううぅ…でも覚えることが多すぎ…」  
弥生は弱音を吐きながらも、ノートを写しながらまじめに類題を解いていく。  
お務めのせいで度々学校を休むため弥生の勉強は遅れ気味だが、こうした康平のフォローと努力家の性格からか成績自体は決して悪くはない。  
そのおかげで、学校側も弥生の欠課を大目にみている節もあるのだ。  
もちろん学校側には家庭の事情と言うことにしているのだが。  
 
康平は弥生の進み具合を横目で見ながら区切りのついたところで一声掛けた。  
「どれ、終わったか?それじゃそろそろ休憩入れるか?」  
康平の言葉に、弥生は劇的に反応してガバッと身を起こす。  
「うんっ!新発売のお菓子出てたの。食べてみようよ」  
そういいながら早くも持ってきた紙袋から、水筒とお菓子を取り出す。  
「コウちゃんはカップだけお願い」  
康平は弥生の準備の良さに呆れつつ、苦笑する。  
「急に元気に成りやがって、その水筒の中身はお茶か?じゃマグカップだな、と。で、なになに塩キャラメル黄粉餅…これ、美味いの?」  
「新発売だから、食べたこと無いんだ。だからお楽しみなの」  
 
数分後、炬燵に向かい合って座る二人に空間は静寂によって支配されていた。  
「…微妙だったな」  
「…ん、お茶にもコーヒーにもあわなそうだね」  
「いい加減、新発売お菓子ハンター自重しろ」  
「コウちゃんは分かってない!次から次へと発売されては消えていく幾百のお菓子、どんな趣向、どんな味なのか、そんなのに試さないままに手に入らなくなったら悔いが残るよ」  
「…時々お前が大物なのか馬鹿なのか判断に迷うよ…」  
深くため息をつきながら、康平は弥生に気になっていたことを尋ねる。  
 
「で?今日はどんな奴だったんだ?」  
「え?」  
「お務めで祓った相手」  
 
弥生の行っているお務めとは、いわゆる破魔の業である。  
マスメディアでは、今も昔もオカルトと称するバラエティ番組の延長のようなものが特集を組まれて流されたりしているが、実際のところ今の世の中、霊だ、神だ、祟りだ、と信じる人間がどれだけ居ようか?  
科学は迷信を否定し、儀式は迷信と賦され、必要な理も効率化の元に省略されていく。たが、この世は否定すれば丸く収まる事柄でだけで成り立っているわけではないのだ。  
 
ただ、残念ながらと言うべきか、康平にはそのようなものを感じられるような能力は何も持ち合わせていない。ごくごく一般的な人間である。  
 
一瞬のためらいの後、弥生はたどたどしく話し始める。  
「…妖、梅ヶ丘の建設途中のマンションを住処にして、もう…人も殺していたの」  
康平の頭に、今朝の新聞の記事が浮かんできた。足場の崩落により作業員死亡。  
「あ、あぁ、あのやたら事故が多かったっていうあそこか、憑いていたのか」  
「ううん、建築のために壊された小さな社の主様が瘴気にあてられて悪霊化、事故を誘発していたらしいの」  
「元は神様だったのか、救われない話しだな…」  
ついため息が漏れてしまう。  
「うん、地鎮祭もやらず、社もただ壊しただけだったみたい。それに怒って悪霊に変化しちゃってて…人を殺す前だったらまだ元に戻すことも出来たかも知れなかったけれど…」  
 
不況のこの時代、少しでも予算を切りつめたい建設会社は、目に見えないものに予算を割くほど余裕はない。現場の人間がどんなに嫌がろうと決断を下すのは現場を知らない人間である。そんな巡る歪みが今回の事件を引き起こしてしまったらしい。  
 
「落ち込むな。弥生のおかげでもう犠牲になる人は居ないんだろ?」  
「でも、でもね。土地神様だったんだよ。それを会社は手間を惜しんで、ろくに敬いもせず壊して祟りを起こして関係ない人まで巻き込んで…やるせないよ」  
「弥生、お前が気にする事じゃない」  
「私、神様も殺しちゃうんだよ。なんて罰当たりな事してると怖くなるんだよ。きっともう私自身まともじゃないんだよ。これからだってこんなのどんどん増えていくとしたら…私、どんな死に方するんだろ…」  
弥生は思いの外今日のお務めを引きずっているようだ。康平は何気ない興味で聞いてしまった自分の浅はかさを後悔した。  
 
康平は弥生の隣へと進んで抱きしめる。  
「弥生、弥生!大丈夫だ、落ち着け…うん、お前は優しいんだ、優しすぎるんだ。それがそばで見ていて心配になるんだ」  
「コウちゃん…」  
抱きしめる腕に力がこもる。弥生も康平の背中に腕を這わせる。  
「弥生、絶対に死ぬな。俺のために死ぬな。なに稽古なら、これからも一生つきあってやる」  
「コウちゃん…」  
「弥生、好きだ」  
康平は言い放つと同時に、弥生の唇を自らの唇で塞いだ。ただ押しつけ合うだけの、鼻先がぶつかるような不器用なキス。唇と唇がゆっくりと離れて互いに見つめ合う。  
 
弥生が潤んだ目をしながら掠れた声で言葉を紡ぐ。  
「コウちゃん…私も…好き…大好き」  
弥生の方から再び押し当てられた康平の唇を、弥生の舌がノックする。康平は急かされるかの如く唇を薄く開いて弥生の舌を迎え入れる。間髪入れずに弥生の舌が侵入し、口腔内を蹂躙する。  
「ん、んん…んううん…ン、んううん…んっ」  
舌を絡ませながら康平の名を呼び続ける弥生に、康平は抱きしめる腕の力強くして、弥生の舌を、唾液を、音を立てて吸い続けることで答える。  
クチュル、クチャ、クチュ…互いの舌が絡み合い、互いの唾液をすする湿った音が部屋に響く。  
 
「…んん…ン、…コウちゃんの口、黄粉の味がする…ン」  
「ばか、どうせ言うならもっと甘いこと言えよ」  
「んう…ん…黄粉…、甘いんだよ」  
再び二人はキスに没頭する。  
互いの口腔に侵入した舌は、交尾する蛇のように激しく縺れ合い濡れた舌が絡み合う。  
口端からは溢れだした唾液が滴り落ち、荒い息で上下する康平と弥生の胸元を濡らしていく。  
 
「んん…んううん…ふぅ…ン」  
弥生はキスの合間に悩ましげな吐息を漏らし、康平をいっそう高ぶらせていく。  
やがて、互いに唇を離す。遠ざかる互いの口元に、唾液の透明な糸が橋を架ける。  
「はぁ、はぁ、弥生、脱がすぞ」  
康平が荒い息を吐き出しながら、弥生の上着を捲り上げ、首筋を舐めあげる。  
「ひあぁっ、コウちゃんっ!」  
与えられる快楽に悶えている内に、ブラも外されあっという間に弥生の上半身は裸にされる。  
 
引き締まった弥生の裸体からは、似つかわしくないほど豊かな双乳が曝される。  
「あっ…稽古のあと、汗かいたままだから、恥ずかしい…」  
「いいよ、弥生の匂い、汗も含めた甘い匂い、嗅ぎたいんだ」  
康平は弥生の腕を上げ、脇の下をさらけ出す。  
よく手入れされている脇の下にゆっくり口を近づけて、舌を伸ばして舐めあげる。  
「や、やだぁ、コウちゃん、コウちゃん、やぁぁっ、そんなところ舐めちゃ駄目ぇ、恥ずかしいっ!」  
「ちょっとしょっぱい。それに弥生の匂いがする、嫌な匂いじゃないぞ」  
なんの心構えも出来ていなかった所を、舐めあげられる。年頃の少女にとってはとても耐えられる行為ではない。  
「駄目…あぁ、駄目ぇ…いやぁ…あ、あふぁ…」  
弥生は羞恥心に頭が真っ白になりながらも、背徳的な快楽に飲み込まれていった。  
 
康平の手が弥生の胸に触れてきた。  
乳首が疼く。与えられた快楽でびんびんに尖っているのが自分でも分かる。  
「ひぃ…ン」  
康平の左手で、右胸の乳首を摘まれた瞬間、全身に電流のような快楽が迸った。  
そんな弥生の反応に気をよくしたのか、康平は乳首を重点的に攻めてきた。左胸は右手と唇と舌で、右胸は左手で、形が崩れるほど揉まれ、乳首を摘まれ、吸い上げられて、弥生はもう声を抑えることが出来ない。  
「あっ、あっ、あぁん、あぁ…やぁ…、そんなに摘まないでぇ…あン…ンあぁ、やはぁっ!」  
与えられる快楽に、ショートパンツとショーツに覆われた下腹部が溶け出すように熱い。  
カク…カク、カク…カク…カク。  
知らず弥生の腰は康平を求めて動き出した。  
「弥生、腰、動いてる…」  
康平に指摘され、我に返る。恥ずかしさで逃げ出したいくらいだが、女の性が康平に媚びを売る。  
「やぁぁ…コウちゃん、もう駄目ぇ…欲しい、欲しいよ…切ないの…」  
康平のゴクリという唾を飲み込む音が部屋に響く。  
 
「弥生…いまいくからっ」  
康平は荒々しく上着を脱ぎ捨て、ズボンを下ろし屹立した肉茎を露出させた。そのまま弥生に覆い被さり、腰を持ち上げた弥生のショートパンツとショーツを同時に引き下ろす。  
秘裂から溢れる愛液は失禁しているかと思うほどに大量だった。  
「コウちゃん、欲しいよ、お願い…ちょうだい」  
弥生の媚肉は、内側から押し出されたように淫靡に捲れあがり、ヒクヒクと震える秘裂からは、白く濁った淫汁が溢れているのがはっきり見える。一刻も早く康平の怒張を銜えこみたくて、物欲しそうに蠕動を繰り返している。  
 
「弥生っ!」  
濡れた花弁に、康平の熱いモノがあてがわれ、くちゅりと淫らな水音が響いた。  
「あ、あぁ…コウちゃ…ぅん」  
康平の先端が触れてきたと同時に、弥生は腰を突き上げて康平の怒張を迎え入れた。  
「あああっ…あ…あ…、コウ…ちゃん、あ、ああ…入ってる、熱い…よぅ」  
弥生が背中を仰け反らせながらヒクヒクと痙攣する。どうやら秘裂が怒張をくわえ込んだ瞬間、弥生は軽く達してしまったようだ。  
「弥生、弥生…」  
康平が熱に浮かされたように、本能の赴くまま腰を揺すりはじめる。  
 
「ひぅ!あぁっ、ああん、あん、あはぁ、き、気持ちイイよぉ」  
潤った女陰が康平の怒張を飲み込んでは吐きだしている。それと共にぐちゅりぐちゅりとよがり汁が互いの股間を濡らし、淫らな水音が響き渡る。  
「気持ちイイ、気持ちイイっ!コウちゃん、あぁっ!ひぁっ!いいっ!いいよぉっ!」  
「弥生…弥生、弥生の中、天国みたいだ、気持ち良すぎる…っ」  
次第に速さを増していく、康平の腰使いは、どんどん深くさらに大きく、弥生の膣壁を擦りつけ、亀頭の先端は子宮を圧迫する。  
 
「あぅっ!ああっ!ふわぁっ!ああんっ!き、キスして、キスしてぇっ!」  
弥生が、焦点の定まらない目をしながら、康平の口を求める。康平はいよいよ腰の動きを激しくしながら弥生の求めに応えて口腔を蹂躙する。  
「んっ!んんっ!ぬふぅ!んんっ!ぷはっ!コウ…ちゃんっ!好き、好きぃ!」  
さんざん突き、抉られた媚肉はすでに絶頂の予感に痙攣を始めながら、康平の肉茎を扱きあげている。  
 
「コウ…ちゃん、コウちゃんっ!いいっ!イクッ、イクのっ!イッちゃうのぉっ!」  
弥生は嫌々をするように髪を振り乱しながら、康平の腰に足を巻き付ける。  
康平の子種を一番奥で受け止められるように、グラインドする腰の動きを同調させながら内壁で肉茎を絞り上げる。  
「弥生、弥生、俺っ、もう…つっ!」  
「ちょうだいっ、コウちゃんをちょうだいっ!ひぃっ!やぁっ、イクッ、イクイク、イッちゃうぅっ!!あーっ、ああーっ、あああああぁー!!」  
弥生の膣壁が痙攣と収縮を始めた瞬間、康平は腰を一番奥まで突き入れ射精を始めた。繰り返す快感を弥生の奥へ奥へと突き入れながら、大量の精液を弥生の子宮口へとぶちまける。  
口からは涎が無意識に流れ落ち、仰け反っている弥生の体へと垂れていく。  
 
「あ…ひ…、ひ…は…」  
弓なりに張りつめていた弥生の体が、不意に崩れ落ちる。  
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」  
康平は荒い息をしながら弥生の隣に転がる。  
じゅるんと音を立てて精液の糸を引きながら肉棒が弥生の淫裂から抜け落ちる。  
弥生は未だ絶頂の余韻に体をビクビク震えさせながら、酸素を求めて喘いでいる。  
そのまま互いの呼吸がようやく落ちついてきた頃、二人はまたゆっくりと互いの唇を求め合った。  
互いの存在を確認するように、互いの愛おしさを確認するように。  
 
「このままここにいたい」  
弥生がつぶやく。  
「弥生、居てもいいぞ…」  
康平が答える。  
「あは、ごめんね。無理だよ。明日も学校はあるんだから」  
弥生が起きあがる。  
「弥生、俺はお前さえよければ…ン」  
言いかけた言葉はキスによって塞がれる。  
「…ン、コウちゃん、ありがとう。今日も元気貰っちゃった」  
弥生が続ける。  
「先の事なんて分からない。私は毎日を精一杯生きるだけ。でもね、コウちゃんが幼馴染みで良かった。何時も隣にいてくれて良かった。そしてコウちゃんが私の何よりも大切な人でいてくれて本当に良かった」  
康平は本当に言いたい言葉を飲み込んで、弥生に笑顔を向ける。  
 
「あぁ、お前が嫌だというまでずっと隣にいるからな、それと、いつか必ず1本取ってみせる。覚悟しておけよ」  
弥生は康平の言葉を反芻した後、輝くような笑顔で答えた。  
「うん、コウちゃん、明日もよろしくね」  
 
弥生の生活には、日常と非日常が渾然と混じり合っている。  
 
康平は母から、「見えているだけの世界が、世界のすべてでは無いの、すっと弥生ちゃんを守ってあげなさいね」と、口癖のように言われ育てられてきた。  
 
弥生は、早くに母を亡くし、そのうえお務めにより家を空けがちな八嶺重遠、つまり弥生の父から頼まれて、康平の小野寺家へ預けられることが多かった。  
幼い弥生は、よく何もない方向を見て話しかけたり、制御することを知らない力で子供には為し得ないことを色々していたものだ。当然、同年代の子供たちには気味悪がられ、幼稚園に入る頃にはすっかり友達はいなくなっていたのだった。  
そんな弥生を母の言いつけ通り精神的に支えて、すっと守っていたのが康平だった。  
 
正直、弥生の世界は自分には立ち入ることのできない世界だと思っている。  
しかし、この少女が持ち合わせた能力のためにもたらされる年齢にも精神にも不相応な重荷を取り除いてやりたい気持ちは膨らんでいく  
そんな弥生の、何でもない退屈な、それでいて光り輝く平凡な日常の象徴として、帰ってくる場所に自分はなりたい。  
康平はそう思いながら、手を振り帰っていく弥生を見送るのだった。  
 

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