「なんでりっくんはよーちえんこないのー?」
「おかーさんもおとーさんも忙しいからダメって…」
「ふーん。おとなはたいへんだねー」
「みーちゃんといっしょのとこ行きたかったなぁ…」
「ねー?」
「やだー!りっくんと一緒のがっこ行くのー!」
「こら、我侭言わないの!」
「ごめんなさいねぇ家も私立いけたら良いんだけど…夫の稼ぎも少ないしねぇ」
「陸之君賢いから受かるだろうにもったいないわねぇ…」
「りっくん一緒のとこ行こうよ。ね?」
「…行きたいけど、でもよーちゃん達もこっち来るんだし…」
「りっくんの馬鹿!よーちゃんのお嫁さんになれば良いんだ!」
「えぇ…」
「あらあら美穂ったら嫉妬?さすが私の娘ねぇ」
「もう陸之。女の子は優しく扱わないとだめでしょ?」
「ふんっ」
「ぼ、僕が悪いの…?」
「は?何でよ!あんた私より頭良いのに公立行くの!?」
「っせぇな…こっちのがダチ多いからやりやすいんだよ」
「去年同じ中学行こうって言ったじゃん。忘れたのかよ…」
「こっちにだって色々あんだよ。良いじゃんか学校ぐらい別でも…」
「…」
「どうせ今までみたくテキトーに」
「死ね!」
「ごあ!?ちょ、てめ、辞書投げんな!」
「馬鹿!アホ!鈍感!甲斐性なし!」
「ちょ、ま、やめて、たすけて!誰かー!」
「…もう一度言いなさい」
「だから吉野に告られたって」
「…もう一度」
「くどいぞ馬鹿」
「うぅ…どうすんの?」
「断る」
「マジで?めっちゃ仲良かったじゃん」
「恋愛とかよくわかんねーし。部活に集中したい」
「うわぁ」
「やっぱうわぁとか言っちゃう?」
「言っちゃう言っちゃう。いやぁほんと慌てんでよかったわ…」
「は?慌てる?」
「あ、いや、何でもない!忘れて!」
「?」
「…」
「なぁ、ほんと謝ってるじゃんか」
「…」
「俺だって、まさかこんな事になるなんて思ってなかったんだよ」
「…いつから?」
「来週には」
「…高校からはやっと同じ学校と思ったのに。一緒にいられると思ったのに」
「ごめん」
「なのに…何で入学前に引っ越すのよ」
「あそこ、あの人…親父の家だからさ。俺も母さんも、もうあの人についてけ無いし…」
「…」
「母さんが待ってる。そろそろ行かなきゃ」
「…」
「メッセとかさ。いろいろあんじゃん。また話そうぜ?」
「…」
「じゃあな美穂…」
『ミミ:告られたぜー!うへへいうへい』
『天:で、また振ったと』
『ミミ:これで10人切りよ!あぁんもう私魅力的過ぎてこまっちゃう!』
『天:駄目だコイツ…手遅れだ…』
『ミミ:おややん?そんな心にも無いこと言っちゃってー』
『天:本心に決まってんだろ馬鹿野朗』
『ミミ:どうせ一緒に居た頃手を出さなかったの後悔してるくせにー』
『ミミ:おやおや発言が止まってますよりっくん?』
『ミミ:図星かなー?図星なのかなー?』
『天:そうだよ』
『ミミ:なに?』
『天:めっちゃ後悔してる』
『天:引っ越した後になって自分の気持ちに気がついたわ』
『システムメッセージ:ミミさんがログアウトしました』
「もしもs「ちょっと待って!(ブツッツーツーツー…)」…」
「もしもし?」
「…あい」
「準備はOK?」
「…あい」
「えっとだな。俺、お前の事好きだわ」
「…」
「引っ越して、会わないまま一年過ぎた今頃何言ってんだかと思うだろうけどさ」
「…ぐす」
「会えなくなって気付いた。俺お前の事好きだ。すげぇ好きだ」
「…う…ひぐ…」
「だから、その、付き合って欲しい」
「…遅いんだよ馬鹿ぁ!」
「ごめん」
「待ちくたびれて…辛くて…」
「ごめん…」
「でも…でも…」
「うん」
「…私も…大好き」
「…美穂さんや。これはどーゆーことだい?」
「えーっと、何の事だかさっぱり」
「てめぇこの大学受かれって言ったな?同じ学校行こう言ったな?」
「い、言いました」
「俺は頑張ったよな?学費免除の特別待遇受けるほど頑張ったよな?」
「や、やぁりっくんは凄いねぇあたしには無理だわ」
「そう無理だった」
「…あい」
「何落ちてやがんだてめぇえええええええ!?」
「いや、違うんだよ。これは予定調和なんだよ」
「あ?」
「こう、大学進学やめてあなたのお嫁さんになります的な」
「別れ話始めるぞコラ」
「それは困る!?」