狼が、フーッと大きな溜息を何度もつく。  
白いウサギの体を撫で付けながら、貪欲に内側の感触も味わっている。  
ステンレスのシンクが付いた幅の広い机に腰掛けて、あたしを抱く狼──。  
そう、ここは理科室だ。  
さっき、イかされてからというもの、  
あたしはおっぱいに軽く触れられただけでビンビンと感じてしまう。  
こんな状態で、飢えた獣たちに引き渡さないで……。  
あたしは狼のお腹にギュっとしがみつこうとしたけど、彼は無情に、  
またあたしの体をくるりと回して──、  
よだれを垂らしておもちゃが与えられるのを待つ男の子たちの方へ向ける。  
「兄貴、早く、早く。授業が始まっちまう」  
コヨーテが急かす。  
おちんちんで膨らまされたお腹が、ビクビクッと震えた。  
狼の、最後の射精。ほんとは精液じゃなくて前立腺液って言うらしいけど──。  
痛みを感じるほど奥まで突き入れられているのに、その瞬間、  
温かい液体がお腹の中に広がると、あたしはうっとりしてしまう。  
コヨーテの顔が目の前に迫り、あたしをじっと見てる。  
意地悪なヤツ。  
彼は、あたしの恥ずかしい顔を見るのが好きなようだった。  
灰色の毛並み。狼そっくりの鋭い目つき、尖った口。  
だけど体は一回り小さい種族。ウサギのあたしよりはずっと大きいけれど。  
 
意地悪と言えば、「解剖」だ。  
理科総合の教師、エリマキキツネザルの先生は、おっとり屋で、日向ぼっこ好き。  
「それじゃあ、実験を始めまぁす」  
そう言っておきながら、授業はほとんど自習。  
黒板に書かれた複数の実験の中から、各グループ、好きなものを選ぶんだ。  
グループ分けも生徒たちが勝手に決めていた。  
だから、虎の──ならぬ、狼の威を借る、犬科の男の子たちはいつもつるんでる。  
先生は、ときどき指示を出すだけで、窓際でお日様に当たってた。  
真っ白な体に、顔とお腹が黒い先生。暑いだろうに。  
そんなだから、男の子たちは課題なんかそっちのけ。  
「解剖」と称して、実験器具を使ってあたしを苛めるのだ。  
 
射精が終わった狼が、あたしの体からズルッと大きなおちんちんを引き抜いた。  
コヨーテにあたしの体を預け、フラッとどこかへ行ってしまう。  
お腹を満たす圧迫感から解放されてホッとするような、どこか寂しいような、  
複雑な気持ちになる。オスは交尾の後、女の子を遠ざけようとするらしい。  
おちんちんを抜かれたあたしは、緊張が緩んでしまうのか、  
おしっこを漏らしそうになる。  
それを、あの嫌味なコヨーテは知っていた。  
「おっと、おしっこ漏らさないようにフタをしないとな」  
コヨーテが、あたしのあそこに試験管に嵌めるゴムの栓を押し付ける。  
もちろん、あたしの小さなおしっこの穴にそんなもの入らないんだけど、  
恥ずかしいし、悔しいから必死でおしっこを我慢する。  
耳を掴まれ、股間に手を当てられて、あたしはシンクに運ばれる。  
小柄なあたしはそこにすっぽり納まってしまった。  
「ひゃあっ!」  
冷たい水が蛇口から飛び出し、あたしの股間に注がれる。  
我慢していたおしっこが水流と同じ勢いで吹き出て、あたしは恥ずかしさで真っ赤になる。  
おしっこが止まるのを待って、コヨーテが、狼の出した精を洗い流した。  
あたしの恥ずかしい液体と混ざった、  
白いトロトロしたお汁が、どんどん、流れてく──。  
 
自分で洗え、とは、言われなかった。  
誰も、あたしに言葉が通じるなんて思ってないからだ。  
それでも肉食獣、特に男の子たちは、  
普段のあたしを少し意識しているんじゃないかと思うような態度を取る。  
とても宙ぶらりんな、不思議な感じ。  
こんな経験をしてるのは、あたしだけかもしれない。  
 
七不思議とか都市伝説のたぐいで、服を脱がされた女の子が食べられちゃった、  
という噂話があるけれど……、  
あたしは──食べられないよね?  
 
クリトリスに水流が当てられ、ジンジンと痛くなる。  
コヨーテの意地悪な指先が、あたしの大事なところを掻き回す。  
そしてあたしはまた、恥ずかしい声を出してしまうのだ。  
狼の精がすっかり流された。  
「淫乱ウサギ」の文字と乳首のチョークも落とされてる。  
シンクから抱え上げられ、体が拭かれて冷えが治まると、  
あそこがどくどく脈打って、恥ずかしいお汁が流れた。  
今まで、こんなことなかったのに……。  
発情した体から溢れるそれは、明らかにいつもより多かった。  
 
実験机の上で、あたしの手足は広げられ、おっぱいもあそこも丸出しで押さえつけられる。  
「それじゃあ、子宮の観察をしまぁす」  
コヨーテが先生の真似をする。  
子宮……。  
何度もされてることだけど、決して慣れない。  
女の子の一番大事な、子供を育てるところが、広げられ、覗かれる。  
コヨーテの他にも居る、狼の子分、  
三つ子のグレーハウンドがあたしを囲んでニヤニヤしていた。  
短い被毛と、痩せた感じの体。背丈はコヨーテと変わらなくて、  
意地悪な目元口元もコヨーテそっくりの彼ら。  
三人揃えば傍若無人、それでもコヨーテには頭があがらない三番手。  
でも、あたしにとっては怖い連中に変わりない。  
 
「300mlの、平底フラスコだ」  
コヨーテが見せるのは、長いガラスの筒の先に大きな球の付いたフラスコ、  
その形は、そう、根元が膨らんだときの狼のおちんちんに似てる。  
コヨーテは、それを逆向けに、球の方を先にして、  
ギュっとあたしのあそこに押し込んだ。  
毎度ワンパターンの意地悪、なんだけど──。  
簡単には割れないと言われてても、身動きが取れなくなる。  
下手に動いたら、大事なところが血まみれになっちゃう……。  
ガラスの球は、オオカミのおちんちんの瘤より少し小さいくらいで、  
あたしのあそこの粘膜をギュウギュウと擦り上げる。  
 
「奥まで入ったぜ」  
冷たいガラスの底が、あたしの子宮口に張り付く。  
発情でおそらく充血してるそこが、ガラスの冷たさにジンジンと痛んだ。  
「嫌ぁ、嫌あぁ……」  
豆電球を入れた試験管が二本、フラスコの左右に差し込まれ、  
いよいよ、あたしの体の奥が覗かれる。  
「ん? いつもより赤いなぁ?」  
「そうかな?」  
「すごくヌメヌメしてんなぁ」  
覗き込む男の子たちの目つきが、いつもと違ってた。  
あたしはいつの間にか、発情の匂いを教室中に振りまいてたらしい。  
「なあに? あたしたちにも見せてよ」  
あのオリックスの彼女、ガゼルの女の子、  
乱暴者の犬たちを恐れない女子のグループに、  
男の子たちの興奮が伝染したみたい。  
みんなで代わる代わる、あたしのお腹の中を観察し始めた。  
「すごい、こんなふうになってんだ」  
「ここから赤ちゃんが生まれてくるんだよね」  
 
やめて……、見ないで……。  
こんな姿、同性にまで見られてしまうとは思ってもみなかった。  
涙がぽろぽろとこぼれてくる。  
 
「種付けしないと生まれないよ」  
「俺たち、放課後までみっちり、種付けしちゃうから」  
「ちょっと、ストップ、ストップ」  
はしゃぐハウンドたちを、コヨーテが制止する。  
「残念、こいつは食肉用でぃす。  
 繁殖用でも、搾乳用でもありませぇん」  
先生の声真似に、皆がプッと吹き出す。  
「あはは。そりゃあ、こんなにおっぱい小さいとなぁ」  
「おっきくしたら、お乳出るかな」  
何度も繰り返されてきた、同じ言い回しだった。  
コヨーテとハウンドは、こう、いつもいつも同じ調子で、  
あたしをからかいながら弄ぶ。  
二つのおっぱいに、べったりとワセリンが塗られ、  
ハウンドたちがそれを伸ばすように肉球でこね回し始めた。  
また、あれをされるんだ──。  
 
アルコールランプで大型のフラスコが温められていた。音を立て、水蒸気が上がる。  
100mlのビーカーが逆さ向けに水蒸気に当てられ、  
すぐにあたしの右のおっぱいに押し付けられた。  
「ああ……んっ!」  
水蒸気が冷えると、ビーカーの中は真空状態になる。  
あたしの小さなおっぱいは、無理やりビーカーの中に引き込まれていく。  
ものすごく痛い。  
左のおっぱいにもビーカーが吸い付いた。  
「ほうら、大きくなった」  
嫌だ、お願い、外して……。  
こんなことされても、すぐにまたぺっちゃんこになるのに──。  
一番気にしてるところを弄ばれるのが悔しい。  
涙を流して訴えているうちに、突然、体がカッと熱くなるのを感じた。  
いつもと同じことをされているはずなのに、明らかにいつもと様子が違う。  
「見ろよ……」  
男の子たちがゴクリと唾を飲む。  
「あら、やだ……」  
女の子たちが顔を隠すようにしながら、ちらちらと送る視線の先、  
あたしのクリトリスが大きく飛び出して、真っ赤になって震えてた。  
ビーカーの中で、乳首も固く、勃っていた。  
恥ずかしい……。  
これって、発情してるからなの?  
不気味な静けさがあたしを包む。  
いつもと違うことが起ころうとしてる──、その不安は的中した。  
メスの香りが、肉食獣の本能を刺激するんだろうか、  
「解剖しなくちゃ……」  
誰かがぽつりと呟く。  
ギラギラした目つきの、犬たちの顔が迫る。  
やめて、やめて……。  
身を捩るあたしを、三人が押さえつけ、無防備なお腹を剥き出しにする。  
 
もうだめ──、そう思ったとき、  
今にも牙を突きたてようとしていたハウンドたちを押しのけて、コヨーテが割って入った。  
「待てよ、お前ら。  
 二限目は、俺が楽しむんだ。  
 女子まで入ったから、あと30分しかないじゃないか」  
あたしの体をひょいと抱え上げるコヨーテ。  
助かった、という気持ちと、憂鬱な気持ちが入り混じる。  
次は──、コヨーテに犯される。  
30分ではとても終わらない。ウサギにとっては途方もなく長い時間だ。  
 
コヨーテがフラスコを乱暴に引き抜いて、シンクの中にがらん、と投げ込む。  
おっぱいにビーカーが吸い付いたまま、あたしは丸椅子に仰向けに載せられ、  
股を開かれる。  
 
コヨーテは、皆が見ているのにも構わず、チャックを下ろし、  
大きなおちんちんをあたしに突き立てた。  
ぐちゃっ、ぐちゃっといやらしい音がする。  
激しく腰を動かすコヨーテのおちんちんは、あっという間にあたしの中に叩き込まれていた。  
狼と同じようにおちんちんの根元が膨らみ、あたしは彼から離れられなくなる。  
コヨーテは「邪魔すんなよ」と言って、理科室の後ろ、  
どのグループも使ってない実験机の上に乗っかり、あたしの体を楽しみ始めた。  
狼が居ない今、クラスのナンバー2である彼の近くに寄ろうとする者は居なかった。  
 
あたしはこのコヨーテが嫌いだった。  
だって、体は一回りほど小さいのに、おちんちんの大きさは狼と変わらなく、  
身軽な分、腰の動きは激しくて、あたしが受ける刺激の強さは狼以上。  
がさつで遠慮もない、根っからのサディスト──。  
壊れそうになってもやめてくれない彼の性格にこの発情した体が耐えられるのか、  
不安でたまらない。  
 
コヨーテはあたしをギュッと抱きかかえるようにして、  
あたしの長い耳の内側をねっとりと舐めながら、  
まだくっついたままのビーカーを揺さぶっておっぱいを刺激する。  
「あんだけ広げてたのに、よく締まるな」  
こちらから話しても通じないのに、彼はあたしに言葉をかける。  
言葉責めっていうの? そういう性格なんだ。  
話しかけながら彼は、あたしの中に何度も射精していた。  
繋がってる間、溜まった精液がその都度、発射されるんだ。  
「ほら、イけよ」  
耳を甘咬みされて、あたしは激しくイった。  
「やっぱお前、いつもと違うな。  
 なんか中が熱いし、気持ちいい。  
 もしかして──」  
そう、いつもならこんなに感じない。  
「お前、発情してんのか?」  
ハッとして振り返ったあたしの目の前で、コヨーテがにんまりと笑っていた。  
言い当てられてしまった──。  
あたしが発情してるからって、体をいたわって遠慮するようなやつじゃない。  
耳を舐める舌の動きがいやらしさを増す。  
肉球の付いた指が、耳と耳の間をキュッキュッと擦る。  
それだけで、ゾクゾクするような快感が走る。  
「ウサギはここ、撫でられると気持ちいいんだろう?  
 ここもそうか?  
 はは、こっちはウサギに限らねぇか」  
ぷっくりと腫れたクリトリスを可愛がられて、あたしはまた、イッた。  
やめて……、もう許して……。  
泣きながら訴えても、聞いてもらえない。  
あたしは、ぐったりして顔も上げられなくなるまで、イかされ続けた。  
「そんな様子じゃ、今日は大変だな」  
コヨーテが生徒手帳を広げて見せ、あたしは悲鳴をあげた。  
時間割に書かれた、「体・体」の文字──、  
今日は最悪の授業の日、まさかの三、四限連続、体育の日なのだ。  
あたしはこのあと、お昼休みまでずっと、  
校舎のすべての教室から丸見えの校庭で、輪姦される。  
 
「逃げ出したいか? でも、ダメだなぁ。  
 あいつらにも回してやんないと、あとがうるさいし」  
あいつらってのは、もちろんハウンド三兄弟のこと。  
「スタートが遅れたから、  
 俺のこれは次の授業が始まってもしばらく収まんないぜ」  
コヨーテの言っている意味に気付く。  
「大きくしたおっぱい、みんなに見てもらおうな」  
あたしは挿入されたまま……、  
『男子更衣室』に連れて行かれるんだ──。  
 

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