コヨーテはわざとじゃないかと思うほど、ゆっくり廊下を歩いてく。
犬科のおちんちんはすごくって、あたしのあそこを隙間なく満たしている瘤が、
中で混ざり合う精液と恥ずかしいお汁を、一滴たりともこぼさない。
それでいて、お腹の中では足取りに合わせておちんちんの先端が突き上げる。
やめて……。
あたしがその動きを止めようと必死で締め付けると、
コヨーテは「たまんねえなぁ」と呟いて、また射精するんだ。
更衣室へ向かう階段を降りるとき、彼はあたしの耳を掴んで、
もう一方の手で股間を支えるようにしてバランスを取る。
ずしんずしんと子宮が突き上げられ、クリトリスを温かい肉球がこね回し、
一段降りるごとにあたしはイッた。
助けて……、死んじゃうよぉ……。
誰にも通じない、恥ずかしい叫びをあげながら──。
階段の数を数えたら、怖いことが起こるって、何の話だったっけ。
あたしは必死に意識を逸らそうと、段を数えてた。
……十二段、十三段……、それと同じ回数だけイかされて。
踊り場でホッとしたかと思うと、すぐにまた、階段。
もう許して。助けてよぉ……。
更衣室に着いたときには、あたしはコヨーテのおちんちんに体重を預けて、
ぐったりしていた。
コヨーテはまた、そんなあたしの耳を掴んで憔悴した顔をみんなに晒すんだ。
男の子たちの匂いが充満する、狭い部屋。八人の視線があたしに突き刺さる。
教室でみんなに見られてる方が、気分的にはまだましだなんて。
あまりの恥ずかしさに体が震える。
おっぱいのビーカーはまだ、くっついたままだった。
あたし自身、えっちが嫌いなわけじゃない。
自分が許してしまってるのが悪いんだってのも、分かってる。
あたしにとって不幸なのは、このクラスの男の子たちか肉食獣ばかりということだ。
一回がものすごく長い犬科が五人、とにかく回数の多い猫科が五人。
ハウンドたち三人は、先に来て体操パンツに着替えてた。
理科の授業では遠巻きにしていた猫科の男の子たちが、あたしとコヨーテを取り囲む。
一番背が低いけど、がっしりした腕、体力自慢のオオヤマネコ、
枯れ草色でバランスの取れた体型のカラカル、細身で眼光の鋭いサーバル、
そして、長い脚とスピードが自慢のチーターと、
唯一人、体格では狼とタメを張るピューマ。
もっと体の大きなライオンやトラがこのクラスに居ないのが、救いだった。
あたしの視線は狼を探していた。
彼が助けてくれるわけでもないのに──、
彼がまた一人でどこかに姿を消していることを知り、あたしは落胆する。
「んんっ!」
おっぱいに痛みが走る。コヨーテが、ビーカーを捻って外してた。
引き伸ばされて桃色に染まったおっぱいが、ぷるんっと飛び出す。
「どうだ? 繁殖用くらいにはなったか?」
他の女の子たちみたいな豊かな乳房じゃない。左右に離れた四センチほどの膨らみが、
惨めに震えている。
そして、男の子たち、みんなに見られてる──。
母親の象徴なんかじゃなく、おもちゃにされるために飛び出たおっぱい。
自分が望んだわけではないのに、見栄を張っているような浅ましさ。
ほとんど盛り上がりのないおっぱいを見られるよりもっと、ずっと恥ずかしい。
見ないで……。
コヨーテがそれをゆっくりと指で揉む。そこはとても敏感になってて、
ズキズキと痛んだ。
「へぇ、さっきの実験、そんなことしてたのか」
「俺たちにも触らせろよ」
猫たちが乱暴に、おっぱいを掴んで爪を立てる。
意外なことに気付く。コヨーテはあれで優しくしてくれてたんだ──?
痛い、痛いよ……。
刺激に思わずあそこを締め付け、コヨーテがまた、
あたしの中にビューッ、ビューッと、強く射精する。
「すげぇ、クリトリスが勃ってる」
「今日の獲物は淫乱だな」
嘲笑を浴びせられ、あたしは顔だけを伏せ、泣いた。
「早く俺たちにも回せよ」
気のはやる猫たちに、コヨーテは「ダメだ」と言い放つ。
「いつもの順番通り、ハウンドたちが先だ」
そう、クラスの力関係は、犬たちの方が上。
あたしは、コヨーテの次に、ハウンド三兄弟のおもちゃにされる決まりだった。
「ビーカー、返しておけよ」
猫たちにビーカーを押し付けるコヨーテ。
チャイムが鳴るのを聞いて、慌てて着替え、体操パンツをおちんちんの下まで引き上げた状態で、
あたしと繋がったまま、校庭に出る。
校庭では、サラブレッドの体育教師が召集をかけていた。
「いつも思うが、このクラスの男子は肉食ばかりだなぁ」
筋肉質の立派な体格でありながら、草食である先生も少し男の子たちを恐れているのか、
「俺を食うなよ」と、冗談を言う。
そして、他の先生や生徒たちと同じで、
コヨーテに犯されてるあたしが目に入らないかのように振舞うのだ。
「今日は二限連続だからなぁ、前半は陸上で、各自、今学期の課題を。
終わった者から集まって、後半はその時点で考えるか」
陸上、と聞いて、ハウンドたちが張り切る。
彼らの得意種目だからだ。
そして、さっさと課題を済ませて、あたしを──犯すつもりなんだ。
体育の授業は実技と講義に分かれていた。
服を脱ぐことを恐れて鍵を持ってきてない生徒は、体操着に着替えることができない。
あたしも、いつもは教室で講義を受けることを選ぶ。
クラスの女子では、あのオリックスとガゼルの女の子だけが、実技を受けていた。
ほとんど胸当てといった感じの、丈が短い体操着。
当然、首輪と一体型になってて、鍵がなくては外せない。
彼女たちはブラウスの下に、いつもそれを着込んでる。
体を動かすことが好きなんだ。
あたしもあれが似合ったらなぁと思うんだけど、どう考えても、
胸がないことを強調してしまうだけなのが悔しい。
男の子たち8人、女の子2人が校庭のトラックに集まって、
中距離走などのタイムを取り始める。
コヨーテは、あたしを水道のところへ連れて行って、
四つん這いにしたあたしのおっぱいをそっと揉む。
サラブレッドの先生もやはり、狼と彼には、勝手な行動を許してる。
「これもちょっとしたスポーツだぜ?」
お腹の中のおちんちんが、ぐいぐいと動かされる。
ハァハァと息を荒げ、コヨーテは最期の熱い液体をあたしの体に流し込んだ。
あたしはまた、イかされて、少し気を失っていたみたい。
水道の流しに寝かされて、ちょろちょろと流れる水が、あそこに当たってた。
手足に力が入らない。今日はあまりに何度もイき過ぎてる。
発情のせいだろう。二人としただけで、こんなにクタクタになるなんて。
「やっぱ今日は変だな。そんなんじゃ、この後もたないぞ」
えっ──?
つんっといい香りがする。
摘みたてのシロツメクサの葉の束が、口元に当てられていた。
「ウサギ、食うのかな? これ」
それはきっと、慈悲なんかじゃなくて、獲物が弱らないように与える餌。
でも、救われる。
あたしは必死に、目の前の草を頬張った。
食べている間、コヨーテの指があたしの中に出たり入ったりして、あそこを洗ってる。
意外と几帳面なのかな、とも思ったけど、どうやら自分が「した」跡を確かめるのが好きみたい。
ひんやりした水が、火照った体に気持ちよかった。
でも、そんなほっとするひとときは、長く続かなかった。
コヨーテの行為が終わったことを知って、息せき切って駆け寄ってくる、ハウンドたち。
早々と今学期の課題を終えた彼らは残りの時間たっぷり、あたしを弄ぶつもりだ。
三人のグレーハウンドはお腹から足の先まで水に濡れたままのあたしを、
耳を掴んだり、口やあそこに尖った指先を突っ込んで、
流しから校庭の土の上に引き摺り下ろす。
「おいおい、壊すなよ」
コヨーテがあたしを気遣うほどに、彼ら三人の興奮はいつもより激しかった。
間違いない、あたしが発情してるせいなんだ。
さっきの理科室で、「解剖しなきゃ」と言った誰かが、この三人の中に居る。
あたしは身震いした。
ただ、犯されるだけで済むんだろうか──。
「じゃあ、俺は女子と遊んでくるか」
コヨーテが立ち去ると、あたしはさらに不安に包まれた。
あんなやつでも、普段はハウンドに無茶をさせないでいてくれるのに。
ハウンドたちは顔も声もそっくりで見分けがつかない。
「俺が先だ」
「今日は俺からだろ」
一人があたしを仰向けに、地面に押し付けるようにしながら、挿れてくる。
逃げようと身を捩ったあたしの視線の先に、校舎があった。
窓際に座った生徒たちの顔。
どの教室からも、退屈しのぎに外を眺める生徒の姿が見えて……、
その視線は、全部、こっちを見てた。
嫌っ、いやっ!
これからあたしが輪姦される様子が丸見えなんだ。
あたしはハウンドの体の陰になるように隠れるしかなかった。
ハウンドに身を預けるようにして……。
ハウンドは喜んで、おちんちんをぐちゅぐちゅとあたしに突き立てる。
激しい腰の動き。狼やコヨーテより少し小さいけれど、
ウサギには苦しいほどの大きさのおちんちんが、一気にお腹の中で膨らんだ。
これから十分前後……、
それが一人あたり、お腹の中を満たされている時間になる。
ハウンドたちは足も速いけど、あっちの方も早い。それが救いだった。
三人で三十分強、この憂鬱な時間さえ我慢すれば、
次の猫たちによる輪姦は痛いばかりで、イかされることがないだけマシなんだ。
早く終わって──。
「だめだ、我慢できねぇ」
「おい、何すんだよ!」
別のハウンドが、あたしと、繋がってる一人を一緒に転がす。
あたしが、仰向けになったハウンドのお腹の上に乗っかった形になった。
「なるほど……」
あたしを犯してるハウンドがニヤリと笑う──。
ウサギの短い尻尾が掴まれる。
えっ? 何……?
どうしてお尻を見られてるの?
もう一人のハウンドが、あたしの尻尾を引っ張り上げながら、
空いた片方の手でおっぱいを撫でる。それは愛撫ではなく──、
まだべったりと残っている、ビーカーを吸い付けられたときのワセリンを、
手に取るための行為だった。。
そのワセリンが、あたしのお尻の穴に塗り付けられた。
そんな──、
まさか!?
背中にハウンドの体重を感じ、あたしは上下から強く挟まれていた。
お尻の穴がじわりと熱くなり、それはすぐに激痛に変わった。
「嫌っ! 嫌ああぁぁっ!!」
あたしは、二つの穴を同時に犯されていた。
上になったハウンドは、容赦なくおちんちんをあたしの腸の奥へ捻り込む。
恐ろしいのはその後だった。
狼たちの例に漏れず、ハウンドの犬科のおちんちんは、あたしの中で大きくなり、
射精を始めると同時に、その根元の瘤を膨らませる。
あたしは、自分でもこれまで出したことのないような悲鳴をあげた。
お尻の穴のすぐ内側で膨らみ始めた瘤が、
すでに膣の入り口を埋め尽くしている瘤と押し合いを始めたのだ。
お腹が裂けちゃう──。
体に打ち込まれた太い楔が、前と後ろに、V字型に反っていく。
「抜いて……、お願い、抜いてぇっ!」
決して聞き入れられない願いを叫ぶ。
慈悲などなかった。
「ずるいぞ、俺も……」
残った一人のハウンドが、あたしの耳を掴んでいた。
今度は、口を──、三つの穴を同時に犯される……!?
お腹を引き裂くような痛みに咽び泣くあたしの目の前で、
最後のハウンドが体操着のパンツを下ろして、おちんちんを剥き出しにする。
強い臭気が胸いっぱいに広がる。
狼以外に、おちんちんを鼻先に突きつけられたのは初めてだった。
男の子の匂い。
発情したメスの嗅覚にとって不快とは言い切れないものの、
あまりにも強い、ムッとするような匂い。
こんな匂いのするものが、今もあたしの中に入ってる。
これと同じものを朝からたっぷり二時間、お腹の中に入れられていたんだと、
改めて認識させられて、身を捩りたくなるほど惨めな気分になる。
ハウンドは当然、そんなあたしの気持ちなど気にも留めずに、口中を犯そうとした。
そのまま突っ込まれていたら、あたしはさっき食べた草を吐いていただろう。
ウサギの口は小さくて、門歯もある。
狼にはさせてたのが不思議なほどの嫌悪感を覚えて、あたしは必死に口を閉じて抵抗する。
ハウンドは、おちんちんで何度か門歯を擦って、諦めた。
いや、諦めてくれたら、どんなによかったか──。
「くそっ、こっちでいいや」
ハウンドは、あたしの耳を手に取り……、おちんちんを擦り付けた。
「おおっ、あったけぇ」
耳は……、耳はやめて──。
顔を振り回そうとするのを、彼は許さなかった。もう一方の耳ががっしりと掴まれている。
敏感な耳の内側で、おちんちんが膨らんでビクビクと震える。
あたしの耳を筒のように丸め、膣代わりにおちんちんを挿入する。
こんな惨めなことってなかった。あたしの全身が、性のおもちゃなんだ。
嘆くあたしを衝撃が襲う。
生暖かい液体が、ビュッビュッと耳に吐き出されていた。
精液が耳の奥まで届いたら、簡単に洗うことはできない。
それだけは、やめて──。
泣き喚いても、逃れることはできなかった。
頭は強く押さえられ、お尻とあそこの穴に杭を突き刺されたかのように、
体を固定されたあたしは、ただ、
真っ直ぐ耳の奥に向かって射精されないことだけを祈るしかなかった。
獣のように唸りながら、あたしを犯す三人のハウンド。
発情したメスの香りに興奮した彼らは、尋常じゃなかった。
三つの穴に同時に、何度も発射される。
野獣さながらの欲望を、小さなウサギの体にぶつけられ、あたしはまた、気を失った。
膨らまされたあのおっぱいが、地面に擦り付けられる痛みに、気が付く。
今はうつ伏せにされていて、耳を犯してたハウンドが一人、
耳だけでは満足できなかったんだろう、
残りの精液をあたしの膣に流し込んでいるところだった。
幸い、耳に注がれた精液は鼓膜までは届いてないようだった。
「何だ、今日はまた早いな……」
戻ってきたコヨーテがあたしの体を抱え起こすと、
ハウンドのおちんちんがズルッと抜けた。
「ちょっと、痛めつけすぎなんじゃないか?」
コヨーテは、残ったワセリンに砂がべったり付いたおっぱいを、
大きな肉球の手のひらでザッザッと払ってくれる。
思わず、「ありがとう」と小声で言う。
どうせ聞こえないはずなんだけど、
コヨーテの口元が少しほころんだように見えた。
「おい、女子とリレーすっぞ。
三対三で。俺、女子チームな」
コヨーテが、リレーのバトンで、ハウンドの頭をポンポンと叩く。
そして、あたしとバトンを受け渡されたハウンドは、
バトンをあたしのあそこに押し込んだ。
「あ……んっ」
バトンは膣の奥までねじ込まれる。猫たちにあたしを渡すために、
精液を抜いてるんだ。
お尻の穴の方は、あんなに裂けるかと思うほど広げられてたのに、
今はしっかり締まってて、こっちに注ぎ込まれた精液は当分は中に溜まったままになる。
コヨーテの後ろに、オリックスとガゼルの女の子が立っていることに気付き、
あたしははっとして、体を隠そうとする。
悲しいことに、疲れた体は思うように動いてくれなかった。
耳で吊るされ、力の入らない手で隠すこともできない飛び出たおっぱいと、
バトンの先からたらたらと垂れる精液を見られて、恥ずかしさに消え入りそうになる。
「ところで、あの娘は? また休み?」
オリックスの彼女の言葉に、じわっと涙がにじみ出る。
目の前にいるよ……。
裸にされた知り合いが、どのくらい「見えなくなる」かは個人によって差がある。
草食獣の目には、「もう助からないかもしれない仲間」の姿は全く見えなくなるんだ。
「一度実技でお相手して欲しかったなぁ。
彼女のあの立派な後脚、速そうでしょ?」
彼女の言葉には、もう会えなくなるかのような響きが含まれていた。
この悪夢から抜け出して、彼女と普通にお話しがしたいよ……。
あと少し、あと少し我慢すれば──。
あたしは自分に言い聞かせていた。
猫科の男の子たちは、皆、早漏で、挿入している時間は短い反面、
回復が恐ろしく早い。
いきおい、五人が順番に何度もあたしを犯すことになるんだけど、
彼らのおちんちんの表面には逆立った小さなトゲがあり、
それがあそこの内側を引っ掻く痛みで、あたしはほとんどイくことがない。
ただひたすら耐えればいいだけの時間。
それでも──、発情している今日は何をされるか分からない。
ハウンドたちの行為があんなに過激だったように。
いつにない不安が身を包む。
ハウンドから、あたしはチーターの手に渡された。
耳を掴んであたしを吊り下げ、チーターはザラザラした舌で、おっぱいを舐める。
目が、いつもよりギラギラと光ってる。
「早く犯ろうぜ」
「まぁ、待てよ。ちょっと趣向を変えてみようぜ」
予感が現実になる。猫たちも、いつもと違うのだ。
三限目の終わりのチャイムが、あたしへの死刑宣告のように響く。
猫たちを集めてサラブレッド先生の前にあたしを連れて行ったチーターが、
恐ろしいことを言ったのだ。
「先生、俺たち、ハンティングをやってみたいんですけどー。
ちょうどいい獲物も手に入ったし──」
さっき出したところだというのに、おしっこがちょろちょろと漏れた。
恐怖で、全身から力が抜けていた。
ハンティング──、その言葉が意味するものは、
自分でそれを楽しむことのないあたしにもはっきりと分かった。