下着を穿いてくるのは、彼らとの取り決めに違反していた。
それでも、仕方がなかったんだよ。
春風が強いこんな日に、ふわりとめくれた短いスカートの下を見られたら、
取り分け、誰もが温い吐息を胸に飲み込みながら過ごすこの季節なら、
あたしのような
か弱い牝兎なんか、ぐっちゃぐちゃにされてしまうに決まっていた。
学校についたら、いそいでお手洗いに駆け込んで
ぬるぬるになったこの布切れを、急いで毛皮から離してしまおう!
ぼくはぴょんぴょんと精一杯跳ねながら、太ももを張らせて通学路を跳ねた!
今日は久しぶりに、制服の下に下着をはいているし
誰かに見られる前に学校につくために、
ぼくは精一杯跳ねた
ああ、それなのに
それなのに!
扉を開けて教室に駆け込んだ瞬間、
その目の前には大柄な狼が立っていて
がばっと私に抱きついてきてしまった!
「おはよう」
あたしはびっくりしすぎて、何も言えなかった。
いつになく早い。
学校の扉は、まだ開いたばかりのはず
遅刻ギリギリに来るのが当たり前の彼が
どうしてこの瞬間
あたしの腰に手を回して尻尾を握り
髪を触りながら耳を握り(まるで狩人のように)、
見下ろした鼻先を私に突きつけて
「お前、あれだけ言ったのに、今日穿いてきたな」
私の鼻先をちろりと舐めて、
「そのくせ、こんなに濡らしてやがる」
お尻を乱暴に揉んで
教室の入り口で下着に指まで入れて
「お仕置きが必要だよな」
暴力的なキスをしてくるんだろう。
でも、そんなことはすぐに考えられなくなる
今日もまた始まるクラスメイトによる輪姦への期待に
背筋がぞくぞくと震わせながら
あたしは彼の唾液を飲み込んだ
喉を降りていく、熱い、狼の唾液が体をじんっとさせる。
彼は動けなくなったあたしの体をくるっと回転させ、
背中から抱き抱えた。
制服のベストがすぐに剥ぎ取られる。
ブラウスの裾から狼の大きな手が侵入し、
あたしの小さなおっぱいを、飛び出るくらいに絞り込むように掴んだ。
体が宙に浮く。
もう抵抗のしようがない。
自慢の脚をぶんぶん振っても、狼の体はびくともしなかった。
「兄貴ぃ、朝っからウサギ狩りかい?」
狼の弟分、目つきの悪いコヨーテが、目の前に居た。
「手伝うぜ」
意地悪な笑いを浮かべ、スカートに手をかけたコヨーテは、
あたしの下半身を丸出しにしていく。
ぐっしょり濡れたショーツも剥ぎ取られた。
恐怖があたしを包む。
でも、彼らはこれ以上、手を出せないはずなのだ。
授業が始まるまでの、束の間の戯れ。
一部でも、服さえ着ていれば、先生が止めに入る。
ここ、ネザータウンでは、服を着ていない者は、そこらに居る動物と同じに扱われる──。
だから、住人、とりわけ弱い立場の草食獣は、
衣服の首の部分に特殊な加工を施し、錠の付いた首輪と一体型にしている。
そう、自分で隠し持っている鍵を使わないと服を脱ぐことができないようにして、
身を守っているのだ。
「今日は鍵を忘れてきたの……」
「ふうん? またひとつ、約束を破ったな」
あたしは皆のおもちゃになるために、
下着を穿かず、鍵を持って学校に来ることになっていた。
ウサギは繁殖力の旺盛な動物で、あたしだってその一族で、
誰かに愛されることは嫌いじゃなかった。
でも──、
発情が来ちゃったの……。
こんな体で交尾させられたら、壊れちゃうよぉ……。
ビンッと喉元で音がした。
えっ?
首輪が外され、ブラウスがすっと床に落ちた。
「合鍵を作ったんだ。残念だな、いや、嬉しいか?
これから、毎日遊んでもらえるんだ」
このために、彼は早く来ていたの?
もう逃げられない。
あたしは全裸にされていた。
発情した恥ずかしい体を、
クラスの男の子たちに見られながら、
犯されるんだ──。
ヤギの先生が来て、席に着きなさい、と促すと、
あたしは狼に抱かれたまま、教室の一番後ろ、彼の席に連れて行かれる。
先生は、教室を見渡し、
「今日も○○○は休みかぁ」と言った。
あんなに横長の目をしているのに、あたしが──見えないんだ。
服を着てないあたしは、ここの生徒じゃない。
男の子が捕まえてきた、哀れな獲物──。