「よし、着いたぞ。ここがこれから私たちが暮らす家だ」  
私、川原標助は会社の異動で地方へと転勤する事となったが、幸いなことに赴任先の近くに私の祖父が住んでいた家があったため、妻とともにこの町に引っ越してきた。  
程なくして到着した引っ越し業者に荷物の運搬を任せて玄関先に出ると後ろから  
「ひっさしぶりだなぁ標助、この町さ引っ越してきたってなぁ本当だったんだなぁ」  
その声に振り返るとそこには一組の母子の姿があった。  
「えっ…と…君、は…」  
彼女のことを知っている気はするのだが、何かが引っかかってどうにもうまく出てこない。  
「はははっわかんねぇのも無理ねぇべな、おめぇずぅっと前に来たっきりだもんなぁ。だども初めての相手の顔さ忘れるのはちょっとひどくねぇかい?」  
「ま、まさか祢々子(ねねこ)なのか!?」  
祢々子は昔私がこの町に来たときに出来た友人である。  
今から15年前のこと、当時14歳だった私は夏休みに祖父の住むこの町に遊びに来ていた。  
ある日、私が裏山の沢に一人で泳ぎに行ったときに出会ったのが祢々子だった。  
祢々子の姿ははっきり言って異様だった。青緑の肌、手足には水かき、図鑑で見たスッポンのような甲羅に頭には皿、そう祢々子は河童だったのである。  
始めは驚いたがこの町に親しい者が居なかったこともあって私たちはよく一緒に遊んだ。  
魚獲り、潜水、流木拾い、ついにはセックスするまでの仲にまでなっていた。  
帰る日にまた来年来ると約束したが、その年の冬に祖父が亡くなりそれ以降私がここに来ることもなくなった。  
「しかし祢々子…君のその姿は…」  
私の記憶にある祢々子は顔立ちこそ人間に近かったが紛れもなく河童だった。しかし今、目の前に居る祢々子の姿は完全に人間のものだ。  
祢々子のことをうまく思い出せなかったのも半分以上はそれのせいであろう。  
「ああ、これな…河童の里の長老から人間さ化ける術を教わったんだ」  
そんなものがあるのかと半ば感心していたが、ふと祢々子の後ろの少年が気になった。  
「なぁ祢々子、その後ろの子は…?」  
「ああ、こいつはおらの息子の川太郎(せんたろう)。ほれ川太郎、おめぇのおっとぅさ挨拶すんべ」  
祢々子の唐突な爆弾発言に私は思わず硬直する。  
「なっ…ね、祢々子…その子が私の子だというのは本当なのか?」  
「本当も何も川太郎さ産まれるまでおめぇとしかヤってねかったんだから当然だべ」  
不安げに言う私に祢々子はからからと笑いながら言う。  
祢々子の言うことが本当なら川太郎は14歳くらいといったところだがそれよりは幼く見える。  
もっとも、私と出会ったときの祢々子も同年代くらいに見えたが実際はすでに20歳を超えていたらしいから河童とはそういうものなのだろう。  
「しかし…」  
「心配せんでもおめぇんとこの所帯さ壊す気はねぇって。ただ、これからまた仲良くして欲しいってだけだ」  
「あらあなた、お知り合い?」  
私と祢々子が話しているところに瞳が顔を出す。  
「あ、あぁ…子供の頃の遊び仲間だ」  
どうやら先ほどの話は聞かれていなかったようだ。私は心の中で胸をなでおろす。  
一方川太郎は瞳の姿を見るなり祢々子の後ろに隠れてしまう。  
「ちょっ、川太郎!すまねぇなこの子よく人見知りしちまうんだ」  
「いや、気にしなくていい。そうだ瞳、すまないが引っ越し業者の人に差し入れを買いに行ってくれないか」  
「わかったわ、お菓子でいいわね」  
「ああ、頼むよ」  
そういって私から車のカギを受け取ると瞳は車へと向かっていった。  
「えれぇ別嬪な嫁さんだなぁ、おめぇも隅に置けねえべな。そんじゃ今日はこれで帰るけんど、またよろしくな」  
そういうと祢々子は川太郎をつれて帰っていった。  
 
それからこの町での少し奇妙な暮らしが始まった。  
幸いこの町に来てからの生活は穏やかで仕事のほうも順調だ。  
瞳のほうも祢々子たちや町の人々との関係も良好で特に川太郎は昼間、よくこの家に遊びに来ては魚や木の実などを持ってきてくれるらしい。  
そんなことがしばらく続いたある日、仕事から帰る途中に人間の姿の祢々子を見た。  
彼女はひどく落ち着かない様子で周囲をキョロキョロ見回していたが私の姿を見るなり血相を変えて駆け寄ってきた。  
「ひょ、標助!大変だ、せ、川太郎と瞳さんが居なくなった!」  
突然の言葉に思わず気が動転した。  
「なっ!どういうことだ!」  
「昼間、川太郎がおめぇん家さ遊び行くっつって出てって、そんでさっき迎えさ行ったら扉が開きっぱなしで二人とも家におらんかったんだ」  
「わかった、心当たりはあるか?」  
「うんにゃ、町中をあちこち見て回ったけど見つからんで…」  
「となると後は山の方か…とりあえず行ってみよう」  
その後、しばらく山の方を探していると祢々子から呼びかけがかかった。  
「おった!」  
私は祢々子が居る高台へと登りその下の沢を覗き込むと眼下に映る光景に私は自分の目を疑った。  
そこには川太郎に組み伏せられて犯されている瞳の姿があったのだ。  
「ひっ瞳さっ好きだっ!おれの、おれの子さ産んでくれっ!」  
「だめぇ!こ、これ以上は…ひぃん!」  
すでに何度も射精されていたのか瞳の身体はおびただしい量の精液にまみれていた。  
そのあまりにショッキングな光景に私は思わず言葉を失う。  
「川太郎っ!」  
祢々子の怒声に気づいた川太郎は瞳を抱えて逃げ出そうとするが、河童の姿に戻った祢々子がすかさず飛び出して川太郎を取り押さえる。  
私も何とか気を持ち直して瞳のもとへ行き、瞳の裸体に自分のシャツを掛けた。  
「だ、大丈夫か瞳…」  
「え、えぇ…」  
「瞳さんの尻の穴さ無事だったのは不幸中の幸いだったな。河童の子種にゃ人間のおなごを孕ますこたできねえけど、もしそれを尻子玉さぶっかけられたらその人間は河童になっちまうからな」  
それを聞いて本当に間に合ってよかったと思いつつ、まずは瞳の気を落ち着かせることにした。  
 
「そういう、こと…だったの…」  
私は瞳に二人の正体と私との関係を包み隠さず話した。これ以上下手に隠せばかえって瞳を混乱させると思ったからだ。  
そして、瞳が言うには川太郎は以前から瞳にアプローチをしてたらしい。  
初めは瞳もそれを何とか受け流してきたがだんだん手法が強引になってきたのだという。  
「ほんとにすまねぇだ瞳さん、まさか川太郎がこっただなことさするなんて…」  
祢々子は瞳に深々と頭を下げ、川太郎に向き直ると今度はすごい剣幕で叱りつけた。  
「川太郎!おめぇ一体どういうつもりだ!自分のおっとぅの嫁さ横取りしようなんて」  
「でも!それでもおれは瞳さんが好きなんだ!」  
「せ、川太郎君…」  
瞳の顔がまるで火が点いたように赤くなる。  
「本当は母ちゃんだって父ちゃんのことさ好きなんだろ!」  
「そ、それは…」  
川太郎の言葉に祢々子まで黙り込んでしまい周囲をなんとも言えない静寂が包む。  
「瞳は…どうしたいんだ?」  
沈黙に耐えられず思わず口をついて出た言葉に私は少し後悔した。  
少し落ち着かせて事情を話したとはいえそれでも瞳の意識が興奮と混乱の渦中にあるのは間違いない。  
それにもし、瞳が川太郎の妻になることを望んでいるのだとしたら私にはどうしたらいいかわからない。  
「…わ、私…は…」  
瞳は私の質問には答えずそのままうつむいて黙り込んでしまった。  
周囲を再び沈黙が包む。  
やがて、しばらく黙り込んでいた瞳が搾り出すような声で語った。  
「あ、あなた…もしあなたが許してくれるのなら…私は、その…か、彼の気持ちに応え…たいの…」  
瞳の言葉に胸がずくんと疼いた。  
「そう、か…」  
見合い結婚だったとはいえ自分の妻を他の男に渡すことに抵抗がない訳がない。  
しかし、川太郎の想いは本物のようだし、私と祢々子の息子である川太郎になら瞳を任せてもいいと思える。  
それに川太郎に嫁ぐという瞳の決断は決していい加減なものではないはずだ。  
「…わかった、川太郎となら私も認めていい」  
「ありがとう、父ちゃん!瞳さんは、いんや瞳はおれが必ず幸せにする!」  
「ごめんなさい、あなた…ありがとう」  
川太郎は喜んで瞳に抱きついてその豊かな胸に顔を埋める。瞳もそんな川太郎をそっと抱きしめる。  
「標助、本当にすまねぇだ…おらたちのせいでおめぇの所帯さ滅茶苦茶にしちまって…」  
祢々子は心の底から申し訳なさそうに私に頭を下げる。  
「いや、祢々子が謝ることじゃない。それに川太郎が望んで瞳が受け入れたならこれ以上私が言うことはない」  
祢々子はもう一度私に頭を下げると今度は瞳に向かって語りかける。  
「さっきも言ったけど、河童の子種ば尻子玉さぶっかけっと河童になれる。おらのおっかぁも昔そうやって人間から河童さなったっつってただ」  
要は瞳と川太郎がアナルセックスをするということである。  
「あ、あの子のをお尻に…」  
瞳が目を向けた川太郎の股間には人間のそれとは比較にならないサイズの陰茎がそそり立っている。  
先ほど自分が犯されたときの光景が脳裏をよぎったのか瞳の喉が息を呑む。  
「だども…一度河童になっちまったら二度と人間にゃ戻れねぇ、夫婦になるっつっても無理して河童さならんでも…」  
「そ、それでも私…川太郎君の赤ちゃん、産みたい…から…」  
「…わかった、けんどそんままぶち込んだらいくらなんでも裂けちまうから尻穴にこの薬さ塗ってよぉくほぐしとくんだぞ」  
そう言うと祢々子はポケットから貝で出来た容器を取り出して川太郎に渡した。昔話などで有名な河童の膏薬である。  
 
「お、お願い…川太郎君…私を河童に、あなたの奥さんにして…」  
瞳は地面に手をついて川太郎に向け尻を突き出す。緊張か興奮かその身体はかすかに震えている。  
瞳の尻に左手を添えると川太郎は膏薬を右手の人差し指に付け瞳の肛門に触れる。  
始めは周りの肉をなぞり、そして中へ奥へと指を潜らせる。拡げたりすぼめたりを繰り返し、ひだの一つ一つに至るまで丹念に膏薬をすり込んでいく。  
瞳の尻を押さえていたもう一方の手もその尻を撫でまわし、揉みほぐすことで愛撫を始める。  
「あ…ひゃっ…あ、あぁぁ…くぅん!」  
川太郎の愛撫に感じ始めているのか瞳の声に甘いものが混じり始める。それにつれて川太郎の息も次第に荒くなっていく。  
そして、ついに耐えられなくなったのか川太郎は瞳の尻を掴んで立ち上がる。  
「ひ、瞳ぃ、おれもう我慢できねぇ…い、入れるぞ…」  
「ひゃぁ!あぁ…は、はい…来て、下さい…」  
川太郎は自分の亀頭を瞳の肛門に押し当てるとそのまま体重を乗せてゆっくりと挿れ始めた。  
「んうっひいっ!くっうぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜んはぁっ!あうっぁはっあぁぁ…」  
膏薬が効いているのか瞳の尻穴は子供の腕ほどもある川太郎の剛直を裂けることなく飲み込んでいく。  
川太郎は体重をかけながらついに根元までその陰茎を沈めた。  
「ああぁ…お、お尻がっ拡がってぇっ、お腹の奥が…お、圧されてるのぉ…」  
「す、すげぇ…瞳のケツん肉がおれのチンコさ吸い付いてきよる…瞳、動くぞ…」  
そういうと川太郎は腰を動かし始める。  
「だっだめぇいきなり…ひぅん!せ、川太郎君、もっとゆっく…あぁん!お尻が壊れちゃっあぁっ!」  
「すまねぇ瞳!でも腰が止まらっうあっ!」  
「ひゃあぁっ!あっあっそんなっお尻ぃはっ初めてなのにっいぃっ!すごぉっいぃん!」  
川太郎の腰を振る速度は徐々に速くなり、それに合わせて瞳の喘ぎ声も大きくなっていく。  
私の妻だった女性が目の前で取り返しのつかないことになっていく様子が私の劣情を激しく刺激する。  
私は祢々子を後ろから抱きすくめると服の隙間から彼女の胸と秘所に手を潜り込ませた。  
「ひゃあっ!おめぇさ一体何を…」  
振り向いた祢々子の言葉を唇で塞ぐとそのまま秘所と乳房に愛撫を始める。  
「これからはこっちも夫婦なんだ、二人にもそれを見せてやろう」  
「ひょ、標助…そこの岩さ座ってくんろ、服さ脱ぐから…」  
服を脱いだ祢々子は岩の上に座った私にまたがると私の陰茎を自らの秘部にあてがい、そのまま腰を下ろしていく。  
「んっ!あうあっあぁ…や、やっぱ河童のチンコさ比べたら小せぇけど…それでもおめぇのが一番しっくりくるっなぁぅ…」  
そういうと祢々子は私と繋がったまま抱きついてくる。滑らかでかすかにぬめりのある感触が心地よい。祢々子はそのまま腰を動かし始める。  
「んあぁっ!標助のチンポっおらの子袋さゴンゴン叩いとるっ!んくっくはぁっ!」  
祢々子は15年の時間を取り戻そうとするかのように激しく腰を振る。  
私も祢々子の動きに合わせて腰を動かしお互いに快感をむさぼる。  
「うあっあはぁっあぁん!もっとぉちょうだいぃ!お、お尻っ気持ちいいぃん!」  
一方の瞳もすでに何度も絶頂を迎え、すっかり呂律の回らなくなった言葉で喘ぎ続ける。  
 
「で、出るっ!出るぞ瞳!」  
「くっ!こっちも限界だっ!出すぞ祢々子!」  
川太郎は瞳の尻を掴んで思い切り引き寄せてるとその奥に思い切り射精し、私も祢々子の子宮口に自らの陰茎を押し当て精液を放った。  
「ひいぃん!来るっ川太郎君の精液ぃっ!あっいっいぃっいぐうううぅぅぅぅっ!」  
勢いよく注ぎ込まれる精液がきつく締まった肛門によって行き場を無くし、瞳の腹をみるみる膨らませる。  
「あっひゃあぁ…標助っ!お、おらもいくっ!標助えええぇぇぇっ!」  
祢々子の方も私の精液を一滴たりともこぼすまいと膣をきつく締め上げる。  
「ひきいぃっ!うぁぁ…ま、まだ、出てるぅ…お、お腹がいっぱいぃ…ひいぃぃん」  
すでに何度も射精しているにもかかわらず川太郎は射精の勢いが衰える様子を見せない。  
そして、ついに瞳の身体に変化が起こり始めた。  
「ひゃああう!お、お腹が熱いのにぃっゾクゾクが止まらないのぉ!おっおっおほおおぉぉっ!」  
瞳の身体が激しく痙攣するとその上気した薄桃色の肌が鮮やかな青緑へと変色していき、さらに頭には皿、背には甲羅、手には水かきが生じてそれが大きくなる。  
川太郎が射精を終え、その陰茎を抜く頃には瞳の肉体は完全に牝の河童のものに変わっていた。  
「は…あっ…はぁはぁ…あぁ…し、幸ひぇぇ…」  
開ききった肛門から大量の精液を溢れさせながら瞳は恍惚の表情を浮かべる。  
「せ、川太郎く…いいえあなた…これで、あなたの赤ちゃんが産めるのね…」  
その言葉に感極まったのか川太郎は瞳を押し倒した。  
「ひ、瞳ぃっ!おれの子供、いっぱい孕ませちゃるかんな!」  
「きゃん!ああぁ嬉しっいっああぁん!」  
二人はそのまま互いに組み合った姿勢で交わる。  
「二人ともまだまだ元気だな。じゃあ、私たちも二回戦目といこうか」  
「んだな、じゃあ今度は標助がおらのケツん中さ入れてけろ」  
その夜、静かな沢に響く嬌声は空が白み始めるまで続いた。  
 
あれから早くも一年が過ぎようとしていた。  
「ただいま」  
「おかえり」「おかえりなさい標助さん」「おかえり父ちゃん」  
仕事から帰った私を三人の声が迎える。  
あの後、私たちは昼間は夫婦と居候の親子、夜は二組の夫婦という暮らしをすることになった。  
瞳は川太郎の子を妊娠してすでに6ヶ月目を迎え、川太郎も人間の学校に馴染んでいるようだ。  
祢々子も河童になって日の浅い瞳に河童のしきたりを教えたり、お腹の子供の事などで世話をしている。  
「この子、男かな?女かな?」  
「さあ、どちらかしらね」  
川太郎は瞳に抱きつきながらその大きなお腹さすっている。  
「こらぁおらたちも負けてらんねなぁ」  
そういうと祢々子は河童の姿に戻って胸を私の腕に押し付ける。  
「な、なぁ瞳…おれたちも…」  
「そうね、でもお腹の子に障るといけないから私たちはお尻でね」  
「おいおい、お前たちそういうのはせめて食事の後にしないか」  
「そういうと思って、今夜は精のつくものを沢山用意したんだ。みんな腹いっぱい食ってな」  
そういって祢々子は台所へ向かい、川太郎も料理を出すのを手伝う。  
私も自分の部屋へ行き、スーツをハンガーに掛け普段着に着替えながらぼんやりと考えた。  
正直、あの時の選択や現在の状況は人としてどうかと自分でも思う。  
しかし、私は後悔はしていないしむしろこれでよかったのだと確信している。  
居間の賑やかな声を聞きながらこれからもこのような日々が続けば良いと思いつつ、私は食卓へ向かった。  
 
 

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