天使ミァンは悪魔に組み伏され、羞恥の色を頬に濃く浮かべている。
薄絹のみのその衣装ではミァンの持つ形の良い双膨を隠すのみで、揺れを抑えるには至らない。
清廉さと美徳の模範である天使がかのように情欲をそそる格好をしているのか、悪魔の尻尾はいきり立ち、びくんと波打つ。
その様にミァンは「はぅ」と息を呑む。
「だ、駄目よイブリス。天使と悪魔がそんな…」
「それこそ駄目だ。悪魔に禁欲を強いるなんて」
見てみなよ、と悪魔イブリスは己のロンギヌスをミァンの鼻頭へ突きつけた。
血管を浮き上がらせ、ひくひくと震えるロンギヌスを目にしたミァンは狼狽する。
「あ…ああ、なんて素敵なロンギヌス…。」
「このロンギヌスがお前を貫くのさ。お前の守護を突き破り、お前を快楽のエンピレオまで導く」
淫蕩な手段を以てして見神の域へ達せられると聞き、ミァンはいやいやをするように頭を横へ振る。
しかし悪魔がそれを許容するかと言えば、否である。
イブリスは自らの尻尾をミァンの左羽、ロンギヌスを右羽へとあてがう。
「な、何を!」
「ミァン、お前は羽の用途について些か鈍いものがあるな」
イブリスはそう言うと、羽を以てロンギヌスを扱いた。
いきなり穢れなき純白の羽に熱が伝わるや、ミァンは身をのけぞり羞恥と歓喜に満ちた叫びを上げる。
左羽はイブリスの伸ばした尻尾に縛られ、びくんびくんと波打つ。
羽根が擦れ合い、はらりと落ちるごとにミァンの媚態はますます艶めかしいものとなる。
柔らかな羽毛がロンギヌスをふんわりとつつみ、肉を優しくこすりつける様にイブリスは笑みを浮かべる。
清廉の使徒である天使の体は淫具にも勝る、性欲の行き場に相応しいものというギャップがたまらなく可笑しいのだ。
「そろそろ出るよ」
「あ、やぁあ」
ロンギヌスからレギオンが放たれた瞬間、ミァンは達した。
純白の羽が純白のそれに彩られた。
名残惜しそうに、イブリスは羽を荒々しく掴み、ロンギヌスをくるみタオルのように扱い、ロンギヌスを拭いてやった。
ミァンはその動きに伴う快楽にすら負け、羽が穢される感触にただ身を震わせ嬌声をあげる他無かった。
イブリスは指を、ミァンの陰部へと這わせる。
ミァンの溢れ出る聖水により、薄絹は濡れ、ミァンの陰部をそのままの形で映し出す。
「大洪水だな。このガブリエルが」
「いやぁあ…。せめてサドキエルっていってぇ…」
そんな懇願すら無視し、イブリスはロンギヌスをミァンのそこへあてがう。
ミァンは身を強ばらせたが、やがて受け入れるかのように四肢を投げ出し身から力を抜いた。
それは諦めか、それとも望みか。
どちらにせよイブリスはミァンを犯す。
なぜなら悪魔であるからだ。
ぶちん、とミァンの守護がロンギヌスにより貫かれる。
しかしてミァンが苦痛のみを感じたかと問われれば否である。
天使とは苦行すら父から賜りしものと享受する存在。
破瓜の痛みすら父からのものと認識したミァンは、身を焦がすような快楽に目を細め、歓喜に満ちた叫びを放つ。
「ああぁあ痛いけど気持ちぃいいぃ!」
ミァンの叫びに吹き出したイブリスは、まるで暴れ狂うように弾けるミァンの胸を鷲掴みにする。
強く掴めば指は肉に埋もれる。其れほどの大きさでありながら円形を保つそれはまさにミカエルと呼ぶに相応しいものだ。
押せばその倍の力で押し返すような弾力を持ち合わせたミァンの胸を弄びながら、イブリスはミァンの奥を抉る。
子宮をロンギヌスで貫かれながらミァンは歌うように喘ぎ、淫らに微笑む。
イブリスはそろそろ、子宮にレギオンを放たねばなるまいと思った。
そうしてミァンの子宮口にロンギヌスの切っ先を押し当て、レギオンを注ぐ。
「あ、あぁ、ああはあああああ!エンピレオ!エンピレオしちゃう!しちゃうよぉお!」
今までの媚態を恥じるように顔を覆い隠し、快楽と苦痛に身を激しく捩らせるミァン。
しかし注がれたレギオンが、自らの陰部から溢れ出た様を見、母性に満ちた微笑みを浮かぶ。
ふぅ、何やってるんだ俺。
天使と悪魔とか、普通に考えて無しだろうに。
大体ロンギヌスって表現はなんなんだ。
と、賢人の域に達したイブリスは、余韻に浸り喘ぐミァンを傍らにひとり、冷めているのであった。