「ねえ、茉莉花のいっぱいいじってぇ」
甘えと媚に満ちたその声を聞けば、想像だにしていなかった出来事に、
同僚たちは驚きに目を見張るだろう。怜悧な美貌で知られた
宮園茉莉花は一流大学出の才色兼備として名高い。
男顔負けの辣腕ぶりで、入社するなり解散寸前だった
プロジェクトチームで成果を挙げ、幹部育成コースを最短距離で駆けのぼり、
社内でも最年少の管理職になるのももう間近と囁かれている。
均整のとれた肢体をかっきりとしたスーツに包み、迷いなくまっすぐに闊歩する姿は
容姿に似合わず女としての色気や柔らかさは皆目見当たらず、
男性社員は教官殿の前に立たされた新兵さながらについ背筋を伸ばしてしまう。
女癖の悪い好色な役員でさえ、
茉莉花の前では怖じ気づき食指を伸ばさなかったともっぱらの噂だ。
男の影や浮いた話はひとつもなく、周囲も何となくそれが当然と感じてしまう美しい鉄の女。
その女が、腰丈までしかないシースルーのベビードールだけを身に着け、
まるきり発情しきった雌の顔でベッドの上でおねだりをしている。
透明なマニキュアを施した白い指で濡れた秘裂を自ら広げ、勃起したクリトリスを見せつけている。
「そうだな、茉莉花はここのところずっとと頑張ったものな。一杯可愛がってあげるから
自分でクリ剥きをしてごらん」
まるきり小さな子どもを甘やかす口調で、茉莉花の媚態をじっくりと余さず見るのは、
同じ会社に務める敷島という男だ。
茉莉花の所属する花形部署と違い、ごく地味な物品の管理や
社史の編纂などを行う課で万年ヒラの、
冴えない四十男である。悪口を叩かれることもないが、人の話題に上ることもない。
だだっ広い砂丘の、あまたの砂の一粒のような男だ。
そんな男の要求に、全裸よりも恥ずかしい格好をした
社内きっての美貌のホープは、まだほんの少し皮を被っていた
クリトリスを指で一気に剥き出しにした。
「んひぃっ!」
シーツから浮かしていた尻が震え、ひくひくと茉莉花の全身がわななく。たったそれだけの
刺激で軽く達したらしい。
「良くできたね。やっぱり茉莉花は頑張り屋さんだ。
可愛い茉莉花の可愛いお豆、いい子いい子…」
溢れ出る蜜を掬い取り、敷島は真っ赤なクリトリスに塗りつけ、
言葉通り子どもの頭をなでるように何度もクリクリと指で撫でさすった。
「んあぁああっ!」
茉莉花の体がシーツで跳ねる。充血して膨らみきったクリトリスを
優しく上から下へと磨き上げるように擦る。
何度も何度も、執拗に繰り返される「良い子良い子」に焦れて耐えかね、更に腰を突き出して、
「いやあ、もっとしてえ!まりかのやらしいクリチンポッ、つまんでいっぱいキスしてえ!」
のぼせあがって乱れながらあられもない淫語を唇から吐き出す茉莉花。
「こら、まだ途中なのにわがまま言っちゃダメだろう」
言うなり敷島はクリトリスを抓み潰した。
「ひはぁっ!あっ、か、ひぃいいっ!!」
「わがままいう子はいい子じゃないぞ?ちゃんと言うこと聞きなさい。でないと
茉莉花の好きな玩具は今日はあげられないな」
ぎゅっきゅっと強弱をつけてクリトリスを親指と人差し指の二本の指で
挟んで押しつぶし、敷島は茉莉花を悶え狂わせる。
「やああっ!クリつぶれちゃうっ!」
全身を痙攣させ、背筋を弓なりに反らせる茉莉花。その身に纏った僅かな薄桃色の布地の下では
形のいい乳房もぶるぶると震え、硬く立ち上がった乳首が薄い生地を押し上げて、
今茉莉花がどれほど感じているかを教えている。
溢れる蜜で指をぬめり光らせながら敷島はリズミカルにクリトリスを責めあげる。
「ちゃんと謝りなさい茉莉花」
「ごっ、ごめ、なさ…ぃっ、やらしいまりかがっ、ダメなこなの、
クリいじりすきでぇっ、わがま、ま…ぁああっ!ひあぁああっ!!イくうううう!!」
シーツにつま先を立てて浮かした腰を振り、茉莉花は絶叫とともに達した。
そのまま糸の切れた人形のように、シーツの上に力なく横たわる。
絶頂の余韻に浸るその肉体は上気して桜色に染まっている。
そしてその震える瞼を閉じた顔は、日中の仕事に没頭する無表情さは見当たらず、
うっとりと満足しきった、何処か無邪気な少女のような趣さえある。
敷島はそんな茉莉花を見下ろしその頬を手の甲で撫でたが、
すぐにベッド脇のテーブルの引き出しから
2つ何かを掴みだした。
そのひとつの、銘のない小さなガラスの壜の蓋をあけ、もうひとつは市販されている何の
変哲のない綿棒をその中に突っ込み、内容物のジェル状の物体を
たっぷりと掬い取った。
得体のしれない物体を先端に塗りつけた綿棒を指先でもてあそび、
敷島は茉莉花が目を覚ますまで待とうかどうか考えた。だがそれも僅かな間だ。
「ん…う…」
かすかに漏れる声に目を細めつつ、敷島は再び、今度はその綿棒を息衝く赤いクリトリスへと
伸ばした。
終わり