「今日はこれで可愛がってやろう」
枯れ木のように痩せた老人が、そういってエリーナに見せてきたのは、クリスタル・スライムだった。
その名の通り、ガラスのように透き通っているので、細工モノのアクセントに欲しがる職人は多い。
経験値を稼ぐには物足りないが、路銀を稼ぐにはうってつけのスライムだ。
この大きさと透明度なら、金貨30枚はくだるまい。
かつて冒険者相手の買取業を商っていたエリーナは、うっかり値踏みまでした自分に、自嘲の笑みを浮かべた。
斜面を転がる雪玉のように膨れ上がった借金のおかげで、かつての店はおろか、自分自身すら売り払うハメになったというのに、エリーナの思考回路は商人のままだ。
老人が厭らしい笑みを刻みながら近づいてきたので、エリーナは反射的に身を引いた。
首、両手首、足首。じゃらじゃらと重たい音を立てて、エリーナを戒める鎖が鳴る。
両手首の鎖は壁に縫いとめられているので、せめて自由に動く足で抵抗を示したいが、痩躯のくせに老人の力は強かった。
「おぅ、そう嫌がるな。どうせ、すぐに善がるようになるわ」
鎖が邪魔してキレもなにもない蹴りを難なく避けた挙句、老人は彼女の両足をあっさりと掴んだ。
弾みでひっくり返ったエリーナに、そのままM字開脚の格好を取らせる。
「…く…」
すでに男としての機能を失ったというのに、それ故か逆にねちっこくエリーナを責めたてて来るこの老人に甚振られるのは4度目だが、相変わらず羞恥と怒りに頬が熱くなる。
老人の目の前にさらされた秘所を守るのは、薄っぺらな布1枚。
その上に、スライムがそっと乗せられた。
「ひぁ!!!」
見知らぬ場所に下ろされたスライムは、そこが安全かどうかを確認するように、うねうねと動き出した。
スライムからにじみ出る体液で、下着はじっとりと湿りはじめる。
うねうね、うねうね。
スライムの下で、下着がよれる。
「やッ」
クリトリスが、よれた下着に挟まった。
短い期間に、数多の男が弄ったそこは、わずかな刺激にも反応するようになってしまっている。
うねうね、うねうね。
下着にこすられて、クリトリスがむくむくと膨らみ始める。
「あ、(;゚д゚)ァ.... 、あッ」
秘書を守るはずの下着が、クリトリスを挟んでしごきあげてくる。
スライムのひんやりじっとり湿った感触が、薄い布越しにクリトリスを刺激する。
「ふぇふぇふぇふぇ、気持ちよいか、気持ちよさそうだな、ふぇふぇふぇ」
老人が下卑た笑いを漏らす。
透明なスライム越しなので、よれる下着も、そこに浮かび上がるクリトリスのふくらみも、それがこね回される様も、手に取るように
くっきりと見えているのだ。
さらにいうなら、レンズ効果でちょっと大きく見えて、老眼にも優しい仕様である。
エリーナの下着はぐしょぐしょになっているが、それはスライムの体液ではなく、彼女自身の愛液が大半だ。
老人の指が無遠慮に下着をつまんで、引き上げる。
「んひぅッ」
クロッチ部分が細くなって、エリーナに食い込む。
剥き出しになった部分に、スライムが滴るように張り付く。
「ほれ、ほれ、もうこんな布っきれはいらんじゃろ、直接スライムに触ってもらえ」
乱暴に下着を揺するうちに、クリトリスと下着の隙間にスライムが落ちてきた。
「あああああっ、や、んん、あんっあっ!!」
ぶにゃぶにゃしているくせに、芯は妙に弾力に富んだスライムが、クリトリスに当たってこりこりする。
腰が抜けそうな衝撃が、一気にエリーナを貫き、それは強烈な快感に変わって彼女を打ちのめした。
悲鳴のような声をあげて仰け反り、直後にカクンと脱力する──イってしまった。
「イったか、こんなスライムにクリトリスを弄らせてイくとは、まぁこの短い期間で相当な淫売になったもんだの」
屈辱的な言葉に、エリーナは一瞬、ひどく悔しそうな表情を浮かべた。
しかし、老人に、下着の間に挟まったスライムをずるりと引き抜かれた刺激で、再度小さな絶頂を迎えてしまう。
淫売。
エリーナの心がまた少し、壊れた。
夜は長い。その長い夜が、これから何度繰り返されるのか。
もうエリーナは、自分が完全に壊れることすら、願いそうになっている。
fin