やっと家に帰ってきた。  
 そっと毛布にくるまり寝ている可愛い女の頬に、軽くキスをする。  
 さすがにこれだけでは目を覚まさない、か。  
 小さく身体を縮めて、何かにすがりつくようにして眠っている様子が、こいつのさびしさを物語っている  
ようで、なんとなく申し訳なくなる。  
 「ごめんな……ただいま」  
 起こすのもかわいそうな気もするが、起きてほしいとも思う気持ちが、おれの口から言葉を出させる。  
 よく手入れされている長い髪の毛に優しくふれて、しばらくなでてみる。  
 おれのリクエストに答えて、もともとショートカットだったのをストレートロングにして、維持してくれている。  
 健気な女だ。  
 彼女には恋人がいたが、おれは無理やり奪い取った。  
 そしておれの女にしてから、大事に大事に、まるで宝箱に鍵でもかけるみたいにして結婚し、家に縛った。  
 それぐらい、もうどうしようもないくらい、好きだった。  
 今でもそれは変わらない。  
 こいつがおれに向けてくれる愛情の何もかもが、おれを最高に満たしてくれる。  
 だから、今日は、こいつを満たしてやろうと思う。  
 おれは足元に移動すると、静かに毛布をめくりあげる。  
 ネグリジェというかワンピースというか、ふわふわひらひらな裾に手を差し入れて下着を露出させる。  
 柔らかいふとももに手をすべらせると、小さく呻きをあげながら身をよじってきた。  
 起きてはいない、かな。すーすーと寝息が聞こえる。  
 つるんとした下着の上から、クリトリスめがけて吸いついてみる。  
 ちいさな、固い突起が舌にあたった瞬間に、彼女の腰がびくんっとはねて、女の匂いを撒き散らした。  
 声もなく上半身をがばっと起こさせた彼女は、おれの姿を認めると、安堵のため息をもらしながら両手を  
おれのほうに広げてきた。  
 「おかえりなさい……」  
 「ああ、ただいま。いい子にしてたか?」  
 おれの問いに目を細ませながら、当然とでも言いたげに微笑み、小さい子供みたいに、うん、と頷く。  
 いつまでたっても変わんないな、もう長い付き合いになるのに。  
 「そっか。じゃ、ご褒美やるよ」  
 キスを待つように目を閉じた彼女の、しかしふとももをおれは抱え上げた。  
 驚いた声をあげるのには答えず、彼女のもちっとした尻の下にあぐらをかき、身体をくの字に押さえつける。  
 横手から回した腕で姿勢をホールドして、下着の上から縦にクリトリスを軽くなぞりおろす。  
 「あぅ……」  
 せつない吐息が部屋に響く。思ったよりも大きい声になってしまったのが恥ずかしかったのか、毛布の端を  
掴んだ彼女はそれを口元にもっていき、自ら噛んだ。  
 ラブホにでも連れてきゃよかったかな。  
 ま、いーか。声を我慢する姿もまた一興、だよな。  
 ゆっくりと輪郭をなぞるようにしてクリトリスを布越しにいじっていると、じんわりと溢れてきた愛液がクリの  
存在を主張し始める。  
 舌の先をとがらせて軽くつつくと、甘い喘ぎが動きに合わせてもれてくる。  
 さて、我慢もどこまでもつかな。この程度で声を殺せないようじゃなぁ。  
 唾液で下着を濡らしてびちゃびちゃ感を増してやると、ぴったりとくっつくようにクリの形をあらわにしてきた。  
 小ぶりで大人しめな彼女に似て謙虚なクリトリスだが、ここに凄まじい快感が集中するのかと思うと、なぜか  
おれまで興奮してしまう。  
 彼女にこれから与えてやる快楽を想像して、背筋が喜びで小さく震えた。  
 舌をやわらかくクリに押さえつける。熱く脈打って固くなってきていた。  
 押さえつけたまま、ぐりぐりとこねまわす。  
 彼女は身をよじって耐えている。可愛い声してんだから素直に鳴いちゃえばいいのに。  
 
 下着の両脇から指を中にいれて火照った秘裂を広げて、上から布ごとクリを咥えこむ。  
 おれの唾液と彼女の愛液で透けるほどに薄くはりついた布など、下着の意味をなしていない。  
 いや、もはや、もどかしさを演出する小道具だ。  
 ぐちゅぐちゅと、わざと音を立ててクリを甘く唇でもみしだいていく。  
 すぐに腰がピンっと硬直してきた。  
 出張でしばらくご無沙汰だったせいか、イきやすくなってでもいるのだろうか。  
 それならもう少し楽しませてやろうか。  
 いつもなら、じらすことなどしないおれだったが、彼女の絶頂を告げる声を聞いてすぐに動きをとめた。  
 「……っいやぁ…やだやだ、なに……?」  
 噛みしめていた毛布から口を離し、泣きそうな声でおれに精一杯の文句を言う。  
 おれは何も答えず、ぶるぶる震えている腰からゆっくりと下着を脱がしていく。  
 おれのだんまりに釣られて黙り込んだ彼女の耳に、自分の愛液が立てる音がいやらしく響いていく。  
 言葉よりも明確に羞恥を突きつけられて、彼女は頬を染めておれの視線から目をそらした。  
 10代の頃からさんざんふたりで色んなことをヤったというのに、いまだに初々しさを失わない。  
 もどかしさに負けたのはおれのほうだった。  
 下着は中途半端に片脚にひっかけたまま、目の前に熱く熟れるクリトリスにむしゃぶりついてしまった。  
 もっとじらしてやるつもりだったのに、愛しさに翻弄されて、きゅっとクリを吸い上げ、押し潰した。  
 クリが剥けてその芯をおれの舌に差し出してくる。  
 やわらかくなぶりあげてやると、彼女の火照った身体がさらに熱を帯びて、じわりと愛液をおれのアゴに  
なすりつけながら腰をくねらす。  
 「すご……い……や、だめ……それ……」  
 かすれた声で言う彼女。どっちだよ。スゴイのかダメなのか。  
 おれはなおもゆるやかに刺激を与えつづける。速くしない、痛くしない。そうすると女はすぐにイク。  
 「あ、ああ……はぅぅいっちゃうぅ……」  
 やっぱりな。今度はちゃんとイカしてやるよ。  
 あばれる太ももを押さえつけながらクリを優しくなめ続けてやる。  
 足の指先まで緊張がはしり、硬直する様子を横目で見ながら、脚が弛緩する瞬間におれは指で秘裂を  
おもいっきり広げてクリを晒し出し、口全部で覆いつくして、ねちょねちょしごきあげる。  
 「やぁっああああっ」  
 あられもない声を出してよがり狂う彼女の腰を逃げられないように抑えつけて、クリを大きく揺さぶる。  
 びくびく身体を痙攣させてきたところで、すこしずつ唇を離していきクリの芯だけに吸いつき少しだけ舌を  
絡ませながら小刻みに上下にしごいていく。  
 間断なくあげていた彼女の喘ぎ声が、かすれてきている。  
 もうそろそろ限界か。  
 おれは仕上げとばかりに、イきっぱなしの彼女のクリにきつく舌を押し当てて余韻ごと優しくこねくりまわした。  
 もはや悲鳴すら出ない。喉をのけぞらせて身体全体震わせて、乱れた服から汗だくの肌を惜しげもなく晒す。  
 可愛いやつ。おれは名残惜しくてまだ舌をクリから離せないでいた。  
 びくんびくん、と脈動が凄まじい。  
 こんなに小さい部分なのに、この主張の激しさといい、おれの愛撫にどこまでも応えてくれる健気さといい、  
こいつのクリトリスは、本当に、最高のクリトリスだ。  
 彼女の身体の弛緩がいつもと違う、気を失ったのかもしれない。  
 ゆっくりと舌をクリから離し軽くキスをしてから、抱え上げていた腰をそっとベッドにおろした。  
 ま、今日はここまで。  
 おやすみ、おれの愛しい女。  
 
end.  
 

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