「ねぇ、お茶を持ってきてくださらない?」
「あー、はいはい。持っていき…あいたっ!」
「いっ!?…痛いじゃないの!どこを見てあるいてるの!?」
「いや…どこも見てないな」
「はぁ!?」
「いやな、お前さんの目が見えないってのをちょっと体験してみようと思って目隠しをしてみたんだ。
歩くことすらままならねぇ、こんなんじゃまともに暮らせねぇな」
「…からかってるの?」
「まさか!真剣さ。気高くわがままなお前さんの苦労を理解するためのな」
「…あの」
「ん?」
「そんなことはしなくていいわ。それより…私の目になってくださらない?」
「…視力0.5だがそれでもいいか?」
「ええ、0よりずっとマシですもの。…それとお茶、淹れてくださる?」