濡れた花弁が揺れ、熱い滴がシーツに落ちた。  
花弁の奥に差し込んだ指を襞に絡ませ、上下左右にかき回す。  
下からは粘りを帯びた水音と透明な液体が、上からは切なげな嬌声が溢れる。  
「ん……あ、うぁあ……だ、だめ……にーさんだめ」  
服を乱し、ベッドに四つん這いになった陽華。  
その口では拒絶しつつも、更なる快楽を求め揺れる陰唇は俺の指を拒めない。  
膨れた部分の包皮を剥がし、肉の核を執拗に攻撃するたび、電流が走ったようにビクンビクンと小さな躯が揺れる。  
はだけた小ぶりな乳房がピンと尖り、彼女は自覚せずしてそれをシーツの布地にこすり付けていた。  
「陽華……」  
頭は完全に熱に浮かされている。  
俺はパンツと下着を下ろすと、猛り狂った肉槍を突き出した。  
「もうこれ以上一秒だって待てそうにない」  
そのまま赤黒い亀頭を、バックから緩みきった入り口にあてがう。  
「え!? だめだよこれ以上はほんとにだめ。  
おねがいやめて。だめだめだめぇ――――っ!!」  
彼女の制止に耳を貸すことなく、一気に膣道を貫いた。  
「あ――っ! あぁ――っ! ああぁ――――――っ!」  
快楽の雄叫びを上げながら、陽華は悶えてベッドに顔を埋めている。  
俺の方もいつにない快感で意識が飛びかけていた。  
「くぅ……ッ!? す、すごい! コンドームなしだと、こんなに気持ちいいだなんて!!」  
俺は陽華の腰を掴んで、引き抜いては挿し入れ、何度も何度も我武者羅にペニスを突き刺した。  
「判る? 先っぽとか、棒の部分とかが、直接陽華の膣と擦れ合ってるよ。  
ほら、今陽華のがきゅって絞まってるのがちゃんと感じ取れる。  
俺のが陽華の中でビクビク震えてるのも判るよね」  
「だめだよぉ。にー、さん。今日、危ない日だわ……。  
妊娠、しちゃう。おねがい、やめてぇ……」  
陽華は惚けた顔をシーツに押し付けたまま、かすれた声で懇願する。  
「その割には、陽華の方も腰が自然に動いてるじゃないか。  
ほら、俺は動かないから、抵抗してごらんよ」  
「いじわる。そんなの、もう、無理。  
にーさんのいちど入ると、とまんない……」  
劣情の濁流は理性を飲み込み、俺たちは二匹の獣となり快楽の海に溺れる。  
背徳の行為はもはや何者にも止められない。  
「うぁっ! もう、いくっ! 陽華の中に全部出すよっ!!」  
「うん! 私もにーさんの精子ほしいっ!  
出して! 子宮の中ににーさんのいっぱい射精してっ!!」  
俺はストロークを更に早めながら、射精の快感を最大限に引き出すべく、発射のタイミングを伺う。  
余り我慢しすぎても段々萎えてくる。  
そして、今が丁度ピークに差し掛かる頃合だ。  
「はぁっ――――――! 陽、かッ!!」  
「わたしもっ、い、いっちゃうっ!  
ああ……っ! にーさん、にーさんっ!!」  
陽華の中が一際大きな痙攣を始める。  
ペニスが子宮の最奥を突いたその瞬間、溜め込んでいたものが爆ぜ、白濁した液体が陽華の躯の中にぶちまけられた。  
 
……正確には俺の下着の中にぶちまけられた。  
「……最悪だ」  
夢から覚めた俺は、ベッドの中で己がイチモツが虚しく蠢動しているのを感じ取る。  
虚脱した身をどうにか起こし、寝巻きを脱ぐと、濡れた下着を見下ろして溜息を吐いた。  
「いくらなんでも『にーさんのいっぱい射精してっ!!』はないなぁ」  
夢の中とは言えその体を蹂躙したこと、勝手に妹を妄想に利用したこと。  
軽い罪悪感をおぼえたものの、やり場の無い劣情を処理する方法も俺には判らなかった。  
 
     * * *  
 
梅雨の時期に特に困ることと言えば、まず洗濯だ。  
日中に乾ききらなければ、夜通し室内に吊るして放置するしかない。  
俺は昨日の洗濯物が乾いていることを確認して、ハンガーから下ろし始めた。  
服の中には陽華の下着もあるが、俺にはその手の趣向はないので特に意識もせず畳んで床に積み上げる。  
幸い家は風通しが良いので、乾いた後の匂いは気にならない。  
乾いたものを下ろし終わったハンガーに、今度は新たに洗った洗濯物を吊るして行く。  
昨夜汚したボクサーパンツは、一応別に手洗いして置いてある。  
陽華の下着以外の服も、普段から俺の服と一緒に洗っていた。  
妹の服を精液で汚れたパンツと同じ洗濯槽に入れるのは気が引ける。  
まあ、間違ってもそんなことで妊娠したりはしないが。  
あらかた二階のベランダに吊るし終え、部屋に戻る。  
ふと、床に並べた乾きものが足りないことに気付いた。  
「……陽華だな」  
俺は一階に降りると、妹の姿を探す。  
居間の方に、黒く長い髪の後姿を発見。  
陽華は庭を眺めながら、立てかけたイーゼルに木炭を走らせていた。  
「陽華」  
寝呆けた様な眼をした丸顔が振り向かれる。  
その肩越しに、木炭紙に描かれたデッサン画を覗き込んだ。  
「アジサイだね」  
「うん、木炭画で花の色出せないかって、試してるところ」  
我が家の庭には、例年アジサイが咲くが、肥料を替えるごとに違った色の花が咲く。  
今年は薄紫だ。  
「……白黒だったら判らないよ」  
「それを表現するのが、画家の腕なのよ」  
「成る程、言われてみると微妙な寒色めいた色合いが感じ取れるかもしれない、かな?  
まあ、それはそれとして……」  
俺は陽華の姿を見下ろして腕を組んだ。  
「どうして毎回、俺の白衣を持っていくの?」  
陽華は薄手のスリップの上に、実験用の白衣を纏っていた。  
彼女には丈が長いため、傍から見るとロングコートみたいだ。  
「ちょっと肌寒い時に、丁度いいもの」  
「まだ春物仕舞ってないでしょ」  
陽華は椅子から降りると、裾を掴んで鼻を埋め、目を閉じる。  
「ごめんなさい。でもこれ、にーさんのにおいがするから。  
これ着てると、にーさんに抱かれてるみたいで、すごく落ち着くの」  
「…………」  
 
絶句。  
ええと陽華さん、そんなことをうっとりしたような顔で言われると、昨晩吐き出したはずのリビドーがむくむくと急上昇してしまうんです  
 
が。  
俺は白衣ごと、妹の華奢な躯を抱きしめた。  
「にーさん……?」  
「陽華」  
俺はズボン越しにも判るくらい膨れ上がっている下半身を彼女の下腹に押し付けた。  
「したい」  
途端に陽華の顔が真っ赤になる。  
もう一ヶ月くらい陽華とそういうことをしていない。  
先週は陽華が生理中で苦しそうだった。  
先々週とその前は俺の方がシンポジウムの下働きなどで忙しかった。  
溜まりに溜まった欲求は、夢精程度では解消できていない。  
「体調悪かったら、無理にとは言わないけど」  
「あのね、にーさん……わたしも、したい。  
したいんだけど」  
陽華は暫く逡巡する。  
「生理、結構前に終わってるの。  
だから体の調子もすごくいいんだけど……」  
「そっか」  
俺たちは明確に血が繋がっていて、しかも陽華はまだ高校生だ。  
避妊に神経質になって、なりすぎることはない。  
俺は名残惜しくはあったが、陽華の体を離した。  
だが、今度は彼女の方から抱きついて来る。  
「陽華」  
「ごめん。けど、しばらくこうするだけ」  
陽華は俺のシャツに顔を埋めた。  
暫くそうしていると、突然ふんふんと鼻をひくつかせる。  
「にーさん……なんか……。  
精子のにおいがする」  
うっ、と俺は言葉に詰まった。  
そう言えばシャツは夜から換えていないままだ。  
「ひとりでしたの?」  
「いや……陽華のこと夢に見て、それで」  
陽華はそれを聞いて納得した。  
「ああ。男の人って、夢で出すことあるのね」  
わたしがおかずなのは嬉しい、と陽華ははにかんだ。  
「ごめんね、直接させてあげられなくて」  
「陽華、この事で謝るのはなしだよ。  
誰が悪い訳じゃない。  
俺たち二人に責任があるってだけ」  
きょうだいと言うのは不便かもしれない。  
少なくとも、まともな意味での恋愛は出来ない。  
誰にも認められないから、明確な証が欲しくて体を求めてしまう。  
けれど、無頓着な性行為の先にあるのは破滅だ。  
簡単に全てを捨てられるほど、俺は精神的に若くない。  
何より、陽華には未来がある。  
だから、せめてこれくらいは。  
俺たちは今日も、ひっそりと秘密のキスを交わす。  
誰も見ていない自宅の中だけで、こっそりと。  
 
「けど、陽華も結構溜まってるんじゃない?」  
俺は腕を下ろして陽華のスリップの下に手を滑らした。  
緩やかな曲線に指を這わせ、少し堅くなっている先端を軽くつまむ。  
「……ひゃ!  
に、にーさん。大丈夫、ひとりでするから」  
「そんな、もったいないよ」  
俺は陽華の後ろに回りこむと、胸を愛撫しながら耳元で囁いた。  
「勝手に陽華を使っちゃったしね。  
代わりと言っては何だけど、気持ちよくしてあげたい」  
「まだ朝なのに……ひぅっ!」  
両手で胸を弄りながら、耳朶を軽く噛む。  
乳頭を摘み上げたり、軽くつねったりしている内に、いつの間にかそこは完全に屹立してしまっていた。  
いつもより大分反応が早い。  
彼女もやはり我慢していたのだろう。  
「下も触るよ」  
「……だめ」  
明確な拒絶の声で、下腹に下ろしかけていた俺の指が止まる。  
少し急すぎたのだろうか。  
「陽華?」  
「こういうことは、ベッドの上じゃないとだめ」  
不貞腐れたような表情で、妙なこだわりを主張する陽華。  
俺は苦笑して彼女の抱きかかえた。  
 
 
こういう体勢を何と言っただろうか。  
カーテンを閉めた寝室の中、仰向けになった陽華の足を開き、その間にしゃがみこむ。  
こうすると丁度、彼女の大事な場所が目の前に位置するようになる。  
うう、と陽華がうめく。  
「何か、すごく恥ずかしいわ」  
「大丈夫、綺麗だよ」  
そう言いながら、そこに手を伸ばし、そっと下着越しに撫でる。  
そこは既に結構湿り気を帯びていた。  
「直接触っていいよ」  
「判った」  
俺は白い布地を横にずらし、露になった恥部に指を伸ばした。  
うっすらと茂みに覆われたピンク色の裂け目を、指二本でこじ開けていく。  
陽華は切なげな吐息を吐きながら、俺の顔を手で覆う。  
「にーさん、待って。まだ脱いでな」  
「俺はこのままでいい」  
言葉を途中で遮り、俺はそのまま行為を続けた。  
溢れる水気が、めくり上げられたショーツを濡らす。  
 
「パンツ、汚れちゃうから……」  
「もう遅いよ」  
穿いたまま恥部を露出させ、なされるがままの陽華。  
指が敏感な膨らみを撫でると、彼女は一瞬身震いして足を閉じようとした。  
しかし腰を浮かせた体勢では上手く力が入らず、簡単に抑えられる。  
「ちゃんと足広げて」  
「でも、はずかしいッ……!  
パンツ履いたままだし……。あそこの中、にーさんから丸見えだし……」  
どうやらお姫様はじっと観察されるのがお気に召されないらしい。  
「じゃあ、こうする」  
「え…………ッ!」  
俺は彼女の恥部にゆっくりと顔を近づけると、水が滴るそこに唇を当てて吸い付いた。  
しょっぱい味が口に広がる。  
ちゅ、と水音を立てながら水分を吸い取っていき、そのまま割れ目に舌先を滑り込ませた。  
「だめ、そんなとこ汚――――っ!!」  
効果はてきめん。  
陽華はがくがくと腰を震わせながら、大きく口を開けて仰け反った。  
太腿を抱きかかえて、そこが口から離れないよう固定して、下での蹂躙を続ける。  
中からもビクビクと肉壁が痙攣しているのが感じられた。  
差し込んだ舌を上下左右に振り、時折回転も加えながら感触だけで内部の様子を探る。  
やがてクリトリスまでたどり着くと、そこを軽く舌先で突付いた。  
「ん――――! ん――――!」  
陽華は瞼をギュッと閉じながら、必死に襲い来る快感を耐えている。  
顔から視線を下ろすと、前開きのスリップから剥きだされたささやかな膨らみが震えている。  
今は手が届かないのが残念だ。  
俺はへそに目を落としながら、行為を再開した。  
襞の表面を舌の腹で丹念に拭いながら、時折膨れた部分を刺激する。  
だんだんと表面の包皮が剥け、小さな核が露出した。  
とうとうと流れてくる愛液を嚥下しながら、そのまま膣の上部に舌を当て動かし続ける。  
陽華は息も途切れ途切れに、限界を訴えた。  
「んあ……あ……あ……、だめ、もう、いく、いっちゃううぅ――――」  
いいよ、いっちゃえ。  
そう意思を込めて、俺は更に強くそこを吸い上げる。  
その瞬間、舌が強く圧迫され、口の中一杯に愛液があふれ出した。  
膣壁が最後の振動を始める。  
二度三度、彼女はベッドの上で躯を震わせると、やがて脱力して肩で大きく息をついた。  
俺は舌を引き抜いて、ベッドの脇においてあるティッシュを数枚手に取り、陽華の股間を拭っていく。  
めくり上げておいたパンツは唾液やら愛液やらでぐっしょりと濡れており、もう履いていられそうになかった。  
足をあげて俺がそれを脱がすのを助けながら、陽華はジト目で俺を睨んだ。  
 
「脱がせてって、いったのに……」  
「ははは、ごめんごめん」  
「全然反省してない……」  
実際、ほとんど反省していなかったが、一応謝罪はしておく。  
もぞもぞとスリップを脱ぎながら、陽華は答えにくい質問を投げかけて来た。  
「どうしていつも着せたまましようとするの?」  
「うーん、何でだろう?」  
純粋に性癖の問題なのだろうが。  
「強いて言うなら、服を着てる方が目の前の女の子が小さい頃から知ってる陽華なんだって実感できるからかな。  
いつも一緒にご飯食べたり、絵を描いたり、学校に行ったりしている陽華と変わりないんだって思うと、凄く安心する。  
素裸も凄く綺麗だけど、あんまりに綺麗だから、この女の子がどこか知らない国のお姫様なんじゃないかなんて思えてくるんだ」  
「おおげさだわ。  
わたしは、にーさんの知ってるわたしだよ」  
陽華はもたれかかって、俺の胸に頭を預けた。  
「にーさんの妹で、にーさんのことが好きで、にーさんとキンシンソウカンしてる。ただのわたしだわ」  
「うん、知ってる」  
俺は陽華の頭を抱きしめ、その長い髪に顔を埋める。  
陽華の匂いがした。  
「……あ」  
陽華が身じろぎすると、パンツの中で痛い程勃起していたペニスが擦れ、ビクリと震える。  
陽華は逸れの存在に気付き顔を赤らめると、そっと俺の股間に手を当てた。  
「ええと、今度、私の番?」  
「一度抜いたから無理にとは言わないけど……」  
実際には、暴れる欲望の槍を彼女にぶちこみたくて堪らない。  
舐めている最中も、その衝動を抑えるので一杯一杯であった。  
俺はおもむろにジッパーを下ろしてズボンを床に落とした。  
「出来れば、陽華にもしてほしいな」  
陽華は頷いて俺のパンツに手をかけると、そっと引き下ろしていく。  
ピンク色の亀頭が外気に晒され、下ろし終えると男性器全体が露になった。  
陽華は顔を赤らめつつ、そこに手を伸ばした。  
「触って良いよ」  
指先で先端に触れ、ビクンと棒が振るえるのを見て一瞬躊躇う。  
「わたしが上の時とか見慣れてはいるけど……こうしてしっかり見るの初めてかも」  
「グロい?」  
陽華はそっと掌で棒全体を包み込む。  
「でも、あったかいわ」  
そのまま握り締めたイチモツを前後に揺すり始めた。  
 
「ええと、そうじゃなくて。上下に擦ってくれる?」  
陽華は俺の要望を聞いて、指で輪を作ってペニスを擦り上げるよう、運動を切り替える。  
ぎこちなくはあるが優しく指でしごかれ、男根が快楽の電流を発した。  
「こう? 痛くない?」  
「うっ……、いいよ。その調子」  
陽華は片手で根元を固定して、片手で上下に動かしながら、まじまじとそこを観察した。  
「こんな大きいのがわたしの中に入ってるのね……。それに、硬くて熱いわ。  
にーさんは挿れる時、痛くないの?」  
「陽華と比べたら、全然痛くないよ。  
やっぱり、陽華はまだ痛い?」  
「痛いけど、気持ちいいから」  
頬を染めながら、陽華はペニスを弄り続ける。  
やがて、先端から透明な液が溢れ始めた。  
「あ、精液……じゃないよね」  
「カウパーって言うんだけど、陽華のあそこから出るのと似たようなものかな。  
これでも妊娠するから気をつけてね」  
陽華は零れ落ちる先走りを指で拭いながら、暫し逡巡していた。  
濡れた人差し指を唇に当てながら、彼女は俺を上目遣いで見上げた。  
「……わたしにも舐めてほしい?」  
「いや、流石にそこまで無理しなくても」  
実際、指だけで十分達することは出来そうであった。  
「でも、にーさんにもちゃんと悦んでほしいから」  
陽華は一時微笑むと、紅い舌をそっと伸ばして、亀頭をペロンと一拭いする。  
思わぬ快感に、うっと声が漏れた。  
どう? と、再び上目遣いで尋ねてくる。  
「……ごめん、お願いできるかな」  
陽華は頷くと、唾液を纏わせた舌を伸ばして、毛で覆われた根元から先の割れた先端まで、丹念に舐め始めた。  
舌先の温かさと唾液の冷たさが、あべこべに襲い掛かる。  
十分ペニス全体を濡らした後、陽華はその先端からゆっくりと口蓋に咥え込んだ。  
ちゅちゅっと音を上げて唾液と先走りを吸い上げながら、唇でゆっくりと男根を刺激する。  
その間に舌でも亀頭を包み込む。  
膣の中に挿入する時とは違った種類の、新鮮な感覚。  
「陽、華……。これ、すごく、きもち、いいよ」  
陽華は目を上げて応えながら、行為を続ける。  
頭が上下に揺れる度、唇が肉棒を擦り上げていく。  
俺は彼女の頭を撫でながら、絶頂に供えた。  
もうすでに、ペニスは妖しげな蠢動を始めていた。  
「ご、めんっ! 頭、離して。もう、でるから!」  
それを聞いても、陽華は口の動きを止めない。  
 
彼女が軽く歯を立てた瞬間、限界はあっけなく訪れた。  
「うわっ!!」  
「――――っ!!」  
ペニスが二、三度大きく痙攣し、先端から白い飛沫が飛び跳ねる。  
何とか頭を押しのけて口から離したは良いが、彼女の頭に、顔に、剥き出しの上半身に、大量の精液が降りかかってしまった。  
俺は何度も荒く息をつぎながら、テッシュ箱に手を伸ばして呆気に取られている陽華の顔を拭う。  
「――――、ごめん、我慢、できなかった」  
目を閉じて顔を上げ、なすがままに顔に付着した汚れを落として貰いながら、陽華は呟いた。  
「にーさんだって、わたしの飲んでたわ。  
だから平気」  
俺は苦笑しながらお互いのもので汚した唇を合わせ、精液の掃除を再開した。  
顔を拭い終え、頭に取り掛かろうと二枚目のテッシュに伸ばした手を、陽華が止める。  
「どうせまた汚れるわ」  
「またって……」  
彼女の意味することに思い当たる。  
「満足できなかった?」  
「一か月分は、まだまだよ」  
かく言う俺の股間も、いつの間にやら再び臨戦態勢になっていた。  
まだまだ前哨戦を終えたばかり。  
二人とも、今日はとことんまで絞り尽くす気だった。  
暫く絡み合って最適な体勢を探り合う。  
結局俺は仰向けに寝転がり、俺の上の陽華は逆向きに四つん這いの姿勢を取った。  
俺は指で目の間にある濡れそぼった陰唇を指で開く。  
「じゃ、二回戦と行くか」  
陽華は不適に笑って、やおら俺の男根を握り締める。  
「どっちがいっぱいいかせれるか、競争ね」  
朝っぱらから、インモラル極まりない爛れまくった戦いが幕を開けた。  
 
     * * *  
 
戦いを終え、両者一か月分溜まりに溜まった性欲を吐き尽くした後。  
満足そうに、素裸でぐーすか眠る陽華を尻目に、俺は深い後悔と共に頭を抱えていた。  
挿入出来ないから仕方がないとは言え、オーラルセックス連続4回は余りに不健全すぎる。  
いや、実の妹に手を出している時点でこれ以上ないほど不健全ではあるのだが。  
このままでは、いずれ後ろの穴にまで手を付けかねない。  
「……父さん母さん兄さん、ごめんなさい。  
俺たちは、どーしよーもない変態のようです」  
パイプカットでも考えてみようか。  
深い溜息と共に、独身で安全な手術を受ける方法を検討してみることにした。  
精液まみれになった陽華の顔を、起こさないようにそっと拭いながら。  
 

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