キーンコーンカーンコーン…お決まりのチャイムがなった。  
『6時になりました…学校に残っている…』  
生徒への下校を促す放送が微かに耳に入る。  
薄暗い放課後の図書館。室内は差し込む夕日に赤く染まっていて、起きぬけでぼんやりとそれを眺めていた僕は秋が目の前に来てることに気がついた。  
僕、大友文吾(おおともぶんご)は歳は16、クラスに必ず1人はいる目立つわけでもなく、いじめられるわけでもない、ルックスもごくフツーの男子高校生。特筆すべきことはこの学校では数少ない図書館の利用者だ。  
僕の学校はすぐ近所に県立の大きな図書館があるため学校の図書館はあまり人気がない。  
というか新学期以来ここに僕以外の人がいるのを、1人を除けば見たことすらない。  
しかし、利用者が少ないためかえって静かで良い環境であるとも言えた。  
もっとも僕がしていることは勉強では無く、寝るだけだが。  
僕はゆっくりと図書館を見渡し隅に女の子がいることに気がついた。この女の子が図書館に姿をあらわす僕以外の1人、名前は「立花根多実(たちばなねたみ)」  
 
肩を越す辺りまで伸びた髪は流れるように漆黒、切れ長の瞳は知性と品性を兼ね備え、  
人のものではないようなきめ細かい肌は陶磁器と完璧に整えられた、セーラー服の日本人形のような外見。  
10人が10人とも美少女と言うだろう。中身を知らなければ。  
彼女は超弩級のオカルトマニア。しかも本物。特技は「呪い」らしい。  
噂には声をかけた先輩が次の日に黄色い救急車で運ばれたり、行方不明になったりしてるんだとか…  
今読んでいる本も「アルケミストの秘術」とかなり濃い内容であることを僕は確認している。  
「ふぅ…今日は帰るかな。あの…立花さんは、どうするの?」  
僕は図書館の隅の立花さんに声をかけた。出来たら係わり合いになりたくないが僕は鍵をかける必要がある。  
彼女はゆっくりとこちらを向き、  
「…私は、今日はまだいるわ…」  
と予想外の答え。ここ1週間ほど図書館に毎日訪れ、6時のチャイムと同時に帰っていた。今日はまだ本を読むらしい…  
 
「あ〜なら、僕も残るよ。鍵をかけるのは僕の仕事だし…」  
そういって僕はまた席に座り込んだ。本当は鍵を渡してもいいのだが次に返してもらうのが面倒くさい。今日一日くらいは待ってもいいだろう。  
「…待っててくれるの?…ありがとう」  
そう言って彼女はまた本に没頭し始めた。お礼の時、心なしか頬が染まって見えたのはきっと夕日のせいだろう。  
 
「…大友くん…大友くん」ゆさゆさと身体が揺れている。  
「ん〜?なにさ…」  
寝起きのはっきりしない頭でゆさぶる手を払う。  
「きゃっ!」  
…ん?なんで女の子の声が…  
不思議に思って声の方をみると、立花さんがしりもちをついて座り込んでいた…いつの間にか寝てしまって隣に来たのに気がつかなかったらしい。意外に白。じゃなくて!  
「ゴメン!大丈夫!?怪我とかは!?」  
彼女はふるふると首をふる。  
「…ちょっと驚いただけだから…」  
よかった…僕の人生はまだ終わらないらしい。  
 
「…私こそ起こしちゃって…ゴメンなさい…少し…大友くんに…手伝ってほしいことがあるの…」  
「な、なにかな?僕が出来るならなんでも手伝うよ!ハハ、ハハハッ!(だから殺さないで…」  
そう言うと彼女は読んでいた本のページを開いて見せてくれた。  
本にはフラスコに入った小さな人?だろうか?の絵が描かれている。  
「…ホムンクルスを…作りたいから…あの…」  
そこまで言って彼女は顔を真っ赤にして恥ずかしそうに口をつぐんだ。  
「ハハハッ!なんでもするよ、本当に!(だから命だけは…)」  
僕の言葉を聞いた彼女は、  
「…いいのね?…ありがとう」  
そういって嬉しそうに微笑んだ。  
彼女はそっと僕の隣の席に座るとゆっくりと股間に手を延ばす。  
「え、ちょっと!!立花さん!?」  
「…ホムンクルスを創るには…その…男の人の…『精液』がいるの…大友くんには…『精液』を…提供して欲しいの」  
彼女はそっとファスナーを下ろしまだ通常状態の僕自身を学生服のズボンから引っ張り出した。  
 
「た、立花さん…こんな、ダメだよ」  
それを全く無視して根多実は続ける。  
「…私、男の人と付き合ったことなくて…初めてだから…下手だったらゴメンね…」  
 
彼女は床にアヒル座りで座り込み、ズボンから取り出した僕を目線の位置でいじり始めた。  
顔からほんの10cm。根多実の息が直接かかる位置、肉棒は途端に臨戦態勢へと進化する。  
「…わ、大きいし…堅くて熱い…これをどうすればいいの…?」  
真っ赤な顔で僕に訪ねる根多実。でも顔はイチモツに釘づけだ。  
とびきりの美少女がしてくれるって…据え膳食わぬはなんとやら。  
「…まず、握ってもらえるかな?」  
「…こう…?」  
ぎゅっと手の平で包み込むように肉棒を握られる。  
「んっ…」  
想像よりひんやりした手の感覚に思わずうめき声がでる。とパッと手が離れた。  
「…あ…痛かった…?ゴメンなさい…」  
急に手を離された僕は寂しそうにピクピクと脈動し次の刺激を待ち侘びている。「いや、あの、違うんだ。全然痛くないから、もう一度握ってくれるかな?」  
 
彼女はおずおずと肉棒を手の平で包み込むように握った。女の子の割に握力が強いかも…  
「…すごい…手の中でピクピクってなってる…」  
ぎゅっと握られる僕が少し痛みを訴える。しかし与えられる快感は僅かな痛みなど比にならないほどだった。  
「握ったまま、こう、上下にしごいて欲しいな。そうすれば立花さんの欲しいのが出せるから」  
「…はい…」  
僕の顔を見上げで言われるがままに彼女は指を肉棒に滑らせる。  
シュッシュッ…という渇いた音が暗い図書館に響く。「んっ…気持ちいいよ、立花さん」  
ぎこちない動きではあるが一心不乱に肉棒をしごき上げる彼女。  
「…本当に…?…もっと気持ち良くなってね…」  
次第に先走りが漏れ始めクチャクチャ…と濡れた音に変わっていく。  
「…なにか液が…出てきた…精液…?」  
嬉しそうに目が輝く。  
「残念だけど違うよ立花さん。これは先走り。もっと気持ち良くならないと…」  
明らかに落胆した顔を見せた。と思ったのもつかの間。  
「…あ、私いいこと思い付いた…」  
彼女の赤い唇が悪魔のように淫靡な笑みをみせた…  
 
「いいこと…?」  
彼女は嬉しそうな顔を僕の肉棒へ寄せて行き、そして  
チュッ…  
突然彼女は僕の亀頭を吸い込むようにくわえた。  
「うわっ…あっ」  
口に含まれている亀頭にチロチロと舌が絡み付き、その柔らかく熱い咥内につい喘ぎ声が上がってしまう。  
くわえたまま上目使いで問い掛けてくる。  
「…ひもちひひ…?」  
「暖かくて、絡み付いて、気持ちいい…」  
その言葉を聞いた根多実は満足げに微笑む。  
「…よはった…はあっ…もっとするね…」  
そう言って根多実は僕の肉棒を根本までくわえ込んだ。  
「うわっ!」  
チュルッ…チュバッ…  
「…はふぅ…すごい、口に…入らない…」  
吸い込むように肉棒をくわえながら、根多実は頭を前後に動かして刺激を与える。  
「もっと舌が這わせて、舐めて吸うようにして…」  
カリ首のあたりを根多実の舌が締めるように動く。  
ジュブッ…グチュツ…  
卑猥な水音がさらに音量を増して行く。  
「…んふぅっ…せいえき…でそう…?」  
根多実の奉仕のおかげで次第に射精感が高まって行くのを感じて僕は、  
「うん!精液、もう少しで出そうだよ!」  
 
「…だしてください…!」  
そう言うと玉袋を弄りながら根多実は根本から吸い上げた。  
それはもう直前まで昇っていた精液を放出するには充分すぎた。  
「うああっ!イクっ、イクっ…ああっ!!」  
ドクッ!ドクドクッ…  
「ん〜っ!!」  
おびただしいな量の精液が放たれ、根多実の喉に打ち付けられる。  
根多実は驚いたようにしかめ面になったが口を離すと、口に入り切れなかった分が零れ、淫猥な痕をのこした。  
「はぁはぁ…これが…せいえき…なんか…変な味…」口から小ビンへと移し変える根多実。  
「…ありがとう…大友くん…」  
移し終えた根多実はペコリと頭を下げる。  
「あ、いや、そんな全然。僕の方こそ気持ちよかったし…」  
瞬間、根多実の顔が真っ赤になった。照れたように後を振り向く。  
「…じゃ…私…帰りますから…」  
そう言い残して根多実は逃げるように帰ってしまった。  
取りのこされた僕は、半ば悪い…いや、いい夢だったんじゃないかと思って、しばらく放心していた。  
 
 
あの日から1週間後、いつものように放課後の図書館で寝る僕。  
あの日から根多実は来なかった。今では現実じゃなかったような気すらする。僕が寝ぼけて見ただけの夢。  
なんて考えながら寝ていると、何かが僕の指をつついた。  
何が来たんだろうとふと頭を上げると、なんとそこには体長17cmの俺が手紙を持っていた。  
「うわぁっ!なんだよ、これ!」  
思わず大声をあげる。パニックになりかけたがここでふと頭をよぎったことがあった。  
これが根多実の言ってたホムンクルス?  
チビ僕は手紙を開けるように促している。開けてみると、  
「あなたから生まれたホムンクルスで愛の告白をします。よかったら私と付き合って下さい  根多実  
 
PS:付き合ってくれなかったら呪います」  
 
 
 
 
 
了  

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