先日、脱獄があった。
どうやら、エルフの3人娘が逃げ出したらしい。
途中まで、取り調べが進んでいたのだが
どうやら、猫の目盗賊団の首領格の3人組らしい。
そして、ランスロットにまた3人組を捕まえてほしいと、役場から依頼があった。
国王からの依頼でも、騎士隊長からの依頼でもないので、あまり乗り気ではなかったが、とりあえず、調査はすると、路銀だけもらって、彼女らがむかいそうな酒場を調査する。
ま、調査と言っても、酒場をはしごするだけの簡単な調査。
むしろ、飲む為の理由ができたと喜んでいた。
しかし、酒場のはしごを喜んでいたのは、私だけではなく、どうやら、彼女たちも喜んでいたようだ。
まずは、私に復讐戦を挑みたいからのようだが…
彼女らと、『偶然』にも出会ってしまったのは、城から西へ3日ほどの街である。
ちょうど、隣の国の領主との勢力範囲の境目だから、なかなか司法権力が手を出しにくい場所でもある。
まぁ、彼女らは当然、そのあたりを知った上で、そのあたりを根城にしているらしいのだが…
『あ〜ら、ランスロットの旦那、おひさしぶりねぇ』と、声をかけてきたのは、姉さん風のエルフ。
『お久しぶりですね、お会いしたかったです』と、妹風のエルフ。
『お互い、元気そうで、何よりね!』と、幼馴染風のエルフ。
『元気そうだな。ところでお前らの名前を聞いてなかったが、先に聞いておこうか?』
『先もあともないけど、ま、何かの縁だし、紹介するよ』と、姉さんエルフ。
『あたしは、ヒート、姉貴はルーン、妹はアイスだよ』と、幼馴染風のエルフが言う。
『今度は、負けませんよっ』と、アイスと紹介された妹風のエルフ。
『お〜、そーかそーか、確かに3年後だね。覚えていたのか?』
『ええ、この3年間はあなたを倒すことばかり考えていたわ』と、ルーンと紹介された姉さん風エルフ。
『そうね、3年は早いなんて言われたら、3年後に期待しちゃうよね』と、ヒート
『で、どこで勝負するんだい?また、酒場の奥でいいのか?』
俺は、そう言いながらも、店の中を目で物色する。逃げ道、死角、おやじの様子や、店の外の人どおりまで…
しかし、エルフ達も、手なれたものである。
『人間の街じゃ、私たちに分が悪そうだし、森にでも行く?』とルーン
森に入ってしまえば、人間のかなう相手ではないのを知りながらも、彼女らの誘いに乗るか、それとも、なんとか、この場でするかを考える…
盗賊VS怪盗
森の中で、散々なぶりものにされたランスロット。
結局、森の中で3人のエルフを相手するには無理があったようだ。
干からびる寸前のランスロットの前に現れたのは、奇妙な3人組であった。
中央の男は、赤いマントをまとった、やたらに目立つ盗賊(シーフ)、左側には、レザーヘルムを深くかぶった、衣服を黒で統一した射手(シューター)。
最後は、異国風の軽戦士で、やたらに薄着で反り返った片手剣を持った男であった。
ランスロットは、自分の任務を人に任せるのは嫌いだったが、それ以上にあいつらを野放しにするのを嫌った。
結果的に、この3人組に、猫の目盗賊団の3人娘を捕縛するように頼んだのであった…
(注意・ここから先は、キャッツアイVSルパン3世のノリでお楽しみください。)
赤服の男はラパンと名乗った。黒服の男はジダイと名乗った、最後の薄着の剣士はコザエモンと名乗ったのである。
3人に事情を話す。どうやら3人組が狙っているのは、この国の王の冠で、今度の即位30年記念パーティーで国王に恥をかかせたいと、言う噂を聞いたのだ…と
当然、この3人組は、話に乗った。簡単にいえば、3人と国が戦ってる最中に、うまい事美味しいところを持って行こうという寸法だ。
ただ、情報の信ぴょう性が心配だったが…
3人が酒場で計画を練っていたということで、まぁ、納得…か
『よし、ジダイ、コザエモン行くぞ』と言って、3人組は森の中に消えてったのである。
…
『圧勝だったね』とアイスが笑顔で二人に声をかける。
『まぁ、森の中では負けることはないからね』と、ルーン
『それでも、結構頑張っていたんじゃない?』とヒート
『ランスロットかぁ、ヒートにはお似合いだったんじゃない?』と、あっけらかんと言う
『私にハーフエルフを作る趣味はありません』と、きっぱりと断ったが、顔はにやけている。
『あら、まんざらでもないって、かおにかいてあるわよ』と、ルーンも一緒になって茶化す。
『もうっ!』ほっぺたをふくらませて拗ねるヒートであった。
その時、3人が瞬時に、身を低くして振り向きざまに構えた。
『だれっ!?』と3人の声がハモる
『さ〜すが、森の中では無敵だっていうだけあるね、猫の目3人娘ちゃ〜ん』とラパン
『ああ、面白くなってきやがった』とジダイ
『拙者には女を斬る趣味はござらぬ…』とコザエモン
6人の男女が激しくにらみあうのであった…
先に仕掛けたのは3人娘のルーン。
『私があいてよ』と言って、背中のレイピアを抜く。
躍りかかる相手は当然コザエモン。お姉さん風の色気を混ぜて、鋭い突きと、熱い吐息でコザエモンを翻弄する。
いや、剣だけの技術ならば、コザエモンにも及びもしないが、女性を斬れないコザエモンには、かなり不利である。
続いて、アイスが挑んだのはジダイ。
『パパさん行くよ!』ショートソードに精霊魔法を交えて攻撃する。
ジダイは、ボウガンを腰下にだらりとぶら下げて、気配だけを耳で追っている。
精霊魔法もショートソードも紙一重でかわしていく。
『そこだ』と、ジダイがボウガンを放つ。しかも3連射だ。
普通ではボウガンの連射はあり得ないのだが、かなり改良を加えているらしく、3連射して、すぐにまた3本の矢を準備する。
先に放った3本の矢は、アイスの足もとをなめるように地面にきれいに並んで突き刺さる。
『パパと呼ぶ娘は、おしおきだ!』と、言いながら、再び腰下にボウガンをだらりと構える。
『私の担当はあなたになるのね』とヒートが腰を低くして、言うと、言い終わるや否や高く飛び上がる。
『素早いのは、あんたたちだけの専売じゃないんだかんね〜』と言って、同様に飛び上がる。しかも、両手から2本の投げナイフを放つ。
2本とも、ヒートのマントに突き刺さるが、怪我はない。
『なかなかやるわね』とヒート
にんまり笑いながら『ま〜だまだ、本気だしちゃいないさぁ〜』とラパン。
次第に、状況が安定してきた。
最初はお色気に惑わされていたコザエモンも、目をつぶり、片手剣を振るうと、ルーンを寄せ付けない。
『女性を傷つけるのは、拙者の信義に反する。逃げるなら逃げるがいい、拙者は追わぬ!』
といって、ルーンの、鎧の留め具を確実に切り落とし、ルーンのエルフにしては比較的豊満な肉体がさらけ出される。
『また、つまらぬ物を、斬ってしまったようだ…』と、コザエモンに背中を向けて走るルーンの後姿を見ると、剣を鞘に戻した。
続いて、ジダイのボウガンも、だんだん狙いが正確になってきた。
アイスも木の裏から出て来にくくなってきたようだ。
気配をうかがうように、時折顔を覗かしているが、ジダイの気配をつかむまでには至らない。
『なに、このおやじ、けっこうやるじゃん?』と、呟きながら、一度後退する。
最後にラパンに至っては、ヒートの体術を完全にコピーしてついてくる。
もはや、人間の動きではなかった。
常に背後を取られ続けているヒートの息が上がる。
やはり、瞬発力はともかく、持久力では若干人間に劣るらしい。
撤退してきた、アイスとルーンの気配に紛れ込む様に、一緒に引き下がる。
『わたしたち、エルフが森で人間に後れを取るなんて、あいつら何もの!?』とアイス
『どうやら、ランスロットよりも強敵な人間もいるみたいね』とルーン
『ちょっと、油断しただけよ、今度は負けないわ』と強がってみたヒートだが、勝てる見込みがないのは、ヒートが一番わかっていた。
こうなったら、各個撃破ねと、誰ともなく言いだしたのであった。
3対3では勝てないと見たのか、3対1を3回する作戦に変更した。
最初のターゲットは、ジダイであった。
『昼間っから酒場があいているとわ、良い街だ』と、言いながら、酒場でカウンターに座る。
ちょっときつめのアルコールを3杯飲んだあたりで、殺気を感じた。
左右に二人のエルフが座ったのである。
『お強いわね、どう、飲み比べしない?』と、最初に声をかけたのは、艶っぽさのあるルーンである。
『私よりも強いかな?』等と、笑顔で酒を持ってきたのは、ヒートである。
2人か?と思っていたら、最後の一人が、後ろから抱きついてきた。
『ぱぱ、飲みなおそ!』と、そのまま、奥の個室に連れ込もうとしている。
彼女らにとっては必殺の陣形。真向かいにルーン、利き手の右腕にしがみつくようにアイス。左側からしなだれかかってくるのがヒートであった。
『まぁ、美人局もわるくないな』と、まんざらでもない様子で、3人と飲み比べをする。
アルコールに関しては絶対の自信があったのだが、また、睡眠薬位であったら、見破る自信があったのだが…
まさか、媚薬が仕込んであるとは、ジダイも思いつかなかった。
ちょっとばかり、自分の妄想に入りかけ、打ち消したあたりで、ふと気づいたら、にっちもさっちもいかない状況だった。
どうして、こうなったのかわからないが、上半身ぐるぐる巻きに縛られていたのだ。
『あは、ぱぱさん、あっけなかったね〜』とアイス
『ええ、鼻の下をのばして、何を考えていたんだか…』と、意味ありげにルーン。
『あ〜あ、おっきくしちゃって、可哀相に…』と、ヒート
『ぱぱさん、可哀相だから、一回抜いてあげよ〜か』と、けらけら笑いながら、アイスが言う。
そして、無言のまま、ルーンとヒートがズボンを脱がす。
『お、おい、やめろ。そんな趣味はねぇ』と、たじたじだったが、結局、媚薬のせいとは言え、アイスの口であっけなく逝かされてしまったのであった。
『くっ、ざまぁねぇ…』その後、スリープの魔法をかけられて、さらに奥の彼女らの部屋に連れて行かれた。
『あはは、らくしょ〜』と、白濁液をぬぐいながら、アイスが笑って言う。
『次は、うぶな剣士さんかしらね』となにやら、怪しげな笑みを浮かべるルーン。
『サッサとかたずけちゃいますか』と、ヒートがしめるのであった。
次のターゲットはコザエモン
女性が苦手らしく、うまく捕まえれば、楽勝とみられていたのだが…
しかし、なかなか捕まえれない、どこに行ったのだか…
あちこちの情報で、どうやら滝に打たれて修行をしてると聞き、森の奥にある、滝を目指す。
すると、彼はいた。薄着を脱ぎ去り、腰巻きだけで滝に打たれている。
エルフから見たら、水の精霊と交信でもしているのか思えたが、どうやらそうでもないらしい。
早速、3人は薄手の布をまとい、コザエモンを誘惑する。
『お強いお兄さん、お久しぶりっ』と色っぽくも、艶っぽい声でルーンあいさつをする。
目を開きもせずに『また、お主らか。怪我しないうちに、去るが良い。』という。
しかし、これ位で、くじけることはない。ルーンが先日の逆襲とばかりに積極的に攻める。
『あ〜ら、冷たいのに、すごいわね』と、すり寄っていくルーン。
ちらりと、ルーンを見ると、薄布が水に濡れて、すけすけなのが、なまめかしい。
こほんと咳払いをすると、『女性が、こんなところで、肌をさらすものではない』と、たしなめるが
もちろん、聞く気はさらさらない。他の2人も加わってくる。
『あは、つめた〜い』とアイス。『これって、何を鍛えてるの?』とナニを妙に強調するのはヒートだ。
瞬く間に、3人に囲まれた。もはや、蛇ににらまれた蛙状態であった。しかし、股間の蛇は鎌首をもたげてきてるのを、3人は本人より早く気づいていた。
ヒートが、コザエモンの乳首をコネコネして、ぼけっとさせる。
ルーンは、熱く、甘い吐息を耳元で投げかける。これで、顔が真っ赤になっている。
そのすきにアイスが片手剣をおさえた。もはや反撃すらできない状況であった。
『せっかくの、ついでだし、気持ちよくさせてあげるね』とルーンが言って、ヒートとアイスが腰巻をほどく。
『あは、冷たい中で、ここだけ、こんなに熱くなってる』と、アイス。
『こっちの剣術の修行もお願いしてみましょうか?』とヒート。
『まぁ、素敵』とルーンがうれしそうに、口に含む。
『うっっく、よせ。やめ…ろ……っうっ…』と、あっけなく果てるコザエモン。
二人に支えられるように、かっくりとひざを折り、肩を落とす。
狩られたイノシシのように、両手足を縛られて、肩掛け棒を通して、3人に運ばれていくのであった。
『うぶなおとこって、可愛いわね』とルーンが先日の仕返しとばかりに、コザエモンに囁きかける。
真っ赤な顔をして、『無念』と、呟いて、運ばれていくのであった。