『最近、人間学では、【萌え】というのが流行っているそうだ。実に、面白い、私もやってみる事にしよう。』  
そして、色々な本を読みあさって、出てきた彼女の答えがこれだった。  
『ふむふむ、私で出来そうなものは…』  
彼女の選んだのは、『ツンデレ、僕っ娘、メガネ娘、貧乳娘、ツインテールに、妹?、セーラー服、それにメイド服も捨てがたいな…  
あとは…』  
そんな恰好で、町に繰り出したのであった。  
『おじょうちゃんどこに所属してるの?』  
『所属?僕にも、そんなの、わからないんだからねっ』  
なんだか不思議な会話であるが、何が受けるかわからないのが、アキバという街であった。  
『へっへっへ〜、お兄ちゃんと遊ぼうよ』  
『お兄ちゃんなんて、知らないっ!』  
ふぅ〜、なんだか、やっぱり、慣れないことをやるのは疲れるわね。  
30分程度で、彼女の精神力が力尽きた。近くの酒場の奥で、着替えをして、本の姿に戻る。  
『うひゃ〜、エルフ娘萌え〜』  
『結局何でもいいのかよ。勝手にしろよ』  
『をを、男口調萌え〜』と、別の男  
『知るかこの馬鹿!触らないでよ』  
『にゃに、ツンデレ娘の長耳娘ではないか、萌えぇ〜〜』  
どんどん、わけのわからない人間が集まってくる。  
何を言っても、『萌え〜』と集まってくる、まるで邪教の集団の教祖にでもなった気分だ。  
『あ、きみきみっ』声をかけてきたのは、周りに集まる人間とは、一風変わった人間だった。  
なんだろうと思って、その男に耳を傾ける。  
『無許可での集会は違法なんで、詳しくは署で話を聞こうか。こちらに来なさい』  
 
ああ、何にもしていないのに、捕まってしまった…  
 
でも、取り調べて、耳をとれだとか、むちゃくちゃ言うので、ついつい、魔法をぶっぱなして、自分の妖精界に帰ってしまいました。  
すみません、先日の火事は私の責任です。  
でも、近くに森もなかったので、よかったよかった…  
 
〜〜エルフ教授のアキバ探検記より抜粋〜〜  
 
 
 
先日はえらい目にあったので、今度は、おとなしい格好をして、探索してみよう。  
耳が目立つとえらい事になるから、帽子を深くかぶって…  
きれながの瞳も、目立つかもしれないから、伊達眼鏡でごまかして。  
身長が小柄だから、メガネと野球帽だったら…やっぱり短パンかな。  
これなら、人間の少年みたいな格好だから、大丈夫かな…  
あとは、この胸だが…ちょっときつめに布を巻いて、大きめのシャツを着たらばれないな…  
でも、シャツでもばれない胸は、人間から見たら、どう見えるんだろう?  
 
そんな感じで、いつものように、妖精界の扉を開けて、アキバの街中に出撃する。  
 
それでも、目立つのか、早速声をかけられた。  
ナップザックと二つの紙袋、それにかわいい感じの女の子の描かれたシャツ。小太りな感じで、もさっとした髪の毛。  
(これが、オタクという種族なのね?)  
『きみ、それ、何のコスプレ?』  
『え?わた…僕に聞いてるの?』  
『うん、可愛いんだけど、僕の知らないコスだったから、気になったんだよ』  
『おにいちゃんには、関係ないでしょっ!』  
私が、おにいちゃんと言った瞬間に、数十の視線を浴びた…気がした。  
怪しげな気配が、私を包み込む。  
『わた…僕の勝手だよ!』そう言って、その場から離れようとした。  
しかし、私は離れたのだが、気配が付いてくる。  
街の酒場…いや、喫茶店で休憩でもしよう…  
店に入ると『おかえりなさいませ、ごしゅ…おじょ…??』  
途中で止まってしまい、こっそり耳打ちするように『あなたは、男の子?女の子?』と聞いてきた。  
(ここで、女の子とは言いにくいが、嘘をつくのもなんだか嫌だな…)  
『ん?言いにくいの?それじゃ、女の子の設定で続けるね』と、勝手に話が進む  
再度『おかえりなさいませ、おじょう様』  
あはは、こんな小娘にお嬢様と呼ばれるのも面白いな、と思いながらも、紅茶を注文する。  
給仕の小娘は、我々の国の人間の街で見かける上流階級の住込みみたいな服装をしていたが、なんだか、雰囲気が違う。  
我々の国と、服装は同じだが、必死さが感じれないように、感じた。  
店を出る時に『行ってらっしゃいませ、お嬢様』と言われたときには、(もう来ないよ)と思いながらも、適当に愛想を振りまいて、店を出てきた。  
私が出た後は、会計が大混乱していたが、気にしないで、街中に出る。  
なんだか、喫茶店の人間も同時に出てきて、私のいく方向についてくる。  
私は、この先に何かイベントでもあるのかと思い、普通に歩いていくと…  
私の聴覚がとんでもない事を捕らえた  
『…もしもし、おれだけど、アキバで、むちゃくちゃかわいい、僕っ娘を発見した…』  
(やばい、ばれてる?)  
『…祭り状態で、みんなが追跡してるみたいなんだが、お前も来るか?写メ?ん、送れたら送るよ…』  
(どうやら、私がイベントの対象だったとは…)  
仕方なく、振り返り『どこまで僕に付いてくる気だ?』とちょっと強く言ってみたら  
『をを、つんとした感じが、すっげぇ〜萌え〜〜』  
(ああ、また萌えだ…)  
振り返った私に、何度も何度もフラッシュを浴びせる。  
(うわ、下手なライトの呪文より、よっぽど目にくるね)  
目眩がして、ふらつくと、すぐに先頭にいた数人が倒れないように、支えてくれる。  
『ありがとう、おにいさん』  
『気にしないでいいよ、疲れてるみたいだから、少し休める所に行こうか』  
そう言って連れて行ってくれたのは、大きめの部屋の休憩室だった。  
カラオケの店というところらしいが、予習してなかったので、何をしたらよいのかわからないでいた。  
大きい部屋だったが、10数人の男達が看病しますと、ついてきた。  
『別に、僕について来なくたってかまわないんだからっ』と言ったのに、こんな人数がついてきたのにはびっくりした。  
なんと、献身的な人間の集まりなのだろうか…  
こいつらの事なら、ある程度信じても良いみたいだな…  
そう言って、疲れからか、軽い眠気に襲われ、その、眠気に身を任せた…  
 
〜〜エルフ教授のアキバ探検記・オタク集落への招待〜〜より抜粋  
 
 
前回のあらすじ  
カラオケボックスで、色々な人間界の毒気にあてられて、少し弱っているエルフ  
それを、十数人のつわもののオタクに囲まれて、さて無事に妖精界に帰ることはできるのだろうか!?  
 
『ぼく、少し休ませてもらうね』といって、目をつむった  
そして、十数人の男どもの作戦会議が始まる。  
どうしたら、このエルフを自分の好みにするか、みんなが楽しめるか、ということに落ち着いてきた。  
フリーター24歳男性(都合により音声を変えています)『いや、なかなかこれだけのポテンシャルを秘めた女性はいませんよ。ほんとだったら、俺一人で占領したいし。可能であるなら、そのまま、俺の部屋で飼いたかったですね』  
会社役員56歳男性(都合により音声を変えています)『金に糸目はつけないね、妻子にばれないで愛人にできるなら、財産の半分をなげうっても構わんよ』  
元派遣社員32歳男性(都合により音声を変えています)『いや〜、仕事もなくなっちゃったし、もう、どうにでもなれって感じですね。で、このチャンスに恵まれたわけですよ』  
高校生17歳男性(都合により音声を変えています)『いやあ、クラスの女の子よりも全然可愛いですね。あんな人となら、ずっとお願いしたいですね』  
 
さて、一部抜粋してお届けしてますが、このような男性陣を相手に、どうなるのか!?  
以下続く?  
 
誰かが言った『苦しそうだから、邪魔な洋服を取って、楽にしてあげたらどうだろう?』  
少しもめたが、ソックスとスカーフはとらない、というあたりで、紳士協定が結ばれた。  
会社役員風の男が『苦しそうだから、緩めてあげるね』と彼女に囁きかける。この人たちを信頼している彼女は、深く考えずに頷く。  
了承が下りたとばかりに、みんなで彼女の事を楽にしてあげようとする。  
特に、胸にきつく巻いた布は、とるときに反対派が現れたのだが、一番の目的は、彼女を楽にしてあげることだと、説得すると、仕方なく納得したようだ。  
5分もたたないうちに、彼女は、ソックスとスカーフだけの全裸になっていた。  
帽子ももちろん取ってあるので、長い耳もみんなの前にさらされている。  
 
人間の女性に比べて、ややスレンダーな印象を受けるが、発育途中の女学生と比べたら、何のそん色もない。  
むしろ、ここに残った人物はアンチ巨乳党の人が多かったようだ。みんなから絶賛されているが、本人はそんなことは知らない。  
『人工呼吸をしてあげましょう』と高校生風の男が言った。  
皆から称賛を受けて、彼女にまたがり、胸を押す、と言うより、胸をもみしだいていたのだが、誰も突っ込まない。  
『それでは、私の方も協力いたしましょう』と、フリーター風の男が、彼女の口に口を重ねて、人工呼吸のまねごとをしている。なぜ舌を絡ませようとしてるのかは、無論誰も突っ込まない。  
『だいぶ汗を書いているみたいなので、お絞りで拭いてあげましょう』と、提案したのは、元派遣社員の男性で、太った身体は、むしろ自分を先に拭いた方がいいのではないかと、思えるのだが、誰も突っ込まない。むしろ、それでは、我々もお手伝いしましょう。  
と、7人くらいの男が、おしぼりをもって、彼女を丁寧に拭っている。  
提案した男は、役得とばかりに、両方の胸に開いたおしぼりを当てて、普通に胸をもみしだいている。  
もう一人役得を受けたのは、会社役員風の男だ。彼は、彼女の股間のあたりを丁寧に拭う。  
そして、『このままでは、脱ぎきれないので、私の特技を使って、拭ってあげましょう』と言うや否や、いきなり、彼女の股間に顔を寄せて、両手で彼女の股間を開き、舐めはじめたのであった。  
何も知らない人が見たら、輪姦かレイプかってな、惨状だが、相手が人間でない場合は、どのような犯罪になるのだろうか?  
会社役員風の男は、彼女の股間を丁寧に舐める。やはり年の功というやつだろうか、ねちっこいのが得意と言うか、彼女の身体がほんのりピンクに染まってきた。  
しかし、エルフの眠りは、人間以上に深いのか、目を覚まそうとしない。  
 
このあたりで、会社役員風の男以外は、一度全員が彼女から離れる。  
そう、だれが、最初に彼女とやるかという問題で議論をはじめていたのだ。  
舐めている男は、舐めていること自体で満足しているのか、『それでは、準備ができましたらお呼びいたしましょう』と、譲るつもりらしい。  
 
さて、彼女の運命やいかに…  
 
〜続かなかったりする〜  
 
〜エルフ教授のアキバ探検記・史上最大のピンチ前篇〜より抜粋  
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