知り合いに、グルメなオーガーがいたのだが、そいつは、エルフは野菜といって、はばからなかった。  
そんな奴が、俺にお勧めだと、教えてくれたのが、エルフを香辛料で食べるのが良いという話だ。  
どうやら、生エルフ(やつは、こう表現していたが、生きたエルフという意味らしい)に香辛料をまぶすと、肉がさらに柔らかくなって、美味しいというのだ。  
俺は、人間なので、エルフを食べるという習慣はないが、エルフに香辛料をまぶすというのには、えらく興味を持ったのを、ふと思い出した。  
なぜ、いきなり思い出したのかって?  
そういう状況になったら、いやでも思い出しますよ。  
なにせ、縛られて、自由にしていい、エルフのスパイが目の前にいるのですから。  
エルフのスパイのスパイスまみれ  
などと、くだらないジョークを思いついたが、言うのが恥ずかしくて言えなかった。  
しかし、頭の中で3回繰り返してみたら、みょ〜に面白くなってしまった。  
どうやら、疲れているようだ。  
しかし、これは、相手に対しての心理効果は抜群だったらしい。  
そりゃそうだ、暗い部屋に人間の男と二人っきりの状態で、しかも、自分は椅子の上に縛られている。  
おまけに、人間の男は、何やら、怪しげな含み笑いを続けている状況。  
近い未来を想像するだけで、なんだか気の遠くなる状況であった。  
男は、いきなり、何かを取り出した。  
さらさらとする、香ばしい香りの粉だ。  
『これが何か判るかね』  
『へ?…こ…しょう?』  
『そうだ、香辛料だ』  
『???』  
エルフは、香辛料で何をされるのか、想像もつかなかった  
しかし、男は、含み笑いから高笑いに変わって、高らかに宣言した。  
『そう、スパイのスパイス漬だ』  
そういうと、さらに高笑いを続けた。  
エルフは不覚にもふいてしまった。  
そのご、エルフの服をはぎ取り、全身に香辛料を塗りたくった。  
とくに、敏感な部分には、すりこんだ。  
すりこみ終わった頃から、びみょ〜な変化が出始めていたが、今では目に見えて変化した。  
色白なエルフの肌が、全体的にピンク色に変わっているのであった。  
まぁ、香辛料なので、肌を刺激して、全身がほてっているのだろう。  
縛られた縄を身にめり込ませながら、身をよじって、感じているのが判る。  
これは、面白い。しばらく見ていよう。  
エルフは、何かを懇願するかのように、俺を見つめている。  
 
さて、どうする?  
・たたかう  
・にげる  
・もてあそぶ  
・やる  
・にがす  
 
 
捕まったエルフは、香辛料まみれになっている。  
刺激が強いのか、すでに、肌はピンク色に染まって、小粒の汗があちこちに浮いてきた。  
汗で香辛料がとけてしまったのか、余計肌にしみ込みやすくなっている。  
本人の意思とは無関係に全身がほてっている。  
悲しげな瞳で、こちらを見ているが、無論、それに応える気はない。  
『どうやら、だいぶ熱くなっているようだな。』  
というと、うるんだ瞳を、思い出したようにそむける。  
『しゃべってくれれば、すぐに開放しないこともないが、しゃべる気はないんだろ?』  
うつむいたまま、じっとしている。このまま耐えるのもつらいが、簡単にしゃべるのも嫌なのだろう。  
『どうする?しゃべるか?慰めてほしいか?それとも放置しようか?』  
『いっそ、殺せ!絶対にしゃべらない!』  
『ん?絶対なんて言っていいのかな?』  
『っく、きっとしゃべらない!!』ちょっと弱気なのがけなげでかわいいと思ってしまった。  
『それじゃ、しばらく、香辛料を楽しんでくれたまえ』と言って、彼女の前から去ろうとする。  
『…あ、ちょっと待って…あの…その…』  
『ん?きっとしゃべらないはずの事を、しゃべってくれるのかな?』  
もともとプライドの高い種族なので、こんな聞かれ方をしたら、しゃべるとは言えないだろうと、先回りする。  
『っく…たぶん、しゃべらない…はずだ』さっきよりも弱気になっている。長い耳が力なく垂れているのが、わかりやすい。  
陥落するのも時間の問題だなと、内心でほくそ笑みながら  
『…まあ、仕方ない、しゃべる気になったら、声をかけてくれれば良い』と言って、彼女の反論を許さずに、部屋を去る。  
まぁ、実際に去ったわけではなく、彼女の視界から消えただけで、彼女の様子を蔭から見ているのだが…  
相変わらず、我ながらに趣味が悪いなぁ、と思いながらも、身悶えるエルフが可愛い可愛い。  
20分程度の時間をあけて、部屋に戻る。すでに彼女の意識は朦朧としているようだ。  
『どうだい、これくらいでは、我慢強いエルフ族にとっては、まだまだ序の口だろう?』  
と、先に杭を打った上で、『しゃべりたいのかな?それとも、慰めてほしいのかなぁ?』と厭味ったらしく聞いてみたら。  
『…っく…』何も言えない。いうチャンスを奪っているのだから、そんなものだろう。  
『ふむふむ、なかなか我慢強いエルフだね、せっかくだから、僕からもプレゼントをあげようね』と言って、新しい香辛料の袋を見せたところで彼女は落ちた。  
 
さてどうする?  
コマンド  
・  
・  
・  
 
さて、新しい香辛料の袋を見せたら、彼女は落ちた…  
『そ…それは?』と、目を丸くして怯えながら質問する彼女。  
『いやいや、香辛料が気に入ったみたいなので、いっぱい買ってきてあげたんだよ』  
『いやっ、やめてっ!』  
『ん?なに?それが物を頼む態度かな?』  
『やめなさい…っく…やっ…やめてください…』途中から嗚咽に変わっていた。  
『何をやめるんだね?』  
『…お願いしま…す…香辛料だ…けは…許してく…ださ…い』涙をいっぱいためた瞳から、大粒の涙が一筋流れ落ちる。  
不覚にもヒトモドキ(亜人間)が可愛いと思ってしまった。  
『なんでもいたしますから、それだけは許してください…』と、一度壊れた堤防は何の役にも立たなかった。何度も涙が床に落ちる。  
『わかった。ならば、これでやめよう。まずは、名乗ってもらおうか?』  
私は知っていた、エルフが名乗った時は、その人に対して隷属を認めるということだ。  
『ミルフィーユ』と名乗った。お菓子みたいな名前だったが、実際にでき上った彼女の身体もお菓子みたいに甘いんだろうと、思った。  
『本来であれば、これから、ミルフィーユの部族の場所やら人数やらを聞きださないといけないのだが…』  
と、咳払いをして『ちょっと、私は疲れたようだ、休憩の後に尋問し、すべて聞き終えたら、処刑となるだろう。』と言って、席を立つ。  
さりげなく、彼女を拘束している錠のカギを椅子の上に置いておく。  
また、しゃべりはじめた彼女に対して、一度縄は外しているので、彼女の意志があれば逃げれるはずだ。  
およそ、10分後に非常ベルが鳴り響く。  
あわてて、部屋に戻ると、研究室の一角の窓が割られ、一人のエルフの娘が逃亡したようだ。  
『あ〜あ、始末書かな』と、呟きながらも、後悔はしていなかった。  
そのあと、役場の偉い人が来て、散々怒られ、減棒と謹慎を命じられて家に帰る。  
 
家に帰り、一人で、食事やらの準備をしていたら、窓に何かがぶつかる音が聞こえた。  
半ば予想がついたが、そっちの方に出てみる。  
やはり、彼女だ、ミルフィーユだ。  
すっとぼけた感じで、聞く『どうしたんだ?慰めてほしいのか?』  
『…マスター(ご主人さま)がそれを望むなら…』  
やはり、隷属してしまった彼女には、屈辱的な回答しかできないようだが。  
『べつに、それはそれで構わないが、俺が聞いているのは、何が目的だ?と、聞いているのだ。』  
『命を助けられた礼だ。このまま逃げ去ったら、エルフは恩知らずと思われるから…』  
なかなか、けなげな回答だ。  
『ここにいると、また捕まるぞ?』  
『礼だけしたら、森に帰るつもりだから、大丈夫です。』  
『ふむふむ、ならば、どんな礼をしてくれるのかな?』  
『マスターが望むことなら何でも…』  
『ほう、ならば、俺をエルフの村に連れて行け…と言うのは、どうだ?』  
『マスターが、望むなら、案内いたしましょう。明後日の晩に迎えに来ます。人間界に未練の無いようにしてください。』  
『どういうことだ?』  
『今回を機に、エルフの村は人間たちへの扉を閉じます。早くても人間でいう50年はこちらに戻れなくなってしまいますから…』  
『それは、無理だな…ならば、俺と旅に出よう。ここにいたら、確実にお前の命が狙われるからな…』  
『判りました。それでは、街の出口で待ってます。街を出ましたら、最初の森の入口で私を呼んでください。』  
と言って、彼女は背を向ける。  
『何か、用意するものがあるか?』  
『マスターの旅の準だけで結構です。私の方はいつでも出発できます』  
『判った、それでは、明後日にでも出発するか…』  
『…あの、その…』なんだか、何かを伝えたそうにしているが、もじもじしている…  
『ん?どうした、何か、言いたいことがあるのか?』  
『…で…できれば、香辛料をお持ちいただけたら…』ここまで言うと、彼女は顔を赤らめて、うつむいてしまった。  
『あはは、香辛料が気に入ったのか?さっき買いすぎたから、好きなだけ持って行ってくれ。』と、部屋の中に誘導する。  
うつむいたまま、部屋に入ってくるミルフィーユ。赤らめている顔が可愛い。  
『なんだったら、いま、香辛料をぬってあげようか?』と、冗談っぽく声をかける。  
『…お…お願いいたします…マスター…』そう言って、服を脱ぎはじめた。  
おいおい、本気かよ。  
そして、昼間の続きがはじまった。  
昼間と違うのは、彼女に自由が与えられたことと、彼女の心が縛られていることであった。  
いとおしさを、込めながら、彼女の身体全体に、香辛料をすりこむ。  
昼間、十分に満足感を与えなかったせいか、すぐにピンクに染まる。  
足を開いて、くねくねしだす。すでに彼女の方の準備は整ってしまったようだ。  
ぬらりととろみがかった、液体が既に広範囲で広がっている。  
さりげなく『もっと、香辛料を追加しようか?』と、聞くと、ピンクに火照った顔を更に赤らめて、こくりと小さく頷く。  
自分から、おねだりするのが、恥ずかしかったのか、すぐにそっぽを向いて、目をつぶっていた。  
俺の方も、彼女の可愛さについつい、下半身が反応する。  
それを見た、彼女が、『マスター、…私にもさせてください…』と、消え入りそうな声で、言う。  
身体を動かすのもけだるそうな彼女の為に、自分で、彼女の前に移動する。  
そして、とりだすと、愛おしそうに、俺自身に頬ずりをして、両手で包み、口に含む…  
ついつい、気持ち良くて、彼女の頭をなでる。  
彼女は、ひなたにいる猫のような感じでゴロゴロとのどを鳴らして喜ぶ。  
まるで、可愛いペットのようだ。  
 
しばらく、彼女の好きにさせていた。  
なでたり、なめたり、いとおしんだり…  
そして、彼女から言わせることにした。実際にその通りになった。  
『マスター…そろそろ、私にも…、…マスターを頂けますか…』やはり、自分からこんな事を言うのは恥ずかしいのだろう。  
やはり、目をそらしながら、うつむき加減で、すべてを言いきると、足を開き、手を伸ばし、指でさらに開く。  
すでに、香辛料のせいか、真っ赤にはれているというか、熱くなっている。  
とろとろととろけ出しているかのように、潤沢に潤っている。  
彼女の、依頼通りに、まっすぐに進み、まっすぐに突き刺した。  
『ひゃぁぁぁぁううぅん…』痛さより、異物感にびっくりしたような声だった。  
 
結局、朝までの時間に彼女の中に4回、彼女の口に2回放出し、翌日は、半日ふとんの上から動けなかった。  
午後は、旅の準備をしたが、荷物の2割がなぜか香辛料だったそうな。  
市場からの帰り際に、役場で辞意を伝え、家に戻る。  
出発は、明後日の未明なので、今晩の出発になるだろう。  
準備は整った。  
香辛料で汚れたシーツだけは、洗って、部屋の中に干しておいた。  
そして、ミルフィーユとの旅がはじまるのであった。  
 
〜〜エルフと香辛料・出立編終了〜〜  
 

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