俺の右横にはナイトガウンを着た少女が緊張した面持ちでベッドに腰かけている。
ナイトガウンはピンクの可愛らしさと色っぽさがうまく調和したデザインだ。
ふくよかな胸元には深い谷間が、先端には桜色の小さな膨らみがかすかに透けて見える。
ゆたかな胸とは裏腹にほっそりとした腰のラインと、むっちりとしたお尻の曲線がなんとも艶っぽい。
滑らかなふとももと足のラインもなんとも美しい。
顔立ちもぱっちりとした二重の瞳が可愛らしい美少女だ。
幼さの残るふんわりとした頬が、緊張と恥ずかしさで真赤に染まっておりなんとも愛らしい。
肩よりやや下まで延びたややウェーブのかかった赤毛の髪の毛も魅力的だ。。
右手を彼女の肩にかけてそっと引き寄せると抵抗せずに体重をこちらにかけてくる。
キスをねだるかのようにわずかに開かれた形のいい唇に思わずむしゃぶりつきそうになるのをこらえ、予め用意していたセリフを口にした。
「ふ、君の瞳は輝く星空よりも美しい……」
「……」
「バラの花よりも艶やかなるその唇……、まるで僕を誘っているようだ……」
「……」
「その美しさはもはや罪だ……、地獄の……地獄…」
「地獄の魔王といえども」
「そ、そう、地獄の魔王といえども、って、これ、ねえ、?」
「もう、なに言ってるの…、女の子にとって、初めてっていうのは本当に大切なことなんだよ?
心と心のつながりを求めて、丁寧にやさしく、愛情を込めてあげないと。女の子はとっても繊細なんだよ?」
「いや、さ、それは確かにそうなんだろうけど、その、そもそも、ね、根本的なとこに突っ込んでいい?」
「まあ、突っ込むだなんて、私に!?」
「いやそうじゃなくて今のは、問いただす、という意味の慣用的表現だから。そもそも、なんで、姉上がここにいるのかってことだよ!」
改めて今の状況を整理してみよう。
俺の名はケイル・ベル・ローズ。年は18歳。性別は男。趣味は武芸一般。特技は土の匂いと味で農地特性が分かること。
昔は偉大だったらしいが今は没落した田舎貴族ローズ家の二男坊にして次期当主でもある。
本来なら長男のガル兄上が家を継ぐはずだったのだが、野心に溢れる長兄は田舎でくすぶってられるかとばかりに
家を出てザギ帝国皇帝家直属の親衛部隊隊長となった。
ローズ家に伝わる秘術、ネクロマンシーや幻影や再生や火炎弾が使える兄上ならきっともっと上を目指せることだろう。
一方、俺は3人に分身できる代わりに身体能力も3分の1になる分身能力しか使えないので大人しく田舎でのんびりいきる道を選んだ。
まあ、野心もないし、帝都に出て政治抗争に巻き込まれるのもごめんだ。
狭いながらそれなりに豊かなローズ家の所領でインフラ整備と農地開拓でもしながら生きていくのが俺には似合ってると思う。
それはそれで大変なのだろうけど。
俺のことはそれくらいにして、俺の隣に座っている少女のことだ。
名前はミズカ・アル・ディーン。年は17歳。性別は女。趣味は花を育てること。特技は歌と竪琴。
ローズ家の隣の田舎貴族ディーン家の末娘。
周辺地域の重要な水源であるディーン湖を持つディーン家と、優れた農地開拓技術と治水技術を持つローズ家が血縁を結ぶこととなり、
次期当主である俺にあてがわれた許嫁、というのが表向きの立場だ。
実際は、もともとディーン家とローズ家自体が親しかったことと、俺とミズカが幼いころから仲が良かったことから、
せっかくだから俺達をくっ付けてついでに家もくっつけてしまえという、貴族というよりは田舎の農家的な考えで結婚が決まったというところだ。
形の上では政略結婚ではあるが、そういったあらましなので俺達の婚約はすんなりと受け入れられた。
むしろ彼女の両親から「孫はまだかね?もしかして体になにか問題が?」と真顔で聞かれたくらいだ。
なまじ小さなころから仲良くしてきただけになかなか一線を越えられなかったのだ。
そして、必死で気力を振り絞り、ついに初めてミズカをベッドに誘ったのが今日だった。
ミズカも恥ずかしがりながらもシャワーを浴びて、今日のために用意したという下着とナイトガウンを着て俺のもとへ来てくれたのだが。
そこまではいい。だが問題は、ミズカの右隣で彼女の手を握っている女がいることだ。
白いバスローブを着た黒髪の女性。
名はエリザ・べル・ローズ。年は20歳。性別は女。趣味は恋愛小説を読むこと。特技は古今東西の歴史や古典に深い見識をもつところ。
名前から分かる通り、俺の姉だ。肉親の俺が言うのもなんだが端整で知的な顔立ちで、どこか神秘的な美しさがある美女だ。
体付きはミズカをグラマラスとすれば彼女はスレンダーといったところか。ただし胸もお尻も平均以上ではあるけど。
ただ、幼いころから病気がちで本を読んでばかりいたせいか頭はとてもよく教養もあるのだがどうにも天然ボケなところがある。
包容力があり、面倒みのいい性格で幼いころの俺の(主に精神的な部分で)面倒も見てきたためかどうにも俺に対して過保護なところがある。
ミズカとも実の姉妹のように仲がいい。
決して嫌いではない、むしろ大切な存在なんだが、
「だからって、ミズカとの初夜にまでついてくることはないだろ?」
「ケイル?まだあなたたちは結婚してないんだから、初夜っていう言葉は使わないわよ」
「それに、あの恥ずかしい口説き文句、いったいなんなんだよ」
「まあ、お姉さんが一生懸命、古典の名作から考えたロマンチックなセリフなのよ。あんな棒読みじゃなくてもっと心を込めなきゃ。ね、ミズカ」
「いや、ミズカも別に姉上に付き合わなくていいからね?」
「え、もう言って下さらないのですか…?」
「って、そんな残念がらなくても……」
ミズカものりのりだったのか!?たしかに夢見がちなところがあるとは思ってたけど……
「ほら、ミズカも残念がってるわ」
勝ち誇る姉上。
「ああ、もう、セリフはともかくとして、姉上が見てる前で、その、そういう行為をするって、おかしくない?」
「……そ、そうかしら?でも昔は貴族の夜の行為は、衆人環視が当たり前だったっていうし…」
「いや、今はそんな時代じゃないし、それに改めて恥ずかしくなるんなら初めからやめようよ」
「で、でもね?でもね?あなたは次期当主として、きちんと子作りができるかどうかは大切なことなのよ?
それにこういう行為はこれからの夫婦生活にも関わってくるっているし、あなたたちが上手くできるかお姉さんは心配で心配で……」
「むしろ姉上に見つめられてたらうまくいくものもいかないよ……」
主に俺の下半身的な問題で。肉親に観賞されながらするなんて、どういう羞恥プレイだよ…
「そんな……ケイルが私をうとんじるなんて、嘘よ、こんなの…うう、しくしくしく…」
ここで泣かれても…
「待って、ケイル!」
「ミ、ミズカ?」
「エリザお義姉さま!私は構いませんわ!」
「え?」
「まあ、ミズカ、本当?」
「はい。そ、その私、子作りは初めてですし、行為については座学で知ってはおりましたが、ケイルのことは好きですけど、うまくできるか不安でした。
でもお義姉さまが手をつないで、大丈夫よ、と励ましてくださったら、不思議と不安が晴れていったのです」
「まあ、ミズカ……、正直なところ、私もこのような行為は座学でしか知りませんが、ケイルのことでしたらなんだって知っていますわ。
あなたたちの今日の服を用意したのも私ですし。さ、ここで見守ってあげますから、不安がらないで、落ち着いてするのですよ」
「はい、エリザお義姉さま…」
まるで聖母のような慈愛に溢れた顔で微笑む姉上。確かにその笑顔は見ているものの不安を取り去り、やさしく包み込むような愛に溢れていたけど。
「あの、でも、いや、なんか間違ってない?」
「あの、ケイル、やさしく、お願いします…」
「さ、ケイル、ミズカを抱きしめてあげなさい」
「……、まあ、いいかな…」
目を閉じて体重をかけてくるミズカの体を見ているとどうでもよくなってきた。
姉上に気を取られていたが、そもそも今となりにいるミズカは半裸に近い格好なのだ。
ついでに言うと姉上もバスローブ一丁で、たぶん下着も付けていないようだが。
体に伝わってくる彼女の柔らかさと甘い匂いに思わず陶然となってしまう。
思わず唇を押し付け、舌をさしこんだ。
「ん…、はあ…」
ガウンをはだけ、乳房に直接触れると柔らかく吸いつくような滑らかな感触に夢中になる。
できれば、俺のも触ってほしいところだけど……
そう思っていると、俺の下着に手を触れ、あろうことか、さらに手を入れて直接握ってくる!
そんな、なんて積極的な…
あれ?でも、ミズカの手は俺の背中に回されてるよな…
「ふふ、たしかこうだったかしら」
あ、姉上!?キスの最中でよく分からないが姉上が俺の後ろに回り、股間に手を入れて直接握っている。
「ええと、ケイルったら確か一人でするときはこうしてたわよね…」
身動きを取ろうにもミズカに抱きつかれて動けない…
そうこうしている内に、姉上は手際よく俺のズボンと下着を脱がし、後ろから抱きつきながら怒長したそれを手でしごいてくる。
確かに小さい頃から着替えを手伝ってもらったりしてたけど、こんな事態は想像もしてなかった。
背中に姉上の柔らかな裸の感触が押し付けられる。
どうしたらいいか分からないままに俺はキスしたままミズカを脱がし、大事な部分に触れた。
「ん、ん〜!?」
驚いたように声を上げつつも抵抗せずにますます激しく唇を押し付けてくる。
同時に全裸であろう姉上も俺の耳を舐め、俺の尻あたりに股間を押し付けてきた。
婚約者と実の姉に挟まれたまま俺は婚約者を押し倒した。姉上の柔らかな手でしごかれて股間のそれはますます硬く大きくなっていた。
そこで姉上は俺から離れるとミズカの横に横たわり、そっとその手を握る。
「ケイル、お、お願いします…」
「あ、ああ」
そしてついに俺は彼女のそこへ入れようとしたのだが…
「あ、あれ?」
「あ、痛ぅ…」
緊張のせいかうまく入れられない。ミズカも痛みに顔をしかめている。
いままでの愛撫で十分に濡れているようだが…、俺自身も初めてなのでうまくできない。…どうすれば…
気持ちばかり焦ってくる。その時だった。
「待って、ケイル」
「姉上…?」
「初夜権って知ってるかしら?」
「え?ああ、確か破瓜の血は穢れだから長老や領主がまず領民の処女を奪うっていう大昔の辺境の風習?」
「ええ。あれは今では蛮行とされているけれど、経験のある異性に初めてはリードしてもらうというのもあながち間違いではないの。
考えてみればあなたたちは初めて同士でしょう?
それならうまくいかない可能性も高いわ。だからまず、ケイル、私と練習を兼ねてしなさい。そうすればうまくいくんじゃないかしら」
「な、なるほど、初夜権云々はバカらしいと思うけど、たしかに練習は必要かも…」
「私相手なら別に問題はないでしょ?」
「そ、そうだよね、姉上なら別に問題もないか…、このままじゃミズカを苦しめるだけだし…」
いったんミズカを離し、姉上を抱え込む。
「あ、あの、エリザお義姉様…、ケイル…?あの、何を…?」
「大丈夫。ミズカを苦しめるようなことはしないから、大人しく待ってて」
「あ、は、はい…」
そして、濡らすために姉上のそこに舌を這わす。
「ん…あ、はあ…」
切なげな溜息をもらし、全身が紅潮する。そして、十分に濡れてきたら改めて姉上の体にのしかかった。
「ね、ケイル、親しき仲にも礼儀あり、と言うわ。初めてなんだからキスくらいしてもいいんじゃない?」
「そ、そうだね」
確かにそうだ。俺は姉上と唇を重ねた。
「ああ、お、お義姉様!?ちょっと…」
ミズカが何か言っているようだが、とりあえず気にしないことにした。
そして…
「ああ、入って…、く、うう」
ついに俺が童貞を捨て去るときが来た。
「う、くっ」
「姉上も、初めてだったの?」
「え、ええ…、そう、よ…」
破瓜の血を流して悶える姉上。だが、なぜだろう。むしろ抱いているというよりは抱かれているかのような感触。
「ふふ、うまくいったみたいね…、ミズカ相手だと過剰に緊張しちゃったみたいだけど、ほら、落ち着けばうまくいくでしょ?」
自分も初めてだというのに姉上は俺をやさしく包み込んでくれる。だからだろう。うまく入れられたのは。
これなら、ミズカともうまくできる。そう、確信していた。
「さあ、出して…」
「う、うん」
うう、気持ちいい…。姉上の柔らかな肉壺の感触にすでに出てしまいそうだ…
気がつけば姉上にむしゃぶりついて腰を振っていた。
悲鳴とも歓喜の叫びともつかない声を上げて姉上の体が跳ねる。
俺も思わず声を上げて、姉上の中に全てを放出していた…
しくしく…しくしく…、うう、確かにお義姉様がいたほうがリラックスできると思ったのは私でしたけど、これはあんまりではないでしょうか……
まさかあそこまできてケイルの初めてをお義姉様に奪われるとは思ってもいませんでしたわ…
というか、ケイルもお義姉様も幸せそうにぐっすりと眠っていて全然起きてくれないし…
うう、初めてなのに…、
「ふ、二人の初体験のはずが、このオチはないです…」
もしかして初めから狙っていたのでしょうか…
そういえば何か大切なことを忘れているような気がしたが、俺は姉上に抱きしめられたまま気力を使い果たしてそのまま意識を手放してしまった…