「あー、暑い……」
「……おい」
「…何よ?」
「お前、仕事はどうしたんだよ?」
「無期限停止中ですが何か?」
「無期限って…お前、契約絶対の悪魔がそんな事言ってどうすんだよ…」
「あ、良いよ良いよ。どうせあたしみたいなサボり魔みたいな奴は
どのみち追放処分されるからどうでも良いよ」
「どうでも良いって、お前なぁ…」
「それにさぁ…あんたの魂をあんな貴族どもにやるなんて、このあたしが許せないからね」
「そりゃどうも…てか、俺なんかで良いのかよ?」
「ええ、このあたしがあんたに惚れたんだ。そのくらいの覚悟でしないとね」
「全く、惚れた女って言うのは怖いな」
「ええ、怖いわよ。同時に優しいものでもあるわ」
「それにしても暑いわ…」
「なんか、涼しくなる魔法でも使えば良いんじゃないか?」
「あ、無理無理。わたしが使えるのは火の玉を一個出せるだけだから」
「………」