夏真っ盛りで暑い今日、1つ年上の日奈子姉ちゃんの部屋のクーラーが壊れた。
「でね、スイッチ押してもうんともすんとも言わないの! 仕舞いには土下座して『クーラー様、動いてください。』って
お願いしたのに動いてくれないの!」
姉ちゃん、それで動いた方が怖いよ。それにその話、午前中から何度も聞いてるし。
「ってことで母さん、娘が可哀想と思ってくれたら新しいクーラー買ってえー!」
「ダメダメ、もったいないじゃない。日奈子があんまり騒ぐからさっき電気屋さんに修理の電話してみたら
忙しくて修理に来れるのは明後日なんですって。」
昼御飯の素麺が並んだ食卓を前に言葉を交わす2人の女。ボクの母さんと姉ちゃんだ。
姉ちゃんがこちらを向く
「恭也、今夜は廊下で寝る?」
「い、嫌だよ! 姉ちゃん!」
我関せずと素麺を啜りながら二人の話を聞いていた僕にいきなり振りかかる恐ろしい提案。
姉ちゃん、目が座っているし。
「日奈子、恭也をいじめるのは止めなさい。それにクーラーは本当は身体に毒なのよ。」
冷え性の傾向がある母さんはクーラーは嫌いだ。
そのため我が家でクーラーがある部屋は僕の部屋と姉ちゃんの部屋だけなのだ。
……ツリ目がちな目をより吊りあがらせて姉ちゃんが僕を睨むのも仕方が無い。
夜、ある程度気温が下がったとはいえ蒸し蒸しとした湿気は中々抜けない。
「じゃあ、僕は部屋に行くから、おやすみなさい。」
リビングでテレビを見ている父さんと母さんに挨拶をして僕は部屋に向かう。
「う〜ら〜ぎ〜り〜も〜の〜」
扇風機の前に被り付くように陣取っている姉ちゃんが、ファンに音を響かせる宇宙人のような声で恨めしそうに言ってきたが
耳に入らなかったことにしてそそくさとリビングを後にした。
ガチャッ!
真夜中、部屋に響く音で僕は目を覚ました。
枕元の時計を見ると午前3時半、弱めだがクーラーがまだ動いている僕の部屋は涼しさに包まれていた。
ベッドの上に座って、僅かな黄色い明かりがあるだけの部屋の中を見渡すとドアのノブが動いている。
そして開かれるドア。その前には姉ちゃんが立っていた。
「はぁ〜、すずしぃ〜。」
気持ちよさそうな声を漏らす姉ちゃん。
弟の僕から見てもドキッとしてしまうことがある凛とした顔立ちを緩ませて気持良さそうにしている。
片手で扉を閉じて、そのまま夢遊病者のようにフラフラと僕の部屋に入ってくる姉ちゃん。
って寝ぼけている!?
薄明かりに照らし出された姉ちゃんの身体。
上は黒のタンクトップ一枚、下は……扇風機の前に陣取っていたときにはショートパンツを穿いていたのに
今は白い下着しか身に着けていない!
思わず固まる僕だが、姉ちゃんは気にした様子も無くこちらに向かってくる。
「わぁッ!?」
そのまま身動きがとれずにいると姉ちゃんは僕にもたれ掛かるように倒れこんできた。
姉ちゃんにのしかかられる様にベッドの上でうつ伏せになってしまう。
僕は夏はいつも寝るときにはランニングシャツとトランクスという下着しか身に着けていない。
そして姉ちゃんは家ではブラをつけない、薄布二枚越しにぷにぷにとしたおっぱいが胸に押し当てられる。
僕が凄まじくエッチな刺激に息を詰まらせていると姉ちゃんが顔を近づけてきた。
透き通るように白い頬、スッと透った鼻筋、半ば閉じられた瞳を縁取るクッキリとした睫毛。
まじまじと見たことのない姉ちゃんの綺麗な顔から目を離せずにいると、瑞々しい口唇が僕の口唇に押し当てられた。
「ふむぅうううッッ!?」
ジタバタと身体を動かすが非力な僕では姉ちゃんを押しのけることが出来ない。
すると姉ちゃんの口の隙間から舌が僕の口唇を抉じ開けて進んでくる。
そして、そのまま嬲る様に姉ちゃんの舌が僕の口の中を舐め回していく。
こ、これはディープキスってやつですか!?
僕の精神が狂乱状態に陥っているうちに舌が抜かれ、姉ちゃんの口唇はそっと離れる。
ちょっとほっとする僕。
だが恐るべき姉ちゃんの魔の手はここで終わりではなかった。
「ひゃうっ!?」
思わず僕は情けない声を上げてしまう。
その理由、姉ちゃんがトランクスを押し上げるように勃ってしまった僕のおちんちんを布越しに摘まんできたのだ。
親指、人差し指、中指と姉ちゃんの右手で摘ままれる僕の亀頭。
熱を持った肉棒がスラリとした指に掴まれるだけで快感を感じてしまう。
「恭也の肌ってヒンヤリとしているのに、ここだけ熱いね!」
ずいぶんとはっきりとした声、見ると顔も笑みを浮かべているし。
姉ちゃん、ひょっとしたら起きているの? それとも暑さにヤラれた無意識の行動?
問いかけようとした僕だが、口から出たのはまたもや情けない声だった。
「はうぅッ!」
姉ちゃんが5本の指で僕のおちんちんを掴んで撫で回し始めたのだ。
自分がやるのとは違う、女性の手で弄ばれる刺激にあっというまに僕のペニスは大きさを増していく。
「――――ッッ!」
そしてあっという間に限界を迎えた僕のおちんちんは精液を噴き上げてトランクスと姉ちゃんの指を汚してしまった。
その瞬間、姉ちゃんは満足そうに瞳を閉じてごろんとベッドに転がってしまう。
仕方なく姉ちゃんの指のベトツキをティッシュで拭いてあげると、トランクスを洗うために部屋から出た。
は、図られた!
僕はトランクスを水洗いして部屋に戻ろうとした。
だが、部屋の前に立った時、瞳に入ってきたのはドアに張られた一枚の紙だった。
『部屋に入ったらどうなるかわかっているよね? ひなこ 』
殴り書きの文。
姉ちゃんのモットーは『有言実行!』、そして高校の空手部に入っている姉ちゃんに中学のコンピューター部所属の僕が
敵うわけが無い。
頭をガクッと垂れる僕、その瞳にノブにかけられた替えのトランクスが映る。部屋の中のタンスから出されたものだろう。
さすがに弟をフルチンで過ごさせるほど姉ちゃんは鬼ではなかったようだ。
そうしてトランクスを片手に僕は占領された部屋の前からすごすごと立ち去った。
彩り豊かな母さん手作りのおいしそうな朝食が並べられた食卓。
だが僕はどんよりとした顔をして椅子に座っていた。
あの後リビングのソファで寝たのだが、暑さ、そして寝るには硬いソファのせいで完璧に寝不足だった。
無理な体勢をとっていたため身体の節々がだるい。
「ん〜っ!おいしいっ!」
対してボクの向かいでコップに並々と注がれたオレンジジュースを飲み干す姉ちゃん。
その顔は向日葵のように晴れやかだ。
「恭也、優しいわね。日奈子に部屋を譲ってあげるなんて。」
姉ちゃんにあること無いことを吹き込まれたのであろう母さん、あの脅迫文も母さんが起きる前に手早く姉ちゃんは処分したのだろう。
「うん、恭也にお願いしたら快く譲ってもらったの! ねぇ、恭也?」
「ムッ――ッッ!」
妙な声を上げそうになって必死に耐える僕。
姉ちゃんが僕に問いかけるのと同時に、机の下の脚が僕の股間を探るように触ってきたのだ。
僕は逆らえず頷いた。
姉ちゃんはコワイ。