さて、今日はとある世界のとある国のとある貴族の家の話です。  
 え? どこの世界かって?んなもんしらねーぜ。  
 あ、いやすいません。だからメイド長さま、ナイフ閉まって…  
 あー怖かったぜ。  
 え?授業?  
 ああ、そうでしたよお嬢様。  
 じゃあ、始めますぜ。じゃなかった始めますね。  
 とある国ではメイドなんて使い捨ての道具でしかありませんでした。  
 この国では権力と金さえあればなんでもできたんです。  
 今から話すようなメイドの不幸は、この国ではそう珍しくも無いこと。周囲は運がなかったと諦めるほどでしたからね。  
 
 
 どこにでもある貴族の家だ。  
 とにかく高価なもの珍しいもので、いかに自らが金を持っているのか知らしめようとするな貴族。  
 今のこの国ではそんな貴族はどこにでもいた。  
 王だってこの事態を知っているだろうに見て見ぬふり。多くの貴族を敵に回せばいかに王といえど、不利なのは火をみるより明らかであったからだ。  
 それがこの国を腐敗させた原因だろう。  
 貴族たちはいかに自分が金をもち、その金で僕を増やし、兵を雇い、力を持っているのか、周りに知らしめた。  
 そう、自分たちの治める土地に住む民が反旗を翻さないためにだ。  
 
 親の行動を見て子供は育つ。反面教師となる場合もあるが、現在のほとんどが親のように子供は育っていた。  
 そうでなかった子供も、徐々にソレを忘れ同じ者となっていってしまった。  
 多すぎる腐敗した貴族。新鮮な心が腐敗するのには、さして時間はかからなかった。  
 腐った果物の中に、新しい果物を入れればい。すぐに新しい果物だって腐ってしまう。  
 
 彼の名前はさして重要ではない。彼のような人物はいくらだっているのだから。  
 彼はこの土地の領主の息子であった。彼がいくら無能だったとしても、彼はこの土地を譲り受けることが出来る。  
 彼は、美しい顔とは決していえなかった。  
 その彼は眠っていた。白い高価な絹のシーツを体にかけている。しかしそのシーツの股間部分からしたがもっこりと膨れ上がっているではないか。  
 これは男性のいわゆる朝立ちだとしてもおかしいものだ。それは何度も何度も上下に運動しているだけではなく、巨大だ。なにかツボでもおいてあるのかというほどに。  
 ツボのラインを見ると、彼の足元に近づくほど小さく丸みを帯びている。  
 小さなうめき声に耳を傾けると、彼がうっとりとした表情で小さな声をもらしていた。  
「ああ。ああ」  
 それは呼応ではなく快感に対するうめき声である。彼は腰を浮かせ股間を強く何かに押し付けていく。  
 丸みを帯びた何かそれは人間であり、彼が股間を押し付けたのは先は少女の口である。  
 彼の股間部分には、メイドが口による奉仕を続けていたのだ。なんら不思議ではない。この国では、奴隷とメイドは同じ存在であった。  
 
 奴隷と違いメイドはある程度の自由は与えられている。  
 毎日風呂には入れるし充分な食事と賃金を得られる。しかしやっていることは奴隷と同様。いや、性的な部分にまで奉仕をというのなら奴隷以下かもしれない。  
 主に対して朝に奉仕。これはこの国のメイドの奉仕の常識である。  
 愛した男に朝、奉仕をする。それならばきっと彼女らも幸せだろう。しかし愛してもいない男の股の汚らしいものを、仕事とはいえ咥え舐め吸いあげる。  
 想像するだけで身の毛がよだつ。  
 
 メイドはまだ幼い顔つきの少女であり、顔を動かすたびに左右の茶色のみつ網が揺れていた。  
 その顔は決して敬愛する主のためという顔ではない。嫌悪感と嘔吐感を抑えようと必死な表情である。  
 どのメイドも嫌がるこの朝の奉仕に少女は、昨日彼直々に命じられてしまっていた。  
 断りたい。少女は男性経験が多少はあったが、この男だけは嫌だ! と即座に思った。  
 しかし断り、クビになれば、故郷の家族に仕送りができなくなってしまう。貧しい家に残る病弱な母と幼い弟を思い彼女は耐えていた。  
 彼女は嫌々ながらもそれを口にし、早く終われと自分の持てる全ての技を駆使し必死で続けていた。  
 しかし娼婦と違う普通の恋愛経験のみの少女の技は、技と呼べる域ではなかった。  
 ちゅっちゅっと吸い上げるが、その吸引力はゆるい快感である。焦らされる熱が彼の分身を苦しめていた。  
 ぺろりぺろりと舐めあげられるが、特別感度の高い部位ではなく舌先で舐められ、ますます彼の熱を上げていった。  
 分身にたまりすぎた熱にとうとう彼は目を覚ましてしまった。  
「うぅう」  
 彼が起きる。先輩メイドに教えられたとおりの手順を少女は踏む。  
 シーツにこっそり汚い唾液をなすりつけ、ゆがんだ顔をなんとか戻す。シーツから出たときは笑顔で、機嫌を損ねてはならない。  
 機嫌を損ねれば、彼に好き勝手されてしまう。  
「おはようございます。ご主人様。  
 朝の奉仕をさせていただいております。もうしばらくお待ちくださいませ」  
 偽の笑顔で少女は嫌いな男に忠実に従う。これも仕事だと彼女は心で自分を叱咤する。  
 何もいわない彼だったが、少女は無視し続きを行う。  
 愛した男ならば、体調が悪いのか気遣うが、仕事でそこまでする必要などない。そして、早く終わらせ口内を清めたい気持ちで一杯だった。  
 しかし彼はそうはいかなかった。  
 長い時間に渡り、自分の分身が熱を持ち快感を感じていた。しかし絶頂を得られなかったのだ。  
 彼の分身はもう我慢の限界であった。  
 少女の頭を乱暴に掴み仰向けに寝かせる。その際に少女が悲鳴を上げたが彼には関係の無いことだ。  
 この暴れる熱を解放すれば良いんだ。そこに丁度メイドがいる。第一このメイドのせいで熱がたまっている。てっとりばやく熱を解放しよう。  
 短絡的でどこか論理的な思考の果ての行動であった。だが、このようなことはこの国においては日常茶飯事。  
 仰向けになった勢いでメイドのスカートは太ももをさらし、その下着まで彼の目に映した。  
 乱暴に少女の下着は剥ぎ取られ、まだ準備もされていないその固い部分に彼の分身が押し付けられる。  
「ひっ、いや…いやぁぁぁぁああああああああああ!!!!」  
 彼は醜悪で汚らしく最低だ。しかし彼の分身は世の男性があこがれるほどの猛々しいものであった。  
 それは平均よりもずっと大きく、固い。それが無理やりにも進入し、少女の太ももに血がツゥーと流れては、シーツを染めていった。  
 
「いたっ!  
 いたい! いたっ、うぐぅうう! や! やめてくだ、あああああああああああああ!」  
 
 その悲鳴は廊下にいたメイドにも聞かれていた。  
 今朝彼女に色々と教えた先輩メイドである。  
「ああ」  
 彼女は悲痛な面持ちで顔を伏せるしかなかった。  
 メイドという仕事に着く以上、主に逆らうことはできなかった。  
 この国で主に逆らう兵士やメイドがギロチンにかけられるのもまた、珍しいことではなかったのだから。  
 
 
 
 
 少女は目に涙をため怯えた表情で時が過ぎるのをまった。  
 自分の秘部に汚らしいものが出し入れされているのは、どうやっても誤魔化させない事実なのだ。  
「あぐっ!! …あっ…いやああああ!」  
 少女とは対照的に彼の顔は恍惚にゆがみ、息を荒げ熱の解放を待った。  
 少女の体を労わろうともしない。己の快感のみを追う腰は汚らしく外気にさらけ出し、激しく動かしている。  
 最初は円運動をしたり、わずかにタイミングをずらし、己の興奮を高めていたようだが、すでに単純な前後運動と化していた。分身をギリギリまで引き、力任せにおしいれる度に少女の柔らかな体が揺れた。  
「うっ、で、出る!」  
「え?いやああああ!  
 な、中に、中には、あ、ああああああああ!」  
 男が震えると同時に少女が悲鳴をあげ、体の力が抜けた。  
 一人果てた男は満足げに分身を取り出す。呆然とした少女の口を無理やり開き分身を入れ、前後に動かし、清めさせた。  
 少女の口からはぽたっと汚らしい白濁液が零れ落ち、衣服を汚していた。  
 
 
 満足した彼は動かぬメイドを放っておき、浴場へと足を運んだ。  
 廊下を出る際に居たメイドに少女を任せる。  
 誰もとがめない。誰も逆らわない。誰もが彼の言うとおりになってしまう。  
 そして、途中出会った何人かのメイドを選び、浴場へと入っていった。  
 
 選ばれたメイドは幸運だった。流石の快楽を追うしか能のない彼でも、すぐには回復せずに浴場で彼に侵されることは無かったのだから。  
 彼の体を洗い、彼の衣服を選び、笑顔で…。嘘の笑顔で全てを行った。  
 先ほど可愛らしい花を無残に踏み潰した男の体を自らの体で洗うしかなかった。  
 それしか彼女たちが生きていく道はなかったのだ。高い給与、家族のため、自分のために。  
 
 
 不幸な少女はこの後彼の父が  
「こんなものでは使い物にならない」  
 と言い、今月ともう一ヶ月分の給料とともに家族の下へと戻されていった。   
 家族はうつろな瞳の少女と金貨二枚を見つめ、ただ、泣いていた。  
 しかしこれは珍しくもない。  
 むしろマシなほうであろう。  
 多くの涙がこの時代様々な場所で流れていた。  
 高くなる物価に耐え切れず、宝を探す者盗みを働くもの、戦の最前線にでるもの、自らの体を売るもの。  
 
 
 
 ということです。じゃあお嬢様。今日の歴史勉強はこれくらい…  
 ちょっ!メイド長、ま、待って!え?情操教育、いえいえいえいえいえ、悪魔はこれくらい。  
 
 
 
 アーーーーーーーーッ!!  
 

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