3:  
久々に人に会う。  
今日は例の人との約束の日だ。  
意味はないけど、丹念にシャワーを浴びて、  
黒いワンピースに着替える。  
 
場所は、新宿西口のデパートの裏手で大小のビルが犇くあたりだった。  
アルタ前や、歌舞伎町などには友達と行ったことはあったけど。  
この辺にははじめて来る。色んな雑居ビルがあり迷いそうだ。  
簡易地図を自分で書いてそれを頼りに、あるビルの前にたどり着いた。  
 
大黒ビル7階・・・・  
最上階にある事務所だ。  
すごく古くて、白かったであろう壁が、黒に近いグレーに染まっている。  
40年くらいたっていそうな感じがした。  
 
それでも、玄関ホールにはエレベーターが一応着いてあり、  
階段を歩かなくても済んだ。  
ただ、呼び出しボタンを押した時、3階にいたエレベーターは  
なかなか1階まで降りてこなかった。  
 
エレベーターが開くと、直接何かの部屋の中だった。  
赤と黒のチェックの絨毯が敷き詰められ、大きな会社の社長部屋のような内装。  
ちょっと躊躇したけれど、豪華なイスから細身の男が立ち上がったので、  
そちらに歩いていく。  
 
「やあ、HPを見てメールをくれた方ですね?」  
 
「あっ、はい・・・えと・・・」  
 
男は、細身で30代くらい。多分。少し釣り目だけど、  
しゃべると人当たりが悪く無さそう。男っていうか、  
なんとなく中性的な感じだけど、骨格はしっかりしてる感じだ。  
私が口ごもっていると、ゼスチャーで手前のソファーに座るように促してきた。  
一応、応接セットなのかもしれない。  
 
いったいこれから何が始まるのか・・・  
 
 
 
「では、初めいくつか質問させていただきますね。」  
「はい。」  
 
にっこりと微笑みつつ、カルテのようなものを取り出して何か書き始める。  
まるで、医者に診察されているようだった。  
名前や年齢その他、プロフィール的なことを聞かれた。  
 
 
「最後の質問ですが、ここはどういう場所かちゃんと認識されてますか?」  
「はい・・・。一応、命と引き換えに、誰かを呪い殺すんですよね?」  
 
 
「そうですね。正しくは悪魔と契約して、命を捧げるわけですが・・・  
 後悔はしませんか?悪魔と契約を結んでからでは後戻りは出来ませんよ?」  
 
一瞬、男の目が楽しそうに光った。  
この男は人間なのだろうか・・・それともただの狂人なのだろうか。  
それとも・・・  
 
「後悔はしません。元々、死にたかったんです。  
 それに怨みも晴らしてくれるなんてオマケのようなものですね。  
 本当に、悪魔と契約なんて出来るのならば、自殺しっぱいってことは  
 ないですもんね?」  
 
「はい。失敗はありません・・・・・・・・・。  
 分かりました、では契約内容について・・・・」  
 
「あの、その前に、聞きたいことがあるんですけど・・・・」  
私はこの男について何も知らない。本当に悪魔がいるのかさえも、  
契約以前にわからない。そして何より、お金がかかるとなったら  
絶望的なのだ。  
男は、話の腰を折られても大して動じず、私の質問を受け入れるような顔をした。  
 
「あの、あなたはいったいどういう・・・・んー・・・悪魔とはどいう関係で、  
 そして、どういう目的でHPであんな募集をしてて、  
 そして、この契約にはお金がかかるのでしょうか?」  
 
一気に質問した私の瞳を逃げることなく見つめながら男は少しはにかんだ。  
 
「これは失礼。確かに誰とも知らぬ者に生死を預けるわけにはいきませんね。  
 僕は、名前は浅田克徳ね。勿論人間をやっています。  
 悪魔とは、僕の召喚魔法で知り合いました。何故そんな魔法を使ったのか、  
 理由はお客様と一緒です。すごく殺したい人間がいた。って、わけです。  
 
 必死でなんとか魔道書を漁り、やっとヨーロッパの古い文献に出会いました。  
 しかし、そんなに美味い話があるわけもなく、実質失敗してしまいました。  
 そう、悪魔は呼び出せたのですが、願いを叶えるには僕の命だけではなく、  
 他の同じ望みを持つ人間を100人集めろという・・・  
 
 そのような訳で、僕自身は悪魔とは半契約のまま、このように貴女のような方を  
 お迎えしている次第です。  
 そして、お客様、舞さんがその100人目なのですよ。  
 あ、勿論お金はいっさいかかりません。」  
 
 
長い話だったが、すごく惹き込まれる内容だった。  
嘘でもいいから、試してみたいと本当に思った。  
 
「そうだったの・・・。私、是非100人目にさせて下さい!お願いします。」  
「では、宜しくお願い致します。  
 さて、まずはどなたを呪い殺したいのですか?」  
 
考える必要も無かった。  
こんなに無気力になったのも全て先輩のせいだった。  
そして、こんな思いをする子が他にもできないためにも  
先輩を殺すしかないと思っていた。  
 
「葉山和人・・・をお願いします・・・」  
「了解です・・・」  
 
浅田と名乗った男はさっきのカルテとは違う  
黄ばんだ古い紙によく分からない文字で何かを書き込んだ。  
 
「よし、契約書が出来ました。左手人差し指で血判をいただけますか?」  
「血判??」  
「人差し指をこの針で傷つけ、用紙に指紋を付けるのです。」  
「あ、はい・・・」  
 
針は痛かった。でも、数日前に刻んだ痛みよりはずっとマシだった。  
傷から血が綺麗な球を描くようにあふれ、その指を紙の上に押し付ける。  
これから、この紙でどのように悪魔が呼ばれるのか・・・  
と、思っていた時・・・・  
 
血判された所が白く変色され、  
そこからまるで燃えるように灰になり粉々に空中へ舞い散った。  
 
「来ましたよ・・・・悪魔が・・・・・・」  
 
丁度、紙が置かれていたあたりにボッと青白い光が現れ、  
それが見る見るうちに人型を作り始める。  
あっけにとられていた私にその炎の人型が話しかけてきた。  
 
「お前か・・・俺を呼んだ人間は・・・・」  
「あっ・・・はい・・・そ、そうです・・・。」  
始めてみる、空想の世界のものだと思っていた悪魔が目の前で話しかける。  
すごく怖かったが、死ねる為には逃げずに返事をするしかない。  
 
「ふむ・・・・分かった・・・・だが、お前の望みをかなえてしまうと、  
 あの男の望みも叶ってしまうのだよ・・・。  
 悪魔の名を告げ交わした約束は絶対だからな。  
 しかし、そうなると、また契約者を定期的に探すことが難しくなる・・・」  
「お、お前・・・・僕との約束を果たすのが惜しくなったのか??」  
「そうだ・・・・が、お前の望みを叶えなくても、新しい契約者が増えるわけではないな・・・・。」  
「そうだろう・・・!!さっさと、その女の子の望みを叶えてあげてくれ!!!」  
 
焦る浅田と、ごねる悪魔を見て  
何がどうなったのか、分からなかったけれど、  
どうやら、悪魔は新しい契約者が継続的に来て欲しいのだそうだ・・・  
そんなことは私の知ったことではない。そう思った。  
 
「ああ、よし、・・・そこなる女・・・・・」  
「あっ・・・私??」  
「うむ、お前だ。お前の望みは叶えてやるが、この男の後を継げ!!」  
 
「えっ・・・てことは・・・私も100人集めるまで死ねないってこと・・・?」  
「そういうことになるな・・・・。」  
「嫌よ!!約束が違うじゃない・・・あ・・・浅田さん・・・何とかしてっ!!」  
「何とかといわれても・・・僕は・・・」  
「さあ、女・・・契約しろ・・・早く!!」  
「嫌!!やだやだ!!!」  
 
私は、悪魔を追いやろうと、無我夢中で手を突き出した。  
だが、その手は何も捕らえることはなく、悪魔の青白い体の中に吸い込まれる・・・  
吸い込まれた手は消えて見え、どんどん悪魔の中に引きずり込まれてしまった。  
 
「ゃあああ!!!!何なのぉ〜っっ・・・うっ・・・」  
「ぬう!!馬鹿な!!お前・・・魔界・・・に・・・・・・・・・」  
 
悪魔の声が遠ざかる。浅田の事務所が歪む。  
どこかに落ちていく感覚・・・・・  
私、どうなっちゃってるの・・・・・・・・・・・・・??  
どんどん、何も見えなく聞こえなくなる・・・・・・・・  
意識がな・・くな・・る・・・・・・・・  
 
 
4:  
冷たい・・・・寒い・・・・・・・  
そんな感覚で私は意識を取り戻した。  
場所は一瞬どこだか分からなかったが自宅のマンションの屋上だった。  
何故、こんな所へ・・・・・???  
 
確か、浅田という男の事務所にいたはずで・・・・・  
そう、悪魔がやってきて、それで・・・・・・・  
私・・・・・  
確か悪魔に飲み込まれた・・・?  
 
でも、家にいるなんて・・・夢??  
私は夢を見てて夢遊病のように屋上まで来てしまったの?  
 
でも、でも、悪魔に飲み込まれたあの、生々しい感覚・・・  
夢なんかじゃない・・・・  
じゃあ、何故こんな所へ来てしまったの?  
 
立ち上がり、屋上の柵から下を見下ろす。  
17階建てのこのへんでは大きなマンション、住宅地と小さい商店が並んだ  
比較的人通りの多い町並み・・・・な、はずだった。  
 
ところが、視界に飛び込んできた景色には人一人見当たらない。  
車さえも見えなかった。  
音すらも風鳴りしか聞こえない。  
 
本能に何かが語りかける。  
ここは、いつもの私の場所ではない。  
同じ物質があるだけで、何か別の場所なのだと・・・  
 
だからといって、確かめずにはいられなくなり、  
自分の部屋へと急いだ。  
そこに行けば、私の部屋に行けば、ネットも繋がってるし、  
あのアホな自殺志願者達とメッセージも出来るはず!!!  
 
焦る心を抑えて、自宅のドアの前まで急いで来た。  
ドアノブを回すと鍵が閉まっていなかった。  
自分の家なのに、人の家に忍び込むような気持ちで  
足音を立てずに各部屋を覗きながら、自分の部屋まで向かった。  
母親はどの部屋にもいなかった・・・。  
 
そして、自分の部屋のPCを立ち上げ、  
いつもの下らない日常を早く感じたかった。  
たが、PCは立ち上がらず、代わりに鏡の中で蠢くものがあった。  
 
「いやっ・・・何??」  
 
浅田の事務所で見た悪魔がもっと醜悪で気持ち悪い小悪魔になったような  
状態のものが鏡から、私を見ていた。  
 
「グフュフュ・・・グルルル・・・・お前・・・ケイヤク無しでぇ・・・こっちにぃぃぃい・・・来たぁぁ・・・」  
「え・・・契約・・・・??」  
「ビュフゥゥ・・・・こっちにはぁぁぁ・・・ケイヤクがぁぁ・・・大事ぃぃ・・・・」  
 
涎が口からあふれ出て、しゃべるたびにその涎が上下する。  
見ているのもおぞましい形状のモノが楽しそうに話しかける・・・  
 
「・・・おまえぇぇぇ・・・ケイヤク無い〜・・・・グフゥ・・・・  
 だからぁぁ、魔界のおきてぇぇ破ってるぅぅぅ・・・・」  
「ま、魔界の掟??そんなの・・・魔界って・・・ここ、私の家じゃない・・・」  
 
そういえば、あの悪魔に飲み込まれる時、  
遠くで微かに悪魔が魔界がどうのこうの言っていたっけ・・・  
 
「だからぁ・・・・・おまええぇぇ・・・発見されるとぉぉ・・・  
 お前がぁ一番嫌な方法でぇぇぇ・・・グヒュヒュヒュ・・・」  
 
「何なのよぉぉ・・・私だって何がなんだか分かんないよぉ!!」  
頭が混乱して涙が出る。  
そんな私など無視をするかのように  
醜悪な悪魔が舌なめずりをしながら続ける。  
 
「ビュシュルルル・・・いぃ・・一番んんん・・  
 嫌な方法でぇぇ・・・罰をぉぉおお・・受けるぅぅぅ・・・」  
「は??罰・・・・??何で・・・何を言ってるの???  
 わ、私そんなこと言われても・・・」  
「ウググフフフゥゥゥ・・・おまえのぉぉ意思など関係なぁぁあい・・・・  
 俺がぁぁ一番んん最初にぃぃぃ・・・お前ぇぇ見つけたぁぁあ・・・・・・  
 ご褒美ぃぃぃウヒヒヒヒ・・・ご褒美ぃぃぃ・・・・」  
 
「えっ・・・やだっ・・・・こ、来ないでぇぇ!!!」  
 
醜悪な悪魔は鏡から出てこようとしている。  
とにかく、ここにいては危険な気がしたので、  
慌ててドアを開けようと走ったけれど、先に悪魔から伸びた触手のようなもので  
ドアノブを塞がれてしまった。  
仕方が無いので、部屋を横切りベランダへと逃げた。  
窓は開き、非常階段へ続くほうへ逃げようと試みる。  
後ろからはあの悪魔がゆっくりと追って来るのが見えた。  
 
蚤のようにベランダの手すりと壁を飛び移りながらやって来る。  
非常階段のドアは鍵がかかっているのかびくともしなかった。  
 
背後には、もうあの涎を垂らした醜悪な悪魔がやってきている・・・  
 
「だっ・・・誰かっっ!!!助けて!!!!」  
 
叫んだ瞬間に、足首を何かに掴まれた。  
無我夢中に空いているほうの足でその掴んだ何かを蹴るが、  
ひるむどころか、両足首を捉えられてしまう。  
 
「ひっっ・・・きゃぁあぁ!!!いやっ!!」  
「グウゥフフフゥゥ・・・・・・・」  
 
足元を見ると、悪魔の腕が2倍くらい伸びていて、私の足首を両手で掴んでいた。  
何も出来ないまま、掴まれるまま逆さづりにされてしまった。  
 
「きゃぁぁあああああ!!!」  
 
今は、悪魔が掴んでいる足だけが私を支えている。  
ベランダの外へ宙吊り状態になってしまった。  
ワンピースを着ていたので、胸のあたりまで服がめくれ上がり、  
慌てて布を押さえ戻す。  
 
「グヒャヒャヒャァァァ・・・ごぉぉぉ褒美ぃぃぃはぁぁ・・・  
 発見した者がぁぁ・・・獲物をぉぉ殺さなぁい程度にぃぃ・・・・・・・  
 恐怖をぉぉ与えることぉぉおおお・・・・俺たちはぁぁ・・・  
 恐怖がぁぁ悲しみがぁぁ・・・悔しさぁぁだぁ大好き・・・」  
 
大きな口を愉快そうに開け、悪魔は言うと、  
掴んでいた、足首をゆっくり左右に開き始める。  
 
「ウグフゥゥゥ・・・・!おぉ女はぁぁ・・・これがぁぁ一番んんイイぃぃ・・・」  
「ひっ・・・いやっ!!嫌だぁ!!止めてっっ!!いっ・・・痛いっっ・・・」  
 
両足が、ほぼ水平に開かれてしまう。  
足の付け根の関節がもうギシギシいっている気がするほど限界まで・・・。  
このまま開かれたら、裂けてしまいそうだった。  
下着が股間に食い込んでその痛さも辛い。  
 
「ヒヒヒッ・・・久々のぉぉ獲物ぉぉおお・・・  
 ゆぅっくりいいいいいい・・・楽しむぅぅ・・・」  
「いやぁ・・・いやぁぁ・・・助けてぇ・・・うぅっ・・・痛い・・・」  
 
悪魔の背中から、太いノズルのようなものが出現して、  
ワンピースを押さえていた両腕をむりやり掴み、  
全身が逆土の字状態にされてしまった。  
 
もう、何も押さえる物が無いワンピーズの布は自然と垂れ下がり、  
腕の付け根にたまる。  
 
「グフフフ・・・ジュルジュルル・・・・」  
 
突然、足首を掴んでいた指の先が3股程度に別れ、  
私の足を伝って足の付け根へと向かって降りてくる。  
その触手のようなものには、小さな吸盤がついており、  
各地に張り付くように伸びてきた。  
 
「いやいや・・・なんでっ・・・こんなことに・・・・きっ・・・気持ち悪い・・・」  
 
触手が足全体に絡みつき、私の下着の中にまで入ってくる。  
すると、腕を支えていた触手が動き、私の上半身を折り曲げ、  
自分自身で、股間が良く見えるようにさせられてしまった。  
 
モゴモゴと下着の中で蠢く・・・  
それにつられて、下着が横にズレ、大事な秘所部分が見えてしまう。  
触手が絡み合い、最終的に3本の禍々しい形が形成された・・・  
それは、忘れようと思っても忘れられない、男根の形・・・  
それぞれに小さい吸盤が付いた男根・・・  
 
「いやぁいやいやぁ!!!それだけはいやぁぁあ!!!やめて!!やめて!!」  
あの日の記憶がフラッシュバックしてしまう。  
腕を捕らえた触手も変形を始め、細い糸状になり、腕を這い上がってくる。  
 
「グフュフュウゥゥウウウ・・・・そろそろぉぉぉ・・・・キヒヒ・・・」  
 
もう、私の足と腕では蜘蛛の巣に絡め取られたような状態になってしまった。  
腕から伸びる細い触手は、私の乳房を外側から徐々にくびり出しながら  
絡まってくる。  
すごく飛び出した形の胸に変形されてゆく。  
目の前で私の体がどんどん卑猥な形を取らされることに激しく恐怖した。  
 
「いやっいやぁ・・・今すぐ止めて!!!」  
 
そんな私の言葉など何も効かない。見る見るうちに糸状の触手の先端が  
乳首に巻きつき、引っ張りあげながら、乳首の先端をこすり始める。  
 

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