1:
今日も無気力にパソコンのモニターの前に座る。
部屋の明かりはモニター以外には何もなく、
十五歳の少女の部屋らしからぬ様子だ。
指先は自然にキーボードを滑っていく。
乾いた空気を弾くように音が鳴る。
学校にはもう何日も通っていない。いや、通えるような状態では無かった。
あのことが起きたきっかけは些細なことだった。
いけないことは分かっていた。
でも、こんなことになるとは思っていなかった。
何も知らなければ良かった。そしたら、こんな最悪な気分になることもなく
普通とおりの日常を過ごしていたのだろう。
ふいに気配を感じ、壁に立てかけてある鏡が視界に飛び込む。
心拍が上がるのが自分でも分かる。虚ろな瞳はまるで自分ではない。
不気味な妖怪を見るような気持ちになる。
「元気な舞。幸せそうな舞。」
それがあたしによく投げられていた言葉。
そんな言葉とは真逆の位置にいるような鏡の中の自分。
じっと自分の体を見つめる・・・・・・・・・
今でも見えるよう。あの無数の手が自分の体を這い回る。
顔に胸に腰に足に・・・。
突然激しい嘔吐感に襲われる。
だめだ、だめ、やっぱり死のう・・・!
目の前に繰り広げられる自殺の集いのサイト達。
どれもこれも誰も真剣に死のうなどと思っていないことが伺える
ただの愚痴サイトだ。
いい年したおっさんが、恋したから死にたいとかわけわからない。
もっとちゃんと一緒に死んでくれる所はないのだろうか・・・。
あたしは真剣なのに・・・
さっきも、自殺サイトを回り初めて何もわからない時に
ICQのアドレスを交換した自殺志願者とメッセージを交わしていた。
どんな死に方がいいかって・・・。
バカみたい。
想像するだけでは死ねないのに。
今日、色々リンクをたどっていくうちに、変なサイトを見つけた。
要点としては悪魔契約をして確実に自分の命と引き換えに恨みを果たす。
という内容だった。
普段の自分だったらこんなの目に留めることなどありえなかっただろうが、
何かを感じてエンターをクリックしてしまった。
そこにあったサイトの内容は、簡単な説明と管理人のメールアドレスだけだった。
何故か迷いもせずに空メールを管理人宛に送った。
数分後すぐに返信のメールがやってきた。
そこには待ち合わせ場所と日時しか書かれていない。
もし、殺させるようなことがあれば本望だし、他の事をされたとしても
もうどうでも良かった。
ただ、何かを感じ、そのメールに従おうと思ったことだけは確かだった。
2:
葉山先輩・・・・・
友達の菜穂が付き合っているのは知っている。
でも、一緒に遊んでいるうちにすごく惹かれてしまった。
かっこいいし、包容力があるっていうか、話しているとどきどきした。
菜穂には内緒で一緒のバイト先に偶然のふりして入ってしまった。
そんな大好きな葉山先輩が今目の前で私を見ている。
やっぱりかっこいい・・・!
バイトの帰り道が一緒の方角で本当にラッキーだった。
学校での話とか色々して帰った。
そんな楽しい日々が続いたある日・・・
一緒の帰り道でちょっと大き目の公園があって、
そこのベンチでちょっと話そうと言われ、素直に従った。
「舞ちゃん・・・菜穂の友達なのは知ってるし、なんかいけないかもしれないけど、
君のことがすごく気になるんだ・・・すごく可愛いし・・・」
って、言ってくれた。
私はすごく嬉しくて、友達の彼氏で、好きになってはいけない人だと
ずっとずっと思っていたけど嬉しくて・・・
「私も・・・私も葉山先輩のことが気になり・・・
いえ、好きになってしまったのかもしれません・・・!!」
そう言った私を葉山先輩はすごく嬉しそうな顔をして
抱きしめてくれた。本当に幸せで、もう菜穂のことなんか
どうでも良くなっていたことは確かだった。
次の日、葉山先輩からどこかへ行かないかと電話が来た。
丁度、何も無い週末だったし、何かがあっても断ってでも
葉山先輩に会いに行ったとは思うけど。
まだ、知り合いには誰にも秘密にしておきたかったので、
普段は行かない少し外れた郊外の湖へ出かけることになっていた。
天気も良く、ボートに乗ったり、ソフトクリームを食べたり
アヒルにエサをあげたり、何をしてても楽しかった。
暗くなって少し肌寒くなった頃、ちょっとした小屋を見つけて
二人でなんとなく忍び込んでしまった。
そこで、葉山先輩は私を後ろから抱きしめ、
「やっぱりすごく好きだよ・・・。舞ちゃん・・・ずっとこうしていたい。」
辛い、かすれるような声で、私に打ち明ける先輩・・・。
「私もっ・・・」
それしか言えなかったから、振り向いて、葉山先輩に私から
キスをした。
それに応えるように先輩も・・・
私の想いが通じたその時、悪夢が始まってしまったのだった。
小屋のドアが開かれ、3人の男達が入ってきた。
男達は皆覆面のようなものをかぶり、顔が分からない状況だった。
「な、なんだよお前ら・・・・っっ」
先輩は私をかばうように男達に立ち向かってくれた。
「お楽しみのところ悪いんだけどさ、俺たちも頼まれちゃったんで、
ほんと、悪いんだけどさ、その女の子譲ってくれない?」
リーダー各っぽい男が、私を指差しながら先輩に言う。
「何を言っているんだ、さ、舞ちゃん行こう!!」
手を引いて小屋を出ようとしたが、男達に行く手を塞がれてしまった。
それだけならまだしも、先輩は二人の大柄な男に捕らえられて、
みるみるうちに、縛り上げられ、猿轡もされてしまう。
「やっ・・・先輩に何をするの?!放してよ!!」
「まあ、あれだよ、彼には用事はないんだけれど、君に用事があってね、
今のところ邪魔なので、動いたりしゃべったりできないように
なってもらってるだけで・・・」
「わ・・・私が言うことを聞くから!先輩を放してあげてください!」
「君がいうことを聞いてくれるのはありがたいんだけど、
どう考えても内容的には、彼は邪魔してくると思うのね。
だから、ダメ〜・・・・!!!」
そう言うと、男達は私を取り囲み、掴み掛かった。
本能で逃げようとしたけれど、腕をつかまれたらもう動けなくなってしまった。
「いやっ・・・放して〜っっ・・・!!」
ニヤニヤと笑いながら、私の上着のボタンを引きちぎりキャミソールに手をかける。
さっき先輩を縛った二人は今度は私の背後に回り
動けないように腕や足を掴んでいる。
どこから取り出したのか、ハサミで私の服を切り裂き上半身の前をはだけさせた。
「いやぁっ・・・・いやっ止めて!!お願いっ、助けて!!ひどいっ・・・なんで?!」
「ひどいって、君もけっこうヒドイことしてんじゃないの??」
先輩も必死に私を助けようと、もがいているけれど、柱に固定されてしまって
何もすることができない。
ならば、せめて見ないでほしいと強く思った・・・
叫んでも、男の手は止まらず、ブラだけになった私の胸を両手で強く揉みあげる。
「いやぁ〜・・・いたいっ・・・やめてぇ〜!!お願いっ・・・」
「煩い娘だねえ。これでも食べてな。」
床に落ちた切り裂かれた服を私の口へ詰めた。
そして、ブラもハサミで切り落とされ、こぼれた胸を先輩に見せ付けるように
もみ上げ、乳首を引っ張ったり様々な形で弄ばれた。
痛くて泣くしか出来ない私を葉山先輩はしっかり見ていたのを覚えている。
スカートにも手が落ち、たくしあげられ、下着の上から男は顔を押し付けてきた。
「ああ、処女の匂いだねえ。いいねえ。役得だな。ごめんね彼しぃ・・・」
言いながら、舌先でクリトリスを舐めてきた。軽く転がすように舐め始め、
次に歯を当てるようにしながら吸い付きを繰り返す。
その間、背後にいた男達は片方ずつの胸を大きな手で撫で回し、
乳首にむしゃぶりつく。
「ぃっ・・ああっっううっっ・・・・・・!!ぁぁっ・・・」
声にならない声で抵抗しても、どうにもならなかった。
気がつくと下着はいつのまにかハサミで切り裂かれ、
背後の男達が足を支えて、こどもがおしっこをするような格好にさせられてしまった。
胸もあそこも男達の唾液でテラテラとロウソク灯りで光っていただろう。
そんな姿を先輩は目を閉じることなく、見せ付けられていた。
「ああ、いいねえぇ。こんなに乳首もクリちゃんもとがらせちゃって・・・
犯されてるのにねえ。本当に処女なのかね〜?
さてさて、ここの具合はどうでしょうね?二人ともちゃんと押さえててね。」
そう言いながら、私のあそこにいきなり指を2本も入れてきた。
「ッハッァァァ!!!ぃぁいっ・・・ぃあぁぁっっ・・・」
ズブズブと出し入れして、中で指を広げたりしながら、もう片方の手で
クリトリスを指先でバイブのように小刻みに揺らした。
そして、背後の男達も乳首を優しく円を描くように触ってくる。
さすがにこれだけされてしまうと、初めは痛かったけど
下半身が勝手に疼き始めてしまったことに気づく。
泣きながら感じないようにもがくけど、どうにも出来なかった。
「っんっっあっはっ・・・・ぁぁあっ・・・」
「あれれ・・・なんかおまんこの中が熱くなって、ぬるぬるしてきたぞ〜・・・
彼氏〜・・・彼女はヤリマンかなぁ???ふっふはは・・・・」
暗くて葉山先輩の顔が見えないのが救いだったかもしれない。
でも、先輩からはしっかり私の全部が見えていたと思う。
ひとしきり指を出し入れした後、男は背後に回り、
私の腰を掴み、一気に中に入ってきた。
「ヒッ・・・・ゥァアアアアッッッ!!!!」
強烈な痛みが私の体全体を貫いた。
本当にまだ未経験で、行為自体のやりかたは色々情報でしっていたけれど、
こんな風に初めてを奪われるなんて夢にも思わなかった。
「おぉ・・・これはこれは、しっかり処女でしたよ。お先に失礼・・・・彼氏さん。
っ・・・ああっ・・気持ちいい・・・・」
「ンッ!!クッ!!ァッ・・・・ァアッ!!ァアッ!!」
男は後ろから遠慮もなくガンガンと突き上げてくる。
痛すぎで目の前がチカチカ白く飛ぶような気がした。
振動で胸がぶるぶると揺れるのが分かる。
その姿を見て腕を押さえていた男が興奮したのか、
私の髪を掴み、口の中の布をとりさって、
自分のペニスを無理やり口の中に押し込んできた。
「いやぁっっ!!!ムグゥッッ!!!」
男の欲望のままに髪の毛を掴まれ乱暴に顔を上下させられながら、
一方では小屋中に響き渡るほど強く腰を叩きつけられていた。
下半身と上半身がバラバラに犯されて頭が狂いそうだった。
しばらくその体勢が続いたが、リーダーの男の動きが早くなり、
私の中に熱いものをぶちまけた。
その後すぐ、もう一人の男が口の中に果てる。
苦い青臭い液体が口いっぱいに広がった。
「ゲホッ・・・グッハッ・・・ハァハァ・・・」
「お、俺もいいかな・・・」
「ああ、お好きにしなさいな。なかなか良かったよ。」
などと勝手に男達は話合い、一人押さえていただけの男が
私の両足を抱え上げ、丸出しにした自分の下半身に突き刺した。
「いっいやぁぁ・・・もっ・・・許してっっ・・・あぁぁ!!あっ・・・!!」
そして、合体した部分が見えるようにして、
私の体を上下に動かし、グチャグチャといやらしい音を立てながら
先輩の目の前で行為を始める。
「やぁぁっっ!!いやぁああっっ!
みっ、みなっ・・・アッアッ・見ないでぇっっアァッアッ・・!」
先輩の視線が結合部分にあるのがなんとなく分かる。
熱い視線が・・・
その後、先輩の前で男達に何度も何度も犯され、
体中ザーメンがこびりつきながらも、数時間後には開放された。
最後の方はもう意識がうすれ、抵抗することも出来なかったし、
何かを忘れるように、感じていたような気もする。
私は重い体を引きずり泣きながら葉山先輩のロープをほどいて
いった。何も言えなかった。
どうしたって、あんな男達にはかなうはずも無かったし。
ただ、動けない葉山先輩を早く解放してあげたかっただけだった。
先輩は、自由になるとロープがきつく食い込んでいた手首を
うつむきながら、こすっている。
何かを話さなきゃいけない気持ちになる。
「・・・あの・・・・・えっ・・?!」
声を発した私にゆっくりと先輩は視線を向ける。
その視線には、恐れと、蔑み、怒りがまじっていたのだった。
そして、突然立ち上がり、私の肩を蹴った。
「いあっ・・・いたぁい〜・・・せ、先輩・・・」
何が起こったのか分からなかった。
蹴られて仰向けに転がった私に、先輩が近づいてくる。
「・・・・・・か・・・感じたのか・・・・」
「え・・・?」
「あんな奴らに感じたのかよ!!!」
血走った目を見開いて、先輩は叫んだ。
いつものの優しかった面影などまるでない、別人のように私をなじり始める。
「なっ・・・何をいうの・・・せんぱ・・・」
「うるさいぃぃ〜・・・・!!俺が助けられないからって
あんな奴らの方が良かったのかよ!!!こうやって腰動かしてたよな!!」
そう言うと、私の腰を掴み、上下にガクガクと揺らした。
「そ、そんなっ・・・・ひど・・・・っきゃぁ!!」
男達の体液で濡れた乳房を先輩は両手で絞り上げてきた。
「やぁっ・・・いたっ痛いよぉぉぉっっ」
「こうされるのが好きなんだろ?!この淫乱め!!」
何を思ったのか、先輩は自分のズボンのファスナーを開き、
太くそそり立った自分自身を取り出した。
「いやっ!!先輩!!ウソでしょ?!」
私は、さっきの男達に襲われた以上に目の前が真っ暗になっていくような気がした。
体全体が恐怖以上の何かに支配され、震え始める。
「お前なんかこうしてやる!!!」
「いああっっ!!!っあぁっ・・・アッアッ!!やぁっ・・!!」
太く立ち上がるそれを、私のまだ濡れているあそこに
強引に挿入した。
そして、乱暴に私の足を大きく広げ、腰を激しく打ち付けてきた。
「ぁ・・・ハァハァ・・・な・・・なほ・・・なほぉ・・・やっぱ俺にはお前だけだぁ・・・・」
「ンッンッ・・・アァッアッ・・・いやぁっ・・・!先輩っ・・・アッそんなっ・・・・ハッ・・」
貪るように何度も何度も出し入れされる。
子宮に突き刺さるような勢いで先輩は私を攻め立てる。
いくら、事前に男達に蹂躙されたとはいえ、まだまだ痛かった。
爪をつき立て乳房を揉みしだき、
体位を変えて、私を四つん這いにさせ、バックからまた突き上げられた。
そして先輩は、一度震え、私の中にたくさん吐き出したのだった・・・。
ぐったりした私に何も言わず、先輩は小屋を出て行った・・・。
私は・・・先輩に裏切られた。
先輩とはいつか結ばれたいと思ったけど、
こんなのじゃない。こんなのただの暴力だ・・・
あれ以来学校にもバイトにも行っていない。
携帯も電源を切りっぱなしだし、
昼間の来客時にも出たりはしない。
親は、元々私の行動には無関心だし、その点は助かった。
後からあの時のことを冷静に考えたら、男達は確かに
「誰かに頼まれた」と言っていた。
多分、菜穂だろうと思う。
気づかないふりをして、菜穂は気づいていたのだろう。
私達の関係を・・・・・・。私の気持ちを・・・
これはその報いだし、しかたがないことだったのかもしれない。
でも、先輩の豹変には本当に死にそうなほど衝撃を受けた。
豹変ぶりもそうだけど、そんな人を友達を裏切ってまで
好きになっていた自分があまりにも許せない・・・。
全てが汚れてしまったような気がした。
この地球上で自分は息をしていてはいけないような気がした。
消えてしまいたい・・・・・・・・
心からそう思った。