9:  
柔らかな夜露に濡れた草地の合間に小さな紫色の花が風に揺れている。  
可憐な様子は野趣のスミレか・・・  
その花を素の足が踏み潰し、数枚の小さな花びらが塵のように舞った。  
以前ならその踏みつけた花を気にしたであろう少女が歩を進める。  
 
目的の場所は町外れからでも見える三角のシルエット。  
薄い雲が月明かりに照らされ、そのシルエットは真夜中だからこそ  
クッキリと空に黒く浮き上がっていた。  
 
コツンコツンと教会に繋がる屋敷の扉を叩く。  
しばらく待つと奥から足音が聞こえる。  
「はぁい・・どなたですかぁ?」  
愛想の良い中年男が顔を出す。その顔に向け少女は手をかざす。  
ドンッと衝撃が男の体を吹き飛ばし、奥の壁に突き当たった。  
そのままズルズルと床に伸びていく。  
「許してね・・・。顔を見られたくないの。」  
そう言う少女の顔には表情が何ひとつ浮かんでいない。  
ただ、爛々と輝く瞳が暗い室内を横切っていく。  
自分の家のように裸の足は迷うことなく、2階の奥に位置する部屋へ向かう。  
音も無く、その部屋のドアを開け空気のように進入していった。  
 
部屋の奥に位置する簡素なベットの上には静かに誰かが横たわっていた。  
近づいてみると、銀髪の男が眠っている。  
多分全ての髪が白髪に染まったのだろう。顔の深い皺が物語っている。  
窓から少しだけ入る柔らかい月明かりに照らされとても優しそうな寝顔に見えた。  
笑って出来た皺と、苦悩で出来た皺・・・。  
少女はふと自分の父親の顔を目の前で眠る牧師の顔に重ねていた。  
 
その時、自分の手首に暖かい何かが触れた。  
「起こしてしまったのね・・・。ごめんなさい。」  
彼女の手首を牧師の手が掴んでいた。  
「君が噂の魔の世界の者なのだね・・・?」  
目を開けずにゆっくりと彼女に尋ねる。  
「そうよ・・・・・。申し訳ないけれど・・・・私の存在を知っているということは、  
 私が何をしに来たか分かってしまっているのでしょうね・・・。」  
掴まれた手首を振り払うこともなく、天気の話でもするかのように言葉を紡ぐ。  
牧師は目を開け彼女の顔を見た。  
「美しい・・・・魔の者は美しく、人の心をかき乱すと聞くが、正にそのとおりなのだな。」  
「・・・うふふ・・・有難う・・・」  
少女は久々に笑みを浮かべる。  
 
「君は、私の命を奪いに来た。そういうことなのだろう。」  
「ええ・・・そう・・・逃げないの?慌てないの?私を殺さないの?」  
寝ている牧師の上に彼女はしなだれかかりながら尋ねた。  
牧師は軟らかい重みを胸の上に感じる。そして首を左右にふった。  
「逃げるつもりはない・・・。これも運命なのだろう。ましてやこんな美しい者を  
 旅立つ前に見ることができて幸運だったと思う。」  
「そう・・・」  
少女が頬は少し強張ったように牧師には見えた。  
「ひとつ、聞きたい・・・多分まだ君は引き返せるのではないのか?」  
彼女の瞳が複雑に笑みを刻む。  
「それはできないわ・・・・・。」  
「君の希望でその茨の道を進んで行くのか・・・・?」  
「そうよ・・・私はあなた達を葬りたいの。それを望んでいるわ。」  
微笑みながら泣いていると牧師は思った。  
そして、自分には分からない意思に突き動かされているのだと悟る。  
 
「君の気持ちは分かった・・・。これだけは聞いてくれないか・・・。」  
「なんでしょう・・・」  
「この先、多分君を待ち受ける者は何かしら罠をしかけているかもしれない。  
 私の元にも通達が来たくらいだ。きっと手を焼くだろう。  
 気をつけるんだよ・・・・・・・・罪深きこの娘に幸あれ・・・。」  
その言葉に微かに浮かべていた微笑を彼女はなくして行く。  
 
「さようなら・・・牧師様・・・・。」  
そっと、少女の唇が牧師の唇に重なっていく。  
牧師は彼女の月明かりに透ける髪が天使の羽に見える。  
そして、重なってきた唇がもう一度サヨウナラと動いたのが分かった。  
それに答える前に、彼は動かなくなっていた。  
 
牧師の胸に深々と埋まった手首を少女は心臓と共に抜き出した。  
 
ごぽり・・・部屋の四隅から黒い液体が流れ出てくる。  
いつかの黒いタールの化け物だった。  
それらが細い筋になって壁を一斉に這い上がる。  
彼女はそれに驚く様子は見せずこときれた牧師の首からクロスを引きちぎり  
窓の外へ投げ捨てた。  
 
タール状の化け物はすでに部屋の壁を覆い尽くし部屋にかかっていた  
十字架を体内に含ませて階下へと流れていく。  
 
 
化け物を眺めていた少女の視界が遮られる。  
そして、目の前に見慣れた悪魔が現れた。  
 
魔界へ戻されたのだ。  
「泣かないの?」  
「誰が泣くと言うの?悲しくもないのに・・・」  
「最初の時は泣いてた・・・・・・。」  
「関係ないでしょう・・・。だいたいいつもこっちに戻さなくてもいいのに・・・。  
 それより・・・あの黒い化け物は十字架を恐れないの?」  
自分のことを詮索されるのが嫌なのか、別の話題に持っていく。  
 
「ああ、あれね・・・。あれは昔手に入れた魔物・・・とはちょっと違うな・・・  
 うん、あれは闇なんだよ。闇が実体化したものなんだ。」  
「闇・・・」  
「そ、闇。どんなに清らかなものだって夜になれば闇に触れる。  
 だからヤツは魔のように神の息吹がかかるものを嫌ったりはしない。  
 俺の言うこともすんなり聞き入れるし便利だよ。」  
「じゃあ・・・人間も殺させればいいじゃない?私など使わなくても。」  
「あれえ、人間殺すの望んでいるんじゃないの?さっきそう言ってたよね?」  
意地悪な顔で悪魔はセシルに言う。  
 
「・・・全部覗いてるの・・・・相変わらず、最低ね・・・。」  
「悪魔だからね。第一、君に何かあったらこの先困るでしょう。俺がさぁ。」  
そう言いながらセシルの頬をなで上げる。  
「話がずれたわ・・・。私の話ではなく、化け物の話よ。」  
「そ、あいつに人間は殺せない。寄生虫と一緒なのさ。  
 あれも人間から養分を奪って動けるようになった。だから宿主である人間は殺せないみたい。」  
「そう・・・・じゃあ私がするしかないのね。」  
窓の外には何も見えないことを知っているはずなのに、セシルは窓際に立つ。  
背後では、悪魔に初めて犯されたベットに弟の寝息が静かに聞こえた。  
 
「やっぱり、嫌なの・・・?人間を殺すの。」  
背後からセシルに絡みつく。  
「いっ、嫌じゃないわ。でも・・・」  
「でも・・・・・?」  
服の上から彼女の乳房をやんわりと揉む。片方の手はスカートの裾を徐々にたくし上げる。  
「あっ・・・・・・でも・・・・・・さっきも・・・そうだったけど・・・・・」  
「けど?」  
スカートの中に悪魔の手が入り込み、柔らかな双丘の溝を指でなぞる。  
「・・・こっ・・この部屋では嫌よ・・・・・」  
「この部屋じゃなきゃいいの?」  
その瞬間、セシルの体が、ドサリと何かの上に落ちる。  
「・・・・きゃっ・・・・なっ・・・・何・・・ここは・・・・・」  
「素敵な場所でしょ?」  
「いやっ・・・・いやよっ・・・出してっ・・・・出してぇっ・・・・・・!!」  
セシルは叫び、悪魔にすがる。  
 
その空間は紫色に輝く霧がたち込める部屋で、床である場所にも霧が溢れている。  
柔らかい人間の肌のような感触が気持ち悪い。  
だが彼女はそれに嫌悪しているのではなく、霧がスクリーンのように映像を投影しているのだ。  
霧が輝くたびに、セシルに関係する人物の顔がぼこりと浮かび上がる。  
殺される直前の顔・・・恍惚に歪む顔・・・嘲る顔・・・弟の顔・・・  
まるでデスマスクが並んでいるかのよう。  
映像だけではなく、大きく映し出された顔には凹凸があり、触ることも出来た。  
 
実際に床に投影されている最初にセシルが手をかけた牧師の顔の上に立っている。  
 
「なんで嫌なの?君の誇らしい記憶の海じゃない・・・。」  
「いやぁっ・・・こんなの見たくないっ・・・・見たくないよっ・・・」  
取り乱す彼女に悪魔の手が伸びる。  
「平気なんだろう。望んでいるんだろ・・・。」  
「あぁっ・・・殺すのは・・・平気よっ・・・でも・・こんなふうに見るのはいやっ・・・」  
「なんで?見なよ、皆良い顔してるよ・・・。」  
そう言いながら先ほどのようにセシルのスカートを背後からたくしあげていく。  
「やっ・・・!止めて!!」  
「他の場所なら良いって言ってたでしょう・・・。」  
「嫌なものは嫌なのっ!!」  
足下の牧師の顔が苦痛に歪む。刺された時の表情だろうか。  
セシルの抵抗をものともせずに、悪魔は彼女の足の間へ自分の膝を割り込ませ  
強引に開かせる。  
「やめてっ!!やだっ・・・・!!いやっ・・・あっ!!!」  
悪魔の中指が、下着をつけていない彼女のそこへ這い、金色の草地を掻き分け進んでいく。  
そして、敏感な核へ指の腹が触れゆっくりと回転させるように動かす。  
「やっ・・・ああぁっ・・・いやっ・・・・・・・・はっ・・あっ・・・」  
「いいじゃん・・・皆に見てもらいなよ・・・君の善がり狂う所をさ・・・クククッ・・・」  
ただの記憶の産物が投影されていることは悪魔が良く知っているが、そんなふうにセシルを攻め立てる。  
「いやぁっ!!ああぅっ!!はぁっ・・・んっ・・・」  
突起する淫核を指でその周囲ごと挟みこむように左右に揺らす。  
「ああああっ・・・・やぁぁっ・・・・!!」  
いつのまにか胸のボタンだけが外され、白い乳房が露出される。  
悪魔は彼女の上半身を横に向け飛び出した乳房の先端に吸い付いていく。  
「あぁぁああっ・・・・ううっ・・・あうっっ・・・」  
無理やり施される快楽に涙し彼女の視界が霞んで行く。  
その緩やかな視線の先には軽蔑の表情を浮かべるオリヴィエの顔があった。  
「うううぅっ・・・あぁっ・・・くっ・・・ぁっ・・・・」  
黒い指がジンジンとする淫核を離れ、ぬるりとそこへ進入していく。  
「やっ・・・ああっ・・・・・・・はぁっ・・ああっ・・・んんっ・・・」  
くちゃと濡れたような音がして、熱くなった粘膜を押し広げるように指が出入りする。  
「どう・・・気持ちいいでしょう・・・・」  
ちゅぱっという唾液の音を鳴らしながら悪魔は彼女の乳首を放し感想を聞く。  
「いやっ・・・ああっ・・・あんんっ・・・・はあぁっ・・・!!」  
二本の指が激しく動き、彼女の中を掻き回す。  
その指を中で曲げ、内側の強烈な刺激を生む内壁を何度も擦る。  
「ああああっ・・・くぅっ・・・・やぁぁっ・・・・!!!」  
内部で蠢く指を伝い、愛液がぽたりと足元の牧師の顔に垂れていく。  
悪魔の指にセシルは追い詰められ、立っていられないほどの快感を覚える。  
「あっ!!もっ・・・もうっダメェ〜ッ!!やあっ・・・ああっ・・あああっ!!」  
ガクガクとセシルの腰が揺らめき、大きく背をそらす。  
そして、深々と指をくわえ込んだ場所から  
霧吹きのように正面のオリヴィエの顔へ体液が飛び汚した。  
「はぁ・・・はぁっ・・・あっ・・・・・・」  
彼女の全身が弛緩していく。  
悪魔が指を引き抜くと、足元の牧師の顔へへたり込んでしまう。  
 
「すごいじゃん。いつもよりいっちゃうの早かったよ。」  
確かに今まで感じた中で一番の興奮を覚えていた。未だにビクビクと体が動いてしまう。  
「じゃあ、今度は俺のしてよ・・・。」  
座り込む彼女の顔を悪魔は自分の股間へ導く。  
セシルは呆然と唾液に濡れる唇を開いて悪魔のモノを受け入れる。  
暖かい口中が悪魔のソレを包み込み、薄くなった舌が上下にハケで先端を弾くように動く。  
「あぁ・・・いいね・・・。。。」  
彼女の視線は呆然としたままだったが、無我夢中に舌だけが動いていく。  
尿道を刺激され、ゾクゾクとした感覚に悪魔は酔う。  
「そう・・・そこだっ・・・・・・」  
床に位置する牧師のアゴに手をついて、体を支えながら顔を前後させ悪魔を快楽へと誘う。  
喉まで咥えこみ、吐き出す。それを何度も繰り返す。  
その度に口の中の上顎の蛇腹のようなザラザラが亀頭に当たり、  
そして力の入る舌先が裏の筋を圧迫した。  
「・・・あぁっ・・・すごぃよ・・・」  
恍惚とした表情を浮かべる悪魔は、不意に座り込むセシルの腰を掴み、  
彼女の背後に位置する、高さ30cm程度の牧師の鼻の先端へその掴んだ腰を落とした。  
「んんっっ・・!!」  
丸い先端とはいえ、牧師の高い鼻先は彼女の濡れた裂け目に刺激を与える。  
「さあ・・・これでお互い気持ちいいね・・・動くよ・・・。」  
悪魔は彼女の頬を両手で挟み、腰を緩やかに動かす。  
「んっ・・・ふっ・・・・!!」  
その動きのせいで、鼻先が擦れてジワリと妖しい感覚が登る。  
彼女は死んだ牧師の鼻先から逃れようと腰を動かすが、  
悪魔に顔を押さえられているために、ただ立ち上る快感を増やしてしまうだけだった。  
戸惑う彼女の舌が、悪魔に絡みつき、動くたびに刺激を与え  
そして、喘ぎのような声が口中を震わせ、更にソレを熱くさせる。  
「あぁっ・・・いいよっ・・・すごくいい・・・」  
彼女の頬をおさえていた悪魔の指に少しだけ力がこもる。  
緩やかな腰の動きが早くなっていき、それと共に彼女の口元から涎が流れ顎から滴り落ちる。  
「んんっ・・・んぐっ・・・・!!」  
軽く喉まで当たるのか、セシルは眉根を寄せて呻いた。  
口中を激しく出入りするソレが一瞬ビクリと動き、太くなる。  
「ふっうううっ・・・!!!」  
セシルは目を見開いた。  
喉元に熱い何かが噴出して当たる。  
「っ・・・・・・・ぁ・・・」  
悪魔は軽く震え、彼女の口から自らを引き抜いた。  
 
トロリと涎と共に白いものが流れ出る。  
「げほっ・・・・・」  
「ちょっと、苦しかったね・・・つい夢中になっちゃったよ。」  
おどけるように悪魔は言い、呼吸を荒くした彼女の口元を指で拭う。  
「も・・・ゃ・・・・・・ぃや・・・」  
微かに首を左右に振り、セシルは牧師の鼻先から降りる。  
 
「まだ、足りないよ・・・もっと、気持ちよくなろうよ・・・・・ちょっとこっちにおいで。」  
そう言って悪魔は彼女の腕を掴み、つい先ほど彼女が殺した牧師の寝顔の前に連れてくる。  
「さあ、ここで始めよう・・・」  
「やっ・・・もうっ・・・これ以上はっ・・・やめてっ!!」  
丁度、セシルの顔の高さに牧師の口があり、悪魔は彼女の手をその唇へかけさせ、  
むき出した尻を後ろへ突き出させた。  
抵抗して、暴れるセシルを抑え込むように、濡れるそこへと自らを埋めていく。  
「っ!!あああっ・・・!!」  
それだけで、内部に湧き出ていた愛液がタラタラと滴っていく。  
「あははっ・・・すごいよ・・・セシルはいやらしい子だな・・・もうヒクヒクしてる・・・」  
「いやっ!!やぁぁっ!!!言わないでっっ!!ああっんっ!!」  
その、熱く絡みつくような内部をリズム良く出入りする。  
牧師の下唇にぶら下がるようにしながら、セシルは突き上げられていく。  
服から飛び出した乳房はその度に大きく円を描くように揺れ、  
牧師の顎に当たるとザラッとした髭の感触が乳首を刺激した。  
「あっ・・・あああっ・・・もうっ・んんっああっっ!!」  
悪魔が膣内を激しく移動し、子宮口を押し開くように力強く突き当たる。  
「はっ・・・ああっ・・・んぁああっ・・・!!」  
「・・・どう・・・自分の殺した獲物の前でっ・・・・いい・・・でしょ・・・っ」  
上擦りを我慢しているのか多少低くなった声で悪魔は言う。  
「やっ・・・やだっ・・・!!もうっ・・・あああっ・・・もぉっ・・・はっああっ・・・」  
「何っ・・・・?」  
ガツンガツンと骨が響くほどに大きな突き上げを繰り返す。  
「はぅっ・・・くっ・・・・・わっ・・・私っ・・・あああっ!!・・くるいそう・・・・!!!」  
髪を振り乱して、頭を振りながらセシルは訴えた。  
先ほどよりもグイイとセシルのそこが悪魔を強く締め付ける。  
「狂えばいい・・・・快楽に身を任せてっ・・・・・・狂ってしまえばいいっ!」  
暴れるセシルの乳房を背後から抱きつくように握り締め悪魔は言い放つ。  
「やあああっ・・・・!!あああっ・・・・・ああっ・・うあっ・・・!!」  
結合部分から沸き起こる快楽の為にセシルは涙を流しながら  
大きく口を開け、体を痙攣させるように震わす。  
 
「もっともっと、いっちゃいなよ・・・・さあっ・・・!」  
ビクビクと別の生き物の口のようにセシルのそこが蠢く。  
その頂点に達し、膨張して狭くなった内部を更に悪魔は突き上げかき回す。  
「はあっ・・・あああっ・・・あぅうううっ・・・くっ・・!!あああああっ・・・」  
結合したまま、悪魔はセシルを反転させ、彼女の体を抱きかかえながら腰を動かし続ける。  
「ひっうっ・・・あはっ・・・・あああっ・・・ぁっ・・・!!」  
悪魔に腰だけが乗りかかるような状況になり、更に奥へと悪魔のそれは突き当たる。  
「やあああっ・・・!!ああっ・・いやっ・・・・・あああっ・・・すご・・すごいよぉっ・・・!!」  
先ほどから何度もセシルの閉じられた瞼の奥が白く点滅した、  
その痺れるような快楽の波は悪魔が突き上げるたびに色濃くなって  
彼女の脳を溶かしているような錯覚に陥る。  
もう、二人の結合部分は愛液にまみれグショグショだった。  
 
「あああぁっ・・・ああんっ・・・あはぁっ・・・もぉ・・・ああっ・・・とけるっ・・・くっぅ・・ああっ・・!!」  
セシルは牧師の唇を離し、腰を支える悪魔の首元へ抱きついて行く。  
「はは・・・っ・・・・その調子だよっ・・・・・」  
激しくピストン運動をしていたものを、大きいストロークに移し、  
彼女の中からギリギリまで引き抜き、そして、一気に子宮口まで差し込んでいく。  
「あああっ!!!ああっあんっ!!あっ・・・ああ!!」  
それを何度か繰り返えしセシルの中がまたギュゥと縮まった。  
その時、悪魔のソレも収縮する内壁を押し返すように太くなり、  
差し込まれた子宮へと自らを解き放った。  
 
「はぁ・・・・はっ・・・あぁ・・わ・・・わたしっ・・・」  
肩で息をしながら、セシルは独り言のように呟く。  
「・・・ん?」  
「わ・・私・・・本当に・・・魔になってしまったみたい・・・・・」  
「・・・・そう?」  
「だって・・・だって・・・・こんな場所で・・・その・・・あの・・・」  
「・・・気持ちよすぎた?」  
「・・・・・」  
お互いの顔を見ずに、抱き合って会話が進む。  
接した頬で、彼女が微かに頷いたことが悪魔に伝わる。  
「・・・・・クククッ・・・いいじゃない・・・。」  
「あなたのこと・・・好きでもないのに・・・・・・・・」  
「・・・・・・そう。」  
そして悪魔はそのまま緩やかに繋がったままの腰をまた緩やかに動かす。  
「っ・・・・あっ・・・!やっ・・・・またっ・・・」  
首に抱き付いた彼女の腕に力がこもる。  
悪魔は勢いを増さずに、ただ緩やかに会話が成り立つ程度に動いている。  
「・・・あぅっ・・・・わ・・たし・・・・・わたし・・ね・・・・」  
「・・・うん?」  
「ぼっ・・・牧師様の・・・あっ・・・はぁっ・・・・・・し・心臓をっ・・・握ったの・・・」  
「うん・・・。」  
「・・あぁっ・・んっ・・・握った・・らね?・・・指に・・・っあっっ・・・指に・・・  
 ドクンッって・・・・・こっ・・鼓動がっ・・・・ああっ・・・!」  
「うん・・・。」  
「っ・・伝わって・・・・・・そっ・・そしたら・・はっ・・・あっ・・・そしたら・・・・」  
また彼女の中が狭まるのを悪魔は感じる。こんなに緩い動きに  
誘発されるものなのか。と思う。  
「ああっ・・・!そしたらねっ!・・・あっ・・・すごくっ・・ああっ・・・気持ちっ・・・良かったのっ!」  
セシルは吐き出すように言い切った。  
殺人のその瞬間を快楽と認める言葉を。  
彼女の体は震えていた。それは、肉体から伝わる快楽のためか悪魔には分からない。  
「くっ・・・ははははっ!!そうっ・・・そうかっ・・・俺もっ・・・!俺もそうだよっ!」  
大きな声で悪魔は笑い、緩やかに動かしていた腰を本格的に動かし始めた。  
「ああああっ・・・!!あっ・・・あっ・・・怖いっ・・・はっ・・・ああっ・・・・!!こわいよっ!!」  
ガツガツと突き上げられながら、セシルは悪魔の首に顔を埋め叫ぶ。  
「・・はぁっ・・・・・・怖くないっ・・!」  
怒ったようにセシルの細い体を抱きしめ、更に突き上げを増す。  
「あっんううっ!!・・うっあああっ・・・ああっ・・・・はっ・・・!!いい・・いいよぅっ・・・!!!」  
先ほどの悪魔の欲望の印が激しい再度の突き上げにより、ダラダラと流れ落ちる。  
いつの間にか彼女自身も腰を動かし、悪魔を感じ始める。  
「・・・あぁ・・いいぜっ・・・セシル・・・・・君は・・・・」  
「ああっ・・・!!ああああっ・・・!!!」  
裸の胸が悪魔の羽毛の胸と擦れ合う。  
悪魔は彼女の腰を持ち、自分のもので串刺しにするかのように激しく打ち下ろす。  
「やっ!!あああっ!!!ひぅっ!うああっっ・・!!まっ・・・またっ・・いっちゃっ・・・あああっ!!」  
もう何度目かの頂点へ誘われてしまった。  
悪魔も彼女の告白で昂ぶったのか、セシルが高みへ登ったと同時に果てた。  
 
 
 

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