11:  
「せ・・・・セシル・・・・・・・!」  
激しい快楽の途中に彼女は現れた。  
ユハニはまだ気付かず腰を動かしている。  
「お邪魔だったかしら?ごめんなさいね。」  
以前と違わぬ笑顔でオリヴィエに笑いかける。  
だが、以前ならこんな光景を目にしたら声もかけず逃げただろう。  
「・・・あぁっ・・・お前誰だ・・・・・っ?」  
やっとセシルの声にユハニは我に返り、不機嫌な声をあげオリヴィエから離れた。  
 
「初めまして。」  
「セシル・・・あなた・・・私を・・・私を殺しに来たのね・・・?」  
乱れた服を直しながら怯えた声で尋ねる。  
「なぜ?そんなことはないわ。あなたは姉同然ですもの。」  
柔らかな声にはどこにも邪悪な響きは無かった。とりあえず殺意を感じない彼女にオリヴィエは安堵する。  
「おい・・もしかしてコイツがお前の言っていた魔女なのかよ?可愛いじゃねえか・・・。」  
ユハニは興奮が冷め切っていないのか、セシルを下から舐めるように眺めた。  
 
「じゃあ・・・、何をしにわざわざやってきたというの?  
 話をしても無駄よ!あなたの正体は分かってしまったのだから・・・。」  
ユハニの言葉にはかまっていられないほど、オリヴィエはセシルの動向を気にする。  
「だって、楽しそうだったのですもの・・・。つい来てしまったわ。  
 どうか、邪険にしないで・・・。以前と同じように仲良くしてほしいの。  
 そして、私を仲間に入れてほしいわ。」  
そう言って、セシルは二人に近寄り自らの服を脱ぎ始める。  
 
「なっ・・!!セシル・・・正気なの?!」  
遠まわしに三人で行為をしようと彼女は提案したのだ。  
「正気よ・・・ああ、オリヴィエ・・・私は貴女が愛しいわ・・・。  
 そして、貴女の愛する人も同じように愛したいわ・・・。」  
「え・・えぇっ?・・・おかしいわ・・・・おかしいわよ!!馬鹿言わないでちょうだい、私は嫌よ!!」  
そんな動揺する彼女を他所に、セシルは全裸になった。  
オリヴィエ達が悪魔ならば、その腹の刻印が眩しく見えただろう。  
 
「いいじゃねえか、オリヴィエ。仲良くしたいって言ってるんだからよぉ。」  
ニヤニヤとしながらユハニはセシルに賛同する。  
「嫌よっ・・・嫌!こんなのおかしいもの!!ユハニ!!」  
一緒に家庭を持ちたいと思った男が、一緒にとはいえ  
自分以外の女と関わるのを見るわけにはいかなかった。  
 
「なんで?皆で気持ちよくなりましょうよ・・・。ねえ・・・?」  
セシルの美しい裸体に引き寄せられるようにユハニが歩いていく。  
「いやっ!ユハニ!!行かないで!!その子に触らないでっっ!!!」  
そんな悲痛なオリヴィエの叫びは届かず、ユハニの手がセシルの腕を取り彼女を地面へゆっくり押し倒す。  
「こいつはすげえ・・・こんな綺麗な裸見たことねえよ・・・・・・。」  
目の前に息づくセシルの体をじっくりと眺めて感嘆の声をあげる。  
 
「いやぁ・・・・いやよぉ・・・・ユハニ!!お願いよっやめて!!」  
「うるせえなぁ・・・。お前も来いよ!楽しもうぜ?邪魔するならどっかに行ってな!!」  
「そんなぁ・・・・・・・。」  
ついさっきまで自分に欲情していた愛しい男が掌を返したようにオリヴィエを邪険に扱う。  
「あっ・・・んっ・・・オリヴィエ・・・も一緒に・・・来て・・・!」  
ユハニの両手がセシルの乳房の形を変形させて、その先端の乳首に吸い付いてく。  
 
「やぁぁぁ!!!こんなのっ!!!!いやっ!!やめてぇぇ・・・・・!!」  
崩れ落ちるように、オリヴィエは地面に突っ伏し泣き始める。  
その間も、セシルの肉体に施される淫音が彼女の耳にいやらしく響き渡った。  
代わる代わる乳首を吸い上げ、セシルの足を開かせその間に手を忍ばせていく。  
「はっ・・んっんっ・・・オリヴィエ・・・オリヴィエ・・・・・・来てっ・・・・・」  
濡れたようなセシルの声に、オリヴィエの嗚咽が止まり、ふらりと立ち上がった。  
 
「う・・嬉しいわ・・・一緒にしてくれるのね・・・」  
ユハニに体を良いようにいじられているセシルは無邪気に微笑む。  
その頭上にオリヴィエは恐ろしい表情で立った。  
 
「こ・・・殺してやる・・・・・・・・・・・・・。」  
食いしばった歯から搾り出したような声が漏れる。  
「・・・なんだよぉ・・・色気ねえなぁ・・・。殺したらつまんないだろうが。  
 ちょっと待てよ。入れてからにしてくれ。」  
ユハニの無神経な言葉がオリヴィエの口火を切った。  
 
「許さない!!!」  
セシルの頭上に跪き彼女の首に両手をかけ、全身の力をこめて首を絞める。  
「お・・・オリヴィエ・・・・・」  
だが、首を絞められる彼女の表情は憂いを帯びたものに変わるだけで、苦しげなものにはならなかった。  
「おいおい・・・じゃあ、俺入れちゃうぜ・・・・・・・・?」  
ユハニはいそいそと、セシルの大きく開いた中心を指で広げる。  
その時セシルの両腕が伸び、憤怒の表情を浮かべるオリヴィエの顔を優しく包み込み、  
強引に自分へと引き寄せる。  
「なっ・・・何をっ・・・・!!!」  
セシルとオリヴィエの唇が重なり、セシルの舌が口中に侵入していく。  
「んんっ・・・?!」  
予想外の出来事にオリヴィエは目を白黒させるだけだった。  
そんな彼女達のことなど目もくれず、ユハニは自分を取り出し  
開いたソコへと狙いを定め体を進めた。  
 
グシャ・・・という音がオリヴィエの頭上で聞こえ、その後生暖かい雨が  
彼女達に降り注ぐ。  
 
慌ててオリヴィエはセシルを引き離すと、目の前には  
首から上の無い恋人が自分のペニスを握り静かにたたずんでいた。  
 
「ひっ・・・・・・!!やああああっっ!!!!!ユハニッ!!!」  
オリヴィエは自分の目にした光景が信じられなかった。  
この首の無いものは人形で、ユハニはどこかに隠れているのだと思った。  
ゆっくりと起き上がったセシルはその首なし人形のような彼を  
少しの力で押すと、あっけなく後ろへ倒れていった。  
 
「・・・・あぁぁ・・・・ぁ・・・・・・・・・ゆ・・・ハニ・・・・・・・」  
オリヴィエの前にセシルは座り、にこりと微笑みかける。  
 
「ね?・・・あの男は貴女には似合わないわ・・・。  
 貴女が嫌がるのに私とだけしようとした。だから、消してあげたわ・・・・・。  
 さあ、これからまた仲良く暮らしましょうよ・・・。もう貴女が頼るものは私だけだわ。」  
 
虚ろな意識のオリヴィエには、セシルの言葉だけが届いてくる。  
 
「楽しかったわよね。私の悪戯がすぎて、よく貴女に怒られたっけ。  
 でも、心配してくれていたからこそ怒ってくれたのよね?  
 今なら分かるわ・・・・・。  
 ねえ、あの頃に戻りましょう?一緒に行きましょうよ・・・」  
 
確かに、彼女についていけばきっと辛いこともなくなるだろう・・・・。  
憎むことを続けるのは辛い。  
 
一方、セシルも人間だった頃の記憶は残っている。  
自分の側に姉代わりであったオリヴィエがつくのであれば、  
生かしておいても良いかと思った。  
どのみち、記憶を消去することも出来る。  
一時の自棄的な思考から立ち直った今、そう考えることも出来た。  
もし、ダメならばそれはその時だ。  
 
「私と一緒に来れば、こんな辛いことなど忘れてしまえるわ。  
 また、綺麗な貴女に戻れるのよ?」  
 
「・・・ひっく・・・きっ・・・綺麗な・・・・私・・・・?」  
泣きながら幼子のようにオリヴィエはセシルの言葉を繰り返す。  
「そうよ・・・。何も無かった平和な時に戻ろうよ・・・・ね?」  
「・・・・戻りたい・・・・戻りたいわ・・・・・・」  
セシルがオリヴィエに手を差し出した。  
「戻りましょう・・・・」  
セシルのその手にオリヴィエが手を伸ばす。  
ゆっくりと指先が触れ、お互いの体温を感じた。  
「セシル・・・・。」  
オリヴィエはその触れ合った意味を心のどこかで悟っていた。  
セシルと共に、人間であることを捨てるということを。  
でも、あの平穏だった頃へ戻れるという甘美な言葉に  
もう逆らう気力は残っていなかった。  
 
 
さて、彼女を連れていったらあの悪魔どんなことを言うかな・・・。  
セシルはそんなことを思いながら、服を身に付け転送されることを願った。  
しかし、ある違和感にその思考が途切れる。  
 
繋いでいたオリヴィエの手が異様に軽くなった。  
振り返って確認すると肘から先の彼女の体が無い。  
 
「お・・・・オリヴィエ・・・・・??どこ?!」  
彼女の腕を抱きしめながらセシルは叫んだ。  
さっきまで、泣いていた彼女が消えてしまった。  
もしかして、勝手に魔界へ彼女を連れて行こうとしたから・・・・?  
 
 
「あなた・・・もう本当に悪魔のようになったのねぇ・・・・・。  
 今のかどわかし方、私達の手法にそっくりだったわよぉ?」  
セシルは頭上を見上げると、見慣れない一人の少女が木の枝に腰掛けていた。  
真っ赤な髪がそこに炎があるかのように浮かび上がっている。  
さっと不安な表情から警戒の表情へと移り変わる。  
 
「・・・あなたは誰・・・・?オリヴィエはどこにいったの・・・・?」  
冷たい汗がセシルの背中を伝う。  
今まで対峙した聖職者達とも人間たちともどこか違う。  
「誰かって?それは教えられないわ・・・。でも、見て分からない?」  
得意げな口調で言うと、音も無く彼女は枝から飛び降りる。  
 
「あ・・・悪魔なの・・・?女の悪魔・・・・・?でも・・・おかしいわ・・・  
 私が知っている悪魔は、人間の世界では醜悪な化け物の形をしていたわ・・・。」  
セシルの目の前の悪魔は、牙や耳の形がおかしいことを除けば、  
非常に美しく可愛らしい容貌だった。  
「フフフ・・・・馬鹿ねぇ。何でもかんでもひとくくりに考えるなんて。  
 アタシ達の能力は個々に違うのよぅ。そんなことも知らないなんて・・・さすが人間だわぁ!」  
お腹を抱えて、悪魔は笑った。  
セシルには何が可笑しいのかひとつも分からなかった。  
 
「オリヴィエは・・・どこに・・・・。」  
「フン・・・・あの魂の抜け殻のような人間のことかしらぁ?」  
「知ってるの・・・?」  
「ねえ、あなたの握っているものはなぁに?」  
「彼女の腕よ・・・。」  
綺麗なオリヴィエの指先を見ながらセシルは答える。  
 
「アハハ・・・じゃあ、分かるでしょぉ?アタシは悪魔よ?あの雌は不味かったわ。」  
「そう・・・。食べたの。」  
気の無い返事をセシルは返した。  
「ちょっ・・・ちょっとぉ、怒らないの?あなたの仲間でしょう?」  
「なんで?怒ったって戻らないわ・・・。消えてしまったのなら。」  
怒らせようと仕組んだカサンドラのほうが怒ったような表情になる。  
 
「つまらない人間ね!!本当、なんでアイツが選んだのか分からないわぁっ!」  
「・・・アイツ?」  
「そうよ、あんたの知ってるアイツ!」  
「あの悪魔の知り合いなの?」  
「し・・知り合いも何も・・・あんたには入れないような深い仲よぅ・・・。」  
「へぇ・・・。」  
セシルは少し蔑んだような眼差しを彼女に送った。  
 
「なっ・・・何よぅ!!憎たらしいわぁ・・・・どんなふうにして殺そうかしらぁ。」  
「私・・・先を急ぐの・・・。あなたに付き合っている暇は無いわ・・・。」  
オリヴィエの腕をそっと地面に下ろし、セシルは歩き始める。  
 
「なっ・・・なんですってぇっ!!!待ちなさいっ!!」  
突如、突風が巻き起こり、セシルを背後から襲う。  
「きゃっ・・・・!!」  
彼女の体が宙に浮き、すごい勢いで地上に叩きつけられる。  
 
「ガッ・・・ハッ・・・・・・」  
衝撃によりセシルは息が出来なくなりもがいた。  
「ウフフフッ・・・・いい気味ねぇ。這い蹲って・・・芋虫みたい・・・・」  
「・・・つ・・付き合う・・・暇はないと・・言ったわ・・・・」  
上半身を起こし、呼吸を荒げてセシルは言った。  
 
「黙りなさいよぅ!!」  
その声と同時に片手を上げると、また風が巻き起こり今度は木の葉が  
剃刀のようにセシルを襲う。  
「ああぁぁっ・・・!!」  
浅く鋭い傷が彼女の体に浮き上がる。  
服にもその攻撃でナイフで切ったような穴がいくつも開いた。  
その穴から、悪魔の刻印がカサンドラの目に留まった。  
悪魔の寵愛の証でもあるソレが・・・。  
 
「・・・許せない・・・・・。その刻印・・・・・」  
衝撃による痛みを耐えているセシルの腹に、カサンドラは直接蹴りを入れる。  
「許せない!!許せないっ!!」  
「ああっ!!ぐっはっ・・・あぅっ・・・・!!」  
蹴って仰向けになったセシルの腹を力いっぱい踏みにじる。  
「さあ、これからどうしようかしらぁ?その胸をくり貫いて、  
 その首を引き抜いて・・・そして・・・アッ・・・!」  
カサンドラの背後に小さな炎の玉が出現して、彼女に当たってきた。  
 
「いったぁい・・・・にっ・・人間の分際で〜っ!!」  
「ハァ・・・・ハァ・・・・ど・・どんな事情があるのかは・・・知らないわ・・・・。  
 でも、まだ私死ぬわけにはいかないの。」  
ギラリとセシルの瞳が金色に光る。  
 
が、何もおきなかった。  
「あっ、・・・・悪魔には効かないのね・・・。」  
「プッ・・・キャハハハ・・・・・!なぁに?今の?アタシの頭でも吹き飛ばそうとしたのぉ?  
 効かないんじゃないわっ・・・レベルが違うだけよぅ・・・」  
セシルの体制が著しく悪くなったことは本人にも分かった。  
しかし、まだ死ぬわけにはいかない。無駄でもこの悪魔を遠ざけなくてはいけなかった。  
痛む体を起こし、両手を悪魔に向ける。  
すると、カサンドラの周りで大きな火柱が巻き起こり、彼女が包まれる。  
「急いでいるの・・・邪魔しないで・・・・・?!」  
 
炎に包まれたはずの彼女が無傷なままゆっくりと火柱から歩み出てきた。  
カサンドラの周囲には風が激しく巻き起こり、炎の進入を許すことが無かったのだ。  
そして、その風が台風のように広がりセシルまで包み込む。  
 
「無駄よぉ・・・。なぁに?ちょっと力が使えるくらいで・・・いい気になってるのぉ?」  
風のせいでセシルの周囲にあった空気が奪われ、呼吸もままならない状態になってしまった。  
「うっ・・・・ぐぅっ・・・・・・・」  
「あらぁ・・・どうしたのぉ??アハッ・・・涙が出てるわよぉ?」  
さすがにセシルも呼吸が出来ないのでは、意識が朦朧としてくる。  
ガクリとヒザを付き、その場に倒れ込む。  
 
「ふふふ・・・・さあて、さっきの続きをしましょうかぁ?」  
そう言いながら、カサンドラはセシルの上に馬乗りになった。  
「あぁ・・・・あと・・・あと二日待って・・・・・・。  
 そしたら、あなたの好きにしていいから・・・・。」  
セシルは荒い呼吸の中懸命に訴えた。  
 
「はぁ?好きにしていいですってぇ?なんでアタシがあんたに許されなくてはいけないのぉ?」  
怒りに顔を歪めながら、カサンドラはセシルの乳房に爪を立て握り締める。  
「うっ・・・・・くぅっ・・・・・・。」  
「ンフフ・・・痛いのかしらぁ・・・?じゃあ、これはどう?」  
「ひっ・・・うぅっ・・・・!!」  
服の穴に指を突っ込みもう片方の乳房の先端にある乳首を力いっぱい捻り上げた。  
セシルは下唇をかみ締め痛みに耐える。  
 
「くっくっく・・・・どこまで耐えられるのかしらぁ?」  
ぐいっと捻った乳首を限界まで持ち上げる。  
「ああっぐぅっ・・・うぅうっっ・・・・・!!!」  
「許しを請いなさいよぅ・・・ちぎれちゃうわよぉ?」  
冷や汗を流しながらもセシルは耐える。  
「フフ・・・そぉ?もっとしてほしいのね?じゃあ、ここはぁ?」  
カサンドラは上半身をひねり、セシルの陰部へと乳房を握っていた手を伸ばす。  
そして長い爪で彼女のクリトリスをギリギリと挟み込んだ。  
「うっ!があっぅうっ・・・!!」  
激痛がセシルの体の真ん中を走っていく。  
 
「やはははっ!!すごいわぁ。何ビクビクしちゃってぇ。感じているのぉ?」  
セシルの腕はしっかりとカサンドラの膝に押さえつけられ動かせない。  
「ほぅら・・どう?どうなのぉ??」  
乳首とクリトリスを引っ張り揺さぶられ、異常な痛みが湧き上がる。  
その辛さを断ち切るようにセシルは首を振った。  
「しぶといわねぇ・・・。もう飽きてきちゃったぁ・・・。」  
カサンドラは攻めていた指を離し、セシルの顔を覗き込む。  
「ま・・・まだ・・・殺さないで・・・・・・お願い・・・お願いします・・・・」  
荒く肩で息をつき、セシルはカサンドラに許しを請う。  
 
「ンフフフ・・・・いいわよぉ・・・・。」  
にっこりと笑った。  
「ほっ・・・本当・・・?」  
セシルの表情が明るくなった。  
「なぁんて言うわけないでしょぉ!!今すぐあんたの命なんか奪ってやるわ!」  
 
「そんなぁっ!・・・あっ!!」  
カサンドラの細い指がセシルの膣の中に潜り込む。  
「ここに・・・アイツが入ったの・・・・どうだった・・・・?」  
乱暴に中で指を掻き動かす。  
「ああぁっ!!いっ・・・いたっ・・・・・・あぅっ!!」  
爪が内壁を擦るたびにセシルの体が硬直する。  
「ねぇ・・・どうだったのよぉ・・・・優しかった?気持ちよかった・・・?」  
カサンドラの5本の指全てがセシルの中に納まってしまう。  
「やぁっ!!ああっ・・・・!!うっ・・・あぁっ!!」  
小さな女の手とはいえ恐ろしい圧迫感を覚え、セシルのそこは裂けてしまいそうだった。  
「クククッ・・・なぁに?アタシの指をアイツのと勘違いしてるの?すごい締め付けよぅ・・・。」  
全て指が挿入され、更に拳ごとカサンドラはセシルの膣に侵入していく。  
「あぐっ!!うううっ・・・いたいっ・・・・・!!やめてぇっ・・・!!!」  
たまらなくなり、セシルの足が暴れるが、カサンドラは止めるどころか、  
子宮口に指を差し込んでいく。  
「ああああああっっ!!!」  
「アハハハ・・・みっともなぁい!このまま子宮を引き抜いてあげるわぁっ。  
 そしたら刻印も消えてしまうかもねぇ。まあ、その前に死んじゃうかもしれないけれどっ。」  
愉快げにカサンドラは挿入した拳をストロークさせる。  
「ああっ・・やぁぁああっ・・・・あぅっ・・・んあぁっ・・・」  
子宮にまで達する激痛と挿入感による激しい快楽の中、本当に殺されるとセシルは思った。  
無意識に弟の寝顔が頭の中をよぎる。  
病気に苦しむ顔が、ふざけて笑う顔が・・・  
まだ・・・死ねない・・・・まだ!!!  
 
 
その時、恐ろしいほどの閃光が立ち上り、セシルの上に乗っていたカサンドラが遠くへ吹き飛ばされた。  
「まだ・・・・・死ねないの・・・・・・・。」  
セシルの体から稲妻のようなエネルギーが発せられ、あたり一面の物質がそれに共鳴するように震えている。  
「・・・・ぅ・・・な・・・なんで・・・・・・」  
地面にうつ伏せたカサンドラが呟く。  
 
「これが、人間の力さ・・・・・。」  
一瞬でボロボロになったカサンドラをアンドラスが抱き起こす。  
「・・・・・ど・・・して・・・・・・。」  
「彼女の力は未知数なんだ。感情の起伏により、どう転がるか分からない。  
 我々悪魔は一定の力以上にはなれない・・・。人間のように激しい感情はないからね。」  
「・・・・そう・・・・。」  
「君はシールドをはらなければ、俺も早く来れたのに・・・。悪戯がすぎたね。」  
「・・・うん・・・・。」  
こくりと軽く頷いて、カサンドラは意識を手放した。  
「家に帰りなさい。」  
そう言うとアンドラスはカサンドラを魔界へ転送させた。  
 
 
そして、未だに小さなスパークを放っているセシルのほうに歩み寄る。  
「セシル!」  
名前を呼び、彼女の肩を掴む。  
彼女に触れた瞬間全身が痺れたが、更に力を込め揺さぶった。  
「ぁ・・・・・・ぁ・・・私・・・死んでないのね?」  
焦点が彼女の瞳に戻り、アンドラスを映し込んだ。  
「し・・・死ぬかと思ったのは今の俺のほうだ。」  
醜悪な姿の悪魔からは白い煙が微かに立ち昇っていた。  
 
 

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