かしらかしらごぞんじかしら
まーるいお月様の夜にプールに入っちゃいけないの。
かしらかしらごぞんじかしら
入っちゃったらどうなるの どうなるの
連れてかれるののごぞんじかしら
どこにつれていかれるの
知らないわ知らないわ知っちゃいけないことだもの
夏休み最後の日。
満月が夜を照らす中、
竹内香奈はスクール水着を袋に背負い学校へと向かっていた。
何故彼女がこのような場所にいるのか。
そもそもは友人から借りた小説中で、主人公の男の子が、
夏休みの最後にプールに入るという場面があり、
そこで不思議な少女に会うという光景に、香奈が憧れたからという
実に思春期の少女らしい理由からである。
夜の闇の中にそびえ立つ学校に怯えつつ、更衣室が閉まっていたため
プールの淵でおっかなびっくり、それでもドキドキしながら水着に着替えると
香奈は真っ直ぐに切り揃えたおかっぱ髪を水泳帽にしまい、
ゆっくりプールに身を沈め泳ぎ始めた。
見渡す限りの闇の中、満月のみが香奈を浮かび上がらせる。
夏休み前に泳いだプールと同じ場所の筈なのに
夜はまったく違う場所に思え、このような体験をしたのは自分だけだろうという
クラスメートへの少しの優越と、自分はもしかしてここに一人きりなのではという
非日常的なものへの軽い興奮と不安を香奈は感じた。
ひとしきり泳ぎ、小説のような出会いがなかったことを
少し残念に思いながら香奈はプールから上がろうした。
だが。
「えっ?」
右足が動かない。
何かに引っ掛けたかと思い水面を見るが、月明かりに透き通る
プールの中には何もない。
「ど、どうして…動いてよ」
何とか動かさそうするが右足は何かに包まれたかのように微動だにしない。
それは足が攣っているという訳ではなくただ動かないのだ。
「お、お母さん…」
理屈では説明のつかない事態に香奈の心は不安と恐怖で一杯だった。
そのためか泳いで冷えた体が、心の影響も受け、チョロチョロとスクール水着の隙間から
尿を漏らした事にも気がつかなかった。
そして尿がプールに交わった刹那、香奈は満月を背景に逆さ吊りにされていた。
「ひっ」
水泳帽が脱げおかっぱが姿を現す。
体のほうに顔を向ければ両足を大きく開かれて、その向こうには透明な水の柱が立っていた。
「いやっぁ」
恐怖に慄いた香奈は叫ぼうとした瞬間、その柱の中にいた。
声はくぐもり、外には届かない。
いやぁああああ、出して、助けてぇええ
水の柱は実は水でないのか香奈はその中でも苦しむ事はなかった。
だが狂乱の中の香奈はそれには気づかない。
出してぇええ、ふぁっ
聞こえもしない哀願の声を遮ったのは水着の隙間から香奈の胸に触れた
『何か』だった。
それは粘質のようでありながら香奈の胸に触れるさまは硬質なようでもあった。
水着の胸の部分は奇妙に盛り上がりつつ形を変える、その度に香奈は
声なき声をあげていた。
いやっ、ふぁああ、くぅんっ
恐怖と混乱と一片の甘いうずき。
香奈の頭の中は散り乱れ、自分が何を感じているかも理解できていなかった。
はっ、あぁ、っあぁああああ!
びくんと香奈の体が震える。
『何か』は二時間に渡り香奈の胸に纏わりついていた。
そして一時間続けられた行為は甘いうずきを焔に変え、
香奈は何か分からない存在の手で果てていた。
その数は十三回に及んでいた。
何時の間にか体を正常な位置に戻っていた。
M字開脚に固定された香奈の秘所はたっぷりと愛液を溢れさせていたのだが、
『何か』は避けるようにそこには手を出さなかった。
いやぁ、おうちに帰して…
十数回絶頂に上げられ、息も絶え絶えという様子の香奈であったが、
『何か』は頓着せず続ける、だが今度は行為を一つ増やした。
はぁあ、やだ、やめて
何が引き金を引いたかは不明だが香奈は内股に感触を得た。
それは水着の布を横にずらすとゆっくりと香奈の膣へと侵入してきた。
はあああああっ、うあああああっ
水のような感触のそれの挿入は痛みを感じさせず、
香奈に快楽を与えた。
膣内を滑るように進んでいたそれが止まる。
香奈の処女膜である。
だがそれは己の身を細くし、処女膜の穴を定めると滑らかに侵入を再開した。
あああっ、あんあっ、ふああああ、こ、壊れちゃう、壊れちゃうよ
最奥、子宮まで伸ばされたそれが発する振動は、
子宮、膣道、陰核に及び、強烈な快感を香奈に与えた。
だめっ、あぁ、あぁああ、っあああぁぁっっ
股間から発生した快感が全身を痙攣させ、秘所から潮を吹かせる。
限界だったのか香奈は気を失い水の柱の中でぐったりと体から力を抜く。
それと共に水の柱はゆっくりとプールへ身を沈める。
そして柱が完全に沈んだ時、香奈の姿はそこにはなかった。
蛇足ではあるがプールのあった場所はかつて水神を祭った沼であり、
人々は水神が香奈を娶ったに違いないと噂した。