…はるか南洋への航路半ば、この謎に包まれた小島はポッカリと浮かんでいる。  
地図にも載って居らぬ海鳥の楽園。接岸はおろか、船舶が近付くことすら危険な断崖絶壁に囲まれたこの孤島には、鬱蒼たる緑に覆われ誰もその存在を知らぬ一軒の広大な洋館が建っていた…  
 
ビシイッ!! ビシイッ!!  
 
洋館の広い一室に鋭い鞭の音が響く。高い天井から垂れる鎖に両腕を戒められ、鞭が舞うたび苦悶に喘ぐ女の名は翡翠令嬢。秘密組織『ゾオヒム』の行動隊長を務める少女だった。  
無残に裂けた白いドレスには血が滲み、乱れた黒髪が汗に濡れた顔に張りついている。残忍無比で知られる彼女も、今は更に冷血な上司の制裁に惨めな悲鳴を上げ続けていた。  
 
「…あぁ…琥珀さま…お赦しを…」  
 
「…早瀬陸軍中将の暗殺失敗。製鉄所爆破の失敗。そして今度はたかが小学生の誘拐に失敗…」  
 
憎々しげに鞭を鳴らす美女は琥珀公女。蠍のごとき赤褐色の中華服に妖艶な肢体を包み、翡翠令嬢を冷ややかに眺める瞳は無慈悲な凛々しさを湛えている。  
 
「…あ、あれは、あけぼの頭巾が…ヒィ!!」  
 
弱々しく釈明する翡翠令嬢に痛烈な一撃を再び与えた琥珀公女は、いまいましげに言葉を続けた。  
「…お黙りなさい!!貴女の失策は全て、任務を脱線していやらしい遊びに耽ってたからでしょう!!」  
 
失敗の代償は死。悪の秘密結社『ゾオヒム』鉄の掟だ。たとえ相手が最も寵愛する『恋人』であっても…  
翡翠令嬢は青ざめた唇を噛んで俯く。彼女の作戦に乗じて不必要に美少年を弄ぶ趣味は、全て上司である琥珀公女のもとに報告されていたのだ。  
 
「…この写真は何ですか!! こんなことの為に高価な独逸製の写真機を支給したのではありません!!」  
 
彼女が翡翠令嬢の鼻先に突き付けた一葉の写真には、拘束した少年の下半身を愉しげに玩弄する翡翠令嬢がしっかりと写し出されている。  
耳朶を赤らめ黙り込む部下に、琥珀公女は少し声を落として囁いた。  
 
「…貴女には再教育が必要ね…」  
 
…外界から隔絶されたこの孤島の洋館には、秘密結社『ゾオヒム』の世界征服に必要なあらゆる設備が設けられている。  
兵器の開発、訓練の施設。そして破壊活動を行う人材の洗脳や教育に充てられる、窓の無い密室…  
 
「あヒィィ!! お、お慈悲を!! こ、琥珀さ、ま…」  
 
先ほどから、翡翠令嬢の『再教育』は粛々と続いていた。四肢をあらん限り引き伸ばされ、大の字のあられもない姿で拘束された彼女の股間に、琥珀公女の容赦ない靴底がぐいぐいと食い込む。  
 
「…さあ!! 言ってみなさい!! 『ゾオヒムの誓い』を最初から!!」  
 
「…ひ、『ヒトツ、我ラハ欺瞞ト偽善ニ満チタ大日本帝国ヲ打倒シ…』ああッ!!」  
 
鋭く尖ったヒールの踵が薄いレェスの下着越しに秘めやかな窪みへ半ば埋まるたび、入り混じる苦痛と快楽に翡翠令嬢はなす術もなく悶え続ける。このまま責め殺される恐怖に震えつつ…  
 
「…『鋼鉄ノ…意思ヲ持ッテ邪悪ナル支配層ヲ…』お、おお…」  
 
苦しげに誓約を詠んじる声は途切れがちだ。硬い爪先がグリグリと少女の敏感な核を蹂躙すると、翡翠令嬢の腰が自らの意思で蠢き始めるのを琥珀公女は見逃さなかった。  
琥珀公女にとって、翡翠令嬢は幼い頃から手塩にかけて様々な戦闘術を仕込んだ可愛い弟子だ。そして本心はずっと傍らに置いて愛玩したい『恋人』でもある。  
髪を振り乱して喘ぐ翡翠令嬢のしなやかな肢体を恍惚と見つめた琥珀公女は、ともすれば憐憫の心が湧き上がるのを抑え、あえて更に過酷な制裁を続ける。  
美少年への興味、特に主たる自分への背信は厳しく罰さなくてはならない…  
 
「…あひいいいいッ!!」  
 
今やしたたかに濡れ、ぺったりと下着の張り付いた翡翠令嬢の下腹を、琥珀公女の足は更に激しく責め苛む。堅いヒールは遂に下着を裂き、翡翠令嬢の潤った内部に深々と侵入した。  
翡翠令嬢の涙声が殺風景な部屋に反響する。しかしその叫びは少なからず被虐の快楽に依るものだった。琥珀公女が彼女に教え込んだのは決して殺人の技術だけではない。  
 
「ああッ!!琥珀さまァ、!!」  
 
艶やかで華奢な黒革の靴が、毒蛇のように危険な少女を犯す。何という罪深く、そして扇情的な光景であろう…  
 
淫らな『再教育』にひたすら喜悦の声を漏らす腹心に、自らも明らかな欲情に身をよじりながら琥珀公女は用意していた仕上げの台詞を口にした。  
その言葉は、翡翠令嬢を奈落の恐怖に突き落とし、そしてその姿をたっぷりと鑑賞する琥珀公女の疼く肉体を、瞬時に絶頂へと導くものだった。  
 
「…貴女は可愛い男の子が好きみたいね…。一人呼んで上げましょうか?『雲母童子』はご存知でしょう?」  
 
「…ひ、ひいいッ!!」  
 
何気ない呟きの効果は絶大だった。『雲母童子』の名を聞いた翡翠令嬢の全身が戦慄に凍りつく。  
手足を縛る縄を千切らんばかりにガクガクと反り返る身体。熱く湿った局部までがキュッと収縮し、激しい動揺は彼女に制御できぬ絶頂と、恥ずべき失禁をもたらした。  
 
「はあ…あ…あ…」  
 
数え切れぬ人間を微笑みながら殺めてきた美少女の醜態を、深い愉悦の眼差しで琥珀公女は見つめる。そしてその暗く赤い衣の裾を暖かい飛沫がびっしょりと濡らしてゆく。  
 
「…嫌、嫌ですッ!! 琥珀さま、お慈悲をォ!!」  
 
果たして翡翠令嬢を失禁せしめる『雲母童子』とは? とめどない迸りを恥じることも忘れ、幼子のごとくじたばたと暴れる彼女に、『ゾオヒム』大幹部である琥珀公女は残酷に告げた。  
 
「…先週欧州から戻って来たの。ほほ、船旅で欲求不満らしくてね…本土に着いてもう世話係の子を三人ほど廃人にしたらしいわ…」  
 
「あぁ…琥珀さま… 翡翠は心を入れ替えて貴女様に尽くします。どうか、どうか…」  
 
琥珀公女は心地良さげに翡翠令嬢の懇願に耳を傾けていたが、やがて小水に濡れた衣服を全て脱ぎ去り、一糸纏わぬ逞しい裸体でまだ震え続ける愛弟子を見下ろす。  
 
「…そうね、貴女と雲母童子、どちらが先にあけぼの頭巾を倒すか、考えるのはそれからにしましょう…」  
 
彼女の合図で翡翠令嬢の手足に絡む縄が、さらに過酷な角度でギシギシとその力を増す。  
 
「あ、お…琥珀さ…まぁ……」  
 
絶叫する少女の露わな部分に再び足を載せた琥珀公女の瞳は、まだ満たしきれぬ欲望を秘め、爛々と妖しく光っていた。  
 
 
終  
 
 

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