ヴァルキリー (Valkyries)  
【分類:北欧神話】  
死と戦いの女神。鎧に身を包み、白い翼を持つ。  
彼女達は、地上で戦死した者を、ヴァルハラ宮殿に運ぶ役目を持つ。  
いわば天界への人材調達人であり、神としての位は高い。  
ワルキューレ、ワルキュリア等の名は言語発音などからの違いであり、いずれも  
同一の神を指す。  
 
 
夢を見れる年齢というのは良いものである。  
俺がそう実感するになったのは、去年25になってからだった。  
今年には26になり、この会社に勤めて3年が経つ。  
「若い頃はそう思っちゃいなかったんだけどなあ・・・」  
俺より上の年齢の人から見れば「若い奴が何生意気言ってやがんだ」とでも言われるかも  
しれないが、ガキの頃考えてた社会と現実の違いを目の当たりにしては、そう呟く他もな 
かった。  
煙草も酒もやらないと「付き合い悪い」と言われる始末。  
毎日が苦痛というか、ストレスというか。  
このご時世に職業にありつけているだけ幸運なんだろうが、つまらないなら意味がない。  
「あーもう、面白くねえ!」  
面白い面白くないで社会を判断しております。  
だから、もっと面白いというか、楽しめる人生が送りたい。切実に。  
「こうやって独りで生きていくのか・・・はぁ・・・」  
本日何度目のため息でしょうか。一回0円だから悲しい。スマイルと同列か?  
頭をがくんを下げながら、家への帰り道を急いでいく。  
そんな風にとぼとぼ歩く俺は、はるか後ろ、それも上空にいた影に、気づくはずもなかっ 
た・・・。  
 
 
「ただいま〜・・・っと」  
カバンを投げ捨て、スーツを適当に掛け、さっさと普段着に着替える。  
適当にテレビをつけて、いつものように飯の支度を始めようと、台所に立った。  
自炊生活が長いので、これでも料理の腕はけっこういい。  
今日は・・・少し奮発してスパゲッティーでも作るか。  
ちゃっちゃと湯を沸かして、さっさと麺をブチ込む。  
棚からミートソースの缶詰を取り出し、調理して茹でたスパゲッティーにかける。  
即席ミートソーススパゲッティーの出来上がりっと。詳しい調理内容は省略。  
大皿にそのまま盛り付け、テーブルの真ん中に置く。  
豪快にフォークをブッ刺し、適当に回しこんで・・・口に頬張る!  
「フフ・・・我ながら良い出来だ」  
至福の瞬間だ。  
「ええ、中々おいしいですねえ。いわゆるアルデンテですね?」  
「そうでしょう?ま、慣れてますから」  
俺は得意げに鼻を鳴らす・・・・・・・・・・ってええ!?  
い、今の声は!?女!?誰!?誰なんだキバヤシ!!  
「あら?どうされました?」  
目の前でニコニコしながら俺の事を見ている女性・・・  
非常に美しい。まるでこの世の者でないかのように。  
そして最大の違いは、その姿が鎧に包まれているということと、何より背中より広がる  
純白の翼の存在だった。  
 
えっ、なっ・・・誰だあんた!!」  
俺の言葉に女性がキョトンとしてから、数瞬の間を置いて、納得したように手を鳴らし 
た。  
「あっ、申し訳ありません。この羽ですね?」  
女性がにこやかに言ったと思うと、翼がスゥッと消えていった。  
間違いなくこの世の者ではない。キバヤシ、誰なんだこいつは!?  
錯乱した俺は、腹の中であのトンデモ理論を繰り広げる男を呼んでいた。  
「違う!あんた誰なんだって聞いてるんだ!」  
とりあえず、錯乱しながらもきちんと分かるように言い直す。  
「駄目じゃないですかぁ、相手の名を聞く時は自分から、ですよ?」  
天然かこいつ?いや、落ち着いて考えてみるとさ。  
「え・・・?あ、いや・・・えっと、柊 卓・・・だけど」  
いつのまにかペースに巻き込まれてる・・・俺。  
「私は・・・レイチェルです。レイだろうとレイチェルだろうと、お好きなように」  
「ああそうですか・・・じゃなくて!!」  
絵に描いたような夫婦漫才になってしまっている。  
「・・・ほかに何か?」  
「何か?じゃなくて!なんであんたが俺の部屋にいるんだよ!」  
彼女・・・レイチェルは再びキョトンとした。  
「どうしたのですか?そのように慌てられて」  
俺は思わず「(゚Д゚)ハァ?」と返してしまう。  
もう駄目・・・誰かまともに話せる人いないの?  
そんなことを思っているとと、意外な助け船がそこへ・・・  
 
「姉さーん、まったく・・・何してるのよ」  
言いながら、レイチェルと同じような服装、そして翼を広げた女の子が開けられたまま 
の窓から部屋に入って来た。あ〜・・・あそこから入ったのか。  
まったく違う所に関心している俺をよそに、その女の子――――14、5といったとこ 
ろだろうか。  
レイチェルが20代前半のような、熟しつつある色気を放つのに対し、この子は幼さの 
残る風貌だ。  
やはり、この世の者とは思えない美貌・・・・いや、むしろ可愛さといったところだろ 
う独特のそれを醸し出していて、それぞれがそれぞれの魅力を備えているように見えた 
―――は  
レイチェルを姉さんと呼びながら、なにやら説教をしている。  
あ・・・あの子ならまともに話が出来るかもしれん。  
「もう!人の部屋に入るのはいけないにきまってるでしょう!?どこぞの勇者じゃある 
まいし・・・  
だいたい、姉さんはそういう常識的な所が欠けすぎなのよ!」  
疲れたような顔をしながら説教する未来ある女の子の肩を叩いて、こちらに気づいても 
らう。  
とにかく、なんとかして何か聞かなくては・・・  
トントン。もしも〜し。  
「それに、姉さんは・・・もう、なによ!こっちは忙し・・・」  
こちらに振り向いたとたん、女の子は顔を真っ赤にさせた。  
耳から煙が出てもおかしくなさそうである。  
「キャ〜〜〜〜〜ッ!!」  
なぜか叫びながら、レイチェルの後ろに隠れる。  
「え・・・あの・・・」  
俺は意味が分からず、困るばかりである。  
対する女の子は、真っ赤のまま、レイチェルの陰から俺をにらんでいる(ように見える 
のよこれが)  
 
「・・・でだ」  
結局まともに話が出来たのはレイチェルの方だったわけで、俺は大体の事情を聞いた。  
彼女たちはあの戦乙女という奴で、俺は勇者らしい。いや、知らないけど。  
ちなみに、女の子はレイチェルの妹で、名前はシルフィだそうだ。  
レイチェルが説明するたびに、シルフィは陰でコクコクとうなずく。  
相変わらず顔は赤いままである。  
「あんたらはヴァルキリーってやつで、俺は勇者の素質があって、それを確かめるため 
に俺の家に入りこんで人の晩飯を食べてくれたと」  
いつのまにか大皿のスパゲッティーは空になってくれている。  
俺は一口か二口くらいしか食べてないのに・・・この空腹と怒りをどうしてくれようか。  
「申し訳ないです・・・お腹が空いていたので」  
レイチェルが口元を拭きながら苦笑いする。  
くっ・・・三十秒程度ですべて食われてしまっては、文句が言えないではないか・・・  
なにげに、シルフィも食べている。  
「まあ、それはともかくとしてだ」  
俺はいいかげんに流れを戻した。  
「・・・俺に勇者の素質があるとか突然いわれても、困るんだが・・・」  
当たり前の事だろう?こんな平凡なサラリーマンやってる男にそんなファンシーなもの 
があるとは到底思えない。  
「そうですよねえ。突然ですものねえ・・・」  
突然部屋に入られてご飯を平らげられましたから。  
そう心の中で毒づいていると、レイチェルがトコトコ近づいて来た。  
 
「確かめる方法がありますよ?」  
「・・・へ?」  
と、俺が声を出す間もなく、唇に暖かく、柔らかい感触。  
俺の頬に当てられた手。・・・レイチェルの・・・・唇!?  
「んっ・・・」  
目の前に、頬を赤らめたレイチェルの顔。  
数秒ほどして、レイチェルが唇を離した。  
俺は驚きで未だ声もでない。  
シルフィも唖然とした顔で俺達を見ている。  
と・・・・  
「卓さん、首筋を見せていただけませんか?」  
言われるままに首筋を見せた。何かあるとでも・・・?  
「ほら、これです。これがあなたの勇者の証」  
と言いながらどこから持って来たのか手鏡を持っているレイチェル。  
俺は促されるままに見た。・・・すると、俺の首筋に一つの痣が浮かんでいるではない 
か!  
それもジョー○ター家よろしく、星型の痣である。  
 
これが・・・証?ていうかなんでこんな物が?  
「私達ヴァルキリーと勇者が粘膜的接触・・・つまり、キスを行うと・・・その証が浮 
かぶんです」  
随分な御都合主義だ。  
ふと、レイチェルがさらに顔を赤くした。  
「それと・・・勇者としての力を解放する方法もあるのですが・・・それが・・・」  
なにやらモジモジしている。なんだ?なにが起こるんだ?  
「その・・・同じ、接触をするのですが・・・実は・・・」  
「じ、実は?」  
拳を交えるとかそういうのじゃないだろうな。  
「・・・・私達と、その・・・エッチ、を・・・」  
・・・はぁ?  
一瞬意味が分からなかった。いや、今でも分からない。  
なにそれ。どんな御都合主義ですか。ていうかあれか、強くなりたければ食らえ!!か。 
嫌だなそれ。あんな風にはヤリたくねえ。勘弁してくれ。  
そう思っていた俺をよそに、レイチェルは服を脱いでいる・・・って、俺のも脱がせに 
かかってるし!  
シルフィは、顔を逸らして手を胸の前に置いたまま、つったっている。  
「え、あの・・・ちょっ・・・マジで!?」  
「マジですよ?」  
そうですか・・・  
 
ともかくいかなる理由であれ、こんな美人と出来るなら拒むはずもなく。  
今度は俺から唇を奪った。  
「んんっ・・・んちゅ・・・んふぅ・・・」  
舌を割り込ませると、レイチェルの動きは予想以上に「慣れていた」。  
的確なその蠢きに負けない様にしながら、激しく絡める。  
「ね、姉さん・・・」  
止めようと声を出しかけたシルフィだが、途中で口篭もってしまった。  
俺が視線を向けてみると、また顔を真っ赤にして視線を逸らす。  
「ほら、フィーもいらっしゃい・・・」  
「だ、駄目よ、姉さん・・・」  
制止の声も聞かず、レイチェルはシルフィの鎧を手早く脱がし、半脱ぎの状態で引っ張っ 
て来た。  
中々良く分かっていらっしゃる。  
シルフィの身体は幼いながらよく整っており、その膨らみも少ない双丘が逆に興奮させる。  
さらに半脱ぎ+局所を手で抑えているとあっては、もう累乗の領域である。  
俺は強ばったシルフィの肩に、そっと触れてみた。  
「ひゃっ・・・やぁ」  
それだけで、怯えたような、恥ずかしがったような声を出した。  
しかしそんな風に浅いスキンシップを取るうち、段々とシルフィもこちらに触れてくれる 
ようになった。  
「やだ・・・ドキドキしてる・・・」  
何故ドキドキなのかはしらんが、その姿が可愛らしい。  
レイチェルは何度か俺と口付けを交わしながら、にこにこしているだけだ。  
そろそろ本格的に事に及ぶか。  
そう思い、レイチェルの胸のあたりを指でなぞる。もちろん、じらすためにそれだけで済 
ます。  
「あぁ・・・もっと、触ってください・・・」  
答えないまま、ただ指をなぞらせるだけ。  
ある程度の快感こそ感じるものの、それは微弱の域を出ない。  
ついには、我慢できずに俺の手に自身の手を重ね、揉みしだくのを促してくる。  
「お願いですからあ・・・もう、乳首もこんなに・・・」  
布の上から感じる確かな尖り。  
俺はそこをちょっと弄ってやるだけで、シルフィとの口付けに意識を動かした。  
 
「んっ・・・はぁ・・・こんなの、初めてぇ・・・」  
恍惚とした表情でシルフィが呟く。  
それはキスが初めて?こういうねっとりしたのが初めてってこと?  
聞けるはずもなく、俺は・・・いや、正確には俺達は、ただぼんやりとした情欲に身を任 
せた。  
シルフィの胸元にも指を這わせてみる。  
「ひゃっ」  
思った通り幼い膨らみには確かな硬さが感じられた。乳首である。  
そこを指でつまんでコリコリとしてみると、スイッチが入ったかのように身体を震わせる。  
あ、なんか面白い。  
コリコリ。  
「あんっ・・・ああっ」  
コリコリコリ。  
「んあっ」  
コリコリコリコリ。  
「ひゃ、だ、駄目・・・」  
コリコリコリコリコr「あのー・・・」  
声に気づいて視線を移すと、中途半端に頬を赤らめたままのレイチェルが立っていた。  
・・・すまん、まったく忘れてた。  
と詫びるかわりに、レイチェルに深く口付け、舌をねっとり絡ませる。  
「んんっ・・・あはぁ・・・」  
シルフィへの責めの手も休めない。  
これ、意外と大変。まんべんなく愛撫してあげないと満足してもらえなさそうだし。  
 
しばらくして、レイチェルの手が、いつのまにか俺の股間にあった。  
当然俺のモノは勃起しており、ズボンの上から触られると微妙な感覚が下半身を襲う。  
「・・・窮屈でしょう?」  
妖艶。  
そんな言葉の体現のような笑みを浮かべながら、ズボンのチャックをおろしていく。  
「あら・・・大きいですのね・・・」  
チャックが完全に下ろされると、規制を失ったモノが勢いよく飛び出した。  
それにしても、さっきのボケボケな感じと全然雰囲気が違う。一体どっちが本物なのか。  
レイチェルが俺のモノを握り軽くしごく。普段自分でいじったりもしないので、かなり気 
持ちいい。  
というか、慣れているというか、ともかく上手い。こんなので責められたら・・・  
「こんなになって・・・ちゅ・・・」  
鈴口のあたりにその柔らかな唇を当てられると、なんとも言えぬ快感が下から走ってくる。  
「姉さん、私も・・・」  
さっきまで胸を責められて息の荒いシルフィが、レイチェルの側によってきて、俺のモノ 
を見つめた。  
促されて、おずおずと舌先でモノを舐める。  
それを合図に、二人はお返しとばかりにモノを弄り始めたわけで。  
「くっ、すげえ・・・」  
シルフィは上目遣いに俺を見ながら舌で亀頭をチロチロとしている。  
レイチェルは睾丸を優しく揉んできながら、俺との接触を求めてくる。  
予感がする・・・!  
このままこの二人が奉仕を続けたならっ・・・!俺は辿り着くだろうっ・・・!  
至福の瞬間に・・・!  
 
「んっ・・・ぺろっ・・・気持ち、いい・・・?」  
言葉も出せずに頷く俺。  
なぜなら、唇はレイチェルに奪われているから。  
「ちゅ・・・んふっ・・」  
このままだと前述の通りになってしまう。  
良く分からない危機感を感じた俺は、レイチェルの顔をどけ、指を素早くロングスカート 
の中に潜り込ませた。レイチェルの表情がすこし驚いたように変わる。  
「あっ・・・駄目です、そこは・・・!」  
耳を貸さず、秘裂と思しき場所を、下着の上から指でつついた。  
レイチェルの身体がピクンと反応する。  
負けじと俺のモノを、シルフィよりもねちっこく舐めるのだが、どうやら快楽でそれどこ 
ろではないようだ。動きに落ち着きがない。  
と、シルフィが口を放し、俺の顔の前まで上がって来た。  
ちょうど、レイチェルがモノを舐め、俺がシルフィとみつめあっている体勢。  
何も言わぬまま口付け、今度はシルフィの下着を露にした。  
俺もいいかげん限界が近いので、さっきよりも激しく。  
「ひあぁ!あっ・・・はぁ!」  
この体勢・・・説明しづらい。  
レイチェルは頭を俺の下半身へとおき、モノへの奉仕を続けている。  
つまり、69のような状態で、俺は右手で秘部を弄り、口でシルフィの方を弄っている。  
シルフィは自らの秘所を俺の顔の前に晒し、膝立ちで快感に耐えて・・・あぁ長ったらしい。  
左手はシルフィの腰に回して、押さえてやっているというわけだ。  
 
実際は俺自身はまったく動いていないわけで、まさに天国。  
「んはっ・・・ぁ・・・んんっ!」  
最初は恥ずかしがったような様子だったシルフィも、いまでは逆に俺に秘裂を押し付けてくる。  
お望みとばかりに舌をさらに進入させ、敏感な部分を刺激して、絶頂へ誘う。  
「やっ、駄目、イッちゃ・・う・・・あああぁ!!」  
両手を俺の後頭部に置いたまま、シルフィが果てた。  
倒れない様に支えてやりながら舌を抜くと、どうやら気絶してしまったようだ。  
横に寝かせてやる。  
「あらあら・・・おねんねしていますのね?なら・・・私達で楽しみましょう♪」  
爆発寸前のモノをしごきながらレイチェルが微笑んだ。  
・・・主旨変わってません?  
「イキそうですね・・・んっ、私も・・・」  
腰を波打たせながらぺろぺろ鈴口を舐めてくる。  
いよいよ射精感が限界に達しそうなので、俺はレイチェルへの責めを加速させた。  
それに合わせて、蜜の奏でる淫な音も響く。  
「ああっ・・・もっと、弄ってぇ・・・っ!」  
互いの責めで、互いに絶頂が近い。  
レイチェルの扱きで限界に達した瞬間、俺は陰核を強くひねった。  
「もう、イキます・・!・・・はああああぁっ!!」  
その声と同時に、白濁がレイチェルの顔を汚した。  
重力には当然逆らえず、噴水のように俺のモノに戻ってくる。  
気持ちよすぎて、そんなことも考えられない。  
 
 
「あら、こんなに汚れてしまって・・・んっ」  
丁寧に精液を舐めとってくれた。  
・・・今考えると、俺はたいして話してもいない、素性も知れない女性二人とヤッちゃっ 
たわけである。  
三国一の幸せ者か?はたまた希代の悪運の持ち主か?  
「今日は疲れてしまいましたわ・・・また、後日いたしましょう」  
後日・・・?どういう意味だ?  
それが彼女たちが俺の家に住み始めるという意味合いである事を理解するのは後の事だった。  
空が白み始めて・・・そして俺の意識は途切れた。  
どうやら、俺の平凡な日々は終わりを告げるようである。  
 
 

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