「もうすぐ秋ですね」  
 
残暑が和らいできた9月の休日  
お付のメイドがコーヒーのおかわりを注ぎながら呟く  
 
「ああ、もうすぐ食い物が美味い季節になる。 今年も皆で落ち葉を集めて焼き芋でもしようか?  
 去年は意外と盛り上がったしな」  
 
手元の本を閉じてコーヒーをすする。  
 
「よそのお宅に比べて当家は和やかといいますか、和気藹々というか、日常のささやかな楽しみを  
 主人が使用人と一緒になって楽しんでおられますから。 皆も心から喜んでおりました。  
 主人自ら落ち葉を掃き集めて焚き火をなさったり、よそではありえません。  
 旦那様からよく焼けた芋を手渡されたメイドの何人かは感激のあまり熱い芋を無理して頬張って  
 口の中を火傷させていたようです」  
 
なんととらえていいか判らない言葉に返答が詰まる。 無意識なんだろうが、困った娘だ。  
 
「ああ、何人か涙を流していたのを見た記憶がある。 そうか、熱いうちが美味いと思って勧めたのだが、  
 無理をさせてしまったか。 自重しよう」  
 
「まあ、宜しいではありませんか。 あのあと、後片付けをしながら  
 美味しかったと、旦那様のお手からいただいたと感激しておりましたから。  
 彼女たちにとっては、口の火傷よりも感激の方が大きかったようですよ」  
 
と言いながらも何か不思議な空気を身にまとっている お付のメイド。  
どうやら、腹に何か一言溜めているらしい。  
 
「で、何が言いたいんだ?」  
「?? 判りますか?」  
「何年の付き合いだと思っている。 お前の機嫌は顔を見なくても、声を聞かなくても判る。  
 何か言いたいことがあるんだろう?」  
 
目を見つめると、頬を赤くしてプイッと視線を逸らして呟いた。  
 
「私は、いただいておりません」  
「? 何だ?」  
「私は、旦那様のお手から焼き芋をいただいておりません。 お付として、寂しく思っておりました。  
 私こそが、旦那様にとっての一番のメイドであると自負しておりますのに。  
 旦那様にとっては私など他のメイドと同じなのですね……」  
「あ〜〜、何だ。 嫉妬か?」  
 
ヒクッと右の眉があがる。  
 
「ええ、そうですとも! 今夜は寝かせませんからねっ!   
 明日は月曜ですが、寝不足を覚悟しておいてくださいませっ!」  
 
あ〜あ、どうやら地雷を踏んでしまったようだ。  
まあ、たまには たっぷりと可愛がってやろうか。  
可愛い私だけのメイドさんなんだから。  
 

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