「え!?結婚するの?良かったじゃん!
これで私も安心して旦那さん探しが…できる……よ…
…おめでとう、ありがとう、さようなら」
「……みたいな夢を見たのよっ!」
「俺が結婚ねぇ。
―でも、そのシチュエーションだと、お前とじゃないよな」
「…そ、そうよ、ね…。
で、でもそれがどうしたって…言うの、よ」
「あり得ないな」
「えっ?」
「あり得ない。
だって俺はさ――」
「って、……何、これ?」
「びっくり箱じゃないぜ。さぁ、開けてみ」
「えっ……。
――ゆ、指輪…!?」
「はっきりちゃんと言わないと、って思ってた所だったからさ。
でも、そんな夢の話されちゃ、段取り前倒しだ」
「そ、それって……」
「俺と、結婚してくれ。
お前と結婚するのは、俺だ。異論は、認めない」
「あっ………うん。…ぐすっ……。
うん、うん!結婚する…私の旦那様は、昔から――ぐすっ」
「たく。もうちょっと良いシーン、考えてたんだけどな」
「…ううん。今、こうして髪撫でてくれてるだけで、私には…ありがと」
「うん、なら良かった」