どうヤレばいいか……ねえ……。
大体同じ部屋にいるとぴとっとくっついてくるけど、だからと言ってOKサインとは限らないんだよな。
その気になってぎゅっと抱きしめると、今日は疲れてるーなんて言われることもある。
ならくっついてくんな!と思わなくもないが、べたべたいちゃいちゃしているだけで結構満足らしい。
まあ、気持ちもわからなくないのだが、滾ってしまっているととても虚しい気分になるぞ。
だから、前もってそんな雰囲気になる前に「今日はエッチしていいか?」と聞いたらムードがないと怒られた。
非常に合理的だと思ったのだが、中々女の子は難しいもんだ。
ディープなキスを何度もして、そのまま耳を甘噛みしたり首筋を唇で撫でたりして胸を触ってそれで抵抗しない時は
そのままいってOKと思って間違いない。
あ、キスは忘れんなよ。女の子はそこが大事らしい。俺たち男はどーしても胸とかま○ことか直接的なところに
興味を持つが、女の子はムードなんだ。そこを間違えると文句を言われるし、下手したらしばらく機嫌が悪い。
めんどくさい?そうだなあ……正しい答えを出すためにはきっちり順番を間違えず計算しなきゃならないだろ?
女の子もそれと同じだ。でないと、計算間違いして変な答えが出る結果になる。気をつけろよ。
服は……好きにしたらいいんじゃないかな。全部脱いで抱き合うのがいい人もいるし、着衣の方が恥ずかしくないという人もいるみたいだ。
優子は……まあ…………えっと、その日の気分。
……いいじゃないか!あんまり詳しく話したなんてバレると大変なことになるんだよ!
順番としては胸を触ってムードが出てきたら……つまり結構感じてきたら、ゆっくり胸から手を体沿いに下ろしていって
尻とか局部とかにいけばいい。
それで雰囲気で流してヤレるかって?……それは知らん。
怒られないか?……怒られたら言い訳するんだよ。えーと、あんまり可愛かったから、とか、好きなんだ、
とかそういうことを言えばなんとかまるくおさまるんじゃないかな。
つまり『君が魅力的だからふらっときちゃったんだー。好きだからだよ』みたいなことを言えば、嫌われることはないって。
ホス……!!違う!慣れと言ってくれ。慣れと。
……え?もっと詳しくはちょっと……。
……お前本当に聞きたいのか?詳しいところを聞いて次から優子と普通に応対できるか?
妙な行動するとバレるんだぞ。ほんとーに聞きたいのか?
優子と俺が、友人と友人が詳しくナニやってるか、ほんとーに聞きたいのか?
……うん。わかればいいんだ。
ああ。じゃあまたな。智恵さんにもよろしく。
ブツッと携帯を切る。
賢は相変わらずやっぱり賢だ。
どういう意味かと言われたら困るが、なんというか、離れても友人が友人のまま昔っぽい間柄というのは嬉しい。
人付き合いがよく、百大にだってたくさん友人がいるだろうに、こういう話をわざわざ俺にしてくるところが嬉しいというか。
変わらぬ友情とか言うとクサい感じで体がかゆくなるが、こういうのはなんだかいいものである。
なんでも、賢は最近、後輩の子といい感じらしく、告白してつきあえたらいいなあと思っているらしい。
まだ告白してないのに初体験の心配というのも気が早い話だが、まあ妄想は自由だ。
いい感じと思いつつダメになる、というのが賢のいつものパターンだが、今度は賢が言うとおり本当に上手くいくのかもしれないし。
智恵さんの方も、たまに彼氏ができたと思ったらすぐ別れたりしているらしい。
……正直、賢は智恵さんとつきあうのかと思っていたが、そうもすんなりはいかないようだ。
従姉弟で幼なじみ、というだけでなくあの二人は、むしろ姉弟のようなものだ。
ずっと一緒にいただけに、他の選択肢はないのだろうかとお互い足掻いているようにも思える。
まあ、最後は結局落ち着くところに落ち着く気はするのだが、もしかしたら別の相手とまとまるのかもしれない。
こればかりは神ならぬ身である俺にはわからないことだ。
「秀くん、何考えてるの?」
「いテえっ!!!!優子そこは握るなっ!潰れる!俺のタマが潰れるうっ!」
自分の性器を触られている時に他のことを考えるのは、文字通り命がけである。俺は我に返って慌てた。
さっきまで賢と電話をしていたのだが、そのことを思い出していたのを気付かれたらしい。
ちなみに、俺たちは今真っ裸である。
優子の部屋のベッドに腰掛けた俺の脚の間で、優子が俺の性器を口に含んだり嘗めたり握ったりしているのだ。
いや、つまりフェラチオってやつだけどな。
「いや、優子も上手くなったなあって……昔はぎこちなかったのになあ」
上目遣いで不機嫌そうに俺を睨んでいる優子に慌ててフォローする。
だって俺のモノは今、まさしく優子の手のひらの上だ。その恐怖。わかるだろ?
「まあね。いっぱい勉強したからね」
一転、機嫌をなおした優子は嬉しそうに俺のを撫でた。はにかんで笑う。
実はこいつは最初から上手かった。
実践ははじめて、とか言っていたから本やインターネットや友人からの耳学問であることは確かだが、それを差し引いても
上手かった。慣れない俺はすぐにイカされてしまったものである。
知能の高い人間はエロいという説をどこかで聞いたことがあるが、学習能力やコツをつかむのが上手いという点に注目すると
つまりどちらも同じようなものなのかもしれない。
「秀くんにはいっぱい気持ちよくなって欲しいもんね」
清純派アイドルのようなあどけない笑顔で、大きくあけた口にぱっくり俺のをくわえ込む様は本当にいやらしい。
優しく鈴口を舌で撫でた後、横笛を吹くように根元まで円を描くように舌でたっぷり嘗め回し、それと共に袋をやわやわと揉みしだく。
俺の息が荒くなってきたのを見ると、喉奥まで俺のを飲み込んで、顔ごと上下させ、時折吸い上げる。
温かい唾液と口内と、まとわりつく舌がなんとも言えず快感だ。
「く……優子……」
優子が強く吸い上げる。そのまま出していいと言う合図だ。
優子の頭を掴んで固定させ、湧き上がる熱を解放する。
「んんっ……んっ!」
くぐもった呻き声と、ごくりごくりと飲み下す音がする。
「……んぷっ!」
口から飲みきれなかった白濁が泡になって噴出す。
苦しいだろうに、俺が全部射精し終わるまで、たとえ俺がひきはがそうとしても優子は離れない。
「ん……は……」
そんなに長くもない射精が終わり、優子の頭が俺から離れる。俺のモノと優子の口の間に白い糸が引いた。
「ん……じゃあ、ちょっと口ゆすいでくるね」
口元を拭って裸のまま優子が立ち上がる。
「別に俺はこのままでいいのに」
「だって秀くんにもっとキスして欲しいもん。やっぱり自分の味がしたらヤでしょ?」
「……まあ……」
そりゃイヤに決まってるが、じゃあそれを優子に飲ませている自分はどうかと言われたら、なんだかなと思わなくもない。
優子なりの気遣いなんだろうし、ついつい甘えてしまう。
まあ、優子が口をゆすいでいる間はもちろんえっちは中断だし、行儀良く裸でベッドで待っているのは間抜けといえなくもないが
そこに文句を言うのはわがままというものだろう。
戻ってきたら、次は俺のターンだ。
中断でお互いに冷えてしまった体を温めるように抱き合ってこすりあわせる。
キスをして舌をからめながら、頭や腕、腰や尻をゆるゆる撫でて、温まってきたところで胸を揉む。
こりこりした乳首を舌で責めながら、クリトリスを愛撫する。
優子はクリトリスがものすごく感じるらしい。他の部分はそっけないほどに綺麗で白く、控えめで小ぶりなのに、なぜか
クリトリスは大きくてずるむけだ。
既に勃ち上がっているそれを優しく撫でるだけで、いやらしい声をあげて体を仰け反らせる。
「秀くん、早く挿れてぇ」
「何を?」
俺が聞くと、ほわんと嬉しそうに笑う。
「秀くんのおちんちんが欲しいの。挿れていっぱい動かしてぇ」
優子はこういう卑語を言うのが嫌いではないらしい。むしろ興奮してくると自分から言いたがる。
恥らう相手に言わせるという楽しみがないのは寂しいが、これはこれでエロいのでいい。
「じゃあ、いくぞ」
軽くしごいてかたくすると、ベッドの脇に置いてあるコンドームを手際よく装着する。
優子を横に寝かせ、足を開く。
松葉崩しの体制になるように圧し掛かってゆっくりと焦らすように挿し入れると、ため息のような甘い吐息を漏らし、喘いだ。
突然だが、今日の目標は、優子をナカでイカせることである。
クリトリスが好きな優子をクリトリスでイカせたことはある。挿れながらクリをいじると優子は結構あっさりイってしまう。
しかし、やっぱり男としてはコレでイカせたいと思うのが人情というやつだろう。
特に最近はフェラが上手くなってきた優子に押されがちである。ここらで一発逆転を狙いたいところだ。
幸い俺のモノは少し細めだが、実はかなり長い。優子に全部挿して根元が少し余る程だ。
最終的な目標としてはボルチオ性感である。それ以外にも体位をいろいろ試して優子のイイところをじっくりとさぐって……。
「…………う?!」
優子の膣がきゅっとしまり、脳天まで快感が突き抜けた。
「な……んだ?」
なんとか息を整え、優子を見ると、いたずらっぽい顔でにやりと笑った。
「よかったでしょ?」
言葉と共に、優子の腰が蠢き、またきゅっと膣が締まる。
「うわっ!」
「ここ、しめると男の人はすごくいいんだってね。秀くんも気持ちいいんだぁ」
ぬるぬるした膣が何度も俺のものを揉みあげるようにしごく。
「毎日ここを締める運動して鍛えたんだよ。いっつも秀くんにすぐイカされちゃうから、ちょっと悔しかったんだ」
そもそも俺はそんなに耐久力がある方ではない。というか、むしろ……少し、早いのだ。
優子の腕が俺の背中をゆっくりと撫でる。首筋を甘く噛まれ、押し当てられた柔らかい胸が俺の乳首を刺激する。
外も中も絡みつかれ絞り上げられるような快感のなか、俺はあっさりと射精した。
「ふふ。秀くん、可愛い」
完敗だった。
なんだろう。俺たちはそもそもやっぱり最初から競争することが運命なのかもしれない。
最高の頭脳に誰もが認める美人、家事も万能(掃除除く)ときたら、それどんなエロゲ、だ。
いや、エロゲでもこんなオーバースペックはまずない。
けれどもそれは罠だ。
優子は俺に尽くしたいだの俺を立てるようなことを言いながら、やっぱり俺を支配したくてたまらないのだ。
それに溺れてしまえるような優しくてへたれな主人公になってしまえれば俺も楽なんだろうが、俺だって男の矜持ってやつがある。
優子に何もかも甘やかされてそれで人生いいとは思えない。
俺は負けず嫌いで、オンリーワンよりナンバーワンがいいのだ。
ある意味それは不幸かもしれないが、これは生まれもった性格で、変えることは出来ない。
というわけで、俺は今、唸りながらインターネットの画面とにらめっこしている。
膣締めという技を会得してしまった優子に、哀しいかな早い俺の息子では対抗できない。
ならば……道具……。
しかしなあ、そこに頼ってしまうのはどうよ。男としてどうよ。
……いや、ローターぐらいなら、そんなに大したことない遊び感覚で使えるだろうか。
優子の弱点であるクリで失神するまで散々イカせれば……。
それともプレイの方向にいくか?SMとか?
あんまり重度のSMは俺自身がイヤだが、軽く縛ったり目隠ししたりする程度なら擬似的な上下関係ができて優位にたてるかもしれない。
目隠しと道具で放置とか……。
でもそれって本当の優位と言えるのか?
うーん、と腕を組んでバカな悩みを抱えながら、俺はひたすら唸った。
結局俺と優子は、一緒にいる限り、果てしなく主導権争いを繰り広げることになるのかもしれない。
めんどくさいけど、仕方ないともいえるだろう。俺は結局、優子から逃げられないんだから。
だって、それはつまり……惚れた弱みってやつだからだ。